「インストールガイド」の版間の差分

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[[Category:日本語]]
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[[Category:Arch について]]
[[Category:About Arch (日本語)]]
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[[Category:Arch の入手とインストール]]
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[[ar:Installation guide]]
[[Category:Getting and installing Arch (日本語)]]
 
[[ar:Installation Guide]]
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[[bg:Installation guide]]
[[cs:Installation Guide]]
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[[bs:Installation guide]]
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[[cs:Installation guide]]
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[[da:Installation guide]]
 
[[de:Arch Install Scripts]]
 
[[de:Arch Install Scripts]]
[[el:Installation Guide]]
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[[el:Installation guide]]
[[en:Installation Guide]]
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[[en:Installation guide]]
[[es:Installation Guide]]
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[[es:Installation guide]]
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[[fi:Installation guide]]
[[fr:Arch_install_scripts]]
 
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[[fr:Arch install scripts]]
[[it:Installation Guide]]
 
[[ko:Installation Guide]]
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[[hr:Installation guide]]
[[pl:Installation Guide]]
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[[hu:Installation guide]]
[[pt:Installation Guide]]
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[[id:Installation guide]]
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[[it:Installation guide]]
[[ro:Ghid de instalare]]
 
[[ru:Installation Guide]]
+
[[ko:Installation guide]]
[[uk:Installation Guide]]
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[[lt:Installation guide]]
[[zh-CN:Installation Guide]]
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[[nl:Installation guide]]
[[zh-TW:Installation Guide]]
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[[pl:Installation guide]]
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[[pt:Installation guide]]
このドキュメントは、[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/ Arch Install Scripts] を使って [[Arch Linux (日本語)|Arch Linux]] をインストールする過程を案内するものです。インストールの前に、[[FAQ (日本語)|FAQ]] に目を通しておくことをお勧めします。[[Beginners' Guide (日本語)|ビギナーズガイド]]には初心者向けの詳しい説明があります。また、特定のケースに合わせたインストール方法が [[:Category:Getting and installing Arch (日本語)]] にいくつかあります。
 
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[[ru:Installation guide]]
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[[sk:Installation guide]]
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[[sr:Installation guide]]
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[[sv:Installation guide]]
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[[th:Installation guide]]
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[[tr:Installation guide]]
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[[zh-hans:Installation guide]]
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[[zh-hant:Installation guide]]
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このドキュメントは、[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/ Arch Install Scripts] を使って [[Arch Linux]] をインストールする過程を案内するものです。インストールの前に、[[FAQ]] に目を通しておくことをお勧めします。使用されている用語については、[[ヘルプ:読み方]]を見てください。コードの例にはプレースホルダ ({{ic|''斜体''}} の文字) を含んでいる場合があり、手動で置き換える必要があります。
   
コミュニティによって管理されている [[Main Page (日本語)|Arch wiki]] には様々な情報が記載されており、問題が起こった時はまず wiki を参照してください。答えが見つけられない場合には、[[Wikipedia:ja:IRC|IRC]] チャンネル (irc://irc.freenode.net/#archlinux) や、[https://bbs.archlinux.org/ フォーラム]を使って下さい。また、使い慣れていないコマンドは {{ic|man ''command''}} で man ページを参照しましょう。
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コミュニティによって管理されている [[メインページ|Arch wiki]] には様々な情報が記載されており、問題が起こった時はまず wiki を参照してください (インストール環境からは [[ELinks]] で閲覧できます)。答えが見つけられない場合には、[https://slack.archlinux.jp/ Slack] や、[https://bbs.archlinux.jp/ フォーラム] を使って下さい。また、使い慣れていないコマンドは {{ic|man ''コマンド''}} で man ページを参照しましょう。
   
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Arch Linux は 512 MB 以上のメモリが搭載された [[wikipedia:ja:x64|x86_64]] 互換のマシンで動作します。{{Pkg|base}} グループに含まれている全てのパッケージをインストールしても、使用するディスク容量は 800 MB 以下です。インストールする際はリモートリポジトリからパッケージを取得する必要があるため、インターネットに接続できる環境が必要です。
== ダウンロード ==
 
Arch Linux の ISO を [https://www.archlinux.org/download/ Arch Linux download page] からダウンロードしてください。
 
* ひとつのイメージで i686 と x86_64 両方の環境に対応しており、インターネットを介して Arch Linux をインストールします。現在 ISO には [core] レポジトリは含まれていません。
 
* インストールイメージは署名されています。ISO を使用する前に、署名の検証をすることを推奨します: ダウンロードページから ''.sig'' ファイルをダウンロードして、''.iso'' ファイルと同じディレクトリに置き、{{ic|pacman-key -v ''iso-file''.sig}} を実行することで検証できます。
 
* イメージファイルは CD に焼いて、ISO ファイルとしてマウントするか、[[USB Installation Media (日本語)|USB スティックに直接書き込み]]ます。これは新しいインストールの時だけに必要です。既にインストール済みの Arch Linux は {{ic|pacman -Syu}} でいつでもアップデートできます。
 
