Cinnamon
関連記事
Cinnamon は先進的な機能を持ちながら伝統的なユーザーエクスペリエンスを提供する Linux デスクトップです。 デスクトップのレイアウトは GNOME Panel (GNOME 2) に似ています; しかし、ベースになっているテクノロジーは GNOME Shell (GNOME 3) からフォークされています。 ユーザーの居心地をよくし使いやすく快適なデスクトップエクスペリエンスを提供することに力点が置かれています。バージョン 2.0 から、Cinnamon は完全なデスクトップ環境になり GNOME Shell や Unity のような唯の GNOME のフロントエンドではなくなっています。
インストール
Cinnamon は公式リポジトリから cinnamon パッケージでインストールできます。
また、Cinnamon のテーマやアプレット、拡張などを追加するために、pacman.conf
に Cinnamon の非公式リポジトリを追加することができます。
Cinnamon の起動
グラフィカルログイン
使っているディスプレイマネージャから Cinnamon もしくは Cinnamon (Software Rendering) セッションを選ぶだけです。(何も付いていない) Cinnamon は 3D アクセラレーションが有効になっているバージョンです。通常はこちらを使って下さい。あなたのビデオドライバと問題が生じた場合は(例: 乱れやクラッシュ)、Cinnamon (Software Rendering) セッションを試して下さい。3D アクセラレーションが無効になっています。
手動で Cinnamon を起動
コンソールから手動で Cinnamon を起動したいなら、以下を ~/.xinitrc
に追加して下さい:
~/.xinitrc
exec cinnamon-session
Cinnamon (Software Rendering) セッションを使用するには、cinnamon-session
の代わりに cinnamon-session-cinnamon2d
を使って下さい。
startx
コマンドを入力することで Cinnamon が起動できます。詳しくは xinitrc を見て下さい。
Cinnamon の再起動
コマンドラインから以下のコマンドを実行してください:
$ nohup cinnamon --replace > /dev/null 2>&1 &
設定
Cinnamon の設定はとても簡単です - 設定の多くはグラフィカルに行いたいとほとんどの人が思っているでしょう。Cinnamon のユーザビリティはアプレットとエクステンションでカスタマイズでき、テーマもサポートしています。
Cinnamon の設定
cinnamon-settings はコマンドラインで指定した設定モジュールを起動します。何も引数を付けないと、システム設定が起動します。例えば、パネルの設定を開くには:
$ cinnamon-settings panel
利用できる全てのモジュールを確認するには:
$ pacman -Ql cinnamon | awk -F'[_.]' '/cs_.+\.py/ {print $2}'
- プリンター
- プリンターを設定したい場合は、system-config-printer と gtk3-print-backends[リンク切れ: パッケージが存在しません] パッケージをインストールしてください。
- ネットワーク
- ネットワークモジュールのサポートを追加するには、NetworkManager を有効にしてください。NetworkManager が Wi-Fi パスワードを保存できるようにするため、GNOME Keyring もインストールする必要があります。
- Bluetooth
- Bluetooth デバイスのサポートが必要な場合、blueberry パッケージをインストールしてください。
ネットワークサポート
Cinnamon のネットワークサポートを有効にするには、NetworkManager をインストールして有効にしてください。
cinnamon-settings とパネルの Bluetooth サポート
Cinnamon Panel と Cinnamon Settings の GNOME bluetooth フロントエンドは AUR に cinnamon-bluetoothAUR[リンク切れ: アーカイブ: aur-mirror] という名前であります。
アプレットとエクステンションのインストール
アプレットとエクステンションの違いは、アプレットが基本的にパネルに追加するものなのに対して、エクステンションは Cinnamon のエクスペリエンスを完全に変えアプレットよりも多くのことができるということです。
AUR にかなり沢山のパッケージがあります。ここで記述する手順は一般的なインストールプロセスです。
Cinnamon でアプレットをインストールするのは比較的簡単です。まず Cinnamon Applets を訪れてアプレット全てを見て下さい。
利用したいアプレットの zip ファイルをダウンロードして、~/.local/share/cinnamon/applets/
か /usr/share/cinnamon/applets
に展開して下さい。
それから
$ cinnamon-settings applets
を実行してグラフィカルアプレットマネージャを立ち上げます。アプレットが表示されない場合、Alt+F2
を押し r
