「Archiso」の版間の差分

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$ run_archiso -u -i ''/path/to/''archlinux-''yyyy.mm.dd''-x86_64.iso
 
$ run_archiso -u -i ''/path/to/''archlinux-''yyyy.mm.dd''-x86_64.iso
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== ヒントとテクニック ==
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=== オンラインビルド ===
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利用可能な Arch システムがない場合や、他の GNU/Linux ディストリビューションから Archiso をセットアップする必要がある場合、[https://colab.research.google.com/github/tallero/archiso-profiles/ オンラインのビルダー] があります。
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=== SSH 経由でインストールするための ISO を準備する ===
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{{Note|{{ic|archlinux-2021.02.01-x86_64.iso}} 以降、[https://gitlab.archlinux.org/archlinux/archiso/-/tree/bd2b861aa39167e4fc658a354071b95fbd050c0f/configs/releng/airootfs/etc/systemd/system/cloud-init.target.wants cloud-init のサポート]が提供されるようになり、{{ic|sshd.service}} は [https://gitlab.archlinux.org/archlinux/archiso/-/blob/bd2b861aa39167e4fc658a354071b95fbd050c0f/configs/releng/airootfs/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/sshd.service デフォルトで有効化されています]。}}
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システムと対話せずに [[SSH からインストール|SSH から Arch Linux をインストールする]]には、SSH 公開鍵を {{ic|authorized_keys}} 内に記入する必要があります。
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SSH 鍵は、手動 (ここで説明します) か、[[SSH からインストール#Installation on a headless server|cloud-init]] によって追加することができます。
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鍵を手動で追加するには、まず、書き込み可能なディレクトリに [[#カスタムプロファイルを準備する|Archiso の releng プロファイルをコピー]]してください。次の例では {{ic|archlive}} を使っています。
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$ cp -r /usr/share/archiso/configs/''profile/'' archlive
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ログインに使用されるユーザーのホームディレクトリ内に {{ic|.ssh}} ディレクトリを作成してください。以下の例では root ユーザを使用しています。
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$ mkdir archlive/airootfs/root/.ssh
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(ログインに使用される) SSH 公開鍵を {{ic|authorized_keys}} に追加してください:
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$ cat ~/.ssh/''key1''.pub >> archlive/airootfs/root/.ssh/authorized_keys
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$ cat ~/.ssh/''key2''.pub >> archlive/airootfs/root/.ssh/authorized_keys
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{{ic|.ssh}} ディレクトリと {{ic|authorized_keys}} ファイルに正しい[[パーミッション]]と所有者を設定してください:
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{{hc|archlive/profiledef.sh|2=
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...
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file_permissions=(
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...
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["/root"]="0:0:0750"
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["/root/.ssh"]="0:0:0700"
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["/root/.ssh/authorized_keys"]="0:0:0600"
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)
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}}
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最後に、[[#ISO をビルドする|ISO をビルドしてください]]。ISO のブート時に [[OpenSSH]] が起動し、対応する SSH 秘密鍵を使ってログインできるようになります。
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=== iwd を使って Wi-Fi ネットワークに自動的に接続する ===
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プロファイルの {{ic|airootfs}} ディレクトリ内に {{ic|/var/lib/iwd/}} を作成し、正しいパーミッションを設定してください:
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$ mkdir -p ''archlive''/airootfs/var/lib/iwd
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{{hc|archlive/profiledef.sh|2=
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...
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file_permissions=(
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...
