「署名されたカーネルモジュール」の版間の差分
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キーと署名ツールは、現在のモジュールビルドディレクトリに保存されます。削除は標準のモジュールクリーンアップによって処理されるため、これをクリーンアップするために何もする必要はありません。秘密鍵と公開鍵の両方がにインストールされています。{{ic|/usr/lib/modules/''kernel_version''-''build''/certs-local}} |
キーと署名ツールは、現在のモジュールビルドディレクトリに保存されます。削除は標準のモジュールクリーンアップによって処理されるため、これをクリーンアップするために何もする必要はありません。秘密鍵と公開鍵の両方がにインストールされています。{{ic|/usr/lib/modules/''kernel_version''-''build''/certs-local}} |
2022年6月27日 (月) 17:33時点における版
Signed カーネルモジュール は、カーネルがモジュールの整合性を検証するためのメカニズムを提供します。
目次
概要
Linux カーネルは、モジュールの検証を、モジュールをロードする前に検証することを要求、または強制することと区別し、分離しています。カーネルモジュールは2つのクラスに分類されます。
- 標準の in-tree モジュール:カーネルのソースコードに付属しているモジュールです。これらは通常のカーネルビルドの際にコンパイルされます。
- カーネルソースディストリビューションの一部ではない Out-of-tree モジュール。カーネルツリーの外側でビルドされ、ビルドするカーネルごとにカーネルヘッダーパッケージを必要とします。特定のカーネル用に手動でビルドしてパッケージ化することもできますし、DKMS を使って必要なときにいつでもビルドすることもできます。
標準的なカーネルのコンパイルでは、カーネルビルドツールは秘密鍵と公開鍵のペアを作成し、(秘密鍵を使って) 全てのインツリーモジュールに署名します。公開鍵はカーネル自体に保存されます。その後、モジュールがロードされると、公開鍵はモジュールが変更されていないことを確認するために使用されます。
カーネルは、常にモジュールを検証し、失敗した場合は標準のログに報告するようにすることができます。検証できなかったモジュールのロードと使用を許可するかどうかは、カーネルに組み込むか、以下に説明するように カーネルパラメータ を使って実行時にオンにすることができます。
必要なことのまとめ
初めに、カーネル/コンパイル/Arch Build System で説明されているカスタムカーネルパッケージに基づいています。ビルドを変更して、標準のツリー内カーネルモジュールとツリー外モジュールに署名して検証するための前提条件を提供します。
各カーネルビルドは、ツリー外モジュールの署名に使用されるキーペアを認識する必要があります。カーネル構成パラメーターを使用して、カーネルに追加の署名キーを認識させるようになりました: CONFIG_SYSTEM_TRUSTED_KEYS="/path/to/oot-signing_keys.pem"
キーと署名ツールは、現在のモジュールビルドディレクトリに保存されます。削除は標準のモジュールクリーンアップによって処理されるため、これをクリーンアップするために何もする必要はありません。秘密鍵と公開鍵の両方がにインストールされています。/usr/lib/modules/kernel_version-build/certs-local
カーネル構成
CONFIG_SYSTEM_TRUSTED_KEYS
は、以下で提供されるスクリプト genkeys.py
を使って自動的に更新されます。さらに、次の構成オプションは、手動で .config
ファイルを編集するか、Linuxの src
ディレクトリにある make menuconfig
を使って設定し、その後、ビルドファイル config
に、更新した .config
ファイルをコピーして戻しておく必要があります。楕円曲線型の鍵を使用し、zstd 圧縮を行うことが望ましいです。
CONFIG_MODULE_SIG=y Enable Loadable module suppot ---> Module Signature Verification - activate CONFIG_MODULE_SIG_FORCE=n Require modules to be validly signed -> leave off (for now) This allows the decision to enforce verified modules only as boot command line. If you are comfortable all is working then by all means change this to 'y' Command line version of this is : module.sig_enforce=1 CONFIG_MODULE_SIG_HASH=sha512 Automatically sign all modules - activate Which hash algorithm -> SHA-512 CONFIG_MODULE_COMPRESS_ZSTD=y Compress modules on installation - activate Compression algorithm (ZSTD) CONFIG_MODULE_SIG_KEY_TYPE_ECDSA=y Cryptographic API ---> Certificates for Signature Checking ---> Type of module signing key to be generated -> ECDSA CONFIG_MODULE_ALLOW_MISSING_NAMESPACE_IMPORTS=n Enable Loadable module support ---> Allow loading of modules with missing namespace imports - set to no
カーネルコマンドライン
モジュールが署名されており、カーネルが正常に機能していることを確認したら、次の カーネルパラメータ を有効にして、カーネルが検証済みモジュールのロードのみを許可するようにできます。
module.sig_enforce=1
