「Ext4」の版間の差分

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Ext4 は Linux で一番よく使われているファイルシステム、Ext3 の発展版です。多くの点で、Ext3 から Ext4 になって Ext2 から Ext3 に進んだときよりも大きな改善がされています。Ext3 では Ext2 にジャーナリングを追加したのがほとんどでしたが、Ext4 ではファイルデータを保存するファイルシステムの重要なデータ構造にメスが入っています。その結果、改良された設計、優れたパフォーマンス、信頼性、機能性を備えたファイルシステムが誕生しました
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Ext4 は Linux で一番よく使われているファイルシステム、Ext3 の発展版です。多くの点で、Ext3 から Ext4 になって Ext2 から Ext3 に進んだときよりも大きな改善がされています。Ext3 では Ext2 にジャーナリングを追加したのがほとんどでしたが、Ext4 ではファイルデータを保存するファイルシステムの重要なデータ構造にメスが入っています。その結果、改良された設計、優れたパフォーマンス、信頼性、機能性を備えたファイルシステムが誕生しました (ソース: [http://kernelnewbies.org/Ext4 Ext4 - Linux Kernel Newbies])
 
ソース: [http://kernelnewbies.org/Ext4 Ext4 - Linux Kernel Newbies]
 
   
 
== 新しく ext4 ファイルシステムを作成 ==
 
== 新しく ext4 ファイルシステムを作成 ==
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{{Pkg|e2fsprogs}} を [[インストール]] します。
   
 
パーティションをフォーマットするには次を実行:
 
パーティションをフォーマットするには次を実行:
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# mkfs.ext4 /dev/''partition''
 
# mkfs.ext4 /dev/''partition''
   
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{{Tip|
{{Tip|オプションについては mkfs.ext4 の man ページを見て下さい。{{ic|/etc/mke2fs.conf}} を編集すればデフォルトのオプションを見たり設定できます。}}
 
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*オプションについては {{man|8|mke2fs}} の [[man ページ]]を見て下さい。{{ic|/etc/mke2fs.conf}} を編集すればデフォルトのオプションを見たり設定できます。
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*サポートされている場合は、[[Ext4#メタデータチェックサムを有効化する|メタデータチェックサム]] を有効にすることをお勧めします。
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}}
   
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=== Bytes-per-inode 比率 ===
デフォルトでは、{{Ic|mkfs.ext4}} はやや低めの比率の bytes-per-inode を使って、作成される inode の定量を計算します。容量が 750GB 以上のパーティションではこれだと inode 番号が大きくなりすぎて、ディスク容量の無駄になります。比率は {{Ic|-i}} オプションで直接設定することができます。1/6291456 なら 2TB のパーティションで 476928 の inode になります。
 
   
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'''mke2fs''' はひとつの inode に対してディスク上に ''bytes-per-inode'' バイト分の領域を作成します。''bytes-per-inode'' 比率を大きくすることで、作成される inode は少なくなります。詳しくは {{man|8|mke2fs}} を参照。
==ext3 から ext4 に移行==
 
   
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新しいファイルやディレクトリ、シンボリックリンクなどを作成するとき [[Wikipedia:Inode|inode]] が最低でもひとつは必要です。inode の数が少なすぎると、たとえディスクに空き容量があったとしてもファイルシステムにファイルを作成できなくなります。
===ext3 パーティションを変換せずに ext4 としてマウント===
 
   
  +
ファイルシステムを作成した後に bytes-per-inode 比率や inode の数を変更することはできないため、ファイルが作成できなくなってしまわないように {{ic|mkfs.ext4}} はデフォルトでは比率を低くして inode に対して16384バイト (16Kb) を割り当てます。
====理由====
 
   
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しかしながら、1GB 以上のファイルが多数存在してファイルの平均容量がメガバイト級になるような使い方をしているパーティションの場合、inode の数が多すぎてファイルの作成では inode の限界に絶対に達しないということになります。
ext4 を完全に変換する案と ext3 をそのまま使用する案の折衷案として、既存の ext3 パーティションを ext4 としてマウントする方法があります。
 
   
  +
未使用の inode にも256バイト取られるのでディスク領域の無駄使いです (256バイトという数字は {{ic|/etc/mke2fs.conf}} で設定されていますが変更してはいけません) 256バイトでも数百万の inode に換算するとギガバイト単位で容量を無駄にしていることになります。
'''利点:'''
 
* 互換性 (ext3 としてファイルシステムをマウントできます) – ext4 のサポートがないオペレーティングシステムからもファイルシステムを読み込むことが可能です (例: Windows の ext3 ドライバー)
 
* パフォーマンスが向上 (ext4 パーティションに完全に変換するのよりは劣ります) – 詳しくは [http://kernelnewbies.org/Ext4 Ext4 - Linux Kernel Newbies] を見て下さい
 
   
  +
{{ic|df}} と {{ic|df -i}} を実行したときの {{ic|{I}Use%}} の値を比較することでどれくらい無駄になっているのか確認できます:
'''欠点:'''
 
* ext4 の機能を全て活用することはできません (マルチブロックアロケーションや遅延アロケーションなどのディスクフォーマットに変更を与える機能は使えません)
 
   
  +
{{hc|$ df -h /home|
{{Note|ext4 が比較的新しいファイルシステムということ以外に (このこと自体をリスクと考えることもできます)、この方法を使用することで不利益になることは特にありません。}}
 
  +
Filesystem Size Used Avail '''Use%''' Mounted on
  +
/dev/mapper/lvm-home 115G 56G 59G '''49%''' /home}}
  +
{{hc|$ df -hi /home|
  +
Filesystem Inodes IUsed IFree '''IUse%''' Mounted on
  +
/dev/mapper/lvm-home 1.8M 1.1K 1.8M '''1%''' /home}}
   
  +
bytes-per-inode 比率を変更するには、{{ic|-T ''usage-type''}} オプションを使用します。{{ic|/etc/mke2fs.conf}} で定義されたタイプを使用してファイルシステムの利用方法を指定できます。{{ic|largefile}} や {{ic|largefile4}} タイプは inode に対してそれぞれ 1 MiB と 4 MiB という大きな容量を割り当てます。以下のように使うことができます:
====方法====
 
   
  +
# mkfs.ext4 -T largefile /dev/''device''
# {{ic|/etc/fstab}} を編集して ext4 としてマウントしたいパーティションの 'type' を ext3 から ext4 に変更してください。
 
# 変更したパーティションを再マウントします。
 
   
  +
{{ic|-i}} オプションを使って bytes-per-inode 比率を直接設定することもできます。例えば {{ic|-i 2097152}} なら 2 MiB、{{ic|-i 6291456}} なら 6 MiB になります。
===ext3 パーティションを ext4 に変換===
 
   
  +
{{Tip|逆に、メールやニュースグループのアイテムなどで小さなファイルを何百万も保存するような使い方をする場合、{{ic|news}} (ひとつの inode に4096バイトを割り当て) や {{ic|small}} (inode 自体のサイズやブロックサイズも小さくする) などのタイプを使うこともできます。}}
====理由====
 