   
==インストール==
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==インストールの準備==
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インストールメディアとメディアの [[GnuPG]] 署名は [https://www.archlinux.jp/download/ ダウンロード] ページから入手できます。
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=== 署名の検証 ===
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イメージは使用する前に署名を検証することを推奨します。特に「HTTP ミラー」からイメージをダウンロードした場合、[https://www2.cs.arizona.edu/stork/packagemanagersecurity/attacks-on-package-managers.html 悪意のあるイメージ] に差し替えられる可能性があるため特に検証を行ってください。
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[[GnuPG]] がインストールされている場合、ISO のディスクに ("チェックサム" の下にある) "PGP 署名" をダウンロードして、以下のコマンドを実行すれば[[GnuPG#署名の検証|検証]]できます:
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$ gpg --keyserver-options auto-key-retrieve --verify archlinux-''version''-x86_64.iso.sig
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もしくは、既存の Arch Linux 環境から root で以下のコマンドを実行してください:
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$ pacman-key -v archlinux-''version''-x86_64.iso.sig
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{{Note|
  +
* 上記の [https://www.archlinux.jp/download/ archlinux.jp] ではなくミラーサイトから署名をダウンロードした場合、署名も改変されている可能性があります。その場合、署名をデコードするのに使用する公開鍵が他の信用できる鍵によって署名されていることを確認してください。{{ic|gpg}} コマンドで公開鍵のフィンガープリントが出力されます。
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* 署名を検証する他の方法として ISO ファイルに署名している [https://www.archlinux.org/people/developers/ Arch Linux の開発者] のフィンガープリントと公開鍵のフィンガープリントが一致していることを確認することでも検証できます。公開鍵認証について詳しくは [[Wikipedia:ja:公開鍵暗号]] を見てください。
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}}
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=== ライブ環境の起動 ===
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ライブ環境は[[USB インストールメディア|USB フラッシュドライブ]]や[[光学ディスクドライブ#焼き込み|光学ディスク]]、あるいは [[PXE]] を使ってネットワーク経由で起動できます。他のインストール方法については[[:カテゴリ:Arch の入手とインストール]]を見てください。
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  +
* 大抵の場合、起動時の [[w:Power-on self test|POST]] フェイズで起動画面に書かれたキーを押すことで、Arch インストールメディアが含まれているドライブから起動するように指定できます。詳しくは使用しているマザーボードのマニュアルを見てください。
  +
* Arch のメニューが表示されたら、''Boot Arch Linux'' を選択して {{ic|Enter}} を押すことでインストール環境が開きます。
  +
* [[カーネルパラメータ#設定|ブートパラメータ]]の一覧については [https://projects.archlinux.org/archiso.git/tree/docs/README.bootparams README.bootparams] を、含まれているパッケージの一覧は [https://git.archlinux.org/archiso.git/tree/configs/releng/packages.x86_64 packages.x86_64] を見てください。
  +
* 最初に[[Wikipedia:Virtual console|仮想端末]]に root ユーザーでログインされ、[[Zsh]] のシェルプロンプトが表示されます。
  +
  +
{{ic|Alt+''arrow''}} [[キーボードショートカット|ショートカット]]を使用することでコンソールを切り替えることができます (例えば [[ELinks]] でガイドを見ながら操作できます)。設定ファイルを[[ヘルプ:読み方#追加, 作成, 編集 そして source|編集]]するときは [[nano#nano の使用方法|nano]], ''vi'', [[vim#使用方法|vim]] が使えます。
   
 
=== キーボードレイアウト ===
 
=== キーボードレイアウト ===
   
  +
デフォルトのキーボードレイアウトは [[Wikipedia:File:KB United States-NoAltGr.svg|US]] キーボードです。利用可能なキーマップは以下のコマンドで確認できます:
ほとんどの国のキーボードに対応したキーマップが利用できます。{{ic|loadkeys uk}} のようなコマンドであなたのキーボードが正しく動作するようになります。対応しているキーマップのファイルは {{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} で見ることができます (loadkeys を使うときはパスや拡張子を省略可能)。
 
  +
  +
# ls /usr/share/kbd/keymaps/**/*.map.gz
  +
  +
レイアウトを変更するには使用したいファイルの名前を指定して {{man|1|loadkeys}} を実行してください。パスや拡張子は省略可能です。例えば、日本語キーボードレイアウトに設定するには:
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  +
# loadkeys jp106
  +
  +
[[フォント#コンソールフォント|コンソールフォント]]は {{ic|/usr/share/kbd/consolefonts/}} に存在し、{{man|8|setfont}} で設定ができます。
  +
  +
=== 起動モードの確認 ===
  +
  +
[[UEFI]] マザーボードで UEFI モードが有効になっている場合、[[Archiso]] は [[systemd-boot]] によって Arch Linux を起動します。[[UEFI]] 環境ではインストール手順が多少異なります。[[efivars]] をチェックして UEFI モードで起動しているかどうか確認してください:
  +
  +
# ls /sys/firmware/efi/efivars
  +
  +
ディレクトリが存在しない場合、BIOS (または CSM) モードで起動しています。詳しくは使用しているマザーボードのマニュアルを読んでください。
   
 
=== パーティション ===
 
=== パーティション ===
[[Partitioning (日本語)|Partitioning]] を参照して下さい。
 
   
  +
ライブ環境によって認識されたディスクには {{ic|/dev/sda}} や {{ic|/dev/nvme0n1}} などのように''ブロックデバイス''が割り当てられます。デバイスを確認するには、[[lsblk]] または [[fdisk]] を使ってください:
[[lvm|LVM]], [[disk encryption]], [[RAID|RAID]] などの環境では、スタック化されたブロックデバイスを忘れずに用意して下さい。
 
