GTK

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関連記事

GTK ウェブサイト より:

GTK もしくは GIMP ツールキットはグラフィカルユーザーインターフェースを作成するためのマルチプラットフォームのツールキットです。ウィジェットの完全なセットを提供することで、GTK はちょっとしたツールから完全なアプリケーションスイートまで幅広いプロジェクトに適しています。

当初 GTK は GNU プロジェクトによって GIMP のために作成されました、しかしながら現在ではさまざまな言語のバインディングの存在する人気のあるツールキットになっています。この記事では GTK テーマ・スタイル・アイコン・フォント・フォントサイズを設定するのに使うツールと手動設定の方法を説明します。

目次

インストール

複数の GTK バージョンが現在利用可能です。以下のパッケージによってそれらはインストールできます:

  • GTK 4.xgtk4 パッケージでインストールできます。
  • GTK 3.xgtk3 パッケージでインストールできます。
  • GTK 2.xgtk2 パッケージでインストールできます。
  • GTK 1.xgtkAUR パッケージでインストールできます。

テーマ

GTK 3 と GTK 4

GTK 3 と GTK 4 では、デフォルトテーマは Adwaita ですが、HighContrast テーマと HighContrastInverse テーマも含まれています。

特定のテーマを適用するには、dconf エディタから org.gnome.desktop.interface 名前空間内の gtk-theme プロパティを設定してください:

$ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-theme Adwaita
ノート: libadwaita ベースの GTK 4 アプリケーションでは、GTK テーマに特殊なサポートが存在している必要があり、かつ、GTK_THEME 環境変数を使って GTK テーマを強制する必要があります。あるいは、libadwaita のパッチ適用済みのバージョン libadwaita-without-adwaita-gitAUR を使用する必要があります。

dconf プロパティを使用しない場合は、GTK_THEME 環境変数を使って GTK 3 と GTK 4 のテーマを適用することができます。例えば、GNOME Calculator を Adwaita のダークバージョンを使って起動するには:

$ GTK_THEME=Adwaita:dark gnome-calculator
ヒント: デスクトップショートカット (またはランチャー) から一つのアプリケーションに対して GTK テーマを適用する方法については、デスクトップエントリ#環境変数の変更 を見てください。
ノート: 対応する XDG デスクトップ ポータルを使用しない場合は、GSettings で設定したテーマを選択するために ADW_DISABLE_PORTAL=1 環境変数を設定する必要があるかもしれません。https://gitlab.gnome.org/GNOME/libadwaita/-/commit/e715fae6a509db006a805af816f9d163f81011ef を参照してください。

GTK 2

GTK 2 のデフォルトのテーマは Raleigh ですが、Arch Linux には、デフォルトのテーマを Adwaita に設定するカスタムの設定ファイルが /usr/share/gtk-2.0/gtkrc に存在しています。

GTK 2 のテーマを変更するには、GTK2_RC_FILES 環境変数を使用してください。例えば、Raleigh テーマで GIMP を起動するには:

$ GTK2_RC_FILES=/usr/share/themes/Raleigh/gtk-2.0/gtkrc gimp
ヒント: gtkrc は、任意の #設定ツール で作成されたホームディレクトリ内のカスタムファイルにすることもできます。#例 を見てください。

公式リポジトリや AUR から他のテーマをインストールすることができます。手動で展開されたテーマは ~/.themes/~/.local/share/themes/ ディレクトリに配置します。