   
  +
{{Warning|シンボリックリンクを大量に使用する場合は、bytes-per-inode 比率を低くして inode の数量は大きくしてください。シンボリックリンクを作成しても容量は取られませんが inode はひとつ消費されるので、ファイルシステムの inode をあっという間に使い切ってしまう可能性があります。}}
ext4 の能力を活かすには、非可逆の変換をする必要があります。
 
   
  +
=== 予約ブロック ===
'''利点:'''
 
* パフォーマンスの向上と新機能 – 詳しくは [http://kernelnewbies.org/Ext4 Ext4 - Linux Kernel Newbies] を見て下さい
 
   
  +
デフォルトでは、ファイルシステムの 5% はフラグメントが起こらないように root ユーザー用に予約されます。非特権のプロセスがファイルシステムに書き込めなくなってからも root が使用しているデーモンは正しく動作し続けることができます (詳しくは {{man|8|mke2fs}} を参照)。
'''欠点:'''
 
* 一方通行 (ext4 パーティションを ext3 に'ダウングレード'することはできません)
 
   
  +
最近の大容量ディスクでは、パーティションを長期アーカイブとして使用したり、システム運用に重要でない場合({{ic|/home}}など)必要以上に大きな値を設定します。予約ブロックに関する ext4 開発者の Ted Ts'o の意見は [https://www.redhat.com/archives/ext3-users/2009-January/msg00026.html このメール] を、このトピックに関する一般的な背景は [https://superuser.com/questions/1256074/how-much-space-to-leave-free-on-hdd-or-ssd/1257550#1257550 このスーパーユーザの回答] を参照してください。
====方法====
 
   
  +
パーティションが以下の条件を満たしているならば、ディスク容量を増やすために予約ブロックの割合を減らしても大抵は問題ありません:
以下の手順は http://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Howto と https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=61602 から引用しています。
 
{{Warning|エクステントなどのオプションを有効にしないかぎり ext4 は ext3 と後方互換性があります。ただし、パーティションを完全に変換しない場合、ext4 を使用する利点は少なくなります。}}
 
   
  +
*パーティションがとても大きい (例えば 50GB 以上)
# '''[[バックアッププログラム|バックアップ]]'''を行なって下さい。ext4 に変換する ext3 パーティションに存在するデータを全てバックアップします。特に / (root) パーティションをバックアップする場合は、[http://clonezilla.org Clonezilla] が役に立ちます。
 
  +
*長期保存用のアーカイブとして使っている、頻繁にファイルを作成したり削除することがない。
# {{ic|/etc/fstab}} を編集して ext4 に変換するパーティションの 'type' を ext3 から ext4 に変換してください。
 
# (必要であれば) ライブメディアを起動します。{{Ic|e2fsprogs}} で変換を行う際はドライブがマウントされていない状態になっている必要があります。ドライブの root (/) パーティションを変換するときは、他のライブメディアから起動して変換するのが一番簡単です。
 
# パーティションがマウントされていないことを確認してください
 
# {{Ic|tune2fs -O extent,uninit_bg,dir_index /dev/sdxX}} を実行 ({{Ic|/dev/sdxX}} は変換するパーティションのパスに置き換えて下さい、例: {{Ic|/dev/sda1}})
 
# {{Ic|fsck -f /dev/sdxX}} を実行
 
# 推奨: パーティションをマウントして {{Ic|e4defrag -c -v /dev/sdxX}} を実行
 
# Arch Linux を再起動してください
 
   
  +
ext4 関連のユーティリティを使うときに {{ic|-m}} オプションで予約ブロックの割合を指定できます。
{{Note|The user '''MUST''' fsck the filesystem, or it will be unreadable! This fsck run is needed to return the filesystem to a consistent state. '''It WILL find checksum errors in the group descriptors''' -- this is expected. The '-f' parameter asks fsck to force checking even if the file system seems clean. The '-p' parameter asks fsck to 'automatically repair' (otherwise, the user will be asked for input for each error).
 
You may need to run fsck -f rather than fsck -fp.}}
 
   
  +
ファイルシステムの作成時に予約ブロックを全く作成しないようにするには:
{{Note|Even though the filesystem is now converted to ext4, all files that have been written before the conversion do not yet take advantage of the extent option of ext4, which will improve large file performance and reduce fragmentation and filesystem check time. In order to fully take advantage of ext4, all files would have to be rewritten on disk. Use e4defrag to take care of this problem.}}
 
{{Warning|1=root (/) パーティションを変換した場合、起動しようとした時にカーネルパニックが発生することがあります。カーネルパニックが起きる場合、'fallback' の initial ramdisk を使用して再起動して、'default' の initial ramdisk を再作成してください: {{Ic|mkinitcpio -p linux}}。}}
 
   
  +
# mkfs.ext4 -m 0 /dev/''device''
== ファイルベースの暗号化を利用する ==
 
   
  +
パーティションの予約ブロックの割合を 1% に設定するには:
Linux 4.1以降、ext4はファイルベースの暗号化をサポートしています。暗号化用にマークされたディレクトリツリーでは、ファイルの内容、ファイル名、およびシンボリックリンクのターゲットはすべて暗号化されます。暗号化キーはカーネルキーリングに格納されます。機能の詳細、実装状態の概要、実用的な点、カーネル4.1でのテスト結果については、[http://blog.quarkslab.com/a-glimpse-of-ext4-filesystem-level-encryption.html Quarkslabのブログ]の項目も参照してください。
 
   
  +
# tune2fs -m 1 /dev/''device''
{{ic|CONFIG_EXT4_ENCRYPTION}}オプションが有効になっているカーネルを使用していて、{{Pkg|e2fsprogs}}パッケージが少なくともバージョン1.43以上であることを確認してください。
 
   
  +
予約ブロック数をギガバイト単位の絶対サイズに設定する場合は、{{ic|-r}} を使用します。
次に、ファイルシステムが暗号化にサポートしているブロックサイズを使用していることを確認します:
 
   
{{hc|# tune2fs -l /dev/''device'' {{!}} grep 'Block size'|
+
# tune2fs -r $((''ngigs'' * 1024**3 / ''blocksize'')) /dev/''device''
  +
  +
{{ic|''blocksize''}} はファイルシステムのブロックサイズをバイト単位で指定します。これはほとんどの場合 4096 ですが、念のため確認することができます。
  +
  +
{{hc|# tune2fs -l /dev/''device'' {{!}} egrep '^Block size:'|
 
Block size: 4096
 
Block size: 4096
 
}}
 
}}
   
  +
{{ic|$(())}} 構文は、数式展開のための構文です。この構文は {{Pkg|bash}} と {{Pkg|zsh}} では動作しますが、{{Pkg|fish}} では動作しません。''fish'' では、このような構文になります。
{{hc|# getconf PAGE_SIZE|
 
4096
 
}}
 
   
  +
# tune2fs -r (math 'ngigs * 1024^3 / blocksize') /dev/''device''
これらの値が同じでない場合、ファイルシステムは暗号化をサポートしないので'''絶対にこれ以上先には進まないでください'''。
 
   
  +
これらのコマンドは、現在マウントされているファイルシステムに適用することができ、変更は即座に反映されます。デバイス名は {{man|8|findmnt}} で調べることができます。
次に、ファイルシステムの暗号化機能フラグを有効にします:
 