  +
  +
# fdisk -l
  +
  +
{{ic|rom}}, {{ic|loop}}, {{ic|airoot}} などのデバイスは無視してかまいません。
  +
  +
Arch Linux をインストールするデバイスには以下の[[パーティション]]が必要です:
  +
  +
* ルートディレクトリ {{ic|/}} のパーティション。
  +
* [[UEFI]] が有効になっている場合、[[EFI システムパーティション]]。
  +
  +
[[LVM]], [[dm-crypt|ディスク暗号化]], [[RAID]] などを使う場合は、この段階で用意をします。
  +
  +
==== レイアウト例 ====
  +
  +
{| class="wikitable"
  +
!colspan="5" | BIOS と [[MBR]]
  +
|-
  +
! マウントポイント
  +
! パーティション
  +
! [[Wikipedia:Partition type|パーティションタイプ]]
  +
! 容量
  +
|-
  +
| {{ic|/mnt}}
  +
| {{ic|/dev/sd''X''1}}
  +
| Linux
  +
| デバイスの残り容量全て
  +
|-
  +
| [スワップ]
  +
| {{ic|/dev/sd''X''2}}
  +
| Linux swap
  +
| 512 MiB 以上
  +
|-
  +
!colspan="5" | UEFI と [[GPT]]
  +
|-
  +
! マウントポイント
  +
! パーティション
  +
! [[GUID Partition Table|パーティションタイプ]]
  +
! 容量
  +
|-
  +
| {{ic|/mnt/boot}} または {{ic|/mnt/efi}}
  +
| {{ic|/dev/sd''X''1}}
  +
| [[EFI システムパーティション]]
  +
| 260–512 MiB
  +
|-
  +
| {{ic|/mnt}}
  +
| {{ic|/dev/sd''X''2}}
  +
| Linux x86-64 root (/)
  +
| デバイスの残り容量全て
  +
|-
  +
| [スワップ]
  +
| {{ic|/dev/sd''X''3}}
  +
| Linux swap
  +
| 512 MiB 以上
  +
|-
  +
|}
  +
  +
詳しくは[[パーティショニング]]を見てください。
  +
  +
{{Note|
  +
* ''パーティションテーブル''を変更するときは [[fdisk]] や [[parted]] を使います: {{ic|# fdisk /dev/''sda''}}
  +
* [[スワップ|スワップ領域]]はスワップパーティションとして用意することも[[スワップ#スワップファイル|スワップファイル]]で設定することもできます。}}
   
 
=== パーティションのフォーマット ===
 
=== パーティションのフォーマット ===
[[File Systems (日本語)#Step 2: 新しいファイルシステムを作る|ファイルシステム]]を参照して下さい。
 
   
  +
パーティションを作成したら、適切な[[ファイルシステム]]でフォーマットする必要があります。例えば、[[ext4]] で {{ic|/dev/''sda1''}} のルートパーティションをフォーマットするには、以下のコマンドを実行:
(U)EFI を使うには、ほとんどの場合 UEFI System partition のためのパーティションが必要になります。[[Unified Extensible Firmware Interface (日本語)#EFI System Partition|Linux で UEFI システムパーティションを作る]]を参照。
 
  +
  +
# mkfs.''ext4'' /dev/''sda1''
  +
  +
スワップ用のパーティション (例: {{ic|/dev/''sda3''}}) を作成した場合は、''mkswap'' で初期化してください:
  +
  +
# mkswap /dev/''sda3''
  +
# swapon /dev/''sda3''
  +
  +
詳しくは[[ファイルシステム#デバイスのフォーマット|ファイルシステム]]や[[スワップ]]を参照して下さい。
   
 
=== パーティションのマウント ===
 
=== パーティションのマウント ===
  +
ルートパーティションのファイルシステムを {{ic|/mnt}} に[[マウント]]してください。例:
{{ic|/mnt}} に root パーティションをマウントします。{{ic|genfstab}} によって他のパーティション ({{ic|/mnt/boot}}, {{ic|/mnt/home}}, ...) を検知させたいときには、それぞれディレクトリを作ってマウントしたり [[Swap (日本語)|swap]] パーティションをマウントする必要があります。
 
  +
  +
# mount /dev/''sda1'' /mnt
  +
  +
他のパーティションについては、それぞれマウントポイントを作成してマウントしてください。例:
  +
  +
# mkdir /mnt/''boot''
  +
# mount /dev/''sda2'' /mnt/''boot''
  +
  +
後の [[#fstab の生成|fstab の生成]]で実行する genfstab は、マウントされているファイルシステムやスワップ領域を認識します。
   
 
=== インターネットへの接続 ===
 
=== インターネットへの接続 ===
デバイスを利用するための DHCP サービスが既に有効になっています。固定 IP をセットアップしたり [[Netctl (日本語)|Netctl]] のような接続ツールを使う必要があるときは、初めに、サービスを止める必要があります: {{ic|systemctl stop dhcpcd.service}}。詳しくは [[Network Configuration (日本語)]] を読んで下さい。
 
