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[[Category:Arch について]]
 
[[Category:Arch について]]
 
[[Category:Arch の入手とインストール]]
 
[[Category:Arch の入手とインストール]]
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[[de:Arch Install Scripts]]
 
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[[ko:Installation Guide]]
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[[lt:Quick Arch Linux Install]]
 
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[[ro:Ghid de instalare]]
 
[[ro:Ghid de instalare]]
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[[sk:Quick Arch Linux Install]]
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[[sr:Official Installation Guide]]
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[[th:Quick Arch Linux Install]]
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[[uk:Installation Guide]]
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このドキュメントは、[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/ Arch Install Scripts] を使って [[Arch Linux]] をインストールする過程を案内するものです。インストールの前に、[[FAQ]] に目を通しておくことをお勧めします。[[ビギナーズガイド]]には初心者向けの詳し説明がありますまた、特定ースに合わせたインストー方法が [[:カテゴリ:Arch入手とインストール]] くつかあります。
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このドキュメントは、[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/ Arch Install Scripts] を使って [[Arch Linux]] をインストールする過程を案内するものです。インストールの前に、[[FAQ]] に目を通しておくことをお勧めします。使用されている用語については、[[ヘルプ:読み方]]を見てください。コード例にはプレース ({{ic|''斜体''}}文字) を含んでる場合があり、手動で置き換える必要があります。
   
コミュニティによって管理されている [[メインページ|Arch wiki]] には様々な情報が記載されており、問題が起こった時はまず wiki を参照してください。答えが見つけられない場合には、[[Wikipedia:ja:IRC|IRC]] チャンネル (irc://irc.freenode.net/#archlinux) や、[https://archlinuxjp.kusakata.com/bbs/ フォーラム]を使って下さい。また、使い慣れていないコマンドは {{ic|man ''コマンド''}} で man ページを参照しましょう。
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コミュニティによって管理されている [[メインページ|Arch wiki]] には様々な情報が記載されており、問題が起こった時はまず wiki を参照してください (インストール環境からは [[ELinks]] で閲覧できます)。答えが見つけられない場合には、[https://slack.archlinux.jp/ Slack] や、[https://bbs.archlinux.jp/ フォーラム] を使って下さい。また、使い慣れていないコマンドは {{ic|man ''コマンド''}} で man ページを参照しましょう。
   
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Arch Linux は 512 MB 以上のメモリが搭載された [[wikipedia:ja:x64|x86_64]] 互換のマシンで動作します。{{Grp|base}} グループに含まれている全てのパッケージをインストールしても、使用するディスク容量は 800 MB 以下です。インストールする際はリモートリポジトリからパッケージを取得する必要があるため、インターネットに接続できる環境が必要です。
== ダウンロード ==
 
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Arch Linux の ISO を [https://archlinuxjp.kusakata.com/download/ Arch Linux のダウンロードページ]からダウンロードしてください。ひとつのイメージで i686 と x86_64 両方の環境に対応しています。
 
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==インストールの準備==
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[[:カテゴリ:Arch の入手とインストール]]に書かれているように Arch Linux の ISO を [https://www.archlinux.jp/download/ Arch Linux のダウンロードページ] からダウンロードしてください。インストールメディアを起動すると root ユーザーでログインされ、[[Zsh]] のシェルプロンプトが表示されます。{{ic|Alt+''arrow''}} [[キーボードショートカット|ショートカット]]を使用することでコンソールを切り替えることができます。設定ファイルを[[ヘルプ:読み方#追加, 作成, 編集 そして source|編集]]するときは [[nano#nano の使用方法|nano]], ''vi'', [[vim#使用方法|vim]] が使えます。
   
 
ISO にはパッケージは含まれておらず、インターネットを介して Arch Linux をインストールします。したがって、インストールを行うにはネットワークに接続する必要があります。
 
ISO にはパッケージは含まれておらず、インターネットを介して Arch Linux をインストールします。したがって、インストールを行うにはネットワークに接続する必要があります。
 
インストールイメージは署名されています。ISO を使用する前に、署名の検証をすることを推奨します。ダウンロードページに存在する、PGP署名を使用するか (例: {{ic|pacman-key -v ''inst-image.iso.sig''}})、チェックサムを計算して (例: {{ic|md5sum ''inst-image.iso''}}) 確認してください。
 
   
 
イメージファイルは CD に焼いて、ISO ファイルとしてマウントするか、[[USB インストールメディア|USB スティックに直接書き込み]]ます。これは新しいインストールの時だけに必要です。既にインストール済みの Arch Linux は {{ic|pacman -Syu}} でいつでもアップデートできます。
 
