「Distrobox」の版間の差分

提供: ArchWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
(→‎Usage: 翻訳)
(→‎使用方法: 非共有モードを翻訳して追加)
 
(他の1人の利用者による、間の3版が非表示)
1行目: 1行目:
 
[[Category:仮想化]]
 
[[Category:仮想化]]
 
[[Category:サンドボックス]]
 
[[Category:サンドボックス]]
  +
[[en:Distrobox]]
 
Distrobox は、ホストとの緊密な統合を提供しながら、ホストと異なる Linux のコンテナ化されたバージョンをインストールし、あるディストリビューションで設計されたバイナリを別のディストリビューションで実行することを可能にするコンテナのラッピングレイヤーです。
 
Distrobox は、ホストとの緊密な統合を提供しながら、ホストと異なる Linux のコンテナ化されたバージョンをインストールし、あるディストリビューションで設計されたバイナリを別のディストリビューションで実行することを可能にするコンテナのラッピングレイヤーです。
   
74行目: 75行目:
 
$ distrobox rm ''name''
 
$ distrobox rm ''name''
   
特定のディストリビューションをコンテナにインストールするには、以下を実行しますこの例では Ubuntu です
+
特定のディストリビューションをコンテナにインストールするには、以下を実行します(この例では Ubuntu です)
 
$ distrobox create --image ubuntu:22.04
 
$ distrobox create --image ubuntu:22.04
   
インストールは以下のように完全にカスタマイズできますこの例では、ルートアクセスを持つ Gentoo を実行する ''test'' という名前のコンテナです
+
インストールは以下のように完全にカスタマイズできます(この例では、ルートアクセスを持つ Gentoo を実行する ''test'' という名前のコンテナです)
 
$ distrobox create -i docker.io/gentoo/stage3:latest -n test --root
 
$ distrobox create -i docker.io/gentoo/stage3:latest -n test --root
   
 
コンテナがホストにルートアクセスを持つ必要がある場合、{{ic|''sudo distrobox''}} よりも {{ic|''--root''}} フラグを使用することをお勧めします。
 
コンテナがホストにルートアクセスを持つ必要がある場合、{{ic|''sudo distrobox''}} よりも {{ic|''--root''}} フラグを使用することをお勧めします。
   
== Configuration ==
+
=== 非共有モード ===
   
  +
Distrobox では、ユーザーがファイルシステム上の特定の場所を {{ic|unshare}} できるようになりました。デフォルトモードでは、{{ic|devsysfs}}、{{ic|ipc}}、{{ic|netns}}、{{ic|process}}、{{ic|$HOME}} の共有が作成されます。および {{ic|Application access}}
It is possible to configure Distrobox in 2 ways, either with a configuration file or by using [[Environment Variables]].
 
   
  +
新しいコンテナを作成するときに、以下にリストされているコマンドを使用して、それらの一部を {{ic|unshare}} することを選択できるようになりました。
=== Configuation file ===
 
   
  +
{| class="wikitable"
Distrobox checks the following locations for config files, from least important to most important:
 
  +
|+ Shares
  +
|-
  +
! シェア !! コマンド !! 用途
  +
|-
  +
| devsysfs || {{ic|--unshare-devsysfs}} || ホストデバイスとホストの sysfs ディレクトリを共有しない
  +
|-
  +
| ipc || {{ic|--unshare-ipc}} || ipc 名前空間をホストと共有しない
  +
|-
  +
| netns || {{ic|--unshare-netns}} || ネットワーク名前空間をホストと共有しない
  +
|-
  +
| process || {{ic|--unshare-process}} || プロセス名前空間をホストと共有しない
  +
|-
  +
| All || {{ic|--unshare-all}} || すべての {{ic|unshare}} フラグをアクティブにします
  +
|-
  +
|}
  +
  +
{{ic|$HOME}} と {{ic|Application access}} の共有を解除することはできません。これらは必須であり、これらがなければ Distrobox は動作できません。
  +
  +
{{warning|この機能はデフォルトのコンテナよりもセキュリティが向上していますが、アプリケーション開発者によっては依然として '''完全なサンドボックスではない''' と考えられています。}}
  +
  +
== 設定 ==
  +
  +
Distrobox は、設定ファイルを使用するか、[[環境変数]]を使用することで、2つの方法で設定することができます。
  +
  +
=== 設定ファイル ===
  +
  +
Distrobox は、以下の場所で設定ファイルを確認します。重要度が最も低いものから最も高いものへ:
   