GTK 2 と GTK 3 をサポートしているテーマ

  • Adapta — マテリアルデザインガイドラインに基づいている GTK テーマ。次のテーマが含まれています: Adapta, Adapta-Eta, Adapta-Nokto, Adapta-Nokto-Eta
https://github.com/tista500/Adapta || adapta-gtk-theme
  • Arc — モダンで透過するエレメントを備えたフラットテーマ。次のテーマが含まれています: Arc, Arc-Dark, Arc-Darker
https://github.com/jnsh/arc-theme || 透過あり: arc-gtk-theme, 透過なし: arc-solid-gtk-theme
  • Bluebird — Xfce 用の Blue Desktop Suite。
https://github.com/shimmerproject/Bluebird || xfce-theme-bluebirdAUR
  • Breeze — KDE のデフォルトウィジェットテーマの GTK バージョン。次のテーマが含まれています: Breeze, Breeze-Dark
https://invent.kde.org/plasma/breeze-gtk || breeze-gtk
  • Deepin — Deepin デスクトップのデフォルトテーマ。次のテーマが含まれています: deepin, deepin-dark
https://github.com/linuxdeepin/deepin-gtk-theme || deepin-gtk-theme
  • GNOME Extra Themes — GNOME デスクトップの追加テーマ。次のテーマが含まれています: Adwaita, Adwaita-dark, HighContrast
https://gitlab.gnome.org/GNOME/gnome-themes-extra || gnome-themes-extra
  • Greybird — グレーとブルーの Xfce テーマ。Xubuntu 12.04 のデフォルト。
https://github.com/shimmerproject/Greybird || xfce-theme-greybirdAUR
  • Materia — GTK3, GTK2, GNOME-Shell に対応しているマテリアルデザインライクなフラットテーマ。
https://github.com/nana-4/materia-theme || materia-gtk-theme
  • MATE Themes — MATE デスクトップのデフォルトテーマ。次のテーマが含まれています: BlackMATE, Blue-Submarine, BlueMenta, ContrastHighInverse, Green-Submarine, GreenLaguna, Menta, TraditionalGreen, TraditionalOk
https://github.com/mate-desktop/mate-themes || mate-themes
  • Numix — 近代的な外観をしているフラットで明るいテーマ (GNOME, Openbox, Unity, Xfce)。次のテーマが含まれています: Numix
https://github.com/numixproject/numix-gtk-theme || numix-gtk-theme-gitAUR
  • Vertex — GTK 3, GTK 2, Gnome-Shell, Cinnamon のためのテーマ。
https://github.com/horst3180/vertex-theme || vertex-themesAUR
  • Zuki — GTK, gnome-shell などのためのテーマ。
https://github.com/lassekongo83/zuki-themes || zuki-themesAUR

AUR にもいくつか GTK テーマが存在します。例えば、gtk-theme で検索

GTK と Qt

デスクトップで GTK と Qt (KDE) アプリケーションを使っているならば、それらの見た目が上手く調和しないことに気づくでしょう。GTK スタイルと Qt スタイルを調和させたい場合は Qt と GTK アプリケーションの外観の統合を読んで下さい。

設定ツール

主流のデスクトップ環境の多くは GTK テーマやアイコン、フォントやフォントサイズを設定するためのツールを提供しており、XSettings で設定を管理しています:

  • Cinnamon を使っている場合、Themes ツールを使って下さい (cinnamon-settings themes): System Settings > Themes を開いて下さい。
  • Enlightenment を使っている場合: Settings > All > Look > Application Theme を開いて下さい。
  • GNOME を使っている場合、GNOME Tweaks (gnome-tweaks): gnome-tweaks をインストールして下さい。
  • MATE を使っている場合、Appearance Preferences ツールを使って下さい (mate-appearance-properties): System > Settings > Appearance を開いて下さい。
  • Xfce を使っている場合、Appearance ツールを使って下さい: Settings > Appearance を開いて下さい。

通常、他の GUI ツールは設定ファイルを上書きします。

GTK 2 と GTK 3 の両方をサポートしているツール:

  • nwg-look — wlroots 環境で動作するように変更された GTK3 設定エディタ。
https://github.com/nwg-piotr/nwg-look || nwg-look
インストール後、nwg-lookPreferences > GTK Settings に追加されます。
  • KDE GTK Configurator — GTK 2 と GTK 3 アプリケーションのスタイルやフォントを変更することができるアプリケーション。
https://invent.kde.org/plasma/kde-gtk-config || kde-gtk-config
インストール後、kde-gtk-configSystem Settings > Appearance > Application Style > Configure GNOME/GTK Application Style から使用できます。
  • LXAppearance — LXDE プロジェクトによる、デスクトップに依存しない GTK 2 と GTK 3 のスタイル設定ツール (LXDE デスクトップの他のパーツを必要としません)。
https://github.com/lxde/lxappearance || lxappearance-gtk3
  • Oo-mox — Numix と Flat-Plat テーマ (GTK 2, GTK 3) や Archdroid と Gnome-Colors アイコンテーマの様々なカラーバリエーションを生成するためのグラフィカルアプリケーション。HiDPI ディスプレイ用にスケールした GTK 2 テーマも生成できます。
https://github.com/actionless/oomox || themix-full-gitAUR