   
  +
ネットワーク接続を確立するために、以下の手順に従ってください:
==== 無線 ====
 
  +
{{ic|wifi-menu}} を起動しワイヤレスネットワークを設定します。詳細は、[[Wireless Setup (日本語)]] や [[Netctl (日本語)|Netctl]] を見て下さい。
 
  +
* [[ネットワークインターフェイス]]が認識・有効化されていることを確認してください、例えば {{man|8|ip-link}} を使って確認: {{bc|# ip link}}
  +
* ネットワークに接続してください。イーサネットケーブルを接続するか、あるいは[[ワイヤレス設定|ワイヤレス LAN に接続]]してください。
  +
* ネットワーク接続を設定してください:
  +
** [[ネットワーク設定#固定 IP アドレス|固定 IP アドレス]]
  +
** 動的 IP アドレス: [[DHCP]] を使う。
  +
*:{{Note|インストールイメージは起動時に [[dhcpcd]] ({{ic|dhcpcd@''interface''.service}}) を [https://git.archlinux.org/archiso.git/tree/configs/releng/airootfs/etc/udev/rules.d/81-dhcpcd.rules 有線ネットワークデバイス] で有効にします。}}
  +
* [[Wikipedia:ping|ping]] で接続を確認できます: {{bc|# ping archlinux.jp}}
  +
  +
=== システムクロックの更新 ===
  +
[[systemd-timesyncd]] を使ってシステムクロックを正確にしてください:
  +
# timedatectl set-ntp true
  +
  +
サービスの状態は {{ic|timedatectl status}} で確認できます。
  +
  +
== インストール ==
  +
  +
=== ミラーの選択 ===
  +
{{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} を編集して[[ミラー]]を選択してください。位置的に一番近いミラーがベストです。設定したミラーリストが {{ic|pacstrap}} によってインストール時にコピーされます。
   
 
=== ベースシステムのインストール ===
 
=== ベースシステムのインストール ===
インストールの前に、{{ic|/etc/pacman.d/mirrorlist}} を編集して[[Mirrors (日本語)|ミラー]]を選択することができます。設定したミラーリストが {{ic|pacstrap}} によってインストール時にコピーされます。
 
   
[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/tree/pacstrap.in pacstrap] スクリプトを使、ベースシステムをインストールします。[[Arch User Repository (日本語)|AUR]] からソフトウェアをコンイルしたり [[Arch Build System (日本語)|ABS]] を使うつもりであれば''base-devel'' パッケジグループもインストールするべきです。
+
[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/tree/pacstrap.in pacstrap] スクリプトを使用し{{Pkg|base}}ッケージと Linux [[カーネル]]、ファムウェアをインストールしてください:
 
# pacstrap /mnt base base-devel
 
   
  +
# pacstrap /mnt base linux linux-firmware
上のコマンドに名前を追加(スペースで区切る)すれば、ブートローダに含まれている他のパッケージも必要に応じてインストールできます。
 
   
  +
{{Tip|{{Pkg|linux}} は他の[[カーネル]]パッケージに置き換えることができ、また、コンテナとして使うなど、カーネルが必要ない場合はインストールしない選択肢もあります。}}
=== システムの設定 ===
 
* 以下のコマンドを実行して [[fstab (日本語)|fstab]] を生成してください (UUID やラベルを使いたい場合、それぞれ {{ic|-U}} や {{ic|-L}} オプションを加えます):
 
:{{bc|# genfstab -p /mnt >> /mnt/etc/fstab}}
 
* 新しくインストールしたシステムに [[Change Root (日本語)|chroot]]:
 
:{{bc|# arch-chroot /mnt}}
 
* あなたのホストネームを {{ic|/etc/hostname}} に書き込んでください。
 
   
  +
{{Pkg|base}} パッケージにはライブ環境に含まれているツールが全て含まれているわけではありません。したがって、ベースシステムを機能させるには別途以下のようなパッケージをインストールする必要があります。
* {{ic|/etc/localtime}} から {{ic|/usr/share/zoneinfo/Zone/SubZone}} にシンボリックリンクを張って下さい。{{ic|Zone}} と {{ic|Subzone}} はあなたのタイムゾーンに合わせて変更してください。例:
 
:{{bc|# ln -s /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime}}
 
   
  +
* システムで使用する[[ファイルシステム]]のユーザースペースユーティリティ
* {{ic|/etc/locale.gen}} 内の使用するロケールをアンコメントし、{{ic|locale-gen}} を実行してロケールを生成してください。
 
  +
* [[RAID]] や [[LVM]] パーティションにアクセスするためのユーティリティ
* [[Locale (日本語)#システム全体のロケールを設定する|ロケール]]を {{ic|/etc/locale.conf}} で設定します。
 
  +
* {{Pkg|linux-firmware}} に含まれていないデバイスを動かすためのファームウェアファイル
* [[KEYMAP (日本語)|コンソールキーマップとフォント]]の設定を {{ic|/etc/vconsole.conf}} に書きます。
 
  +
* [[ネットワーク]]を設定するのに必要なソフトウェア
* 必要があれば {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} を設定 ([[mkinitcpio (日本語)|mkinitcpio]]) し、イニシャル RAM ディスクを作ります:
 
  +
* [[テキストエディタ]]
:{{bc|# mkinitcpio -p linux}}
 
  +
* [[man]] や [[GNU|info]] ページのドキュメントを読むためのパッケージ: {{Pkg|man-db}}, {{Pkg|man-pages}}, {{Pkg|texinfo}}
   