   
# tune2fs -O encrypt /dev/''device''
+
# tune2fs -m 1 "$(findmnt -no SOURCE ''/the/mount/point'')"
   
  +
現在の予約ブロック数を問い合わせる場合。
{{Warning|暗号化機能フラグを有効にすると、4.1より古いカーネルはファイルシステムをマウントできなくなります。}}
 
   
  +
{{hc|# tune2fs -l /dev/mapper/proxima-root {{!}} egrep '^Reserved block count:'|
次に、暗号化するディレクトリを作成します:
 
  +
Reserved block count: 2975334
  +
}}
   
  +
これはブロック数なので、これにファイルシステムのブロックサイズを掛けて、バイト数やギガバイト数を得る必要があります。{{ic|1=2975334 * 4096 / 1024**3 = 11.34 GiB}} です。
# mkdir /encrypted
 
   
  +
==ext2/ext3 から ext4 に移行==
暗号化は空のディレクトリにしか適用できないことに注意してください。暗号化設定(または「暗号化ポリシー」)は、新しいファイルとサブディレクトリによって継承されます。既存のファイルの暗号化はまだサポートされていません。
 
   
  +
===ext2/ext3 パーティションを変換せずに ext4 としてマウント===
今度は、新しい鍵を生成して鍵リングに追加します。キーリングをフラッシュする(再起動する)たびに、この手順を繰り返す必要があります:
 
   
  +
====理由====
# e4crypt add_key
 
Enter passphrase (echo disabled):
 
Added key with descriptor [f88747555a6115f5]
 
   
  +
ext4 を完全に変換する案と ext2/ext3 をそのまま使用する案の折衷案として、既存の ext2/ext3 パーティションを ext4 としてマウントする方法があります。
{{Warning|パスフレーズを忘れた場合、ファイルを解読する方法はありません!パスフレーズを設定した後にパスフレーズを変更することはまだできません。}}
 
   
  +
'''利点:'''
{{Note|パスフレーズに対する[[Wikipedia:Dictionary_attack|辞書攻撃]]を防ぐために、ランダムな [[Wikipedia:Salt_(cryptography)|ソルト]]が自動生成され、ext4ファイルシステムのスーパーブロックに保存されます。 パスフレーズ''と''ソルトの両方は、実際の暗号化キーを導出するために使用されます。暗号化を有効にした複数のext4ファイルシステムがマウントされている場合、{{ic|e4crypt add_key}}は実際にはファイルシステムごとに1つずつ複数のキーを追加します。どんなキーもどんなファイルシステムでも使うことができますが、どのファイルシステムでもそのファイルシステム自身のソルトを使っているキーだけを使うのが賢明でしょう。そうでない場合、ファイルシステムBがアンマウントされていると、ファイルシステムAのファイルを解読することができなくなります。あるいは、{{ic|-S}}オプションを{{ic|e4crypt add_key}}に使用して自分でソルトを指定することもできます。}}
 
  +
* 互換性 (ext2/ext3 としてファイルシステムをマウントできます) – ext4 のサポートがないオペレーティングシステムからもファイルシステムを読み込むことが可能です (例: Windows の ext2/ext3 ドライバー)
  +
* パフォーマンスが向上 (ext4 パーティションに完全に変換するのよりは劣ります) – 詳しくは [http://kernelnewbies.org/Ext4] や [http://events.linuxfoundation.org/slides/2010/linuxcon_japan/linuxcon_jp2010_fujita.pdf] を見てください。
   
  +
'''欠点:'''
これであなたのキーの記述子が分かりました。 キーがセッションキーリングに含まれていることを確認します:
 
  +
* ext4 の機能を全て活用することはできません (マルチブロックアロケーションや遅延アロケーションなどのディスクフォーマットに変更を与える機能は使えません)
   
  +
{{Note|ext4 が比較的新しいファイルシステムということ以外に (このこと自体をリスクと考えることもできます)、この方法を使用することで不利益になることは特にありません。}}
# keyctl show
 
Session Keyring
 
1021618178 --alswrv 1000 1000 keyring: _ses
 
176349519 --alsw-v 1000 1000 \_ logon: ext4:f88747555a6115f5
 
   
  +
====方法====
ほとんど完了しました。次に、ディレクトリに暗号化ポリシーを設定します(キーを割り当てます)。:
 
   
  +
# {{ic|/etc/fstab}} を編集して ext4 としてマウントしたいパーティションの 'type' を ext2/ext3 から ext4 に変更してください。
# e4crypt set_policy f88747555a6115f5 /encrypted
 
  +
# 変更したパーティションを再マウントします。
   
  +
===ext2/ext3 パーティションを ext4 に変換===
以上です。キーリングにキーを追加せずにディレクトリにアクセスしようとすると、ファイル名とその内容は暗号化されたように見えます。
 
   
==Tips and tricks==
+
====理由====
===予約ブロックの削除===
 
   
  +
ext4 の能力を活かすには、非可逆の変換をする必要があります。
デフォルトでは、ファイルシステムの 5% はフラグメントが起こらないように root ユーザーに予約されます。最近の大容量ディスクでは、パーティションを長期保存アーカイブとして使う場合、5%は必要以上に大きい値となります (詳しくは [http://www.redhat.com/archives/ext3-users/2009-January/msg00026.html このメール] を見て下さい)。パーティションが以下の条件を満たしているならば、ディスク容量を増やすために予約ブロックの割合を減らしても大抵は問題ありません:
 
   
  +
'''利点:'''
*パーティションがとても大きい (例えば 50GB 以上)
 
  +
* パフォーマンスの向上と新機能 – 詳しくは [http://kernelnewbies.org/Ext4] や [http://events.linuxfoundation.org/slides/2010/linuxcon_japan/linuxcon_jp2010_fujita.pdf] を見てください。
*長期保存用のアーカイブとして使っている、頻繁にファイルを作成したり削除することがない
 
   
  +
'''欠点:'''
予約ブロックを削減するには tune2fs ユーティリティを使います。次のコマンドは {{ic|/dev/sdXY}} パーティションの予約ブロックの割合を 1.0% に設定します:
 
  +
* {{ic|/boot}} パーティションなど、静的なファイルしか存在しない場合、新機能を使うメリットはありません。さらに、ジャーナリングによって性能がむしろ落ちる可能性もあります。
  +
* 一方通行 (ext4 パーティションを ext2/ext3 に'ダウングレード'することはできません) ただしエクステントなどのオプションを有効にしなければ後方互換性を確保できます。
   
  +
====方法====
# tune2fs -m 1.0 /dev/sdXY
 
   
  +
以下の手順は [http://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Howto カーネルドキュメント] と [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=61602 フォーラムスレッド] から引用しています。
findmnt(8) を使うことでデバイスの名前を確認できます:
 