GTK 2 だけをサポートしているツール:

  • GTK Change Theme — GTK 2.0 のテーマを変更するためのプログラム (switch2 より優れた代替ツールと見なされています)。
http://plasmasturm.org/code/gtk-chtheme/ || gtk-chtheme
  • GTK Preference Tool — GTK テーマの選択とフォントの切り替えプログラム。
https://gtk-win.sourceforge.io/home/index.php/Main/GTKPreferenceTool[リンク切れ 2024-07-30] || gtk2_prefsAUR
  • GTK Theme Switch — シンプルな GTK テーマスイッチャ。
http://muhri.net/nav.php3?node=gts || gtk-theme-switch2AUR

設定

設定ファイルで GTK の設定を手動で指定することもできます。ただしデスクトップ環境やアプリケーションは手動設定を上書きしてしまうことがあります。GTK のバージョンによって、設定ファイルの場所は異なっています:

  • GTK 2 ユーザー個別: $GTK2_RC_FILES~/.gtkrc-2.0
  • GTK 2 システム全体: /etc/gtk-2.0/gtkrc
  • GTK 3 ユーザー個別: $XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini$XDG_CONFIG_HOME が設定されていない場合は $HOME/.config/gtk-3.0/settings.ini
  • GTK 3 システム全体: /etc/gtk-3.0/settings.ini
ノート:
  • 現在サポートされている GTK の設定オプションの完全なリストについては、GTK プログラミングリファレンスマニュアルの GTK4GTK3GtkSettings properties (そして GTK 2 properties) を見てください。
  • 以下で説明している設定のうちいくつか (gtk-icon-sizes など) は GTK 3.10 から非推奨となっており、無視されます。
  • GTK の設定ファイルを編集した場合、変更が適用されるのは新しく起動したアプリケーションからです。

テーマの基本設定

GTK テーマやアイコン、フォントやフォントサイズを手動で変更するには、例えば以下のように設定ファイルに追加します:

  • GTK 2:
~/.gtkrc-2.0
gtk-icon-theme-name = "Adwaita"
gtk-theme-name = "Adwaita"
gtk-font-name = "DejaVu Sans 11"
  • GTK 3:
$XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini
[Settings]
gtk-icon-theme-name = Adwaita
gtk-theme-name = Adwaita
gtk-font-name = DejaVu Sans 11

テーマが GTK 3 に対して適用されない場合、加えて gsettings を使用してください:

$ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-theme theme_name

同じように、アイコンテーマが GTK3 に適用されない場合は、gsettings を使って:

$ gsettings set org.gnome.desktop.interface icon-theme icon_theme_name

アイコンを手動でダウンロード・インストールする方法については、アイコン を見てください。

ノート: gtk-icon-theme-namegtk-theme-name は、テーマのディレクトリの名前です。テーマの index.theme における Name プロパティの値ではありません。

ダークテーマ

GTK 3 テーマの中には派生のダークテーマが存在することがありますが、アプリケーションによって明示的に使うように設定されない限り、デフォルトで使われることはありません。全ての GTK 3 アプリケーションでダークテーマを使うには、以下を設定:

gtk-application-prefer-dark-theme = true

GTK 4 に対しては、以下を使用してください:

$ gsettings set org.gnome.desktop.interface color-scheme prefer-dark

キーボードショートカット

マウスをメニューアイテムの上に乗せて設定したいキーの組み合わせを押すことで GTK アプリケーションのキーボードショートカット (GTK では accelerators とも呼ばれます) を変更することができます。この機能を有効にするには、次を設定してください:

gtk-can-change-accels = 1

Emacs キーバインド

GTK アプリで Emacs ライクなキーバインドを使うには以下を追加します:

~/.gtkrc-2.0
gtk-key-theme-name = "Emacs"
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings]
gtk-key-theme-name = Emacs