  +
他のパッケージやグループをインストールしたい場合、上記の ''pacstrap'' コマンドの後ろに(スペースで区切ってから)パッケージ名を追加してください。また、[[#chroot|chroot]] を実行した後に [[pacman]] コマンドでインストールすることも可能です。ライブ環境に含まれていてデフォルトでインストールされてないパッケージは [https://projects.archlinux.org/archiso.git/tree/configs/releng/packages.x86_64 packages.x86_64] を見てください。
* {{ic|passwd}} で root パスワードを設定します。
 
* もう一度ネットワークの設定を行なって下さい。[[Network Configuration (日本語)]] や [[Wireless Setup (日本語)]] を見て下さい。
 
   
  +
[[Arch User Repository|AUR]] からソフトウェアをコンパイルしたり [[Arch Build System|ABS]] を使うつもりであれば、{{Grp|base-devel}} パッケージグループもインストールするべきです。
=== ブートローダーのインストールと設定 ===
 
[[GRUB (日本語)|GRUB]] や [[Syslinux (日本語)|Syslinux]] を選ぶことができます。
 
   
  +
== システムの設定 ==
=== アンマウントとリブート ===
 
chroot 環境から抜けるには、{{ic|exit}} と打つか、{{ic|Ctrl+D}} を押します。
 
次に {{ic|/mnt}} の下にマウントしたパーティションをアンマウントします:
 
# umount -R /mnt
 
   
  +
=== fstab の生成 ===
そして一度再起動してから root アカウントでログインします。
 
   
  +
[https://git.archlinux.org/arch-install-scripts.git/tree/genfstab.in genfstab] コマンドを実行して [[fstab]] を生成してください (UUID を使う場合は {{ic|-U}} オプション、ラベルを使う場合は {{ic|-L}} オプションのどちらかを指定します):
== インストール後 ==
 
  +
# genfstab -U /mnt >> /mnt/etc/fstab
   
  +
作成された {{ic|/mnt/etc/fstab}} を確認して、問題がないことをチェックしてください。
=== ユーザー管理 ===
 
   
  +
=== chroot ===
[[Users and Groups (日本語)#ユーザー管理|ユーザー管理]]で記述されているようにして必要なユーザーアカウントを追加してください。通常の利用に root アカウントを使ったり、サーバーの [[SSH]] から root が見えるのは得策とは言えません。root アカウントは管理業務だけに使われるべきです。
 
   
  +
新しくインストールしたシステムに [[Change Root|chroot]]:
=== パッケージ管理 ===
 
  +
# arch-chroot /mnt
   
  +
=== タイムゾーン ===
[[pacman (日本語)|pacman]] や [[FAQ (日本語)#パッケージ管理]] を見て、インストール・アップデート・パッケージ管理について学んで下さい。
 
   
  +
{{ic|/etc/localtime}} から {{ic|/usr/share/zoneinfo/Zone/SubZone}} にシンボリックリンクを張って下さい。{{ic|Zone}} と {{ic|Subzone}} はあなたのタイムゾーンに合わせて変更してください。例:
=== サービス管理===
 
  +
# ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
Arch Linux はシステムとサービスの管理に [[systemd (日本語)|systemd]] を init として使っています。あなたの Arch Linux をメンテナンスするのに、systemd について基本的なことを知っておくべきです。systemd を使うときには {{ic|systemctl}} コマンドを使います。 [[systemd (日本語)#systemctl の基本的な使い方]] を読んで下さい。
 
   
  +
{{man|8|hwclock}} を実行して {{ic|/etc/adjtime}} を生成してください。ハードウェアクロックが UTC に設定されている場合、マシンにインストールされている他のオペレーティングシステムも UTC に[[時刻#時刻系|設定]]する必要があります。
=== サウンド ===
 
   
  +
# hwclock --systohc --''utc''
[[Advanced Linux Sound Architecture (日本語)|ALSA]] は箱から出してすぐ使える状態になっています。アンミュートするだけです。{{Pkg|alsa-utils}} をインストール ({{ic|alsamixer}} が入っています)して[[Advanced Linux Sound Architecture (日本語)#チャンネルのミュートを解除する|この記事]]を読んで下さい。
 
   
  +
詳しくは[[時刻#時刻系]]を見てください。
最初にカーネルに含まれている ALSA を試すことをおすすめします。もし、ALSA が動かないときは [[OSS]] を代わりに使うことができます。より上級者向けのオーディを求めるならば、[[Sound system (日本語)|Sound system]] を見て様々な記事の概要を一読しましょう。
 
   
=== ディスプレイサ ===
+
=== ロケ ===
   
  +
{{ic|/etc/locale.gen}} を編集して使用する[[ロケール]] (例: {{ic|en_US.UTF-8 UTF-8}} と {{ic|ja_JP.UTF-8 UTF-8}}) をアンコメントし、次のコマンドを実行してください:
X Window System (X11, X) はネットワーク・ディスプレイプロトコルでありビットマップディスプレイでのウィンドウ機能を提供します。グラフィカルユーザーインターフェースを実現するためのデファクトスタンダードです。詳しくは [[Xorg (日本語)|Xorg]] を見て下さい。
 