を入力して Enter
を押して下さい。cinnamon を再起動したら新しいアプレットが表示されているはずです。
エクステンションのインストールも同じように行います。唯一の違いはディレクトリの名前が "applets" から "extensions" に変わることだけです。
電源ボタンを押すとシステムがサスペンドする
これはデフォルトの挙動です。設定を変更するには cinnamon-settings
パネルを開いて "Power Management" オプションをクリックしてください。"When the power button is pressed" オプションを望みの挙動に変更します。
Cinnamon で使われる言語の管理
- 言語を追加・削除するには: ロケールを参照。
- 有効な言語を切り替えるには: mintlocaleAUR パッケージをインストール。
- キーボードレイアウトを変更するには: System Settings > Hardware > Keyboard > Layouts。
ヒントとテクニック
カスタムアプレット・テーマを作成
アプレットを作るための公式チュートリアルがここにあります、カスタムテーマはこちらです。
デフォルトの壁紙パス
Cinnamon Settings でカスタムパスから壁紙を追加すると、Cinnamon は画像を ~/.cinnamon/backgrounds
にコピーします。よって、壁紙を変更するたびに設定メニューから壁紙をもう一度追加するか ~/.cinnamon/backgrounds
に手動でコピー(もしくはシンボリックリンクを貼る)必要があります。
ホーム・ファイルシステム・デスクトップアイコンを表示する
デフォルトで Cinnamon はデスクトップアイコンを有効にしますが画面にはデスクトップアイコンは表示されませn。ホームフォルダやファイルシステム、ゴミ箱、マウントされたボリュームやネットワークサーバーのデスクトップアイコンを表示するには、Cinnamon の設定を開いてデスクトップをクリックしてください。そこから画面に表示したいアイコンのチェックボックスを入れて下さい。
カスタムコマンドランチャーをメニューアプレットに追加する
メニューアプレットはカスタムコマンドの実行をサポートしています。アプレットを右クリックして、Configure... をクリックして Open the menu editor を開いて下さい。サブメニューを選択(もしくは新しいサブメニューを作成)して New Item を選んで下さい。Name, Command, Comment を設定してください。必要に応じてターミナルのチェックボックスをチェックしてください。グラフィカルなアプリケーションではチェックは外しておいて下さい。OK をクリックしてメニューエディタを終了すれば、ランチャーがメニューに追加されているはずです。
ワークスペース
ワークスペースのページャーをパネルに追加することができます。パネルを右クリックして 'Add applets to the panel' というオプションを選んで下さい。パネルにワークスペースの切り替えアプレットを追加してください。位置を変更するにはパネルを右クリックして 'Panel edit mode' をオンにしてください。スイッチャーをクリック・ドラッグして使いたい位置に置いたらパネルの編集モードをオフにしてください。
デフォルトでは2つのワークスペースが存在します。ワークスペースを追加するにはマウスカーソルを左上の端に移動して 'Expose mode' に入って下さい。画面の右にあるプラスのボタンをクリックすればワークスペースが追加されます。
デスクトップアイコンを表示しない
nemo ではデスクトップアイコンの表示がデフォルトで有効になっています。この機能を無効にするには、次のコマンドによって設定を変更してください:
$ gsettings set org.nemo.desktop show-desktop-icons false
テーマとアイコン
Linux Mint のテーマとアイコンは AUR のパッケージ mint-x-themeAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] と mint-x-iconsAUR を使ってインストールできます。テーマは System Settings/Themes/Other から編集できます。
Linux Mint の Cinnamon テーマは mint-cinnamon-themesAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません] パッケージでインストールできます。
サウンドイベント
Cinnamon には Linux Mint でデフォルトで使われているイベントサウンド (デスクトップ起動時の音楽など) が含まれていません。サウンドエフェクトは cinnamon-sound-effectsAUR や mint-soundsAUR パッケージでインストールできます。使用するサウンドイベントは Settings → Sound → Sound Effects
で編集することが可能です。
マウスでウィンドウをリサイズ
Alt+Right click
でウィンドウのサイズを変更するには、gsettings
を使用:
$ gsettings set org.cinnamon.desktop.wm.preferences resize-with-right-button true