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["/var/lib/iwd"]="0:0:0700"
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)
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}}
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[[iwd#ネットワーク設定]] と {{man|5|iwd.network}} の指示に従って、Wi-Fi ネットワークのためのネットワーク設定ファイルを作成してください。
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設定ファイルは {{ic|''archlive''/airootfs/var/lib/iwd/}} 内に保存してください。
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=== ルートパーティションのサイズを動作中に調整する ===
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{{Accuracy|Explaining ''how'' but omitting the ''why'' renders the whole section useless.}}
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ISO 環境でファイルをダウンロードしたりパッケージをインストールした際に以下のエラーメッセージが発生する場合、シャットダウンして Archiso の起動中にルートパーティションのサイズを調整する必要があるかもしれません。
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error: partition / too full: 63256 blocks needed, 61450 blocks free
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error: not enough free disk space
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error: failed to commit transaction (not enough free disk space)
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Errors occurred: no packages were upgraded.
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ライブ Arch Linux システム上のルートパーティションのサイズを調整するには、{{ic|Tab}} キーを押してカーネルパラメータを編集してください。
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ルートパーティション用にサイズ 2G を確保するには、カーネルパラメータの最後に {{ic|1=cow_spacesize=2G}} を追加してください。
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{{ic|Enter}} を押してライブシステムの起動を続行してください。
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ファイルシステムのサイズは以下で確認できます:
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$ df -h
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以下のコマンドを実行することで動作中にルートパーティションのサイズを調整できます:
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# mount -o remount,size=2G /run/archiso/cowspace
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その他のブートパラメータに関しては、[https://gitlab.archlinux.org/mkinitcpio/mkinitcpio-archiso/blob/master/docs/README.bootparams こちら] を見てください。
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=== 暗号化 ===
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バニラの {{ic|mkarchiso}} で暗号化済みイメージの生成や、[https://gitlab.archlinux.org/archlinux/archiso/-/merge_requests/217 archiso] での [[LUKS]] サポート、[https://gitlab.archlinux.org/mkinitcpio/mkinitcpio-archiso/-/merge_requests/25 mkinitcpio-archiso] で [[dm-crypt/システム設定|encrypt]] フックの互換性、{{Pkg|cryptsetup}} でのネストされた {{ic|cryptkey}} サポートを実現するには、マージリクエストが受理される必要があります。
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そのような機能がすでにマージされているパッケージは、{{AUR|archiso-encryption}}、{{AUR|mkinitcpio-archiso-encryption}}、{{AUR|cryptsetup-nested-cryptkey}} です。
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既存のプロファイルで暗号化を有効化するには:
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* {{ic|profiledef.sh}} 内の {{ic|airootfs_image_type}} に {{ic|+luks}} を追加する。
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* {{ic|profiledef.sh}} で {{ic|encryption_key}} を設定する (パスワードの代わりにキーファイルを使用するため)。
  +
* {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} で {{ic|encrypt}} フックを有効化する。
  +
* AUR パッケージ (あるいは前述のソースでカスタムの代替をビルドする) を {{ic|packages.x86_64}} に追加する。
  +
* {{ic|keys}} ビルドモードを {{ic|profiledef.sh}} 内の {{ic|buildmodes}} 配列に追加する (キーファイルを含む第2の ISO をビルドするため。この ISO は外部のストレージに入れて、システムを起動するために使用できます)。
  +
  +
{{ic|baseline}} プロファイルと {{ic|releng}} プロファイルをベースとした設定例は、{{AUR|archiso-profiles}} パッケージの {{ic|ebaseline}} と {{ic|ereleng}} で見られます。
  +
  +
=== Google Compute Engine イメージ ===
  +
  +
Google Compute Engine 互換の {{ic|releng}} 圧縮イメージは {{AUR|archlinux-gce}} で手に入ります。
  +
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=== Libvirt VM 設定 ===
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{{ic|releng}} イメージを実行する [[libvirt]] 設定は、{{AUR|archlinux-libvirt}} で手に入ります。
   
