Dell XPS 13 (9370)

提供: ArchWiki
2019年11月21日 (木) 18:48時点におけるKusakata.bot2 (トーク | 投稿記録)による版 (Pkg/AUR テンプレートの更新)
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
ナビゲーションに移動 検索に移動
デバイス 状態 モジュール
ビデオ 動作 i915
ワイヤレス 動作 ath10k
Bluetooth 動作 btusb
オーディオ 動作 snd_hda_intel
タッチパッド 動作 hid_multitouch
ウェブカメラ 動作 ¹ uvcvideo
赤外線カメラ認証 動作 ?
USB-C / Thunderbolt 3 動作 intel_wmi_thunderbolt
無線スイッチ 動作 intel_hid
ファンクション/マルチメディアキー 動作 ?
指紋センサー 動作せず ?

関連記事

Dell XPS 13 Early 2018 (9370) は XPS 13 ラインの第5世代モデルです。2018年1月に、Windows がインストールされたスタンダードエディションと Ubuntu 16.04 (カーネル 4.4) がインストールされたデベロッパーエディションが発売されました。各エディションのハードウェアの違いはあまりなく、主にメインボードのマイクロチップのメーカーだけ異なっています。Dell によれば、Linux 版に指紋リーダーは存在しません。旧モデルと同じように (9333, 9343, 9350, 9360)、様々なハードウェア構成があります。第5世代モデルは Intel の第8世代 Kaby Lake R プロセッサを搭載しており、最大 16GB の LPDDR3 2133 MHz メモリと 1TB PCI SSD を設定できます。旧モデルと異なり、Wi-Fi/BT モジュールははんだ付けされているので交換できません。消費者向けの Killer 1435 (QCA6174A) と企業版の Intel 8265 モデムだけが存在します。

XPS 13 に Arch をインストールする手順は他の PC と変わりません。ただし、Windows 環境を使う場合は SSD のファームウェアを先にアップグレードする必要があるかもしれません (#ストレージセクションを参照)。インストール方法についてはインストールガイドUEFI を見てください。このページでは現時点での Arch のハードウェアの対応状況やインストール後の設定について載せています。

¹ ウェブカメラはカーネル 4.17.4 以上で動作します。それ以前のカーネルの場合、ウェブカメラのファームウェアに問題が発生することがあり、ウェブカメラが機能しないという報告が多数存在します。ディスプレイを交換して linux 互換の UVC 1.0 ファームウェアドライバーを使用するウェブカメラをインストールする対応を受けたという報告があります。

UEFI

インストールする前に UEFI の設定を変更する必要があります。起動時に F2 キーを何度か押すことでアクセスできます。

  • SATA モードをデフォルトの "RAID" から "AHCI" に変更してください。これで Linux が NVMe SSD を認識できるようになります。既存の Windows 環境とデュアルブートの場合、変更後 Windows は起動しなくなりなりますが 再インストールすることで問題は解決します
  • Linux を起動するためにセキュアブートを無効化してください。
  • マシンに含まれている USB-C から USB-A に変換するアダプタを使って接続した USB デバイスから起動するには、Thunderbolt ブートを有効化する必要があります。有効にしたら、起動時に F12 でブートメニューに入ります。

右側の USB-C 端子は UEFI の設定を変更しなくても直接使えます。

UEFI の設定で SD Card と SD Card Boot の両方が有効になっていれば microSD カードからの起動とインストールも可能です。

Content Adaptive Brightness Control

XPS 13 のディスプレイパネル (FHD と 4K UHD の両方) はデフォルトで Content Adaptive Brightness Control (通常 CABC または DBC と呼ばれます) が有効になっています。旧世代では無効化するのにディスプレイファームウェアの書き込みが必要でしたが、最新の BIOS では DBC を無効化できます。DBS が有効になっているかどうか確認したいときは テストページ を見てください。

ディスプレイ

最新の linux カーネルの i915 ドライバーでビデオは動作します。インストール・設定方法について詳しくは Intel GraphicsIntel Graphics#トラブルシューティングを見てください。

4K (3840x2160) モデルの場合、HiDPI に UI のスケール設定について書かれています。

enable_psr=1 カーネルパラメータは正しく動作しないので注意してください (タッチスクリーンモデルで確認)。

ウェブカメラ

一部のユーザーのサポートリクエストの中には UVC 1.5 ファームウェアを使用するウェブカメラを搭載した 9370 モデルがあることが報告されており、このウェブカメラは カーネル 4.17.4 以前 ではサポートされていません。