イメージファイルは CD に焼いて、ISO ファイルとしてマウントするか、[[USB インストールメディア|USB スティックに直接書き込み]]ます。これは新しいインストールの時だけに必要です。既にインストール済みの Arch Linux は {{ic|pacman -Syu}} でいつでもアップデートできます。
 
==インストールの準備==
 
   
 
=== キーボードレイアウト ===
 
=== キーボードレイアウト ===
   
デフォルトのキーボードレイアウトは US キーボードです。{{ic|loadkeys jp106}} のようコマンドであなたのキーボードが正しく動作するようになります。対応しているキーマップのファイルは {{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} 見ることができます (loadkeys を使うときはパスや拡張子を省略可能)。
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デフォルトのキーボードレイアウトは [[Wikipedia:File:KB United States-NoAltGr.svg|US]] キーボードです。利用可能なキーマップは以下コマンド確認できます:
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# ls /usr/share/kbd/keymaps/**/*.map.gz
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レイアウトを変更するには使用したいファイルの名前を指定して {{man|1|loadkeys}} を実行してください。パスや拡張子は省略可能です。例えば、日本語キーボードレイアウトに設定するには:
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# loadkeys jp106
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[[フォント#コンソールフォント|コンソールフォント]]は {{ic|/usr/share/kbd/consolefonts/}} に存在し、{{man|8|setfont}} で設定ができます。
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=== 起動モードの確認 ===
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[[UEFI]] マザーボードで UEFI モードが有効になっている場合、[[Archiso]] は [[systemd-boot]] によって Arch Linux を起動します。[[UEFI]] 環境ではインストール手順が多少異なります。[[efivars]] をチェックして UEFI モードで起動しているかどうか確認してください:
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# ls /sys/firmware/efi/efivars
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ディレクトリが存在しない場合、BIOS (または CSM) モードで起動しています。詳しくは使用しているマザーボードのマニュアルを読んでください。
   
 
=== パーティション ===
 
=== パーティション ===
[[パーティショニング]]を参照して下さい。場合によっては特別なパーティションが必要になることがあります。[[UEFI#EFI System Partition|EFI System Partition]] や [[GRUB#GUID Partition Table (GPT) 特有の手順|GRUB BIOS boot partition]] などです。
 
   
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ライブ環境によって認識されたディスクには {{ic|/dev/sda}} や {{ic|/dev/nvme0n1}} などのように''ブロックデバイス''が割り当てられます。デバイスを確認するには、[[lsblk]] または [[fdisk]] を使ってください:
[[LVM]], [[ディスク暗号化]], [[RAID]] などを使う場合は、この段階で用意をします。
 
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# fdisk -l
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{{ic|rom}}, {{ic|loop}}, {{ic|airoot}} などのデバイスは無視してかまいません。
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Arch Linux をインストールするデバイスには以下のパーティションが必要です:
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* ルートディレクトリ {{ic|/}} のパーティション。
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* [[UEFI]] が有効になっている場合、[[EFI システムパーティション]]。
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{{Note|[[スワップ|スワップ領域]]はスワップパーティションとして用意することも[[スワップ#スワップファイル|スワップファイル]]で設定することもできます。}}
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''パーティションテーブル''を変更するときは [[fdisk]] や [[parted]] を使います:
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# fdisk /dev/''sda''
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詳しくは[[パーティショニング]]を見てください。
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{{Note|[[LVM]], [[ディスク暗号化]], [[RAID]] などを使う場合は、この段階で用意をします。}}
   
 
=== パーティションのフォーマット ===
 
=== パーティションのフォーマット ===
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[[ファイルシステム#デバイスのフォーマット|ファイルシステム]]や[[スワップ]]を参照して下さい。
 
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パーティションを作成したら、適切な[[ファイルシステム]]でフォーマットする必要があります。例えば、[[ext4]] で {{ic|/dev/''sda1''}} のルートパーティションをフォーマットするには、以下のコマンドを実行:
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# mkfs.''ext4'' /dev/''sda1''
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スワップ用のパーティション (例: {{ic|/dev/''sda3''}}) を作成した場合は、''mkswap'' で初期化してください:
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# mkswap /dev/''sda3''
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# swapon /dev/''sda3''
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詳しくは[[ファイルシステム#デバイスのフォーマット|ファイルシステム]]や[[スワップ]]を参照して下さい。
   