 
== インターネットにアクセスできない環境でのインストール ==
 
== インターネットにアクセスできない環境でのインストール ==

2022年9月4日 (日) 14:14時点における版

関連記事

Archiso は Arch Linux のライブ CD/USB ISO イメージを構築するための 高度にカスタマイズ可能なツールです。公式のイメージは Archiso でビルドされています。レスキューシステム、Linux インストーラー、そして他のシステム用のベースとして使用できます。この Wiki 記事では、Archiso のインストールの仕方と、成果物の ISO イメージに含まれるパッケージやファイルなどを設定する方法について説明します。技術的な要求とビルドの手順は プロジェクトの公式ドキュメントを参照してください。Archiso はいくつもの Bash スクリプトで実装されており、mkarchiso コマンドがその中心です。このコマンドのオプションは mkarchiso -h で文書化されているので、ここでは説明しません。

目次

インストール

archiso パッケージか archiso-gitAUR パッケージをインストールしてください。archiso-profilesAUR パッケージには、コミュニティによって提供されている追加のプロファイルが含まれています。

カスタムプロファイルを準備する

Archiso には2つのプロファイルが付属しています。relengbaseline です。

  • releng は毎月リリースされる公式インストール ISO を作成するために使われます。カスタマイズ ISO イメージを作成するためのベースとしても使用できます。
  • baseline は最小限の構成であり、メディアからライブ環境を起動するために必要な最小限のパッケージのみが含まれています。

未変更のプロファイルをビルドする場合は、#ISO をビルドする までスキップしてください。archiso に同梱されているプロファイルのうちどれかをカスタマイズしたい場合は、ディレクトリ /usr/share/archiso/configs/profile-name/ を、自由な名前の書き込み可能なディレクトリへコピーしてください。例えば:

$ cp -r /usr/share/archiso/configs/releng/ archlive

カスタムプロファイルをカスタマイズ、ビルドするには以下のセクションに進んでください。

プロファイルの構造

Archiso プロファイルは、生成される ISO イメージの内容を定義する設定ファイルが含まれています。プロファイルの構造は /usr/share/doc/archiso/README.profile.rst[1] で文書化されています。

パッケージを選択する

packages.x86_64 を編集して、ライブシステムイメージにどのパッケージをインストールするかを選択してください。1行で1つのパッケージが定義されます。

カスタムのローカルリポジトリ

標準の Arch リポジトリに存在しないパッケージ (カスタムパッケージや AUR/ABS からのパッケージ) を追加するには, カスタムローカルリポジトリ を設定し、そこにパッケージを追加してください。その後、pacman.conf にリポジトリを以下のように追加してください:

archlive/pacman.conf
...
[customrepo]
SigLevel = Optional TrustAll
Server = file:///path/to/customrepo
...
ノート: pacman.conf 内での順番は重要です。カスタムリポジトリを最優先させるには、他のリポジトリエントリよりも上にそのリポジトリを配置してください。

multilib のパッケージ

multilib リポジトリからパッケージをインストールする場合は、pacman.conf 内にある multilib リポジトリをアンコメントしてください。

イメージにファイルを追加する

airootfs ディレクトリはライブシステムの root ディレクトリ (/) の起点として使用されます。このディレクトリの全てのファイルがパッケージがインストールされる前に作業ディレクトリにコピーされます。

カスタムのファイルやディレクトリを airootfs/ 下の好きな場所に配置してください。例えば、現在のシステム上の iptables スクリプトのセットをライブイメージで使用したい場合、それらを以下のようにコピーします:

$ cp -r /etc/iptables archlive/airootfs/etc

同様に、この階層の下のどこかに存在する特別な設定ファイルにも注意が必要です。ディレクトリ構造のかけている部分は mkdir(1) で作成できます。

ヒント: インストールユーザーのホームディレクトリにファイルを追加する場合、 archlive/airootfs/root/ にファイルを設置してください。全てのユーザーのホームディレクトリに設置したい場合、それらを archlive/airootfs/etc/skel/.

に設置してください。

ノート: カスタムファイルがパッケージによって提供されているファイルと衝突する場合、バックアップファイル に指定されていない限り上書きされます。

デフォルトでは、ファイルのパーミッション644、ディレクトリのパーミッションは 755 に設定されており、全て root ユーザーによって所有されています。特定のファイルやフォルダーに別のパーミッションや所有者を設定するには、 file_permissions 連想配列を profiledef.sh で設定してください. 詳細は README.profile.rst を確認してください。

カーネル

archiso に含まれている両プロファイルには linux しかありませんが、ISO には他のカーネル、さらに言えば複数のカーネルをも含ませることができます。

まず、packages.x86_64 を編集して、お好みのカーネルパッケージ名を記入します。mkarchiso を実行すると、すべての work_dir/airootfs/boot/vmlinuz-*work_dir/boot/initramfs-*.img (加えて、UEFI 起動に使われる FAT イメージ) が ISO に入ります。

デフォルトでは、mkinitcpio プリセットはフォールバックの initramfs イメージもビルドします。ISO の場合、メインの initramfs イメージには autodetect フックが含まれないので、追加のフォールバックイメージは不要になります。(スペースの節約やビルドプロセスの高速化のために) フォールバック initramfs イメージを作成しないようにするには、archlive/airootfs/etc/mkinitcpio.d/pkgbase.preset 内にカスタムのプリセットを配置してください。例えば、linux-lts の場合:

archlive/airootfs/etc/mkinitcpio.d/linux-lts.preset
PRESETS=('archiso')