スリープ後にウェブカメラが機能しない場合、bios をバージョン 1.5.1 以上にアップデートしてください。exe ファイルを fat32 ドライブ (ブートパーティションでも機能します) にコピーして、起動時に F12 を押して "BIOS Flash Update" ユーティリティを起動することでアップデートできます。

一部のユーザーによってウェブカメラが 640x480 で止まってしまうと報告されています。

ストレージ

nvme SSD は東芝製 KXG50ZNV256G, KXG50ZNV512G, KXG50ZNV1T02 です。標準ファームウェアのバージョン AADA4102 には ssd のパワーステートが一番低くなったときにデバイスが反応しなくなるという深刻な問題を起こします (カーネルは読み取り専用ファイルシステムであるとエラーを吐きます)。問題はいつでも発生する可能性がありますが、特にカーネル 4.18 でバッテリーで動作中によく起こります。ファームウェアバージョン AADA4105 で問題は解決しています。ファームウェアは Windows 用しかありませんが、自己責任で Linux でもアップデートできます

ノート: 一部のデバイスでは、nvme SSD は SK hynix の EJ82N00301190264W (1TB) で東芝製ではありません。

アップグレードは windows でしかできませんが、アップグレードしたドライバーでも一番深いスリープモードで SSD が反応しなくなりディスクがカーネルから認識されなくなることがあります。以下のカーネルパラメータを使うことでディスクが問題のスリープモードに入ることを防ぐことができます (ソリッドステートドライブ/NVMe を参照):

nvme_core.default_ps_max_latency_us=6000
ノート: NVMe SSD では discard を実行してはいけません: ソリッドステートドライブ/NVMe#Discard

Wifi

Wifi アダプタには Qualcomm Atheros QCA6174 モジュールが搭載されています。最新の linux カーネルに含まれる ath10k_pci ドライバーで問題なく動作します。

Wifi の問題については こちら に Dell による Killer ワイヤレスドライバーをインストールするガイドラインがあります。

Bluetooth

サスペンドから復帰した後 Bluetooth アダプタがときどき使えなくなり再起動しても無効化されたままになることがあります。2018年の10月に Dell によってカーネルパッチが公開されました。ただし、一部のユーザーでは問題が解決していないようです。

キーボード

キーボードのバックライトは一定時間経つと自動的にオフになります。/sys/class/leds/dell\:\:kbd_backlight/stop_timeout にタイムアウト値を書き込むことで上書きすることができます。例:

echo "5m" > /sys/class/leds/dell\:\:kbd_backlight/stop_timeout

上記はタイムアウトが5分に設定されます。AC 電源に接続しているときとバッテリーで動作しているときでタイムアウトの値は異なるので注意してください。BIOS 1.4.0 以前では AC 給電中のタイムアウトを変更できないという 問題 が存在していました。カーネル 4.18 でカーネルの回避策が追加され、BIOS 1.4.0 で問題は修正されています。

電源管理

スリープモードでもノートパソコンの消費電力が大きい場合、マシンを S3 ディープスリープモードに設定することができます。カーネルパラメータquiet mem_sleep_default=deep を追加してください。

メーカーによれば (上流のカーネルバグ を参照)、マシンは意図的に S3 ではなく S2 を使っており、S2 における電力消費の問題を解決できないか試行しているとのことです。

ノート: 古い BIOS やカーネルでは 電源ボタンを使ってスリープ状態からノートパソコンを復帰することができません。その場合、スリープボタン (Fn + End、あるいは Fn ロックが有効の場合は End のみ) でマシンを復帰させることができます。BIOS アップデートで問題は解決しています。

ファームウェアのアップデート

Dell は Linux Vendor Firmware Service (LVFS) を使ってファームウェアのアップデートを提供しています。詳しくは Linux から BIOS を書き換える#fwupd を見てください。fwupd パッケージでインストールできます。Thunderbolt コントローラのアップデートも提供されています。アップデート後に Thunderbolt のバージョン番号が 00.00 と認識されてしまう 問題 が存在します (現在調査中)。

Dell は SSD ファームウェアのアップデートも公開していますが、アップデートは Windows からのみ可能で Linux からはできません。

サーマルスロットリング

デフォルトではサーマルスロットリングは 80℃ 前後で有効になり CPU の最大周波数が 2.4GHz に抑えられますが、これは Dell の Windows 環境における標準値よりも低くなっています。

Package temperature above threshold, cpu clock throttled (total events = 971)

throttled を使うことでスロットリングを解除できます。元々は Lenovo のノートパソコンにおける問題を解決するために作られたソフトウェアですが、XPS 9370 (や他の Skylake 以降のノートパソコン) でも動作します。