GTK 3 に対しては、以下も実行してください:

$ gsettings set org.gnome.desktop.interface gtk-key-theme "Emacs"

XFCE にも同じような設定が存在します:

$ xfconf-query -c xsettings -p /Gtk/KeyThemeName -s Emacs

キーバインドを宣言する

/usr/share/themes/Emacs/ などにある設定ファイルは、Emacs バインドを指定したり、変更したりできます。

/usr/share/themes/Emacs/gtk-2.0-key/gtkrc
binding "gtk-emacs-text-entry"
{
  bind "<ctrl>b" { "move-cursor" (logical-positions, -1, 0) }
  ...
}
/usr/share/themes/Emacs/gtk-3.0/gtk-keys.css
@binding-set gtk-emacs-text-entry
{
  bind "<ctrl>b" { "move-cursor" (logical-positions, -1, 0) };
  ...
}

セクションを GTK 2 と 2 に対してそれぞれ ~/.gtkrc-2.0~/.themes/your-new-key-theme/gtk-3.0/gtk-keys.css にコピーすることで、ユーザー毎に設定を変更できます。

GNOME メニューの遅延

この設定は GNOME でマウスをメニューに置いた時にメニューが開くまでの待ち時間を決めます。数値はミリ秒単位です。

gtk-menu-popup-delay = 0

ウィジェットのサイズを小さくする

小さな画面を使っていて大きなアイコンやウィジェットを表示したくない場合、簡単にサイズを変えることができます。

ツールバーのアイコンに文章を表示しないようにするには (有効値)、次を使って下さい:

gtk-toolbar-style = GTK_TOOLBAR_ICONS

小さいアイコンを使うには、次のような行を使って下さい:

gtk-icon-sizes = "panel-menu=16,16:panel=16,16:gtk-menu=16,16:gtk-large-toolbar=16,16\
:gtk-small-toolbar=16,16:gtk-button=16,16"

ボタンからアイコンを完全に削除するには:

gtk-button-images = 0

メニューからアイコンを削除することもできます:

gtk-menu-images = 0

[1][2] も参照。

CSD ボタンを隠す

Client-Side Decorations (CSD)[3] の最小化・最大化ボタン を gtk3 ウィンドウから削除するには:

gtk-decoration-layout=menu:close

GTK docs を参照。

マウスの貼り付け機能を無効化

マスクの中ボタンをクリックした際のクリップボード (PRIMARY セレクション) からの貼り付けを無効化するには:

gtk-enable-primary-paste=false

ファイル選択ダイアログのデフォルトフォルダ

最近使われたフォルダではなく現在の作業ディレクトリでファイル選択ダイアログを開くようにします。通常、現在の作業ディレクトリホームディレクトリです。

GTK 3

イカのコマンドで設定を変更してください:

$ gsettings set org.gtk.Settings.FileChooser startup-mode cwd

GTK 2

以下を ~/.config/gtk-2.0/gtkfilechooser.ini に追加してください:

StartupMode=cwd

スクロールの旧式の挙動

ノート: この設定が適用されない GTK アプリケーションもあります。
ヒント: 左クリックではなく右クリックを使うことでも昔のようなスクロールの挙動をさせることができます。

GTK 3.6 以前では、スクロールバーのスライダーの両側をクリックすると、クリックした方向にスクロールバーが丁度一ページ分だけ移動するようになっていました。GTK 3.6 から、スライダーはクリックした位置に直接移動するようになっています。以下の内容のファイルを作成することで、アプリケーションによっては前の挙動に戻すことが可能です:

~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings]
gtk-primary-button-warps-slider = false

オーバーレイスクロールバーを無効化

GTK 3.15 から、オーバーレイスクロールバーがデフォルトで有効になっており、GTK 3 アプリケーションではマウスを乗せたときだけしかスクロールバーが表示されないようになっています。次の環境変数を設定することで元のスクロールバーに戻せます: GTK_OVERLAY_SCROLLING=0環境変数#グラフィック環境 を参照。

あるいは、GTK 3.24.9 からは GTK 3 の設定でオーバーレイスクロールバーを無効化できます。設定ファイルの [Settings] セクションで gtk-overlay-scrolling の値を false に設定してください:

~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings]
gtk-overlay-scrolling = false

GTK 4 は、もはや GTK_OVERLAY_SCROLLING をサポートしていません。master から削除されました。GTK 4 では、スクロールバーのオーバーレイはツールキットの一部です。blanket toggle は、両方の組み合わせでテストしていないアプリケーションが壊れてしまうのを防ぐために削除されました。アプリケーション開発者がアプリの見た目を決定できるように、ツールキットは、オプトアウトあるいは設定を削除するメカニズムをユーザに提供しています。gtk_scrolled_window_set_overlay_scrolling() 関数を使って、アプリケーションごとにオーバーレイスクロールを有効化/無効化できます。アプリケーション開発者は、任意で GSettings を使ってユーザの設定をプロパティにバインドできます。

オーバーレイスクロールのインジケータを削除

オーバーレイスクロールバーの位置はアプリケーションウィンドウの細い破線で示されます。たとえ上述の環境変数を使ってオーバーレイスクールを無効化しても破線は消えません。インジケータの線を消すには、以下のファイルを作成してください:

~/.config/gtk-3.0/gtk.css
/* Remove dotted lines from GTK 3 applications */
undershoot.top, undershoot.right, undershoot.bottom, undershoot.left { background-image: none; }

GTK の設定例:

ノート: 一部のデスクトップ環境 (例えば、GNOME) では無視される場合があります。
~/.gtkrc-2.0
gtk-theme-name="Arc-Dark"
gtk-icon-theme-name="breeze-dark"
gtk-font-name="Sans 11"
gtk-cursor-theme-name="Breeze_Amber"
gtk-cursor-theme-size=0
gtk-toolbar-style=GTK_TOOLBAR_BOTH_HORIZ
gtk-toolbar-icon-size=GTK_ICON_SIZE_SMALL_TOOLBAR
gtk-button-images=0
gtk-menu-images=0
gtk-enable-event-sounds=0
gtk-enable-input-feedback-sounds=0
gtk-xft-antialias=1
gtk-xft-hinting=1
gtk-xft-hintstyle="hintslight"
gtk-xft-rgba="rgb"
~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings]
gtk-theme-name=Arc-Dark
gtk-icon-theme-name=breeze-dark
gtk-font-name=Sans 11
gtk-cursor-theme-name=Breeze_Amber
gtk-cursor-theme-size=0
gtk-toolbar-style=GTK_TOOLBAR_BOTH_HORIZ
gtk-toolbar-icon-size=GTK_ICON_SIZE_SMALL_TOOLBAR
gtk-button-images=0
gtk-menu-images=0
gtk-enable-event-sounds=0
gtk-enable-input-feedback-sounds=0
gtk-xft-antialias=1
gtk-xft-hinting=1
gtk-xft-hintstyle=hintslight
gtk-xft-rgba=rgb
# gtk-decoration-layout=menu:close
# gtk-application-prefer-dark-theme=1

GDK バックエンド

GDK (GTK の抽象レイヤー) は GTK アプリケーションを表示するための複数のバックエンドをサポートしています。

Wayland バックエンド

GDK Wayland バックエンドは gtk3 及びそれ以降でのみサポートされており、Wayland ディスプレイサーバを使用する際のデフォルトバックエンドとなっています。

gtk3 より前のバージョンの GTK を使っているアプリケーションは Wayland をサポートしておらず、X11 バックエンドを使って Wayland セッションで実行するために Xwayland を使う必要があります。

Wayland バックエンドを使用する際、一部の変数は settings.ini から source されません。 GSettings スキーマ org.gnome.desktop.interface 内に存在しているキーが、settings.ini の代わりにそこから読み込まれます。

そのような変数の例は gtk-color-schemeicon-theme です。Wayland 下で GTK アプリケーションにテーマを適用させるために、これらはキーを GSettings で設定しなければなりません。あるいは、テーマだけをカスタマイズすればよいのであれば、環境変数 GTK_THEME を使用できます。