 
* /usr/share/distrobox/distrobox.conf
 
* /usr/share/distrobox/distrobox.conf
96行目: 124行目:
 
* ${HOME}/.distroboxrc
 
* ${HOME}/.distroboxrc
   
  +
設定ファイルの例は以下の通りです:
An example config file is as follows:
 
 
container_always_pull="1"
 
container_always_pull="1"
 
container_generate_entry=0
 
container_generate_entry=0
108行目: 136行目:
 
skip_workdir="0"
 
skip_workdir="0"
   
=== Environment variables ===
+
=== 環境変数 ===
   
  +
以下の変数が利用可能で、[[環境変数#ユーザーごと|ユーザーごとの環境変数]]を使用して設定する必要があります:
The following variables are available and should be set using a [[Environment variables#Per user|per user Environment Variable]]:
 
 
DBX_CONTAINER_ALWAYS_PULL
 
DBX_CONTAINER_ALWAYS_PULL
 
DBX_CONTAINER_CUSTOM_HOME
 
DBX_CONTAINER_CUSTOM_HOME
120行目: 148行目:
 
DBX_SKIP_WORKDIR
 
DBX_SKIP_WORKDIR
   
== See also ==
+
== 参照 ==
* [https://github.com/89luca89/distrobox/ Project Github page]
+
* [https://github.com/89luca89/distrobox/ プロジェクトの Github ページ]
* [https://distrobox.privatedns.org/ Project documentation page]
+
* [https://distrobox.privatedns.org/ プロジェクトのドキュメントページ]

2023年12月28日 (木) 13:07時点における最新版

Distrobox は、ホストとの緊密な統合を提供しながら、ホストと異なる Linux のコンテナ化されたバージョンをインストールし、あるディストリビューションで設計されたバイナリを別のディストリビューションで実行することを可能にするコンテナのラッピングレイヤーです。

Distrobox 自体はコンテナマネージャーではなく、Podman または Docker に依存してコンテナを作成します。

Distrobox のドキュメントから:

ターミナル内の任意の Linux ディストリビューションを使用してください。ソフトウェアのバックワードおよびフォワード互換性を有効にし、好きなディストリビューションを自由に使用することができます。Distrobox は、選択した Linux ディストリビューションを使用して、podman または docker を使用してコンテナを作成します。作成されたコンテナは、ホストと緊密に統合され、ユーザーの HOME ディレクトリ、外部ストレージ、外部 USB デバイス、グラフィカルアプリ (X11/Wayland)、およびオーディオの共有が可能になります。

セキュリティへの影響

Distrobox の主な目的は、ホストからコンテナをサンドボックス化することに焦点を当てていない(プロジェクトの緊密な統合の性質上、これは不可能)ため、Distrobox 内で実行されるコンテナは、ホームフォルダーおよび他のいくつかの場所にフルアクセスします。

サンドボックス化された運用モードは現在計画段階にあり、進行状況はこちらでトラッキングできます。

デフォルトで Docker はコンテナを root として実行し、rootful コンテナはホストのファイルシステムに無制限のアクセスを持つため、Docker よりも Podman を使用することを推奨します。Rootless Docker は現在動作していないが、作業中です。

インストール

ルートアクセス権を持つ場合

まず、Podman または Dockerいずれかの ページに従い、Hello World コンテナをインストールして実行できることを確認してください。

パッケージをインストールするには、distrobox または distrobox-gitAUR のいずれかを選択してください。

ルートアクセス権がない場合/イミュータブルなファイルシステムの場合

以下の両方を実行して、CURL を使用して、ホームフォルダに Distrobox と Podman をインストールします。

Distrobox

$ curl -s https://raw.githubusercontent.com/89luca89/distrobox/main/install | sh -s -- --prefix ~/.local

Podman

$ curl -s https://raw.githubusercontent.com/89luca89/distrobox/main/extras/install-podman | sh -s -- --prefix ~/.local

以下の場所を $PATH に追加します。ユーザーごとの環境変数を設定します:

$HOME/.local/bin
$HOME/.local/podman/bin

コンテナ内でグラフィカルアプリケーションの実行に問題がある場合は、xorg-xhost をインストールし、以下を ~/.bashrc~/.profile 、または ~/.xinitrc に追加する必要があります:

xhost +si:localuser:$USER

アンインストール

Distrobox は、ルートレスインストールのためのアンインストールスクリプトを提供しています。実行するには、以下を実行します。

$ curl -s https://raw.githubusercontent.com/89luca89/distrobox/main/uninstall | sh -s -- --prefix ~/.local
ノート: このスクリプトはルートレスでインストールした場合にのみ必要です。Pacman を介してインストールした場合は、通常通りアンインストールを行ってください。