  +
  +
{{Warning|
  +
* システムのルートパーティションを変換する場合、再起動時にフォールバックの initramfs が使えるようになっていることを確認してください。また、変換する前に {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} の [[Mkinitcpio#MODULES|MODULES]] 行に {{ic|ext4}} を追加して {{Ic|mkinitcpio -p linux}} でデフォルトの initramfs を再作成してください。
  +
* 分割している {{ic|/boot}} パーティションを変換する場合、[[ブートローダー]]が ext4 からの起動に対応していることを確認してください。}}
  +
  +
# '''[[バックアッププログラム|バックアップ]]'''を行なって下さい。ext4 に変換する ext3 パーティションに存在するデータを全てバックアップします。特に / (root) パーティションをバックアップする場合は、[http://clonezilla.org Clonezilla] が役に立ちます。
  +
# {{ic|/etc/fstab}} を編集して ext4 に変換するパーティションの 'type' を ext3 から ext4 に変換してください。
  +
# (必要であれば) ライブメディアを起動します。{{Pkg|e2fsprogs}} で変換を行う際はドライブがマウントされていない状態になっている必要があります。ドライブの root (/) パーティションを変換するときは、他のライブメディアから起動して変換するのが一番簡単です。
  +
# パーティションがマウントされていないことを確認してください
  +
# ext2 パーティションを変換する場合、まずは {{ic|tune2fs -j /dev/sdxX}} を root で実行して[[ファイルシステム#ジャーナリング|ジャーナル]]を追加して ext3 パーティションに変換してください。
  +
# {{Ic|tune2fs -O extent,uninit_bg,dir_index /dev/sdxX}} を root で実行 ({{Ic|/dev/sdxX}} は変換するパーティションのパスに置き換えて下さい、例: {{Ic|/dev/sda1}})。ext4 に変換されます (不可逆です)
  +
# root で {{Ic|fsck -f /dev/sdxX}} を実行。
  +
#* ファイルシステムのチェックを実行しないとファイルシステムを読み込めなくなります。''fsck'' の実行は必須です。グループ記述子のチェックサムエラーが発見されます。これは仕様通りの動作です。{{ic|-f}} オプションはファイルシステムに問題がない場合でも強制的にチェックを実行します。{{ic|-p}} オプションを使用して自動修復させることもできます (オプションを使用しない場合、エラーに対して入力を求められます)
  +
# 推奨: パーティションをマウントして {{Ic|e4defrag -c -v /dev/sdxX}} を実行。
  +
#* ファイルシステムが ext4 に変換されても、変換前に書き込まれたファイルは ext4 のエクステントオプションを利用することができません。エクステントオプションは巨大なファイルの操作を高速化しフラグメンテーションを減らしてファイルシステムのチェック時間を短縮します。ext4 を活用するには、全てのファイルをディスクに再書き込みする必要があります。''e4defrag'' を使うことで問題を解決できます。
  +
# Arch Linux を再起動してください。
   
  +
== パフォーマンスの向上 ==
$ findmnt ''/the/mount/point''
 
   
 
=== E4rat ===
 
=== E4rat ===
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[[E4rat]] は ext4 ファイルシステム用に作られたプリロードアプリケーションです。[[E4rat]] は起動時に開かれるファイルを記録して、アクセス時間が短縮されるようにパーティションにおけるファイルの配置を最適化します。そして起動時の初期段階でファイルを先読みします。[[E4rat]] は [[SSD]] を使っている場合は効果がありません。SSD のアクセス時間はハードディスクと比べると無視できるほどしかないためです。
 
[[E4rat]] は ext4 ファイルシステム用に作られたプリロードアプリケーションです。[[E4rat]] は起動時に開かれるファイルを記録して、アクセス時間が短縮されるようにパーティションにおけるファイルの配置を最適化します。そして起動時の初期段階でファイルを先読みします。[[E4rat]] は [[SSD]] を使っている場合は効果がありません。SSD のアクセス時間はハードディスクと比べると無視できるほどしかないためです。
   
  +
=== アクセス時間の更新を無効にする ===
=== バリアとパフォーマンス ===
 
   
  +
'' ext4 ''ファイルシステムは、ファイルが最後にアクセスされた日時に関する情報を記録し、その記録にはコストがかかります。 {{ic|noatime}} オプションを使用すると、ファイルシステムのアクセスタイムスタンプは更新されません。
カーネル 2.6.30 から、データの整合性を確保するのに役立つ変更によって ext4 のパフォーマンスは落ちています [http://www.phoronix.com/scan.php?page=article&item=ext4_then_now&num=1]。
 
   
  +
{{hc|/etc/fstab|
''多くのファイルシステム (XFS, ext3, ext4, reiserfs) では、fsync やトランザクションコミットの際に書き込みバリアと呼ばれるものをディスクに送信します。書き込みバリアは書き込みの順序を守らせるための仕組みで (いくらか性能面への影響があります)、ディスクの書き込みキャッシュを安全に利用できるようにするためのものです。お使いのディスクにバッテリーが搭載されているような場合は、バリアを無効化することで性能を改善できる場合があります。''
 
  +
/dev/sda5 / ext4 defaults,'''noatime''' 0 1
  +
}}
   
  +
これを行うと、アクセス時間に依存するアプリケーションが破損します。考えられる解決策については、[https://wiki.archlinux.jp/index.php/Fstab#atime_.E3.82.AA.E3.83.97.E3.82.B7.E3.83.A7.E3.83.B3 atimeoptions] を参照してください。
''書き込みバリアの送信は、マウントオプションに {{Ic|1=barrier=0}} (ext3, ext4, reiserfs の場合) や {{ic|nobarrier}} (XFS) を設定することで無効化できます'' [http://manual.geeko.cpon.org/ja/cha.tuning.io.html]。
 
  +
  +
=== コミット間隔の増加 ===
  +
  +
{{ic|commit}} オプションで長い時間遅延を提供することにより、データとメタデータの同期間隔を増やすことができます。
  +
  +
デフォルトの5秒は、電源が失われた場合、最新の5秒の作業が失われることを意味します。
  +
5秒ごとにすべてのデータ/ジャーナルを物理メディアに完全に同期します。 ただし、ジャーナリングのおかげで、ファイルシステムが損傷することはありません。
  +
次の [[fstab]] は、 {{ic|commit}} の使用法を示しています。
  +
  +
{{hc|/etc/fstab|2=
  +
/dev/sda5 / ext4 defaults,noatime,'''commit=60''' 0 1
  +
}}
  +
  +
=== バリアとパフォーマンス ===
   
 
{{Warning|バリアを無効化すると、電源が失われたときにキャッシュが正しく書き込まれるか保証がされなくなります。これによってファイルシステムの破壊やデータ損失が発生する場合があります。}}
 
{{Warning|バリアを無効化すると、電源が失われたときにキャッシュが正しく書き込まれるか保証がされなくなります。これによってファイルシステムの破壊やデータ損失が発生する場合があります。}}
  +
  +
''Ext4'' はデフォルトで書き込みバリアを有効にします。これにより、書き込みキャッシュの電源が失われた場合でも、ファイルシステムのメタデータがディスク上に正しく書き込まれ、順序付けされることが保証されます。これには、特に ''fsync'' を頻繁に使用するアプリケーションや、小さなファイルを多数作成および削除するアプリケーションの場合、パフォーマンスにコストが伴います。何らかの方法でバッテリーバックアップが行われている書き込みキャッシュを持つディスクの場合、バリアを無効にするとパフォーマンスが安全に向上する可能性があります。
   