検証済みモジュールを強制的にオンにする前に、システムログにモジュール署名の障害が報告されていないことを確認してください。
必要なツール
カーネルビルドパッケージ
カーネルパッケージがビルドされているディレクトリ:
$ mkdir certs-local
このディレクトリは、キーを作成するためのツールと、カーネルモジュールに署名するためのツールを提供します。
これらのファイルをに入れます certs-local
:
x509.oot.genkey
genkeys.py
install-certs.py
sign_module.py
signer_class.py
utils.py
ファイル genkeys.py
とそのコンパニオン構成ファイル x509.oot.genkey
は、キーペアを作成するために使用されます。
genkeys.py
はまた、カーネルを構築するために使用される設定ファイルを更新することによって、カーネルに鍵情報を提供します。
スクリプト sign_module.py
はアウトオブツリーのカーネルモジュールに署名します。手動で実行することもできますし、dkms/kernel-sign.sh
から呼び出されます。xz と gzip で圧縮されたモジュールを処理し、zstd で圧縮されたモジュールを処理するために python-zstandard に依存します。
genkeys.py
は --config config(s) オプションで指定されたカーネル設定をチェックし、更新します。単一の設定ファイルか、複数のファイルを指定するシェルグロブを使用します(例:-config 'conf/config.*')すべての設定は同じキーで更新されます。デフォルトのキータイプはec (楕円曲線) で、デフォルトのハッシュは sha512 です。これらはコマンドラインオプションで変更することができます。詳細は genkeys.py
を参照、もしくは、-h で参照してください。
また、現在の鍵ペアを保持している同じディレクトリにソフトリンク current
を作成します。
install-certs.py
は PKGBUILD の package_headers() 関数から呼び出され、署名鍵をインストールするために使用されます。以下に例を示します。
これらのファイルは利用可能で、以下にリンクが張られています。
DKMS サポート
$ mkdir certs-local/dkms
dkms
ディレクトリに2つのファイルを追加します。
kernel-sign.conf
kernel-sign.sh
これらは /etc/dkms
にインストールされ、DKMS がローカルキーを使用してモジュールに自動的に署名する手段を提供します。これは、ツリー外のカーネルモジュールにサインアウトするための推奨される方法です。以下で説明するように、これがインストールされると、DKMS がモジュールに自動的に署名するために必要なのは、各モジュールのソフトリンクを構成ファイルに作成することだけです。
$ cd /etc/dkms # ln -s kernel-sign.conf module_name.conf
例:
# ln -s kernel-sign.conf vboxdrv.conf
リンクの作成は、必要に応じてさらに単純化するために arch パッケージに簡単に追加できます。
PKGBUILD を変更する
次のようにカーネルビルドを変更する必要があります。:
prepare()
prepar()
関数の先頭に以下を追加します。:
prepare() { msg2 "Rebuilding local signing key..." ../certs-local/genkeys.py -v --config config ... }
デフォルトのキー再生成の更新期間は7日ですが、これはコマンドラインで変更できます。したがって、毎月新しいキーを作成する場合は、genekeys.py の引数として "--refresh 30days" を追加します。 "--refresh always" を使用すると、ビルドごとに更新できます。更新の単位は、秒、分、時間、日、または週です。
_package-headers()
_package-headers(
関数の下部に以下を追加します。
_package-headers() { ... # # Out-of-tree module signing # This is run in the kernel source / build directory # msg2 "Local Signing certs for out-of-tree modules..." certs_local_src="../../certs-local" certs_local_dst="${builddir}/certs-local" $certs_local_src/install-certs.py $certs_local_dst # DKMS tools dkms_src="$certs_local_src/dkms" dkms_dst="${pkgdir}/etc/dkms" mkdir -p $dkms_dst rsync -a $dkms_src/{kernel-sign.conf,kernel-sign.sh} $dkms_dst/ }
必要なファイル
上記で参照されている5つのサポートファイルは、[1] リポジトリからダウンロードできます。:
- certs-local/x509.oot.genkey
- certs-local/genkeys.py
- certs-local/install-certs.py
- certs-local/sign_module.py
- certs-local/signer_class.py
- certs-local/utils.py
- certs-local/dkms/kernel-sign.conf
- certs-local/dkms/kernel-sign.sh
スクリプトが 実行可能 であることを確認してください。
ヘルパースクリプト
arch-sign-modulesAUR ビルド:
& 他のAURカーネル
abk ヘルパースクリプトは、完全に署名されたカスタムカーネルをビルドするための手動の手順を3つのコマンドに減らします Update / Build & Install
abk -u kernel-name abk -b kernel-name abk -i kernel-name
署名されたカーネルモジュールのサポート:
- zfs-dkmsAUR nvidia-beta-dkmsAUR lkrg-dkmsAUR nvidia-dkms