  +
# locale-gen
  +
[[ロケール#システム全体のロケールを設定する|ロケール]]を {{ic|/etc/locale.conf}} で設定します:
  +
# echo LANG=''en_US.UTF-8'' > /etc/locale.conf
  +
必要であれば、{{man|5|vconsole.conf}} で[[コンソールでのキーボード設定|コンソールキーマップ]]と[[フォント#コンソールフォント|フォント]]を設定します:
  +
# echo KEYMAP=''jp106'' > /etc/vconsole.conf
   
  +
=== ホストネーム ===
[[Wayland (日本語)|Wayland]] は新しいディスプレイサーバープロトコルであり、リファレンス実装として Weston が利用できます。開発が初期段階のためアプリケーションのサポートは限られています。
 
   
  +
あなたのコンピュータの名前を {{ic|/etc/hostname}} に書き込んで適切な[[ホストネーム]]を設定してください:
=== フォント ===
 
  +
# echo ''myhostname'' > /etc/hostname
   
  +
同じ名前を {{ic|/etc/hosts}} にも記述します:
初めから入っている、スケールしないビットマップフォントだけでは飽きたらず、TrueType フォントのセットをインストールしたくなったかもしれません。DejaVu はハイクオリティな一般用途向けのフォントセットで、[[Wikipedia:ja:Unicode|Unicode]] をほぼカバーしています:
 
  +
{{hc|/etc/hosts|
  +
127.0.0.1 localhost
  +
::1 localhost
  +
127.0.1.1 ''myhostname''.localdomain ''myhostname''
  +
}}
   
  +
システムに永続的な IP アドレスを割り当てる場合、{{ic|127.0.1.1}} の代わりにそのアドレスを指定してください。
# pacman -S ttf-dejavu
 
   
  +
=== ネットワーク設定 ===
フォントレンダリングの設定やフォントのインストールについては[[Font Configuration (日本語)|フォント設定]]や[[Fonts (日本語)|フォント]]を参照してください。
 
   
  +
新しくインストールされた環境ではネットワーク接続がデフォルトで有効になっていません。{{Pkg|iputils}} などのパッケージをインストールして、もう一度ネットワークの設定を行なってください。[[ネットワーク設定]]を見てください。
== 付録 ==
 
  +
  +
[[ワイヤレス設定]]の場合 {{Pkg|iw}}, {{Pkg|wpa_supplicant}}, {{Pkg|dialog}} パッケージや[[ワイヤレス設定#ドライバー・ファームウェアをインストールする|ファームウェアパッケージ]]のインストールが必要です。
  +
  +
=== Initramfs ===
  +
  +
([[LVM#mkinitcpio.conf の設定|LVM]], [[dm-crypt]], [[RAID#mdadm フックを mkinitcpio.conf に追加する|RAID]] 環境など) 必要があれば {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} を設定 ([[mkinitcpio]]) し、イニシャル RAM ディスクを生成:
  +
# mkinitcpio -P
  +
  +
=== Root パスワード ===
  +
  +
{{ic|passwd}} で root パスワードを設定します:
  +
# passwd
  +
  +
=== ブートローダー ===
  +
Arch Linux を起動するために Linux に対応している[[ブートローダー]]を選択してインストールする必要があります。ブートローダーは、[[#起動モードの確認|起動モード]]が UEFI の場合は [[systemd-boot]] や [[GRUB]]、BIOS の場合は GRUB が多く選択されています。
  +
  +
Intel または AMD の CPU を使っている場合は[[マイクロコード]]のアップデートを有効にしてください。
  +
  +
=== 再起動 ===
  +
chroot 環境から抜けるには、{{ic|exit}} と打つか、{{ic|Ctrl+d}} を押します。
  +
  +
また、任意で {{ic|/mnt}} にマウントしたパーティションをアンマウントします: {{ic|umount -R /mnt}}。
  +
  +
そして {{ic|reboot}} と入力してマシンを再起動してください。インストールメディアを取り除いて、root アカウントで新しいシステムにログインします。
  +
  +
== インストール後 ==
   
  +
システム管理の方法やインストール後のチュートリアルは[[一般的な推奨事項]]を参照 (グラフィカルユーザーインターフェイス、サウンド、タッチパッドなど)。
あなたの興味を引くであろうアプリケーションの一覧は、[[List of Applications (日本語)|List of Applications]] を参照。
 
   
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あなたの興味を引くであろうアプリケーションの一覧は、[[アプリケーション一覧]]を参照。
タッチパッドやフォントレンダリングの設定のようなインストール後のチュートリアルは [[General Recommendations (日本語)|General Recommendations]] を参照。
 

2019年11月21日 (木) 22:48時点における版

このドキュメントは、Arch Install Scripts を使って Arch Linux をインストールする過程を案内するものです。インストールの前に、FAQ に目を通しておくことをお勧めします。使用されている用語については、ヘルプ:読み方を見てください。コードの例にはプレースホルダ (斜体 の文字) を含んでいる場合があり、手動で置き換える必要があります。

コミュニティによって管理されている Arch wiki には様々な情報が記載されており、問題が起こった時はまず wiki を参照してください (インストール環境からは ELinks で閲覧できます)。答えが見つけられない場合には、Slack や、フォーラム を使って下さい。また、使い慣れていないコマンドは man コマンド で man ページを参照しましょう。