 
バリアをオフにしたいときは {{ic|/etc/fstab}} の変更したいファイルシステムに {{Ic|1=barrier=0}} オプションを追加してください。例:
 
バリアをオフにしたいときは {{ic|/etc/fstab}} の変更したいファイルシステムに {{Ic|1=barrier=0}} オプションを追加してください。例:
   
 
{{hc|/etc/fstab|2=
 
{{hc|/etc/fstab|2=
/dev/sda5 / ext4 noatime,barrier=0 0 1
+
/dev/sda5 / ext4 defaults,'''barrier=0''' 0 1
 
}}
 
}}
   
== メタデタチェックサムを有効化する ==
+
=== ジャナリングの無効化 ===
   
ファイルシステムと既存のファイルシステムのメタデータチェックサムを有効にする場合はいくつかのカーネルモジュールをロードす必要があります。
+
{{Warning|ジャーナリングなファイルシステムを使用する停電やカーネルックアップなどの突然のマウント解除の場合にデタが失われ可能性があります。}}
   
  +
''ext4'' を使用してジャーナルを無効にするには、マウントされていないディスクで次のコマンドを使用します。
CPUがSSE 4.2をサポートしている場合は、ハードウェアアクセラレーションされたCRC32Cアルゴリズムを有効にするために、{{Ic|crc32c_intel}}カーネルモジュールがロードされていることを確認してください。 そうでない場合には、{{Ic|crc32c_generic}}モジュールをロードする必要があります。
 
   
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# tune2fs -O "^has_journal" /dev/sdXN
また、対象がルートファイルシステムの場合は、{{Ic|/mkinitcpio.conf}}に{{Ic|crc32c_}}モジュールを追加する必要があります:
 
   
  +
=== 外部ジャーナルを使用してパフォーマンスを最適化する ===
MODULES="... crc32c_intel crc32c_generic"
 
   
  +
{{ic|journal_async_commit}} マウントオプションを使用すると、ジャーナリングを大幅に高速化できます。
それが済んだら、initramfsを再生成します。 [[Mkinitcpio#Image creation and activation]]を参照してください。
 
   
  +
{{Note|{{ic|journal_async_commit}} マウントオプションは、デフォルトのマウントオプションである {{ic|1=data=ordered}} と一緒に使うと[https://patchwork.ozlabs.org/patch/414750/ 動作しません]。なので、明示的に {{ic|''ext4_device''}} を別のモードでマウントしてください。{{man|5|ext4|3=data=}} を見てください。}}
その後、次の2つのセクションで説明するように、メタデータチェックサムのサポートを有効にする準備が整いました。いずれの場合も、ファイルシステムをマウントしてはいけません。
 
   
  +
次のコマンドを使用して、ジャーナルで使用する専用デバイスをフォーマットできます:
メタデータチェックサムの詳細については、次を参照
 
[https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Metadata_Checksums ext4 wiki].
 
   
  +
# mke2fs -O journal_dev /dev/''journal_device''
=== 新しいファイルシステム ===
 
   
  +
{{ic|''journal_device''}} を {{ic|''ext4_device''}} のジャーナルとして割り当てるには、次を使用します。
新しいファイルシステム上でext4メタデータのチェックサムをサポートするには、{{Ic|e2fsprogs 1.43}}以上であることを確認してください。
 
   
  +
# tune2fs -J device=/dev/''journal_device'' /dev/''ext4_device''
そうしたら以下のようにファイルシステムを作成します:
 
   
  +
同時に {{ic|''ext4_device''}} に新しいファイルシステムを作成したい場合は、{{ic|tune2fs}} を {{ic|mkfs.ext4}} に置き換えることができます。
# mkfs.ext4 ''/dev/path/to/disk''
 
   
  +
== ヒントとテクニック ==
{{Ic|metadata_csum}}と{{Ic|64bit}}オプションはデフォルトで有効になります。
 
   
ファイルテムは通常方法でマウントできま
+
=== ファイルベースの暗号化を使用る ===
   
  +
Linux 4.1 以降、ext4 はファイル暗号化をネイティブにサポートしています。 [[fscrypt]] の記事を参照してください。 暗号化はディレクトリレベルで適用され、ディレクトリごとに異なる暗号化キーを使用できます。 これは、ブロックデバイスレベルの暗号化である [[dm-crypt]] と、スタック暗号化ファイルシステムである [[eCryptfs]] の両方とは異なります。
=== 既存のファイルシステム ===
 
   
  +
=== メタデータチェックサムを有効化する ===
既存のext4ファイルシステムでサポートを有効にするには、次のようにします。
 
   
  +
ファイルシステムが {{Pkg|e2fsprogs}} で作成されている場合。1.43 (2016) 以降では、メタデータチェックサムがデフォルトで有効になっています。既存のファイルシステムを変換して、メタデータチェックサムのサポートを有効にすることができます。
これは、パーティションをアンマウントして実行する必要があるため、{{Ic|/}}に対して有効化する場合には、USBライブディストリビューションで実行する必要があります。
 
   
  +
CPU が SSE 4.2 をサポートしている場合、{{ic|crc32c_intel}} が有効であることを確認してください。ハードウェアアクセラレーションによる CRC32C アルゴリズム [https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Metadata_Checksums#Benchmarking] を有効にするために [[カーネルモジュール]] がロードされています。もしそうでなければ、代わりに {{ic|crc32c_generic}} モジュールをロードしてください。
まず、以下を実行してパーティションをチェックし最適化する必要があります:
 
  +
  +
メタデータチェックサムの詳細については、[https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Metadata_Checksums ext4 wiki] を参照してください。
  +
  +
{{Tip|{{ic|dumpe2fs}} を使用して、ファイルシステムで有効になっている機能を確認します。
  +
# dumpe2fs -h ''/dev/path/to/disk''
  +
}}
  +
  +
{{Note|ファイルシステムをマウントしないでください。}}
  +
  +
まず、{{ic|e2fsck}} を使用してパーティションをチェックし、最適化する必要があります。
   
 
# e2fsck -Df ''/dev/path/to/disk''
 
# e2fsck -Df ''/dev/path/to/disk''
   
その後、ファイルシステムを64bitに変換する必要があります:
+
ファイルシステムを64ビットに変換ます
   
 
# resize2fs -b ''/dev/path/to/disk''
 
# resize2fs -b ''/dev/path/to/disk''
   
最後にチェックサムを追加できます
+
最後にチェックサムサポート有効にします
   
 
# tune2fs -O metadata_csum ''/dev/path/to/disk''
 
# tune2fs -O metadata_csum ''/dev/path/to/disk''
   
  +
検証します:
ファイルシステムは通常の方法でマウントできます。
 
   
  +
{{hc|# dumpe2fs -h ''/dev/path/to/disk'' {{!}} grep features:|2=
以下を実行して機能が有効になっているかどうかを確認できます:
 
  +
Filesystem features: has_journal ext_attr resize_inode dir_index filetype extent '''64bit''' flex_bg sparse_super large_file huge_file dir_nlink extra_isize '''metadata_csum'''
  +
}}
   
  +
=== 既存のファイルシステムで fast_commit を有効にする ===
# dumpe2fs ''/dev/path/to/disk''
 
   
  +
5.10 カーネル以降、ext4 では {{ic|fast_commit}} オプションを有効にすることで、パフォーマンスが向上する可能性があります。
=== パフォーマンスへの影響 ===
 
   
  +
# tune2fs -O fast_commit /dev/''drivepartition''
インテルのモジュールでは、[https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Metadata_Checksums#Benchmarking このベンチマーク]に見られるように、一貫して一般的なものより10倍速、最大で20倍速いことに注意してください。.
 