ALL_kver='/boot/vmlinuz-linux-lts'
ALL_config='/etc/mkinitcpio.conf'

archiso_image="/boot/initramfs-linux-lts.img"

最後に、ブートローダーの設定ファイルを生成して、カーネルを起動可能にしてください。

ブートローダー

Archiso では、BIOS ブート用に syslinux、UEFI ブート用に systemd-boot をサポートしています。設定ファイルの構文に関する情報はそれぞれのブートローダーの記事を参照してください。

ヒント:
  • releng プロファイルは、El Torito を使って光学ディスクに焼いた場合や、Isohybrid を使ってハードディスクに書き込んだ場合は、BIOS と UEFI ブートの両方をサポートする ISO をデフォルトでビルドします。
  • isolinux のモジュール性により、.c32 ファイルがすべてコピーされ利用可能なので、多くのアドオンを利用できます。公式の syslinux サイトarchiso git リポジトリ を参照してください。アドオンを使えば、魅力的で複雑なメニューを作ることができます。[2] を見てください。

mkarchiso は、systemd-boot の設定が efiboot ディレクトリ内に、syslinux の設定がディレクトリ syslinuxisolinux 内に存在することを期待します。

UEFI セキュアブート

UEFI セキュアブートが有効な環境で Archiso を起動できるようにしたい場合、署名済みのブートローダーを使わねばなりません。セキュアブート#インストールメディアを起動する の指示に従うことで可能です。

systemd ユニット

ライブ環境で systemd のサービス/ソケット/タイマーを有効化するには、systemctl enable が行うように、シンボリックリンクを手動で作成する必要があります。

例えば、gpm.service (WantedBy=multi-user.target を含んでいます) を有効化するには、以下を実行してください:

$ mkdir -p archlive/airootfs/etc/systemd/system/multi-user.target.wants
$ ln -s /usr/lib/systemd/system/gpm.service archlive/airootfs/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/

必要なシンボリックリンクは systemd ユニットを読めば分かります。サービスがインストール済みならば、それを有効化して systemctl の出力を観察することで、必要なシンボリックリンクを知ることができます。

ログインマネージャ

ログインマネージャの systemd サービスを有効化することで、X を起動時に起動します。どの .service を有効化すべきかわからない場合、ISO のシステム上にあるものと同じプログラムを使っていればすぐに確認することができます:

$ ls -l /etc/systemd/system/display-manager.service

そして archlive/airootfs/etc/systemd/system/ に同じソフトリンクを作成してください。LXDM の場合:

$ ln -s /usr/lib/systemd/system/lxdm.service archlive/airootfs/etc/systemd/system/display-manager.service

これでライブ環境でシステムを起動した時に LXDM が有効になります。

自動ログインを変更する

getty の自動ログインの設定は airootfs/etc/systemd/system/getty@tty1.service.d/autologin.conf にあります。

このファイルを編集することで自動ログインするユーザーを変更することができます:

[Service]
ExecStart=
ExecStart=-/sbin/agetty --autologin username --noclear %I 38400 linux

もしくは上記の設定を削除することで自動ログインを無効化することも可能です。

ユーザとパスワード

ライブ環境で利用可能なユーザを作成するには、archlive/airootfs/etc/passwdarchlive/airootfs/etc/shadowarchlive/airootfs/etc/group そして archlive/airootfs/etc/gshadow を手動で編集しなければなりません。

ノート: これらのファイルが存在する場合、それらには root ユーザと root グループが含まれていなければなりません。

例えば、archie ユーザを追加するとします。passwd(5) の文法に従ってそのユーザを archlive/airootfs/etc/passwd に追加してください:

archlive/airootfs/etc/passwd
root:x:0:0:root:/root:/usr/bin/zsh
archie:x:1000:1000::/home/archie:/usr/bin/zsh

openssl passwd -6 を使ってパスワードのハッシュ値を生成し、shadow(5) の文法に従ってそのハッシュ値を archlive/airootfs/etc/shadow に追加してください。例えば:

archlive/airootfs/etc/shadow
root::14871::::::
archie:$6$randomsalt$cij4/pJREFQV/NgAgh9YyBIoCRRNq2jp5l8lbnE5aLggJnzIRmNVlogAg8N6hEEecLwXHtMQIl2NX2HlDqhCU1:14871::::::

group(5) に従って、ユーザのグループと、そのユーザが所属するグループを archlive/airootfs/etc/group に追加してください。例えば:

archlive/airootfs/etc/group
root:x:0:root
adm:x:4:archie
wheel:x:10:archie
uucp:x:14:archie
archie:x:1000:

gshadow(5) に従って、適切な archlive/airootfs/etc/gshadow を作成してください:

archlive/airootfs/etc/gshadow
root:!*::root
archie:!*::