使用方法

ノート:
  • 以下のセクションで、name は変数で、何でもよいです。すべての場合で name を選んだ実際の名前に置き換えてください。
  • 任意のサブカテゴリでサポートされているオプションの完全なリストについては、--help を使用してください。たとえば、すべての作成オプションを表示するには、distrobox create --help を使用します。
  • サポートされているディストリビューションの完全なリストとそれらのイメージ名は、https://distrobox.privatedns.org/compatibility/#containers-distros で見つけることができます。
  • より高度な使用方法については、https://distrobox.privatedns.org/usage/usage にある Distrobox のドキュメントページを参照してください。

新しいコンテナを作成するには、以下を実行します。

$ distrobox create -n name

インストールされたコンテナをリスト表示するには、以下を実行します。

$ distrobox list

インストールされたコンテナとやり取りするには、以下を実行します。

$ distrobox enter name

または、コンテナに直接コマンドを送信することもできます。

$ distrobox enter name -- command-to-execute

実行中のコンテナを停止するには、以下を実行します。

$ distrobox stop name

コンテナを削除するには、以下を実行します。

$ distrobox rm name

特定のディストリビューションをコンテナにインストールするには、以下を実行します(この例では Ubuntu です)。

$ distrobox create --image ubuntu:22.04

インストールは以下のように完全にカスタマイズできます(この例では、ルートアクセスを持つ Gentoo を実行する test という名前のコンテナです)。

$ distrobox create -i docker.io/gentoo/stage3:latest -n test --root

コンテナがホストにルートアクセスを持つ必要がある場合、sudo distrobox よりも --root フラグを使用することをお勧めします。

非共有モード

Distrobox では、ユーザーがファイルシステム上の特定の場所を unshare できるようになりました。デフォルトモードでは、devsysfsipcnetnsprocess$HOME の共有が作成されます。および Application access

新しいコンテナを作成するときに、以下にリストされているコマンドを使用して、それらの一部を unshare することを選択できるようになりました。

Shares
シェア コマンド 用途
devsysfs --unshare-devsysfs ホストデバイスとホストの sysfs ディレクトリを共有しない
ipc --unshare-ipc ipc 名前空間をホストと共有しない
netns --unshare-netns ネットワーク名前空間をホストと共有しない
process --unshare-process プロセス名前空間をホストと共有しない
All --unshare-all すべての unshare フラグをアクティブにします

$HOMEApplication access の共有を解除することはできません。これらは必須であり、これらがなければ Distrobox は動作できません。

警告: この機能はデフォルトのコンテナよりもセキュリティが向上していますが、アプリケーション開発者によっては依然として 完全なサンドボックスではない と考えられています。

設定

Distrobox は、設定ファイルを使用するか、環境変数を使用することで、2つの方法で設定することができます。

設定ファイル

Distrobox は、以下の場所で設定ファイルを確認します。重要度が最も低いものから最も高いものへ:

  • /usr/share/distrobox/distrobox.conf
  • /usr/etc/distrobox/distrobox.conf
  • /etc/distrobox/distrobox.conf
  • ${HOME}/.config/distrobox/distrobox.conf
  • ${HOME}/.distroboxrc

設定ファイルの例は以下の通りです:

container_always_pull="1"
container_generate_entry=0
container_manager="docker"
container_image_default="registry.opensuse.org/opensuse/toolbox:latest"
container_name_default="test-name-1"
container_user_custom_home="$HOME/.local/share/container-home-test"
container_init_hook="~/.local/distrobox/a_custom_default_init_hook.sh"
container_pre_init_hook="~/a_custom_default_pre_init_hook.sh"
non_interactive="1"
skip_workdir="0"

環境変数

以下の変数が利用可能で、ユーザーごとの環境変数を使用して設定する必要があります:

DBX_CONTAINER_ALWAYS_PULL
DBX_CONTAINER_CUSTOM_HOME
DBX_CONTAINER_IMAGE
DBX_CONTAINER_MANAGER
DBX_CONTAINER_NAME
DBX_CONTAINER_ENTRY
DBX_NON_INTERACTIVE
DBX_SKIP_WORKDIR

参照