KMSCON
- Kmscon は linux のカーネルモードセッティング (KMS) を使ったシンプルなターミナルエミュレータです。カーネルの VT 実装をユーザスペースのコンソールで置き換えようという試みです。
機能
Kmscon はカーネル内蔵の linux コンソールの互換品として機能します。以下の機能が存在します:
- vt220 から vt510 までの完全な実装。
- 国際化の完全サポート:
- Kmscon は CJK を含む、Unicode 文字を全て表示できます。
- Kmscon は libxkbcommon を使って国際化キーボードを扱えるため、X キーボードでサポートされている全てのキーボードレイアウトを利用することが可能です。
- ハードウェアアクセラレーションを使ったレンダリング。
- Multi-seat 可能。
インストール
その名前にかかわらず、KMS は kmscon に絶対必要というわけではありません。Kmscon は次のビデオバックエンドをサポートしています: fbdev (Linux fbdev ビデオバックエンド), drm2d (Linux DRM ソフトウェアレンダリングバックエンド), drm3d (Linux DRM ハードウェアレンダリングバックエンド)。あなたの環境でこの中のどれかひとつでも利用できるようにしてください。
公式リポジトリから kmscon をインストールしてください。もしくは、AUR から kmscon-gitAUR をインストールすることも可能です。
TTY1 で kmscon を使えるようにするには、以下を実行してください:
# rm /etc/systemd/system/getty.target.wants/getty@tty1.service # systemctl enable kmsconvt@tty1.service
Getty (agetty) を置き換える
root で、以下を実行してください:
# ln -s /usr/lib/systemd/system/kmsconvt\@.service /etc/systemd/system/autovt\@.service
これで systemd がそれぞれの VT で agetty の代わりに kmscon を起動するようになります。より正確に言うと、このコマンドは systemd-logind が新しい VT で getty@.service の代わりに kmsconvt@.service を使うようにさせます。getty@.service を使っている他のユニットやスクリプトにはこの変更が適用されません。
何らかの理由で kmscon が実行できないときは、代わりに getty@.service が起動されます。そのため問題が生じても動作を継続するためのフォールバックが常に存在します。さらに、VT が利用できない場合、このユニットは何も起動しません。
CJK サポート
Kmscon はデフォルトのフォントエンジン pango を通して CJK 文字のレンダリングをサポートしています。ただし、モノスペースフォントのエイリアスを適切な CJK フォントにマップするよう fontconfig を設定する必要があります。日本語ユーザーは、以下のテンプレートで日本語を表示できます:
/etc/fonts/conf.d/99-kmscon.conf
<?xml version="1.0"?> <!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd"> <fontconfig> <match> <test name="family"><string>monospace</string></test> <edit name="family" mode="prepend" binding="strong"> <string>DejaVu Sans Mono</string> <string>IPAGothic</string> </edit> </match> </fontconfig>
ttf-dejavu と otf-ipafont をインストールしてください。両方とも公式リポジトリに含まれています。
トラブルシューティング
- Xorg と kmscon の切り替えに問題が発生する場合は ExecStart に
--hwaccel --drm
を追加するとよいかもしれません。
ExecStart=/usr/bin/kmscon "--vt=%I" --seats=seat0 --no-switchvt --font-name Terminus --font-size 12 --hwaccel --drm