/etc/shadow/etc/gshadow のパーミッションが正しいことを確認してください:

archlive/profiledef.sh
...
file_permissions=(
  ...
  ["/etc/shadow"]="0:0:0400"
  ["/etc/gshadow"]="0:0:0400"
)

パッケージのインストール後、mkarchisoarchlive/airootfs/etc/passwd 内にあるユーザの指定されたホームディレクトリをすべて作成し、work_directory/x86_64/airootfs/etc/skel/* をそれらへコピーします。コピーされたファイルには適切なユーザとグループの所有権が付与されます。

ISO で使用されるディストリビューション名を変更する

まず、/etc/os-release ファイルを rootfs 内の etc/ フォルダにコピーしてください。そして、そのファイルを適宜編集してください。GRUB と syslinux 内部での名前も変更できます。

ISO をビルドする

CD や USB に焼くことのできる ISO を以下のコマンドでビルドしてください:

# mkarchiso -v -w /path/to/work_dir -o /path/to/out_dir /path/to/profile/
  • -w は作業ディレクトリを指定します。このオプションが指定されない場合、カレントディレクトリ内の work をデフォルトとして使用します。
  • -o は、ビルド済み ISO イメージが置かれるディレクトリを指定します。このオプションが指定されない場合、カレントディレクトリ内の out をデフォルトとして使用します。
  • mkarchiso の実行時にはプロファイルファイル profiledef.sh は指定できず、そのファイルまでのパスのみを指定できることに注意してください (訳注: つまり、そのファイルが存在するディレクトリを指定する)。

/path/to/profile/ はカスタムプロファイルへのパスに置き換えてください。未変更のプロファイルをビルドする場合は /usr/share/archiso/configs/releng/ に置き換えてください。

ヒント: メモリ容量が十分ならば、作業ディレクトリを tmpfs 上に置くのが好ましいでしょう。例えば:
# mkarchiso -v -w /tmp/archiso-tmp /path/to/profile/

スクリプトは、指定されたパッケージを work_directory/x86_64/airootfs へダウンロード・インストールし、カーネルと init イメージを作成し、カスタマイズを適用し、最後に ISO をビルドして出力ディレクトリへ保存します。

作業ディレクトリの削除

警告: mkarchiso の実行が中断された場合、作業ディレクトリを削除する前に findmnt(8) を実行して、マウントバインドが存在しないことを確認してください。さもないと、データが消失する場合があります (例えば、/run/media/user/label にマウントされている外部デバイスが、ビルドプロセス中に work/x86_64/airootfs/run/media/user/label へバインドされます)。

一時ファイルが作業ディレクトリにコピーされています。ISO を正常にビルドした後であれば、作業ディレクトリとその内容を削除できます。例えば:

# rm -rf /path/to/work_dir

ISO を使う

選択肢については インストールガイド#インストールメディアの準備 を見てください。

ISO を QEMU でテストする

任意の依存パッケージである qemu-desktopedk2-ovmfインストールしてください。

QEMU を使ってビルド済みイメージを実行するには、run_archiso という便利なスクリプトを使ってください:

$ run_archiso -i /path/to/archlinux-yyyy.mm.dd-x86_64.iso

仮想マシンは UEFI エミュレートを使って実行することもできます:

$ run_archiso -u -i /path/to/archlinux-yyyy.mm.dd-x86_64.iso

ヒントとテクニック

オンラインビルド

利用可能な Arch システムがない場合や、他の GNU/Linux ディストリビューションから Archiso をセットアップする必要がある場合、オンラインのビルダー があります。

SSH 経由でインストールするための ISO を準備する

ノート: archlinux-2021.02.01-x86_64.iso 以降、cloud-init のサポートが提供されるようになり、sshd.serviceデフォルトで有効化されています