Arch Linux は 512 MB 以上のメモリが搭載された x86_64 互換のマシンで動作します。base グループに含まれている全てのパッケージをインストールしても、使用するディスク容量は 800 MB 以下です。インストールする際はリモートリポジトリからパッケージを取得する必要があるため、インターネットに接続できる環境が必要です。

インストールの準備

インストールメディアとメディアの GnuPG 署名は ダウンロード ページから入手できます。

署名の検証

イメージは使用する前に署名を検証することを推奨します。特に「HTTP ミラー」からイメージをダウンロードした場合、悪意のあるイメージ に差し替えられる可能性があるため特に検証を行ってください。

GnuPG がインストールされている場合、ISO のディスクに ("チェックサム" の下にある) "PGP 署名" をダウンロードして、以下のコマンドを実行すれば検証できます:

$ gpg --keyserver-options auto-key-retrieve --verify archlinux-version-x86_64.iso.sig

もしくは、既存の Arch Linux 環境から root で以下のコマンドを実行してください:

$ pacman-key -v archlinux-version-x86_64.iso.sig
ノート:
  • 上記の archlinux.jp ではなくミラーサイトから署名をダウンロードした場合、署名も改変されている可能性があります。その場合、署名をデコードするのに使用する公開鍵が他の信用できる鍵によって署名されていることを確認してください。gpg コマンドで公開鍵のフィンガープリントが出力されます。
  • 署名を検証する他の方法として ISO ファイルに署名している Arch Linux の開発者 のフィンガープリントと公開鍵のフィンガープリントが一致していることを確認することでも検証できます。公開鍵認証について詳しくは Wikipedia:ja:公開鍵暗号 を見てください。

ライブ環境の起動

ライブ環境はUSB フラッシュドライブ光学ディスク、あるいは PXE を使ってネットワーク経由で起動できます。他のインストール方法についてはカテゴリ:Arch の入手とインストールを見てください。

  • 大抵の場合、起動時の POST フェイズで起動画面に書かれたキーを押すことで、Arch インストールメディアが含まれているドライブから起動するように指定できます。詳しくは使用しているマザーボードのマニュアルを見てください。
  • Arch のメニューが表示されたら、Boot Arch Linux を選択して Enter を押すことでインストール環境が開きます。
  • ブートパラメータの一覧については README.bootparams を、含まれているパッケージの一覧は packages.x86_64 を見てください。
  • 最初に仮想端末に root ユーザーでログインされ、Zsh のシェルプロンプトが表示されます。

Alt+arrow ショートカットを使用することでコンソールを切り替えることができます (例えば ELinks でガイドを見ながら操作できます)。設定ファイルを編集するときは nano, vi, vim が使えます。

キーボードレイアウト

デフォルトのキーボードレイアウトは US キーボードです。利用可能なキーマップは以下のコマンドで確認できます:

# ls /usr/share/kbd/keymaps/**/*.map.gz

レイアウトを変更するには使用したいファイルの名前を指定して loadkeys(1) を実行してください。パスや拡張子は省略可能です。例えば、日本語キーボードレイアウトに設定するには:

# loadkeys jp106

コンソールフォント/usr/share/kbd/consolefonts/ に存在し、setfont(8) で設定ができます。

起動モードの確認

UEFI マザーボードで UEFI モードが有効になっている場合、Archisosystemd-boot によって Arch Linux を起動します。UEFI 環境ではインストール手順が多少異なります。efivars をチェックして UEFI モードで起動しているかどうか確認してください:

# ls /sys/firmware/efi/efivars

ディレクトリが存在しない場合、BIOS (または CSM) モードで起動しています。詳しくは使用しているマザーボードのマニュアルを読んでください。

パーティション

ライブ環境によって認識されたディスクには /dev/sda/dev/nvme0n1 などのようにブロックデバイスが割り当てられます。デバイスを確認するには、lsblk または fdisk を使ってください:

# fdisk -l

rom, loop, airoot などのデバイスは無視してかまいません。

Arch Linux をインストールするデバイスには以下のパーティションが必要です:

LVM, ディスク暗号化, RAID などを使う場合は、この段階で用意をします。

レイアウト例

BIOS と MBR
マウントポイント パーティション パーティションタイプ 容量
/mnt /dev/sdX1 Linux デバイスの残り容量全て
[スワップ] /dev/sdX2 Linux swap 512 MiB 以上
UEFI と GPT
マウントポイント パーティション パーティションタイプ 容量
/mnt/boot または /mnt/efi /dev/sdX1 EFI システムパーティション 260–512 MiB
/mnt /dev/sdX2 Linux x86-64 root (/) デバイスの残り容量全て
[スワップ] /dev/sdX3 Linux swap 512 MiB 以上

詳しくはパーティショニングを見てください。

ノート:

パーティションのフォーマット

パーティションを作成したら、適切なファイルシステムでフォーマットする必要があります。例えば、ext4/dev/sda1 のルートパーティションをフォーマットするには、以下のコマンドを実行:

# mkfs.ext4 /dev/sda1

スワップ用のパーティション (例: /dev/sda3) を作成した場合は、mkswap で初期化してください:

# mkswap /dev/sda3
# swapon /dev/sda3

詳しくはファイルシステムスワップを参照して下さい。

パーティションのマウント

ルートパーティションのファイルシステムを /mntマウントしてください。例:

# mount /dev/sda1 /mnt

他のパーティションについては、それぞれマウントポイントを作成してマウントしてください。例:

# mkdir /mnt/boot
# mount /dev/sda2 /mnt/boot

後の fstab の生成で実行する genfstab は、マウントされているファイルシステムやスワップ領域を認識します。

インターネットへの接続

ネットワーク接続を確立するために、以下の手順に従ってください:

システムクロックの更新

systemd-timesyncd を使ってシステムクロックを正確にしてください:

# timedatectl set-ntp true

サービスの状態は timedatectl status で確認できます。

インストール

ミラーの選択

/etc/pacman.d/mirrorlist を編集してミラーを選択してください。位置的に一番近いミラーがベストです。設定したミラーリストが pacstrap によってインストール時にコピーされます。

ベースシステムのインストール

pacstrap スクリプトを使用して base パッケージと Linux カーネル、ファームウェアをインストールしてください:

# pacstrap /mnt base linux linux-firmware
ヒント: linux は他のカーネルパッケージに置き換えることができ、また、コンテナとして使うなど、カーネルが必要ない場合はインストールしない選択肢もあります。

base パッケージにはライブ環境に含まれているツールが全て含まれているわけではありません。したがって、ベースシステムを機能させるには別途以下のようなパッケージをインストールする必要があります。

他のパッケージやグループをインストールしたい場合、上記の pacstrap コマンドの後ろに(スペースで区切ってから)パッケージ名を追加してください。また、chroot を実行した後に pacman コマンドでインストールすることも可能です。ライブ環境に含まれていてデフォルトでインストールされてないパッケージは packages.x86_64 を見てください。

AUR からソフトウェアをコンパイルしたり ABS を使うつもりであれば、base-devel パッケージグループもインストールするべきです。

システムの設定

fstab の生成

genfstab コマンドを実行して fstab を生成してください (UUID を使う場合は -U オプション、ラベルを使う場合は -L オプションのどちらかを指定します):

# genfstab -U /mnt >> /mnt/etc/fstab

作成された /mnt/etc/fstab を確認して、問題がないことをチェックしてください。

chroot

新しくインストールしたシステムに chroot:

# arch-chroot /mnt

タイムゾーン

/etc/localtime から /usr/share/zoneinfo/Zone/SubZone にシンボリックリンクを張って下さい。ZoneSubzone はあなたのタイムゾーンに合わせて変更してください。例:

# ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime

hwclock(8) を実行して /etc/adjtime を生成してください。ハードウェアクロックが UTC に設定されている場合、マシンにインストールされている他のオペレーティングシステムも UTC に設定する必要があります。

# hwclock --systohc --utc

詳しくは時刻#時刻系を見てください。

ロケール

/etc/locale.gen を編集して使用するロケール (例: en_US.UTF-8 UTF-8ja_JP.UTF-8 UTF-8) をアンコメントし、次のコマンドを実行してください:

# locale-gen

ロケール/etc/locale.conf で設定します:

# echo LANG=en_US.UTF-8 > /etc/locale.conf

必要であれば、vconsole.conf(5)コンソールキーマップフォントを設定します:

# echo KEYMAP=jp106 > /etc/vconsole.conf

ホストネーム

あなたのコンピュータの名前を /etc/hostname に書き込んで適切なホストネームを設定してください:

# echo myhostname > /etc/hostname

同じ名前を /etc/hosts にも記述します:

/etc/hosts
127.0.0.1	localhost
::1		localhost
127.0.1.1	myhostname.localdomain	myhostname

システムに永続的な IP アドレスを割り当てる場合、127.0.1.1 の代わりにそのアドレスを指定してください。

ネットワーク設定

新しくインストールされた環境ではネットワーク接続がデフォルトで有効になっていません。iputils などのパッケージをインストールして、もう一度ネットワークの設定を行なってください。ネットワーク設定を見てください。

ワイヤレス設定の場合 iw, wpa_supplicant, dialog パッケージやファームウェアパッケージのインストールが必要です。

Initramfs

(LVM, dm-crypt, RAID 環境など) 必要があれば /etc/mkinitcpio.conf を設定 (mkinitcpio) し、イニシャル RAM ディスクを生成:

# mkinitcpio -P

Root パスワード

passwd で root パスワードを設定します:

# passwd

ブートローダー

Arch Linux を起動するために Linux に対応しているブートローダーを選択してインストールする必要があります。ブートローダーは、起動モードが UEFI の場合は systemd-bootGRUB、BIOS の場合は GRUB が多く選択されています。

Intel または AMD の CPU を使っている場合はマイクロコードのアップデートを有効にしてください。

再起動

chroot 環境から抜けるには、exit と打つか、Ctrl+d を押します。

また、任意で /mnt にマウントしたパーティションをアンマウントします: umount -R /mnt

そして reboot と入力してマシンを再起動してください。インストールメディアを取り除いて、root アカウントで新しいシステムにログインします。

インストール後

システム管理の方法やインストール後のチュートリアルは一般的な推奨事項を参照 (グラフィカルユーザーインターフェイス、サウンド、タッチパッドなど)。

あなたの興味を引くであろうアプリケーションの一覧は、アプリケーション一覧を参照。