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カーネルパラメータ
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[[Category:カーネル]] [[en:Kernel parameters]] [[es:Kernel parameters]] [[pt:Kernel parameters]] [[ru:Kernel parameters]] [[zh-hans:Kernel parameters]] カーネルにオプションを渡してその動作を制御するには、3つの方法があります。 # カーネルを構築するとき、カーネルの {{ic|config}} ファイルで。詳しくは [[カーネル#コンパイル]]を見てください。 # カーネルを起動する際に、コマンドラインパラメーターを使用します(通常は [[Arch ブートプロセス#ブートローダー|ブートローダ]] を介して、または [[ユニファイドカーネルイメージ]] 内でも同様です) # 実行時に {{ic|/proc/sys/}} にあるファイルを通して実行する。(参照 [[sysctl]]) と {{ic|/sys/}} があります。 {{Note|ロード可能なモジュールのオプションは {{ic|/etc/modprobe.d/}} にある ''.conf'' ファイルで設定することができます。[[カーネルモジュール#/etc/modprobe.d/ 内のファイルを使う]] を見て下さい。}} この3つの方式では、設定可能なオプションの有無、名称、指定方法が異なります。このページでは 2 番目の方法 (カーネルコマンドラインパラメータ) についてのみ説明し、Arch Linux で最もよく使われるカーネルパラメータの一覧を示します。 ほとんどのパラメータはサブシステムに関連しており、カーネルがそれらのサブシステムを組み込んで設定されている場合にのみ機能します。また、それらが関連するハードウェアの存在にも依存します。 カーネルコマンドラインパラメータは {{ic|parameter}} または {{ic|1=parameter=value}}、{{ic|1=''module''.''parameter''=''value''}} というフォーマットで表されます。 {{Note| * システムが起動時に使用したパラメーターは、{{ic|cat /proc/cmdline}} を実行することで確認できます。これにより、変更が反映されているか確認できます。 * すべてのカーネルパラメータは大文字と小文字を区別します。 }} == ブートローダーの設定 == {{Note|Arch Linux の [https://archlinux.org/download/ インストールメディア] は、[[UEFI]] システムでは [[systemd-boot]] を、[[Wikipedia:BIOS|BIOS]] システムでは [[Syslinux]] を使用します。}} カーネルパラメーターは、一時的にブートローダーのブート選択メニューでブートエントリーを編集して設定することも、永続的にブートローダーの設定ファイルを変更して設定することもできます。 以下の例では、{{ic|quiet}} および {{ic|splash}} パラメーターを [[GRUB]]、[[GRUB Legacy]]、[[LILO]]、[[Limine]]、[[rEFInd]]、[[Syslinux]]、および [[systemd-boot]] ブートローダーに追加する方法を示します。 === GRUB === *メニューが表示されたら {{ic|e}} を押しパラメータを {{ic|linux}} 行の後ろに加えます: :{{bc|1=linux /boot/vmlinuz-linux root=UUID=978e3e81-8048-4ae1-8a06-aa727458e8ff ''quiet splash''}} :{{ic|b}} を押して加えたパラメータを使って起動します。 *再起動後も変更を持続させるには、{{ic|/boot/grub/grub.cfg}} を開いて上と同じ行を編集することも''できますが''、初心者におすすめの方法は: :{{ic|/etc/default/grub}} を開きカーネルオプションを {{ic|GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT}} 行に追加: ::{{bc|1=GRUB_CMDLINE_LINUX_DEFAULT="''quiet splash''"}} :そして {{ic|grub.cfg}} ファイルを自動生成します: ::{{bc|# grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg}} GRUB の設定について、詳しくは [[GRUB]] を見て下さい。 === GRUB Legacy === *メニューが表示されたら {{ic|e}} を押しパラメータを {{ic|kernel}} 行の後ろに加えます: : {{bc|1=kernel /boot/vmlinuz-linux root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw '''quiet splash'''}} :{{ic|b}} を押して加えたパラメータを使って起動します。 *再起動後も変更を持続させるには、{{ic|/boot/grub/menu.lst}} を開いて上と同じように {{ic|kernel}} 行にパラメータを追加します。 GRUB Legacy の設定について詳しくは [[GRUB Legacy]] を見て下さい。 === LILO === *パラメータを {{ic|/etc/lilo.conf}} に追加します: :{{bc|<nowiki> image=/boot/vmlinuz-linux ... </nowiki>''quiet splash''}} LILO の設定については [[LILO]] により多くの情報があります。 === Limine === * カーネルパラメータを一時的に追加するには、ブートエントリの選択画面が表示されたときに{{ic|e}}を押し、{{ic|kernel_cmdline}} 行を変更します。 : {{bc|1=kernel_cmdline: root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw '''quiet splash'''}} * 変更を永続的に適用するには、{{ic|''esp''/limine.conf}} の {{ic|kernel_cmdline}} 行を編集します。 : {{bc|<nowiki> /+Arch Linux ... kernel_cmdline: root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw </nowiki>'''quiet splash''' }} === rEFInd === * 目的のメニューエントリで {{ic|+}}、{{ic|F2}}、または {{ic|Insert}} を押し、サブメニューエントリでもう一度押します。文字列の最後にカーネルパラメータを追加します。 : {{bc|1=root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw initrd=\boot\initramfs-linux.img '''quiet splash'''}} : {{ic|Enter}} を押して、これらのパラメータで起動します。 *再起動後も変更を適用するには、{{ic|/boot/EFI/arch/refind_linux.conf}} を編集して、パラメータを全ての(もしくは必要な)行に追加してください、例えば: : {{bc|1="Boot using default options" "root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw '''quiet splash'''"}} * rEFInd で OS の自動検知を無効にしていて、代わりに {{ic|/boot/EFI/refind/refind.conf}} で OS を定義して OS をロードしている場合、以下のように編集することができます: : {{bc|<nowiki> menuentry "Arch Linux" { ... options "root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw </nowiki>'''quiet splash'''<nowiki>" ... } </nowiki>}} rEFInd の構成の詳細については、[[rEFInd]] の記事を参照してください。 === Syslinux === *メニューが表示されたら {{ic|Tab}} を押してパラメータを文字列の最後に加える: : {{bc|1=linux /boot/vmlinuz-linux root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw initrd=/boot/initramfs-linux.img '''quiet splash'''}} :{{ic|Enter}} を押して加えたパラメータを使って起動します。 *再起動後も変更を持続させるには、{{ic|/boot/syslinux/syslinux.cfg}} を開き、パラメータを {{ic|APPEND}} 行に加えます: : {{bc|1=APPEND root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw '''quiet splash'''}} Syslinux の設定について、詳しくは [[Syslinux]] を見て下さい。 === systemd-boot === *メニューが表示されたら {{ic|e}} を押して一番末尾にパラメータを追加してください: : {{bc|1=initrd=\initramfs-linux.img root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw '''quiet splash'''}} :{{ic|Enter}} を押すと編集したパラメータで起動が開始されます。 {{Note| * メニュータイムアウトの値を設定していない場合、systemd-boot メニューを表示させるために、起動中に {{ic|Space}} を押し続ける必要があります。 * ブートメニューからパラメータを編集できない場合は、{{ic|/boot/loader/loader.conf}} を編集して {{ic|editor 1}} を追加して編集可能にする必要があるかもしれません。 }} *再起動後も変更を永続的に適用するには、{{ic|/boot/loader/entries/arch.conf}} ([[ビギナーズガイド#UEFI マザーボードの場合|ビギナーズガイド]]の指示通りに [[Unified Extensible Firmware Interface#EFI System Partition|EFI System Partition]] と設定ファイルを設定した場合) を編集して {{ic|options}} 行に以下を追加してください: : {{bc|1=options root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 rw '''quiet splash'''}} systemd-boot に関する詳細は [[systemd-boot]] の記事を見て下さい。 == dracut == [[dracut]] はカーネルパラメータを initramfs に埋め込むことができるので、ブートローダの設定から省略することができます。[[dracut#カーネルコマンドラインオプション]] を参照してください。 == EFI boot stub == [[EFISTUB#UEFI を直接使う]] を見て下さい。 == cmdline をハイジャック == ブートローダーにアクセスすることすらできない場合でも、(root 権限があれば) カーネルパラメータを変更してデバッグを有効にできる可能性があります。その方法とは、カーネルパラメータが保存されている {{ic|/proc/cmdline}} を上書きすることです。{{ic|/proc/cmdline}} は root でも書き込むことができないので、バインドマウントを使ってパスをマスクすることでハイジャックします。 