これに関する詳細は、sway wiki の関連する記事を参照してください。

Xorg バックエンド

Xorg ディスプレイサーバが使用されている場合、バックエンドのデフォルトは自動的に x11 になります。

環境変数 GDK_BACKEND=x11 を設定することで、Wayland セッション上で動作する GTK 3 アプリケーションに Xwayland を通して X11 バックエンドを使用するように強制することが可能です。

Broadway バックエンド

GDK Broadway バックエンドは HTML5 とウェブソケットを使って、ウェブブラウザに GTK アプリケーションを表示することをサポートしています。 [4]

broadwayd を使うときには、X と同じようにコロンを前に付けて、使用するディスプレイ番号を指定してください。デフォルトのディスプレイ番号は 0 です。

$ display_number=:5

次のコマンドで起動します。

$ broadwayd $display_number 

デフォルトで使われるポートは:

port = 8080 + $display_number

ブラウザで http://127.0.0.1:port を開いてください。

アプリを起動するには:

$ GDK_BACKEND=broadway BROADWAY_DISPLAY=$display_number <<application>>

また、アドレスやポートを設定することも可能です:

$ broadwayd --port $port_number --address $address $display_number

トラブルシューティング

GTK 2 と GTK 3 アプリケーションでテーマが異なる

通常、選択したテーマが GTK 2 と GTK 3 の両方をサポートしている場合、GTK 2 と GTK 3 アプリケーションの両方にテーマが適用されます。選択したテーマが GTK 2 しかサポートしてない場合、GTK 2 アプリケーションにはそのテーマが使われ、GTK 3 アプリケーションにはデフォルトの GTK テーマが使われます。選択したテーマが GTK 3 しかサポートしていない場合、GTK 3 アプリケーションにはそのテーマが使われ、GTK 2 アプリケーションにはデフォルトの GTK テーマが使われます。UI の外観を統一するために GTK 2 と GTK 3 両方をサポートしているテーマを使うと一番良い結果が得られます。

インストールしたテーマでどれが GTK 2 と GTK 3 両方のバージョンを持っているか調べるには次のコマンドを使って下さい (空白が含まれている名前はひっかかりません):

find $(find ~/.themes /usr/share/themes/ -wholename "*/gtk-3.0" | sed -e "s/^\(.*\)\/gtk-3.0$/\1/") -wholename "*/gtk-2.0" | sed -e "s/.*\/\(.*\)\/gtk-2.0/\1"/

root アプリケーションにテーマが適用されない

ユーザーテーマファイル ($XDG_CONFIG_HOME/gtk-3.0/settings.ini, ~/.gtkrc-2.0) は他のアカウントからは読み込まれないため、選択したテーマは root で動かしている X アプリケーションには適用されません。以下のような解決方法があります:

  • シンボリックリンクを作成してください。例:
# ln -s $HOME/.gtkrc-2.0 /etc/gtk-2.0/gtkrc
# ln -s $HOME/.config/gtk-3.0/settings.ini /etc/gtk-3.0/settings.ini
  • システム全体にテーマファイルを設定: /etc/gtk-3.0/settings.ini (GTK 3) or /etc/gtk-2.0/gtkrc (GTK 2)
  • テーマを root で設定:
# lxappearance
  • 設定デーモンを使用 (ほとんどのデスクトップ環境では設定デーモンが使われています)。デスクトップに依存しない XSettings を使うデーモンは xsettingsd-gitAUR でインストールできます。

クライアントサイドデコレーション

GTK 3.12 から クライアントサイドデコレーション が導入されており、タイトルバーはウィンドウマネージャから取り去られています。これによって タイトルバーが二重になる、タイトルバーが全く表示されない、コンポジットを有効にした場合に 影が二重に表示される などの問題が発生することがあります。

(タイル型ウィンドウマネージャを使っている場合などに発生する) ウィンドウの周りの影と枠を消すには、以下のファイルを作成してください:

~/.config/gtk-3.0/gtk.css
.window-frame, .window-frame:backdrop {
 box-shadow: 0 0 0 black;
 border-style: none;
 margin: 0;
 border-radius: 0;
}

.titlebar {
 border-radius: 0;
}

.window-frame.csd.popup {
  box-shadow: 0 1px 2px rgba(0, 0, 0, 0.2), 0 0 0 1px rgba(0, 0, 0, 0.13);
}