キーバインドを移植
キーボードのショートカットキーをエクスポートしたい場合、次を実行:
$ dconf dump /org/cinnamon/desktop/keybindings/ >keybindings-backup.dconf
エクスポートしたショートカットキーをインポートしたい場合、次を実行:
$ dconf load /org/cinnamon/desktop/keybindings/ <keybindings-backup.dconf
スクリーンショット
スクリーンショットの取得に書かれているように、gnome-screenshot をインストールするとスクリーンショット機能が追加されます。デフォルトのショートカットキーは Prt Sc
キーです。Menu > Preferences > Keyboard の Shortcuts > System > Screenshots and Recording から使用するキーを変更することができます。スクリーンショットはデフォルトで $HOME/Pictures
ディレクトリに保存されますが、以下のコマンドでカスタマイズすることが可能です:
$ gsettings set org.gnome.gnome-screenshot auto-save-directory file:///home/USER/some_path
トラブルシューティング
QGtkStyle が現在の GTK+ テーマを検出できない
libgnome-dataAUR をインストールすることでこの問題を部分的に解決できます、ただしアイコン・カーソルテーマを設定するには、ユーザーが明示的に指定しなくてはなりません。
Qt アプリのアイコンテーマは次のコマンドで設定できます:
$ gconftool-2 --set --type string /desktop/gnome/interface/icon_theme Faenza-Dark
上の例ではアイコンテーマは /usr/share/icons/Faenza-Dark
の Faenza-Dark に設定されます。
Qt アプリのカーソルテーマはシンボリックリンクを作成することで選択できます:
$ mkdir ~/.icons $ ln -s /usr/share/icons/Adwaita ~/.icons/default
上の例ではカーソルテーマは /usr/share/icons/Adwaita
の Adwaita に設定されます。
ボリュームが保存されない
マシンを一度落とすとボリュームが保存されません。ボリュームは 0 にセットされます。alsa-utils をインストールすることでこの問題を解決できます。
アプレットが動作しない
オーディオやネットワークのアプレットが動作しない場合、ユーザーに関連するグループ (audio, network) を追加する必要があります:
$ gpasswd -a [user] [group]
cinnamon-settings: No module named Image
特定のモジュール (例: Image モジュール) が見つからないというメッセージを表示して cinnamon-settings
が起動しない場合は、おそらく既に存在しないファイルを参照している昔にコンパイルされたファイルを使っています。こういうときは、/usr/lib/cinnamon-settings
内の全ての *.pyc
ファイルとサブフォルダを削除してください。
ティアリングが発生する
Cinnamon で動画を再生したりゲームを遊んだりする時にティアリングが発生する場合、/etc/environment
に以下の行を追加してください:
CLUTTER_PAINT=disable-clipped-redraws:disable-culling CLUTTER_VBLANK=True
追加したら、Xorg サーバーを再起動してください。
NetworkManager アプレットの無効化
NetworkManager を使わない場合、デフォルトのパネルから Network Manager アプレットを削除しても、Cinnamon は nm-applet をロードしてシステムトレイに表示します。cinnamon と cinnamon-control-center の依存パッケージになっているため、パッケージはアンインストールできませんが、無効化することはできます。/etc/xdg/autostart/nm-applet.desktop
から ~/.config/autostart/nm-applet.desktop
に autostart ファイルをコピーしてください。コピーしたファイルをお好きなテキストエディタで開いて末尾に X-GNOME-Autostart-enabled=false
を追加します。
もしくは、以下のシンボリックリンクを作成することでも無効化できます:
$ ln -s /bin/true /usr/local/bin/nm-applet
システムトレイから特定のアイコン (nm-applet アイコンなど) をブラックリストに入れる機能が 上流で提案 されています。
Cinnamon が xorg.conf 内の設定を上書きしてしまう
Cinnamon は xorg.conf 内に記述されている、ディスプレイの向きやレイアウトなどのカスタム設定を上書きします。
システム設定 > 自動開始させるアプリ
を開き、Cinnamon Settings Daemon - xrandr をオフにセットしてください。