サーマルモード / ファンプロファイル

Windows と同じように Dell Power Manager を使ってマシンのファンや CPU のサーマル設定と挙動を設定できます。以下のようにターミナルでコマンドを実行するか、KDE Plasma ウィジェット を使ってください。

設定されているサーマルモードを確認するには:

# smbios-thermal-ctl -g

利用可能なサーマルモードを確認するには:

# smbios-thermal-ctl -i

上記のコマンドで確認したサーマルモードに設定するには:

# smbios-thermal-ctl --set-thermal-mode=THERMAL_MODE
  • "Quiet" プロファイルは CPU の電力消費を 11W (18W ブースト) まで下げてシステム全体のパフォーマンスを落とします。
  • "Balanced" と "Performance" プロファイルは上記の制約を解除します。
  • サーマルプロファイルの変更によっても CPU のパワーリミットが変わらないことがあります。特に Thunderbolt ドックに接続している場合は問題が起きやすくなります。
  • 特定の条件下で起動後 (特に "Quiet" プロファイルを使っている場合)、電力消費が 10W まで制限されることがあります。
  • 電源を切断・再接続したり、サーマルプロファイルを変更したり、しばらく待ってみることで問題は解決します。

省電力設定

バッテリーを長く持たせたいときは TLPPowertop を見てください。

s-tui ツールを使ってマシンの使用電力や温度を監視できます。

タッチパッド

カーソルが飛び回る

タッチパッドによってときどき「カーソルジャンプ」が発生することがあります。libinput によってジャンプが認識されて以下のようにジャーナルエントリに出力される場合もあります:

libinput error: event12 - DELL07E6:00 06CB:76AF Touchpad: kernel bug: Touch jump detected and discarded.

libinput のバグレポート によればおそらくハードウェアの問題かカーネルドライバーのバグという結論になっています。

感度

デフォルトの libinput ドライバーの感度はあまり相応しいものではないかもしれません。以下のように xinput で加速度を変更できます:

 xinput --set-prop $(xinput | grep 'DELL.*Touchpad' | awk '{print $6}' | sed 's/id=//g') 'libinput Accel Speed' 0.5

オーディオ

正しく動作しますが、オーディオコントローラはジャックに接続されているデバイスが何か認識することができません。そのため、デスクトップ環境 (例: Gnome) によって、接続したデバイスがヘッドセットなのかマイクなのか選択するダイアログが表示される場合があります。

赤外線カメラ

howdyAUR を使うことで赤外線カメラを認証方法として利用できます。

警告: howdy のドキュメントに書かれているように、「Howdy をシステムを認証する唯一の方法として使うことは止めてください」。

howdy をインストールしたら、設定ファイルを編集して XPS 13 9370 のカメラを設定してください: /dev/video2。設定ファイルは /lib/security/howdy/config.ini に存在します。デバイスは次のように設定します: device_id = 2

ノート: On the device where I tested this, the infrared camera was /dev/video2. To test if it is the right one for you, just run fswebcam test.png --device /dev/video2 to check if the video source is the infrared one. An output file test.png will be generated. If it looks like an infrared image, you are ready to go.

howdy がカメラを読み込んで顔を認識できるかどうか確認するために、# howdy test を実行してください。顔が認識されたら、wiki ページに書かれている手順にしたがってセットアップしてください: howdy

動作しない場合、次のページに書かれているフィックスを適用してみてください: GitHub: Error when trying to use IR sensors on Manjaro (Arch-based)

USB Type-C 端子

9370 に搭載されている Type-C 端子は3つだけです (他の端子はなく、音声ジャックだけになります)。3つのうち (左側の) 2つは Thunderbolt 3 に対応しています。電源ジャックはありません。45 W USB Type-C チャージャーが含まれています。3つの Type-C 端子のどれでも充電することが可能です。ノートパソコンに USB-A 端子がないため、Type-C から A に変換する Dell ブランドのアダプタが付属しています。

3つの Type-C 端子はすべて DisplayPort のオルタネートモードをサポートしています。ファームウェアによってサポートされているため、例えば古いカーネルでも動作します。オペレーティングシステムからはノートパソコンにあたかも (内蔵ディスプレイが使っている組み込みの DP に加えて) 2つの DisplayPort コネクタがあるかのように認識されます。以下のアダプタが動作することを確認済みです。

指紋リーダー

指紋リーダーはサポートされていません。libfprint の機能リクエスト が存在します。