.header-bar {
  background-image: none;
  background-color: #ededed;
  box-shadow: none;
}
/* タイトルが二重になるのが気に食わない場合は、これを使うと良いでしょう。
GtkLabel.title {
    opacity: 0;
}*/

視覚的な問題が続く場合、ここ[5]で説明されているように GTK Inspector を使って問題のある要素を探すと良いでしょう。

ヘッダーバーのボタンを調整するには、gtk-decoration-layout の設定を使います [6]。以下の例では全てのボタンを削除します:

~/.config/gtk-3.0/settings.ini
gtk-decoration-layout=menu:

クライアント側の装飾も無くすには、装飾をデフォルトで無効化するパッチが含まれている gtk3-classicAUR を使うことができます。クライアント側の装飾を有効化するには、GTK_CSD環境変数に任意の値を設定してください。

あるいは、gtk3-nocsd-gitAUR を使うこともできます。詳細は README を見てください。

セディーユ ć/Ć ではなく ç/Ç が使われる

Xcompose を使用した解決方法が [7][8] に載っています (US 国際レイアウト)。

accessibility bus に関する警告を表示させない

Gnome Accessibility 機能を使用していない場合、以下のような警告が発生することがあります:

WARNING **: Couldn't connect to accessibility bus:

これらの警告を消すには、NO_AT_BRIDGE=1 を設定してプログラムを実行するか、それをグローバルな環境変数として設定してください。

タイトルバーの背景色がおかしい

GTK テーマの背景色に擬態するウィンドウデコレーションテーマを使用するウィンドウマネージャを使っている場合、GTK 3 アプリケーションでタイトルバーの色がアプリケーションの色と完全に食い違って表示されることがあります。対応策としては、以下のファイルを作成してください:

~/.config/gtk-3.0/gtk.css
/* 背景色を常に使用する */
GtkWindow {
    background-color: @theme_bg_color;
}

/* ツールチップの背景色のオーバーライドを修正する */
.tooltip {
    background-color: rgba(0, 0, 0, 0.8);
}

.tooltip * {
    background-color: transparent;
}

/* Nautilus デスクトップのウィンドウの背景色のオーバーライドを修正する */
NautilusWindow {
     background-color: transparent; 
}

タイル型ウィンドウマネージャでフォーカスイベントがおかしい

ノート: 以下の設定は GTK3 アプリケーションのタッチスクリーンのサポートを無効化します [9]

GDK_CORE_DEVICE_EVENTS=1定義して xinput2 の代わりに GTK2 のスタイル入力を使うようにしてください [10]

GTK 2 のファイルダイアログのサムネイル

gtk2-patched-filechooser-icon-viewAURgtk3-patched-filechooser-icon-viewAUR をインストールすることで GTK のファイル選択ダイアログで、リストの代わりにサムネイルでファイルを閲覧するオプションが作られます。

ボタンとメニューのアイコン

この記事またはセクションの正確性には問題があります。
理由: 問題を説明してください。GDM が使用されている場合、GNOME は settings.ini を無視します。 (議論: トーク:GTK#)

GNOME の Wayland セッション内の一部のアプリケーションで発生します。gtk3-patched-filechooser-icon-viewAUR がファイルが間違って設定されています。これは、他の GTK ベースのデスクトップ環境を試したときに発生する可能性があります。以下が、問題のある値です:

~/.config/gtk-3.0/settings.ini
[Settings]
gtk-button-images=1
gtk-menu-images=1

これらの値を 0 に設定するか、ファイルを削除して GNOME のデフォルト設定を使用してください。

GTK 3 で polkit を使用しない

GTK 3 は印刷に必要な colord で polkit に依存しています。ただし印刷自体は polkit をインストールしていなくても可能です。少なくとも、モノクロ印刷と、パッケージバージョン gtk3-print-backends=3.22.19-2 と colord=1.4.1-1 で機能します。

一部の GTK 2 テーマで UI のカラーパレットしか変化しない

GTK 2 のテーマによっては、UI のコントロールがデフォルトの Raleigh のままで、カラーパレットしか変わらないことがあります。原因はテーマが GTK 2 の Murrine エンジンを必要としているためです (GTK 2 プログラムは標準エラー出力にそのことを吐き出します)。gtk-engine-murrine パッケージをインストールしてください。

