Intel C++

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Linux 版の Intel® C++ Composer XE (旧名 Intel® C++ Compiler Professional Edition) を Arch でインストールして使用する方法。

はじめに

ノート: icc によってコンパイルされたパッケージは実行するのに intel-openmp パッケージに含まれるライブラリに依存します。intel-openmpintel-compiler-base に依存しているため、ユーザーは両方のパッケージをインストールする必要があります。

セットアップとインストール

intel-parallel-studio-xeAUR から入手可能です。このパッケージをビルドするには、ライセンスファイルが必要で、オープンソース開発が目的に限り無料です。必要なライセンスファイルは登録時にメールで送られてくるので makepkg を実行する前に $startdir にコピーしてください。学生, 研究者, 教育者 も無料版が使えます。

現在の PKGBUILD は7個または8個のパッケージを作成します:

  • intel-compiler-base - Intel C/C++ コンパイラと基本ライブラリ
  • intel-fortran-compiler - Intel fortran コンパイラと基本ライブラリ (Parallel Studio XE のみ)
  • intel-openmp - Intel OpenMP ライブラリ
  • intel-idb - Intel C/C++ デバッガ
  • intel-ipp - Intel Integrated Performance Primitives
  • intel-mkl - Intel Math Kernel Library (Intel® MKL)
  • intel-sourcechecker - Intel Source Checker
  • intel-tbb - Intel Threading Building Blocks (TBB)
ノート: 最低でも intel-compiler-baseintel-openmp パッケージが必要となります。fortran のコンパイラも必要な場合は intel-fortran-compiler をインストールしてください。

makepkg で icc を使う

ノート: 全てのパッケージが icc でコンパイルできるわけではありません。ソースに修正を加える必要がある場合もあります。

今のところ makepkg で icc を使用する公式ガイドは存在しません。このセクションではユーザーによって提案された様々な方法をまとめています。方法を提案するときは新しいサブセクションを作成してください。

方法 1 (12/08/2012)

/etc/makepkg.conf を編集して既存の CXXFLAGS の下に以下のコードを追加することで makepkg で icc を使うことができます。makepkg でビルドするときに特殊なスイッチを指定する必要はありません。

_CC=icc
if [ $_CC = "icc" ]; then
export CC="icc"
export CXX="icpc"
export CFLAGS="-march=native -O3 -no-prec-div -fno-alias -pipe"
export CXXFLAGS="${CFLAGS}"
export LDFLAGS="-Wl,-O1,--sort-common,--as-needed"
export AR="xiar"
export LD="xild"
fi
ノート:
  • gcc と icc を切り替えるには、新しく作成した _CC 変数をアンコメント・コメントアウトしてください。
  • 上記の方法でコンパイルしても gcc でコンパイルされてしまうことがあります。アプリケーションが icc で正しくコンパイルされていることを確認してください。

方法 2

PKGBUILD の最初のほうに以下のコードを追加してください:

groups=('modified')
export CC="icc"
export CXX="icpc"
export CFLAGS="-march=native -O3 -no-prec-div -fno-alias -pipe"
export CXXFLAGS="-march=native -O3 -no-prec-div -fno-alias -pipe"
export LDFLAGS="-Wl,-O1,--sort-common,--as-needed"
export AR="xiar"
export LD="xild"
ノート: groups=('modified') の使用方法については Arch Build System#修正を加えたパッケージを保護するで説明しています。必要であれば行を削除してもよいですが、アップグレードしたときに GCC でコンパイルしたバージョンにパッケージが置き換えられてしまいます。

dependsintel-openmpintel-compiler-base を追加してください。

icc によるコンパイルの確認

パッケージが icc でコンパイルされたことを確認するには:

  • /opt/intel/lib/ ディレクトリに存在する共有オブジェクトにアプリケーションがリンクされているかどうか、ldd [your_app] | grep intel コマンドで確認できます。
  • ビルド時の出力を見て iccicpc コマンドが使われているかどうか確認してください。
  • 警告が icc 式になっているかどうか確認してください。

icc の CFLAGS

一般的に、icc は gcc がサポートしている CFLAGS の多くをサポートしており icc では使えない gcc フラグが指定されていても大抵は問題ありません。フラグは無視されて警告が表示されるだけで先に進みます。利用可能なコンパイラフラグについて詳しくは icc の man ページを見たり、help フラグを付けてコンパイラを実行してみてください:

icc --help

-xX

特定のプロセッサにあわせて最適化されたコードを生成します。使用するオプションがよくわからない場合、/proc/cpuinfoflags セクションを見てください。例えば以下の場合 SSE4.1 が適切です:

$ grep -m 1 flags /proc/cpuinfo
flags: fpu vme de pse tsc msr pae mce cx8 apic sep mtrr pge mca cmov pat pse36 clflush 
dts acpi mmx fxsr sse sse2 ss ht tm pbe syscall nx lm constant_tsc arch_perfmon pebs 
bts rep_good nopl aperfmperf pni dtes64 monitor ds_cpl vmx smx est tm2 ssse3 cx16 xtpr
pdcm sse4_1 lahf_lm dts tpr_shadow vnmi flexpriority
  • -xHost
  • -xSSE2
  • -xSSE3
  • -xSSSE3
  • -xSSE4.1
  • -xSSE4.2
  • -xAVX
  • -xCORE-AVX-I
  • -xSSSE3_ATOM
ヒント: 使用しているプロセッサが何をサポートしているのか分からない場合は -xHost フラグを使ってください。

-Ox

gcc と同じように最適化の度合いを指定します。x は以下のどれかになります:

  • 0 - 最適化を無効化
  • 1 - コードサイズを増加させ速度のメリットが少ない最適化は無効にして、最大限最適化する
  • 2 - 最大限最適化する (デフォルト)
  • 3 - プログラムによっては性能が落ちてしまう可能性がある最適化も有効にする (数式計算が多いプログラムで使用することを推奨)

-w

gcc と同じように以下のオプションが使えます:

  • -w - 全ての警告を無効化 (パッケージをコンパイルする場合に推奨)
  • -Wbrief - 一行の診断を表示
  • -Wall - 全ての警告を有効化
  • -Werror - 警告をエラーとして報告

Intel C / C++ でソフトウェアをコンパイル

以下の表は Intel C/C++ コンパイラを使って公式リポジトリのパッケージをコンパイルした結果です。ABS から取得した PKGBUILD を使ってコンパイルを実行しています。

アプリケーション 方法 1 コメント
xvidcore OK
kdebase OK
conky 1.9.0 OK
nginx 1.4.2 OK
gzip 1.6 OK
xz OK
lz4 OK PKGBUILD を編集する必要があります
minetest OK
opus OK
zlib 1.2.8 非推奨 tightvnc など一部のアプリでバグが発生します
Gimp 2.8 / 2.9 OK
Pacman 4.0.3 OK
x264 OK
MySql OK
SqlLite OK
lame OK
xaos OK
gegl OK
VLC 不成功 コンパイラフラグに問題があります
bzip2 不成功 コンパイラフラグに問題があります
mplayer 無効 Intel コンパイラを認識しません
optipng OK makepkg.conf で LD=xild をコメントアウトしてください
python-numpy OK PKGBUILD を編集する必要があります: python-numpy-mklAUR
python-scipy OK PKGBUILD を編集する必要があります: python-scipy-mklAUR
Qt OK configure コマンドに -platform linux-icc-64 (または -32) オプションを追加する必要があります
systemd 不可能 undefined reference to `server_dispatch_message'

凡例:

OK ICC でのコンパイルに問題はありません。
OK コンパイルは上手く行きますが PKGBUILD の編集が必要です。
不成功 コンパイルは上手く行きますが、コンパイルエラーが多少存在します。
非推奨 コンパイルは上手く行きますが、推奨されません。
不可能 ICC を使ってパッケージをコンパイルできません。
無効 古い CFLAGS では上手くいきません。