まず、使用したいカーネルパラメータを記述したファイルを作成してください: {{hc|/root/cmdline|2= root=UUID=0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 ro console=tty1 logo.nologo debug }} 次に、バインドマウントを使ってパラメータを上書きします: # mount -n --bind -o ro /root/cmdline /proc/cmdline {{ic|-n}} オプションは {{ic|/etc/mtab}} へのマウントの追加をスキップするため、root が読み取り専用でマウントされていても機能します。{{ic|cat /proc/cmdline}} を実行することでカーネルパラメータが変更されたか確認できます。 == パラメータ一覧 == 以下のリストは完全ではありません。全てのオプションの一覧は、[https://docs.kernel.org/admin-guide/kernel-parameters.html カーネルのドキュメント]を見て下さい。 {| class="wikitable" !パラメータ!!説明 |- | init || {{ic|/sbin/init}} ではなく指定されたバイナリを init プロセスとして実行します。{{pkg|systemd-sysvcompat}} パッケージは、{{ic|/usr/lib/systemd/systemd}} へのシンボリックリンクを {{ic|/sbin/init}} に作成して [[systemd]] を使用します。{{ic|/bin/sh}} を指定することで、シェルを起動するように設定できます。 |- | initrd || 初期 RAM ディスクの場所を指定します。UEFI [[ブートローダー]] や [[EFISTUB]] の場合、パスの区切り文字にはバックスラッシュ ({{ic|\}}) を使用しなければなりません。 |- | [[dm-crypt/システム設定#cryptdevice|cryptdevice]] || [[dm-crypt]] で暗号化されたパーティションの場所と[[Wikipedia:device mapper|デバイスマッパー]]名を指定します。 |- | debug || カーネルのデバッグ (イベントログレベル) を有効化します。 |- | lsm || Linux セキュリティモジュールの初期化順を設定します。[[AppArmor]]、[[SELinux]]、[[TOMOYO]] を有効化するために使用されます。 |- | maxcpus || SMPカーネルが起動時に使用するプロセッサーの最大数を指定します。 |- | mem || 指定された量のメモリを強制的に使います |- | netdev || ネットワークデバイスのパラメータ。 |- | nomodeset || [[カーネルモード設定]] を無効化します。 |- | panic || カーネルパニック時に自動的に再起動するまでの時間。 |- | resume || [[ハイバネート]]から復帰するときに使用するスワップデバイスを指定します。 |- | ro || 起動時にルートデバイスを読み取り専用でマウントします (デフォルト<sup>1</sup>)。 |- | root || ルートファイルシステム。カーネルのサポートされているデバイス名形式については [https://git.kernel.org/pub/scm/linux/kernel/git/torvalds/linux.git/tree/init/do_mounts.c#n254 init/do_mounts.c] を見てください。[[initramfs]] と [[udev]] を使用する場合、[[永続的なブロックデバイスの命名|さらに多くのデバイス名形式]]がサポートされていることに注意してください。 |- | rootflags || ルートファイルシステムのマウントオプション。再マウント (つまり、{{man|8|systemd-remount-fs.service}}) によって適用できないオプションを設定するときに便利です。例えば、[[XFS]] ルートボリュームの {{ic|discard}} オプションがあります。 |- | rw || 起動時にルートデバイスを読み書き可能でマウントします。 |- | systemd.unit || [[systemd#ターゲット|指定されたターゲット]]を起動します。 |- | video || フレームバッファビデオのデフォルト値を上書きします。 |} # {{ic|ro}} も {{ic|rw}} もカーネルコマンドラインで明示的に設定されていない場合、カーネルは {{ic|rw}} を使用します ({{man|7|bootparam|デバイス固有ではない全般を参照 ブート引数}}) ただし、[[mkinitcpio]] はカーネルのデフォルトをオーバーライドするデフォルト値として {{ic|ro}} を使用します ({{man|8|mkinitcpio|EARLY INIT ENVIRONMENT}} を参照) ブートローダーには、独自に設定されたデフォルトがある場合もあります。たとえば、''grub-mkconfig'' は {{ic|rw}} を使用します (リファレンスとして {{Bug|36275}} を参照){{Note|1=mkinitcpio の [[fsck#ブート時間チェック|fsck フック]] ([https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?pid=1303683] を参照) を使う場合、または [[F2FS#一部のオプションで再マウントが不可能|F2FS をルートファイルシステムとして使用する場合]]、{{ic|rw}} が必要です。}} == 参照 == * {{man|7|kernel-command-line}} * [[省電力設定#カーネルパラメータ]] * [http://files.kroah.com/lkn/lkn_pdf/ch09.pdf Kernel Boot Command-Line Parameter Reference]—the chapter 9 of the [http://www.kroah.com/lkn/ Linux Kernel in a Nutshell] by [[Wikipedia:Greg Kroah-Hartman|Greg Kroah-Hartman]]
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