  +
  +
現在の構成または変更を確認するには:
  +
  +
# tune2fs -l /dev/''drivepartition'' | grep features
  +
  +
=== 大文字と小文字を区別しないモードを有効にする ===
  +
  +
{{Warning|1=GRUB は現在、Ext4 の {{ic|casefold}} 機能をサポートしていません。[https://savannah.gnu.org/bugs/?56897 GRUB bug #56897] を参照してください。 GRUB が読み取る必要があるファイルシステムに対してこの機能を有効にすると、実際にその機能を使用しているディレクトリがない場合でも、{{ic|unknown filesystem}} エラーが発生してシステムが起動できなくなります。}}
  +
  +
Ext4 は大文字と小文字を区別しないモードで使用でき、[[Wine]] で実行されるアプリケーションやゲームのパフォーマンスを向上させることができます。この機能はファイルシステム全体には影響しません。大文字と小文字を区別しない属性が有効になっているディレクトリにのみ影響します。
  +
  +
まず、ファイルシステムでこの機能を有効にします:
  +
  +
# tune2fs -O casefold ''/dev/path/to/disk''
  +
  +
これで、任意のディレクトリで大文字と小文字を区別しない[[ファイルのパーミッションと属性#ファイルの属性|属性]]を有効にできるようになります:
  +
  +
$ chattr +F ''/mnt/partition/case-insensitive-directory''
  +
  +
ディレクトリは空である必要があり、他の場所からサブディレクトリを移動させても、その属性は継承されないことに注意してください。
   
 
== 参照 ==
 
== 参照 ==
   
* [https://ext4.wiki.kernel.org/ Official Ext4 wiki]
+
* [https://ext4.wiki.kernel.org/ 公式 Ext4 wiki]
* [https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Disk_Layout Ext4 Disk Layout] described in its wiki
+
* Ext4 wiki の [https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Disk_Layout Ext4 ディスクレイアウト]
* [http://lwn.net/Articles/639427/ Ext4 Encryption] LWN article
+
* LWN の [https://lwn.net/Articles/639427/ Ext4 暗号化] 記事
* Kernel commits for ext4 encryption [https://git.kernel.org/cgit/linux/kernel/git/torvalds/linux.git/commit/?id=6162e4b0bedeb3dac2ba0a5e1b1f56db107d97ec] [https://git.kernel.org/cgit/linux/kernel/git/torvalds/linux.git/commit/?id=8663da2c0919896788321cd8a0016af08588c656]
+
* ext4 暗号化のカーネルコミット [https://git.kernel.org/cgit/linux/kernel/git/torvalds/linux.git/commit/?id=6162e4b0bedeb3dac2ba0a5e1b1f56db107d97ec] [https://git.kernel.org/cgit/linux/kernel/git/torvalds/linux.git/commit/?id=8663da2c0919896788321cd8a0016af08588c656]
* [http://e2fsprogs.sourceforge.net/e2fsprogs-release.html e2fsprogs Changelog]
+
* [http://e2fsprogs.sourceforge.net/e2fsprogs-release.html e2fsprogs 変更履歴]
* [https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Metadata_Checksums Ext4 Metadata Checksums]
+
* [https://ext4.wiki.kernel.org/index.php/Ext4_Metadata_Checksums Ext4 メタデータチェックサム]
  +
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{{TranslationStatus|Ext4|2024-08-28|805843}}

2024年8月28日 (水) 18:38時点における最新版

関連記事

Ext4 は Linux で一番よく使われているファイルシステム、Ext3 の発展版です。多くの点で、Ext3 から Ext4 になって Ext2 から Ext3 に進んだときよりも大きな改善がされています。Ext3 では Ext2 にジャーナリングを追加したのがほとんどでしたが、Ext4 ではファイルデータを保存するファイルシステムの重要なデータ構造にメスが入っています。その結果、改良された設計、優れたパフォーマンス、信頼性、機能性を備えたファイルシステムが誕生しました (ソース: Ext4 - Linux Kernel Newbies)

新しく ext4 ファイルシステムを作成

e2fsprogsインストール します。

パーティションをフォーマットするには次を実行:

# mkfs.ext4 /dev/partition
ヒント:
  • オプションについては mke2fs(8)man ページを見て下さい。/etc/mke2fs.conf を編集すればデフォルトのオプションを見たり設定できます。
  • サポートされている場合は、メタデータチェックサム を有効にすることをお勧めします。

Bytes-per-inode 比率

mke2fs はひとつの inode に対してディスク上に bytes-per-inode バイト分の領域を作成します。bytes-per-inode 比率を大きくすることで、作成される inode は少なくなります。詳しくは mke2fs(8) を参照。

新しいファイルやディレクトリ、シンボリックリンクなどを作成するとき inode が最低でもひとつは必要です。inode の数が少なすぎると、たとえディスクに空き容量があったとしてもファイルシステムにファイルを作成できなくなります。

ファイルシステムを作成した後に bytes-per-inode 比率や inode の数を変更することはできないため、ファイルが作成できなくなってしまわないように mkfs.ext4 はデフォルトでは比率を低くして inode に対して16384バイト (16Kb) を割り当てます。

しかしながら、1GB 以上のファイルが多数存在してファイルの平均容量がメガバイト級になるような使い方をしているパーティションの場合、inode の数が多すぎてファイルの作成では inode の限界に絶対に達しないということになります。

未使用の inode にも256バイト取られるのでディスク領域の無駄使いです (256バイトという数字は /etc/mke2fs.conf で設定されていますが変更してはいけません) 256バイトでも数百万の inode に換算するとギガバイト単位で容量を無駄にしていることになります。

dfdf -i を実行したときの {I}Use% の値を比較することでどれくらい無駄になっているのか確認できます:

$ df -h /home
Filesystem              Size    Used   Avail  Use%   Mounted on
/dev/mapper/lvm-home    115G    56G    59G    49%    /home
$ df -hi /home
Filesystem              Inodes  IUsed  IFree  IUse%  Mounted on
/dev/mapper/lvm-home    1.8M    1.1K   1.8M   1%     /home

bytes-per-inode 比率を変更するには、-T usage-type オプションを使用します。/etc/mke2fs.conf で定義されたタイプを使用してファイルシステムの利用方法を指定できます。largefilelargefile4 タイプは inode に対してそれぞれ 1 MiB と 4 MiB という大きな容量を割り当てます。以下のように使うことができます:

# mkfs.ext4 -T largefile /dev/device

-i オプションを使って bytes-per-inode 比率を直接設定することもできます。例えば -i 2097152 なら 2 MiB、-i 6291456 なら 6 MiB になります。