システムと対話せずに SSH から Arch Linux をインストールするには、SSH 公開鍵を authorized_keys 内に記入する必要があります。

SSH 鍵は、手動 (ここで説明します) か、cloud-init によって追加することができます。

鍵を手動で追加するには、まず、書き込み可能なディレクトリに Archiso の releng プロファイルをコピーしてください。次の例では archlive を使っています。

$ cp -r /usr/share/archiso/configs/profile/ archlive

ログインに使用されるユーザーのホームディレクトリ内に .ssh ディレクトリを作成してください。以下の例では root ユーザを使用しています。

$ mkdir archlive/airootfs/root/.ssh

(ログインに使用される) SSH 公開鍵を authorized_keys に追加してください:

$ cat ~/.ssh/key1.pub >> archlive/airootfs/root/.ssh/authorized_keys
$ cat ~/.ssh/key2.pub >> archlive/airootfs/root/.ssh/authorized_keys

.ssh ディレクトリと authorized_keys ファイルに正しいパーミッションと所有者を設定してください:

archlive/profiledef.sh
...
file_permissions=(
  ...
  ["/root"]="0:0:0750"
  ["/root/.ssh"]="0:0:0700"
  ["/root/.ssh/authorized_keys"]="0:0:0600"
)

最後に、ISO をビルドしてください。ISO のブート時に OpenSSH が起動し、対応する SSH 秘密鍵を使ってログインできるようになります。

iwd を使って Wi-Fi ネットワークに自動的に接続する

プロファイルの airootfs ディレクトリ内に /var/lib/iwd/ を作成し、正しいパーミッションを設定してください:

$ mkdir -p archlive/airootfs/var/lib/iwd
archlive/profiledef.sh
...
file_permissions=(
  ...
  ["/var/lib/iwd"]="0:0:0700"
)

iwd#ネットワーク設定iwd.network(5) の指示に従って、Wi-Fi ネットワークのためのネットワーク設定ファイルを作成してください。

設定ファイルは archlive/airootfs/var/lib/iwd/ 内に保存してください。

ルートパーティションのサイズを動作中に調整する

この記事またはセクションの正確性には問題があります。
理由: Explaining how but omitting the why renders the whole section useless. (議論: トーク:Archiso#)

ISO 環境でファイルをダウンロードしたりパッケージをインストールした際に以下のエラーメッセージが発生する場合、シャットダウンして Archiso の起動中にルートパーティションのサイズを調整する必要があるかもしれません。

error: partition / too full: 63256 blocks needed, 61450 blocks free
error: not enough free disk space
error: failed to commit transaction (not enough free disk space) 
Errors occurred: no packages were upgraded.

ライブ Arch Linux システム上のルートパーティションのサイズを調整するには、Tab キーを押してカーネルパラメータを編集してください。 ルートパーティション用にサイズ 2G を確保するには、カーネルパラメータの最後に cow_spacesize=2G を追加してください。 Enter を押してライブシステムの起動を続行してください。 ファイルシステムのサイズは以下で確認できます:

$ df -h

以下のコマンドを実行することで動作中にルートパーティションのサイズを調整できます:

# mount -o remount,size=2G /run/archiso/cowspace

その他のブートパラメータに関しては、こちら を見てください。

暗号化

バニラの mkarchiso で暗号化済みイメージの生成や、archiso での LUKS サポート、mkinitcpio-archisoencrypt フックの互換性、cryptsetup でのネストされた cryptkey サポートを実現するには、マージリクエストが受理される必要があります。

そのような機能がすでにマージされているパッケージは、archiso-encryptionAURmkinitcpio-archiso-encryptionAURcryptsetup-nested-cryptkeyAUR です。

既存のプロファイルで暗号化を有効化するには:

  • profiledef.sh 内の airootfs_image_type+luks を追加する。
  • profiledef.shencryption_key を設定する (パスワードの代わりにキーファイルを使用するため)。
  • /etc/mkinitcpio.confencrypt フックを有効化する。
  • AUR パッケージ (あるいは前述のソースでカスタムの代替をビルドする) を packages.x86_64 に追加する。
  • keys ビルドモードを profiledef.sh 内の buildmodes 配列に追加する (キーファイルを含む第2の ISO をビルドするため。この ISO は外部のストレージに入れて、システムを起動するために使用できます)。

baseline プロファイルと releng プロファイルをベースとした設定例は、archiso-profilesAUR パッケージの ebaselineereleng で見られます。