GTK file chooser にパッチを適用して通常のタイプを先に使用する

GTK file chooser は、GNOME Files と同じ先行検索機能を使用します。これは非常に煩わしくなる可能性があり、他のデスクトップ環境とうまく適合しません。

一部のアプリケーションは XDG デスクトップ ポータル をサポートしているため、アプリケーションで Native file chooser を使用できます。それが機能しない場合は、たとえば gtk3-classicAUR などのパッチされた GTK を使用して先行入力機能を復元できます。

GTK 4 アプリケーションの文字がぼやける、または正しく表示されない

GTK 4 は、フォントのレンダリング時にヒントを出さずにグレースケールのアンチエイリアシングを行うように変更しました。GTK 3 の挙動の一部を復元する設定が利用できます [11]。HiDPI スクリーン以外に対しては、(2023年8月現在) この設定はデフォルトでオンになっています。これにより、ほとんどのユーザーにとっては良い結果が得られるはずです。サブピクセル・アンチエイリアシングは利用できません。

~/.config/gtk-4.0/settings.ini
[Settings]
gtk-hint-font-metrics=1

GTK 4 アプリケーションが遅い

GTK は新しい GTK レンダラーである ngl (後のバージョンでは vulkan) に移行しました。これは古い gl レンダラーよりもパフォーマンスが悪いので (#6438#6682#6644#6324、その他のイシューもある可能性あり)、GTK 4 アプリケーションが以前よりも重く、多くのリソースを消費してしまう場合があります。

以下の環境変数を設定することで、レンダラーの設定を元に戻すことができます:

GSK_RENDERER=gl
GDK_DEBUG=gl-no-fractional

GTK4 でのレンダリングとスケーリングの問題

gtk4 バージョン 4.15.3 以降、amdvlk を使用していると ウィンドウの周りに黒い境界が現れ、カーソルが異常に大きくなる問題が報告されています。

これは、amdvlkvulkan-radeon に置き換えることで解決します。また、一部のユーザーは GSK_RENDERER=ngl 環境変数を設定することでも問題が解決したと報告しています。

NVIDIA Optimus 環境で dGPU を使用する GTK4 アプリケーション

最近の GTK4 バージョンは vulkan レンダラーを使用しています。これは NVIDIA dGPU で問題を引き起こします。GTK はデバイス列挙時に利用可能な最初の GPU を選択し、さらに NVIDIA は通常、dGPU を最初に列挙するため、NVIDIA dGPU がデフォルトで使用されます。今のところの最も信頼性の高い解決法は、OpenGL ベースのレンダラーに戻すことです。GSK_RENDERER=ngl 環境変数 (あるいは古い GL バックエンドの GSK_RENDERER=glこちらのほうがうまく動く場合があります。) を設定することで OpenGL レンダラーを使用できます。

あるいは、GDK_VULKAN_DEVICE=device_index 環境変数を設定してください。正しいデバイスインデックスを調べるには GDK_VULKAN_DEVICE=list を設定して GTK アプリケーションを実行してください。この方法には、アプリケーションの起動時と終了時に dGPU を使用してしまうという欠点があり、MUX スイッチを使用して dGPU のみのモードに切り替える場合に何らかの形で問題が発生する可能性が高いです。

最後は、__NV_PRIME_RENDER_OFFLOAD=1 __VK_LAYER_NV_optimus=non_NVIDIA_only 環境変数を使って、Vulkan のデバイス列挙で dGPU を最後に置くように NVIDIA ドライバを設定する方法です。この方法はうまく行きはしますが、この環境変数をグローバルに設定するのは非常に悪いアイデアです。なぜなら、この環境変数を設定すると、全ての OpenGL アプリケーションが dGPU を使うようになるからです (__NV_PRIME_RENDER_OFFLOAD=1 が設定されている場合に限り、__VK_LAYER_NV_optimus=non_NVIDIA_only は反映されます。前者の環境変数が設定されていると、OpenGL アプリケーションは dGPU を使うようになるのです。)。

参照

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