ヒント: 逆に、メールやニュースグループのアイテムなどで小さなファイルを何百万も保存するような使い方をする場合、news (ひとつの inode に4096バイトを割り当て) や small (inode 自体のサイズやブロックサイズも小さくする) などのタイプを使うこともできます。
警告: シンボリックリンクを大量に使用する場合は、bytes-per-inode 比率を低くして inode の数量は大きくしてください。シンボリックリンクを作成しても容量は取られませんが inode はひとつ消費されるので、ファイルシステムの inode をあっという間に使い切ってしまう可能性があります。

予約ブロック

デフォルトでは、ファイルシステムの 5% はフラグメントが起こらないように root ユーザー用に予約されます。非特権のプロセスがファイルシステムに書き込めなくなってからも root が使用しているデーモンは正しく動作し続けることができます (詳しくは mke2fs(8) を参照)。

最近の大容量ディスクでは、パーティションを長期アーカイブとして使用したり、システム運用に重要でない場合(/homeなど)必要以上に大きな値を設定します。予約ブロックに関する ext4 開発者の Ted Ts'o の意見は このメール を、このトピックに関する一般的な背景は このスーパーユーザの回答 を参照してください。

パーティションが以下の条件を満たしているならば、ディスク容量を増やすために予約ブロックの割合を減らしても大抵は問題ありません:

  • パーティションがとても大きい (例えば 50GB 以上)
  • 長期保存用のアーカイブとして使っている、頻繁にファイルを作成したり削除することがない。

ext4 関連のユーティリティを使うときに -m オプションで予約ブロックの割合を指定できます。

ファイルシステムの作成時に予約ブロックを全く作成しないようにするには:

# mkfs.ext4 -m 0 /dev/device

パーティションの予約ブロックの割合を 1% に設定するには:

# tune2fs -m 1 /dev/device

予約ブロック数をギガバイト単位の絶対サイズに設定する場合は、-r を使用します。

# tune2fs -r $((ngigs * 1024**3 / blocksize)) /dev/device

blocksize はファイルシステムのブロックサイズをバイト単位で指定します。これはほとんどの場合 4096 ですが、念のため確認することができます。

# tune2fs -l /dev/device | egrep '^Block size:'
Block size:               4096

$(()) 構文は、数式展開のための構文です。この構文は bashzsh では動作しますが、fish では動作しません。fish では、このような構文になります。

# tune2fs -r (math 'ngigs * 1024^3 / blocksize') /dev/device

これらのコマンドは、現在マウントされているファイルシステムに適用することができ、変更は即座に反映されます。デバイス名は findmnt(8) で調べることができます。

# tune2fs -m 1 "$(findmnt -no SOURCE /the/mount/point)"

現在の予約ブロック数を問い合わせる場合。

# tune2fs -l /dev/mapper/proxima-root | egrep '^Reserved block count:'
Reserved block count:     2975334

これはブロック数なので、これにファイルシステムのブロックサイズを掛けて、バイト数やギガバイト数を得る必要があります。2975334 * 4096 / 1024**3 = 11.34 GiB です。

ext2/ext3 から ext4 に移行

ext2/ext3 パーティションを変換せずに ext4 としてマウント

理由

ext4 を完全に変換する案と ext2/ext3 をそのまま使用する案の折衷案として、既存の ext2/ext3 パーティションを ext4 としてマウントする方法があります。

利点:

  • 互換性 (ext2/ext3 としてファイルシステムをマウントできます) – ext4 のサポートがないオペレーティングシステムからもファイルシステムを読み込むことが可能です (例: Windows の ext2/ext3 ドライバー)
  • パフォーマンスが向上 (ext4 パーティションに完全に変換するのよりは劣ります) – 詳しくは [1][2] を見てください。

欠点:

  • ext4 の機能を全て活用することはできません (マルチブロックアロケーションや遅延アロケーションなどのディスクフォーマットに変更を与える機能は使えません)
ノート: ext4 が比較的新しいファイルシステムということ以外に (このこと自体をリスクと考えることもできます)、この方法を使用することで不利益になることは特にありません。

方法

  1. /etc/fstab を編集して ext4 としてマウントしたいパーティションの 'type' を ext2/ext3 から ext4 に変更してください。
  2. 変更したパーティションを再マウントします。

ext2/ext3 パーティションを ext4 に変換

理由

ext4 の能力を活かすには、非可逆の変換をする必要があります。

利点:

  • パフォーマンスの向上と新機能 – 詳しくは [3][4] を見てください。

欠点:

  • /boot パーティションなど、静的なファイルしか存在しない場合、新機能を使うメリットはありません。さらに、ジャーナリングによって性能がむしろ落ちる可能性もあります。
  • 一方通行 (ext4 パーティションを ext2/ext3 に'ダウングレード'することはできません) ただしエクステントなどのオプションを有効にしなければ後方互換性を確保できます。

方法

以下の手順は カーネルドキュメントフォーラムスレッド から引用しています。

警告:
  • システムのルートパーティションを変換する場合、再起動時にフォールバックの initramfs が使えるようになっていることを確認してください。また、変換する前に /etc/mkinitcpio.confMODULES 行に ext4 を追加して mkinitcpio -p linux でデフォルトの initramfs を再作成してください。
  • 分割している /boot パーティションを変換する場合、ブートローダーが ext4 からの起動に対応していることを確認してください。
  1. バックアップを行なって下さい。ext4 に変換する ext3 パーティションに存在するデータを全てバックアップします。特に / (root) パーティションをバックアップする場合は、Clonezilla が役に立ちます。
  2. /etc/fstab を編集して ext4 に変換するパーティションの 'type' を ext3 から ext4 に変換してください。
  3. (必要であれば) ライブメディアを起動します。e2fsprogs で変換を行う際はドライブがマウントされていない状態になっている必要があります。ドライブの root (/) パーティションを変換するときは、他のライブメディアから起動して変換するのが一番簡単です。
  4. パーティションがマウントされていないことを確認してください
  5. ext2 パーティションを変換する場合、まずは tune2fs -j /dev/sdxX を root で実行してジャーナルを追加して ext3 パーティションに変換してください。
  6. tune2fs -O extent,uninit_bg,dir_index /dev/sdxX を root で実行 (/dev/sdxX は変換するパーティションのパスに置き換えて下さい、例: /dev/sda1)。ext4 に変換されます (不可逆です)
  7. root で fsck -f /dev/sdxX を実行。
    • ファイルシステムのチェックを実行しないとファイルシステムを読み込めなくなります。fsck の実行は必須です。グループ記述子のチェックサムエラーが発見されます。これは仕様通りの動作です。-f オプションはファイルシステムに問題がない場合でも強制的にチェックを実行します。-p オプションを使用して自動修復させることもできます (オプションを使用しない場合、エラーに対して入力を求められます)
  8. 推奨: パーティションをマウントして e4defrag -c -v /dev/sdxX を実行。
    • ファイルシステムが ext4 に変換されても、変換前に書き込まれたファイルは ext4 のエクステントオプションを利用することができません。エクステントオプションは巨大なファイルの操作を高速化しフラグメンテーションを減らしてファイルシステムのチェック時間を短縮します。ext4 を活用するには、全てのファイルをディスクに再書き込みする必要があります。e4defrag を使うことで問題を解決できます。
  9. Arch Linux を再起動してください。

