SSMTP

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SSMTP はローカルコンピュータから設定したメールホスト (メールハブ) にメールを配達するプログラムです。(sendmail などのような機能豊富なメールサーバーと違って) メールサーバーではないのでメールを受信したり、エイリアスを展開したりキューを管理することはできません。SSMTP は主としてマシンから (システムアラートのような) 自動メールを外部のメールアドレスに飛ばすのに使われます。

ssmtp はメンテナンスが止まっています。msmtp など別のソフトウェアを使うことを推奨します。

インストール

ssmtpAUR パッケージをインストールしてください。

Gmail メールサーバーに転送

SSMTP を使うには、設定ファイル (/etc/ssmtp/ssmtp.conf) を編集してアカウント設定を入力する必要があります。

Gmail アカウントで二段階認証を使用している場合、ユニークな アプリパスワード を生成して ssmtp.conf に記述する必要があります。アプリパスワード のページでパスワードを生成できます。生成された16文字のパスワードは AuthPass 行に記入してください。パスワードに含まれる空白は無視されます。

/etc/ssmtp/ssmtp.conf
# The user that gets all the mails (UID < 1000, usually the admin)
root=username@gmail.com

# The mail server (where the mail is sent to), both port 465 or 587 should be acceptable
# See also https://support.google.com/mail/answer/78799
mailhub=smtp.gmail.com:587

# The address where the mail appears to come from for user authentication.
rewriteDomain=gmail.com

# The full hostname.  Must be correctly formed, fully qualified domain name or GMail will reject connection.
hostname=yourlocalhost.yourlocaldomain.tld

# Use SSL/TLS before starting negotiation
UseTLS=Yes
UseSTARTTLS=Yes

# Username/Password
AuthUser=username
AuthPass=password
AuthMethod=LOGIN

# Email 'From header's can override the default domain?
FromLineOverride=yes
ノート: 上記の設定は Gmail の例であり、適宜設定は変更してください。上手く動作しないときは man ページ man 8 ssmtp を読みましょう。

ローカルのユーザー名のエイリアスを作成 (任意):

/etc/ssmtp/revaliases
root:username@gmail.com:smtp.gmail.com:587
mainuser:username@gmail.com:smtp.gmail.com:587

Gmail サーバーに正しくメールを転送できているかテストするには:

$ echo test | mail -v -s "testing ssmtp setup" tousername@somedomain.com

'root' の代わりに 'root at myhost' からメールを受信するには /etc/passwd を編集して 'From' テキストを変更します:

# chfn -f 'root at myhost' root
# chfn -f 'mainuser at myhost' mainuser

これで /etc/passwd が以下のように変更されます:

$ grep myhostname /etc/passwd
root:x:0:0:root@myhostname,,,:/root:/bin/bash
mainuser:x:1000:1000:mainuser@myhostname,,,:/home/mainuser:/bin/bash

セキュリティ

メールパスワードは平文で /etc/ssmtp/ssmtp.conf に保存されるため、このファイルを保護するべきです。ssmtp.conf を保護することで:

  • システムの管理者権限がなければ、ファイルを読み込んでメールパスワードを見ることができなくなります。メールを送信することは変わらずに可能です。
  • たとえユーザーアカウントがハッキングされたとしても、root アカウントさえ死守すれば、ハッカーは ssmtp.conf ファイルを読みことができず、メールのパスワードもわかりません。

ssmtp.conf を保護するには、以下を実行:

ssmtp グループを作成:

# groupadd ssmtp

ssmtp.conf のグループ所有者を新しく作った ssmtp グループに設定:

# chown :ssmtp /etc/ssmtp/ssmtp.conf

ssmtp バイナリのグループ所有者を新しく作った ssmtp グループに設定:

# chown :ssmtp /usr/bin/ssmtp

root と ssmtp グループだけが ssmtp.conf にアクセスできるように設定:

# chmod 640 /etc/ssmtp/ssmtp.conf

ssmtp バイナリの SGID ビットを設定:

# chmod g+s /usr/bin/ssmtp

最後に pacman フックを追加して、パッケージがアップグレードされたときに /usr/bin/ssmtp のファイルパーミッションを設定するようにします:

/root/bin/ssmtp-set-permissions
#!/bin/bash

chown :ssmtp /usr/bin/ssmtp
chmod g+s /usr/bin/ssmtp

ファイルに実行可能属性を付与:

# chmod u+x /root/bin/ssmtp-set-permissions

pacman フックを追加:

/usr/share/libalpm/hooks/ssmtp-set-permissions.hook
[Trigger]
Operation = Install
Operation = Upgrade
Type = Package
Target = ssmtp

[Action]
Description = Set ssmtp permissions for security
When = PostTransaction
Exec = /root/bin/set-ssmtp-permissions

これで、誰も ssmtp.conf ファイルを読むことはできなくなりました。

メールの送信

ターミナルからメールを送信するには、以下を実行:

$ echo "this is the body" | mail -s "Subject" username@somedomain.com

もしくは次を実行することでインタラクティブに送信できます:

$ mail username@somedomain.com
ノート: mail コマンドをインタラクティブに使う場合、題名を入力してからエンターを押すことで本文を入力できます。メッセージが作成できたら空行で Ctrl+d を押してください。自動的に送信されます。

テキストファイルを作成して ssmtpmail で送信するという方法もあります:

test-mail.txt
To:username@somedomain.com
From:youraccount@gmail.com
Subject: Test

This is a test mail.

test-mail.txt ファイルを送信:

$ mail username@somedomain.com < test-mail.txt

添付ファイル

添付ファイルを追加する場合、MuttMsmtp をインストール・設定して nixcraft を見て下さい。

または、uuencode を使って添付することも可能です:

$ uuencode file.txt file.txt | mail user@domain.com

参照