 
=== パーティションのマウント ===
 
=== パーティションのマウント ===
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ルートパーティションのファイルシステムを {{ic|/mnt}} に[[マウント]]してください。例:
{{ic|/mnt}} に root パーティションをマウントします。{{ic|genfstab}} によって他のパーティション ({{ic|/mnt/boot}}, {{ic|/mnt/home}}, ...) を検知させたいときには、それぞれディレクトリを作ってマウントしたり[[スワップ]]パーティションを有効にする必要があります。
 
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# mount /dev/''sda1'' /mnt
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他のパーティションについては、それぞれマウントポイントを作成してマウントしてください。例:
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# mkdir /mnt/''boot''
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# mount /dev/''sda2'' /mnt/''boot''
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後の [[#fstab の生成|fstab の生成]]で実行する genfstab は、マウントされているファイルシステムやスワップ領域を認識します。
   
 
=== インターネットへの接続 ===
 
=== インターネットへの接続 ===
有線デバイスについては DHCP によるインターネットサービスが始めから有効になっています。詳しくは[[ネットワーク設定]]を読んで下さい。無線デバイスについては、{{ic|wifi-menu}} を起動しネットワークを設定します。詳細は、[[ワイヤレス設定]]を見て下さい。固定 IP やネットワーク管理ツール ([[Netctl]] など) をセットアップする必要があるときは、DHCP サービスを止める必要があります: {{ic|systemctl stop dhcpcd.service}}。詳しくは[[ネットワーク設定]]を読んで下さい。
 
   
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'''有線'''接続の場合、[[dhcpcd]] デーモンが起動時に [https://git.archlinux.org/archiso.git/tree/configs/releng/airootfs/etc/udev/rules.d/81-dhcpcd.rules 有効化] され自動的に接続を開始します。[[ping]] を使って接続が確立されているかどうか確かめてください:
=== ハードウェアクロックの更新 ===
 
  +
[[時刻#時刻系]]を見て下さい。
 
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# ping archlinux.jp
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  +
接続できない場合は、''dhcpcd'' デーモンの状態を確認してください。
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# systemctl status dhcpcd@''interface''
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{{ic|''interface''}} の名前は[[Wikipedia:Command-line_completion|タブ補完]]で入力できます。{{ic|Active: failed}}と表示される場合は、''dhcpcd'' デーモンの起動に失敗しています。[[ネットワーク設定#デバイスドライバ|ネットワーク設定]]を手動で行ってください。{{ic|Active: active (running)}}と表示される場合は、''dhcpcd'' デーモンは起動しています。その場合にネットワーク設定を手動で行うときは、{{ic|systemctl stop dhcpcd@''interface''}} で ''dhcpcd'' サービスを[[systemd#ユニットを使う|停止]]してください。
  +
  +
'''無線'''接続の場合 iw, wpa_supplicant, [[netctl#ワイヤレス .28WPA-PSK.29|netctl]] を使って接続できます。[[ワイヤレス設定]]を参照してください。
  +
  +
=== システムクロックの更新 ===
  +
[[systemd-timesyncd]] を使ってシステムクロックを正確にしてください:
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# timedatectl set-ntp true
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サービスの状態は {{ic|timedatectl status}} で確認できます。
   
 
== インストール ==
 
== インストール ==
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=== ベースシステムのインストール ===
 
=== ベースシステムのインストール ===
[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/tree/pacstrap.in pacstrap] スクリプトを使って、{{Grp|base}} グループをインストールします。[[Arch User Repository|AUR]] からソフトウェアをコンパイルしたり [[Arch Build System|ABS]] を使うつもりであれば、''base-devel'' パッケージグループもインストールするべきです。
+
[https://projects.archlinux.org/arch-install-scripts.git/tree/pacstrap.in pacstrap] スクリプトを使って、{{Grp|base}} グループをインストールします。[[Arch User Repository|AUR]] からソフトウェアをコンパイルしたり [[Arch Build System|ABS]] を使うつもりであれば、{{Grp|base-devel}} パッケージグループもインストールするべきです。
 
 
 
# pacstrap /mnt base base-devel
 
# pacstrap /mnt base base-devel
   
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''base'' グループにはライブ環境に存在する全てのツールが含まれているわけではありません。{{Pkg|btrfs-progs}} や無線ファームウェアなどは別にインストールする必要があります。[https://projects.archlinux.org/archiso.git/tree/configs/releng/packages.both packages.both] を見てください。
必要に応じて、上のコマンドにパッケージの名前を追加 (スペースで区切る) すれば、他のパッケージやグループもインストールできます。
 