パフォーマンスの向上

E4rat

E4rat は ext4 ファイルシステム用に作られたプリロードアプリケーションです。E4rat は起動時に開かれるファイルを記録して、アクセス時間が短縮されるようにパーティションにおけるファイルの配置を最適化します。そして起動時の初期段階でファイルを先読みします。E4ratSSD を使っている場合は効果がありません。SSD のアクセス時間はハードディスクと比べると無視できるほどしかないためです。

アクセス時間の更新を無効にする

ext4 ファイルシステムは、ファイルが最後にアクセスされた日時に関する情報を記録し、その記録にはコストがかかります。 noatime オプションを使用すると、ファイルシステムのアクセスタイムスタンプは更新されません。

/etc/fstab
/dev/sda5    /    ext4    defaults,noatime    0    1

これを行うと、アクセス時間に依存するアプリケーションが破損します。考えられる解決策については、atimeoptions を参照してください。

コミット間隔の増加

commit オプションで長い時間遅延を提供することにより、データとメタデータの同期間隔を増やすことができます。

デフォルトの5秒は、電源が失われた場合、最新の5秒の作業が失われることを意味します。 5秒ごとにすべてのデータ/ジャーナルを物理メディアに完全に同期します。 ただし、ジャーナリングのおかげで、ファイルシステムが損傷することはありません。 次の fstab は、 commit の使用法を示しています。

/etc/fstab
/dev/sda5    /    ext4    defaults,noatime,commit=60    0    1

バリアとパフォーマンス

警告: バリアを無効化すると、電源が失われたときにキャッシュが正しく書き込まれるか保証がされなくなります。これによってファイルシステムの破壊やデータ損失が発生する場合があります。

Ext4 はデフォルトで書き込みバリアを有効にします。これにより、書き込みキャッシュの電源が失われた場合でも、ファイルシステムのメタデータがディスク上に正しく書き込まれ、順序付けされることが保証されます。これには、特に fsync を頻繁に使用するアプリケーションや、小さなファイルを多数作成および削除するアプリケーションの場合、パフォーマンスにコストが伴います。何らかの方法でバッテリーバックアップが行われている書き込みキャッシュを持つディスクの場合、バリアを無効にするとパフォーマンスが安全に向上する可能性があります。

バリアをオフにしたいときは /etc/fstab の変更したいファイルシステムに barrier=0 オプションを追加してください。例:

/etc/fstab
/dev/sda5    /    ext4    defaults,barrier=0    0    1

ジャーナリングの無効化

警告: ジャーナリングなしでファイルシステムを使用すると、停電やカーネルのロックアップなどの突然のマウント解除の場合にデータが失われる可能性があります。

ext4 を使用してジャーナルを無効にするには、マウントされていないディスクで次のコマンドを使用します。

# tune2fs -O "^has_journal" /dev/sdXN

外部ジャーナルを使用してパフォーマンスを最適化する

journal_async_commit マウントオプションを使用すると、ジャーナリングを大幅に高速化できます。

ノート: journal_async_commit マウントオプションは、デフォルトのマウントオプションである data=ordered と一緒に使うと動作しません。なので、明示的に ext4_device を別のモードでマウントしてください。ext4(5) § data= を見てください。

次のコマンドを使用して、ジャーナルで使用する専用デバイスをフォーマットできます:

# mke2fs -O journal_dev /dev/journal_device

journal_deviceext4_device のジャーナルとして割り当てるには、次を使用します。

# tune2fs -J device=/dev/journal_device /dev/ext4_device

同時に ext4_device に新しいファイルシステムを作成したい場合は、tune2fsmkfs.ext4 に置き換えることができます。

ヒントとテクニック

ファイルベースの暗号化を使用する

Linux 4.1 以降、ext4 はファイル暗号化をネイティブにサポートしています。 fscrypt の記事を参照してください。 暗号化はディレクトリレベルで適用され、ディレクトリごとに異なる暗号化キーを使用できます。 これは、ブロックデバイスレベルの暗号化である dm-crypt と、スタック暗号化ファイルシステムである eCryptfs の両方とは異なります。

メタデータチェックサムを有効化する

ファイルシステムが e2fsprogs で作成されている場合。1.43 (2016) 以降では、メタデータチェックサムがデフォルトで有効になっています。既存のファイルシステムを変換して、メタデータチェックサムのサポートを有効にすることができます。

CPU が SSE 4.2 をサポートしている場合、crc32c_intel が有効であることを確認してください。ハードウェアアクセラレーションによる CRC32C アルゴリズム [5] を有効にするために カーネルモジュール がロードされています。もしそうでなければ、代わりに crc32c_generic モジュールをロードしてください。

メタデータチェックサムの詳細については、ext4 wiki を参照してください。

ヒント: dumpe2fs を使用して、ファイルシステムで有効になっている機能を確認します。
# dumpe2fs -h /dev/path/to/disk
ノート: ファイルシステムをマウントしないでください。

まず、e2fsck を使用してパーティションをチェックし、最適化する必要があります。

# e2fsck -Df /dev/path/to/disk  

ファイルシステムを64ビットに変換します。

# resize2fs -b /dev/path/to/disk 

最後に、チェックサムサポートを有効にします。

# tune2fs -O metadata_csum /dev/path/to/disk

検証します:

# dumpe2fs -h /dev/path/to/disk | grep features:
Filesystem features:      has_journal ext_attr resize_inode dir_index filetype extent 64bit flex_bg sparse_super large_file huge_file dir_nlink extra_isize metadata_csum

既存のファイルシステムで fast_commit を有効にする

5.10 カーネル以降、ext4 では fast_commit オプションを有効にすることで、パフォーマンスが向上する可能性があります。

# tune2fs -O fast_commit /dev/drivepartition

現在の構成または変更を確認するには:

# tune2fs -l /dev/drivepartition | grep features

大文字と小文字を区別しないモードを有効にする

警告: GRUB は現在、Ext4 の casefold 機能をサポートしていません。GRUB bug #56897 を参照してください。 GRUB が読み取る必要があるファイルシステムに対してこの機能を有効にすると、実際にその機能を使用しているディレクトリがない場合でも、unknown filesystem エラーが発生してシステムが起動できなくなります。

Ext4 は大文字と小文字を区別しないモードで使用でき、Wine で実行されるアプリケーションやゲームのパフォーマンスを向上させることができます。この機能はファイルシステム全体には影響しません。大文字と小文字を区別しない属性が有効になっているディレクトリにのみ影響します。

まず、ファイルシステムでこの機能を有効にします:

# tune2fs -O casefold /dev/path/to/disk

これで、任意のディレクトリで大文字と小文字を区別しない属性を有効にできるようになります:

$ chattr +F /mnt/partition/case-insensitive-directory

ディレクトリは空である必要があり、他の場所からサブディレクトリを移動させても、その属性は継承されないことに注意してください。

参照

翻訳ステータス: このページは en:Ext4 の翻訳バージョンです。最後の翻訳日は 2024-08-28 です。もし英語版に 変更 があれば、翻訳の同期を手伝うことができます。