Google Compute Engine イメージ

Google Compute Engine 互換の releng 圧縮イメージは archlinux-gceAUR で手に入ります。

Libvirt VM 設定

releng イメージを実行する libvirt 設定は、archlinux-libvirtAUR で手に入ります。

インターネットにアクセスできない環境でのインストール

インターネットに接続できない、パッケージを何度もダウンロードしたくないなどの理由で archiso (例: 公式の月次リリース) をインストールするときは以下を読んでください:

まず、#インターネット接続の確立などのセクションを飛ばして#ベースシステムのインストールまでインストールガイドに従ってください。

新しい root に archiso をインストール

pacstrap でパッケージをインストールする代わりに (リモートのリポジトリからパッケージをダウンロードするわけですが今はインターネット接続がありません)、ライブ環境から新しい chroot に全てをコピーしてください:

# time cp -ax / /mnt
ノート: オプション (-x) を使って、新しい root にコピーしないように複数のディレクトリを除外しています。

次に、新しいシステムの整合性を保つために、ディレクトリを複数作成してカーネルイメージを新しい root にコピーします:

# cp -vaT /run/archiso/bootmnt/arch/boot/$(uname -m)/vmlinuz /mnt/boot/vmlinuz-linux

その後、インストールガイド#fstab に書かれているとおりに fstab を生成してください。

Chroot とベースシステムの設定

次に、新しくインストールしたシステムに chroot します:

# arch-chroot /mnt /bin/bash
ノート: インストールガイド#システムの設定における他の設定 (ロケールやキーマップなど) を行う前に、ライブ環境の跡 (つまり、ライブ環境に適合しない archiso のカスタマイズ) を消す必要があります。

journald の設定の復旧

archiso のカスタマイズ によってシステムのジャーナルはメモリに保存されるようになっており、そのままだと再起動でジャーナルは消えてしまいます:

# sed -i 's/Storage=volatile/#Storage=auto/' /etc/systemd/journald.conf

特殊な udev ルールの削除

この udev ルール は有線ネットワークインターフェイスが存在する場合に自動的に dhcpcd を起動します。

# rm /etc/udev/rules.d/81-dhcpcd.rules

archiso によって作成されたサービスの無効化と削除

ライブ環境用に作成されているサービスファイルがあるので、サービスを無効化してファイルを削除してください (新しい環境では不要であるため):

# systemctl disable pacman-init.service choose-mirror.service
# rm -r /etc/systemd/system/{choose-mirror.service,pacman-init.service,etc-pacman.d-gnupg.mount,getty@tty1.service.d}
# rm /etc/systemd/scripts/choose-mirror

ライブ環境の特殊なスクリプトの削除

ライブ環境には archiso スクリプトによっていくつかスクリプトがインストールされており、これらは新しい環境では必要ありません:

# rm /etc/systemd/system/getty@tty1.service.d/autologin.conf
# rm /root/{.automated_script.sh,.zlogin}
# rm /etc/mkinitcpio-archiso.conf
# rm -r /etc/initcpio

archlinux 鍵のインポート

公式リポジトリを使うには archlinux のマスター鍵をインポートする必要があります (pacman-key#キーリングの初期化)。通常は pacstrap でインポートされますが、以下のコマンドでインポートすることもできます:

# pacman-key --init
# pacman-key --populate archlinux
ノート: エントロピーを生成するにはキーボードやマウスを動かす必要があります。

システムの設定

スキップしたインストールガイド#システムの設定セクションの設定 (ロケールやタイムゾーン、ホストネームなど) を行ってインストールガイド#Initramfs に書いてあるように初期 RAM ディスクを作成してインストールを完了してください。

グラフィカルログインの有効化 (任意)

GDM などのディスプレイマネージャを使用する場合、systemd のデフォルトターゲットを multi-user.target からグラフィカルログインができるターゲットに変更すると良いでしょう:

# systemctl disable multi-user.target
# systemctl enable graphical.target

トラブルシューティング

ウィンドウマネージャがフリーズする

Live CD でウィンドウマネージャを使いたい場合、必要な正しいビデオドライバーを追加しなければなりません。さもないと、ロード中にウィンドウマネージャがフリーズする場合があります。

参照