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必要に応じて、上のコマンドにパッケージの名前を追加 (スペースで区切る) すれば、他のパッケージやグループも[[インストール]]できます。また、[[#chroot|chroot]] を実行した後に [[pacman]] コマンドでインストールすることも可能です。
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== システムの設定 ==
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=== fstab の生成 ===
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[https://git.archlinux.org/arch-install-scripts.git/tree/genfstab.in genfstab] コマンドを実行して [[fstab]] を生成してください (UUID を使う場合は {{ic|-U}} オプション、ラベルを使う場合は {{ic|-L}} オプションのどちらかを指定します):
  +
# genfstab -U /mnt >> /mnt/etc/fstab
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作成された {{ic|/mnt/etc/fstab}} を確認して、問題がないことをチェックしてください。
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=== chroot ===
   
=== システムの設定 ===
 
以下のコマンドを実行して [[fstab|fstab]] を生成してください (UUID やラベルを使いたい場合、それぞれ {{ic|-U}} や {{ic|-L}} オプションを加えます):
 
# genfstab -p /mnt >> /mnt/etc/fstab
 
 
新しくインストールしたシステムに [[Change Root|chroot]]:
 
新しくインストールしたシステムに [[Change Root|chroot]]:
 
# arch-chroot /mnt
 
# arch-chroot /mnt
  +
あなたのコンピュータの名前を {{ic|/etc/hostname}} に書き込んでください:
 
  +
=== タイムゾーン ===
# echo ''computer_name'' > /etc/hostname
 
  +
 
{{ic|/etc/localtime}} から {{ic|/usr/share/zoneinfo/Zone/SubZone}} にシンボリックリンクを張って下さい。{{ic|Zone}} と {{ic|Subzone}} はあなたのタイムゾーンに合わせて変更してください。例:
 
{{ic|/etc/localtime}} から {{ic|/usr/share/zoneinfo/Zone/SubZone}} にシンボリックリンクを張って下さい。{{ic|Zone}} と {{ic|Subzone}} はあなたのタイムゾーンに合わせて変更してください。例:
 
# ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
 
# ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
  +
{{ic|/etc/locale.gen}} を編集して使用する[[ロケール]]をアンコメントし、次を実行してください:
 
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{{man|8|hwclock}} を実行して {{ic|/etc/adjtime}} を生成してください。ハードウェアクロックが UTC に設定されている場合、マシンにインストールされている他のオペレーティングシステムも UTC に[[時刻#時刻系|設定]]する必要があります。
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# hwclock --systohc --''utc''
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詳しくは[[時刻#時刻系]]を見てください。
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=== ロケール ===
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{{ic|/etc/locale.gen}} を編集して使用する[[ロケール]] (例: {{ic|en_US.UTF-8 UTF-8}} と {{ic|ja_JP.UTF-8 UTF-8}}) をアンコメントし、次のコマンドを実行してください:
 
# locale-gen
 
# locale-gen
 
[[ロケール#システム全体のロケールを設定する|ロケール]]を {{ic|/etc/locale.conf}} で設定します:
 
[[ロケール#システム全体のロケールを設定する|ロケール]]を {{ic|/etc/locale.conf}} で設定します:
# echo LANG=''ロケール名'' > /etc/locale.conf
+
# echo LANG=''en_US.UTF-8'' > /etc/locale.conf
[[KEYMAP|キーマップ]][[フォント#コンソールフォント|フォント]]設定を {{ic|/etc/vconsole.conf}} に書きます
+
必要であれば、{{man|5|vconsole.conf}} で[[コンソールでのキーボード設定|コンソールキーマップ]][[フォント#コンソールフォント|フォント]]設定ます:
  +
# echo KEYMAP=''jp106'' > /etc/vconsole.conf
   
  +
=== ホストネーム ===
もう一度ネットワークの設定を行なって下さい。[[ネットワーク設定]]や[[ワイヤレス設定]]を見て下さい。
 
  +
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あなたのコンピュータの名前を {{ic|/etc/hostname}} に書き込んで適切な[[ホストネーム]]を設定してください:
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# echo ''myhostname'' > /etc/hostname
  +
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同じ名前を {{ic|/etc/hosts}} にも記述します:
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{{hc|/etc/hosts|
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127.0.0.1 localhost
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::1 localhost
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127.0.1.1 ''myhostname''.localdomain ''myhostname''
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}}
  +
  +
システムに永続的な IP アドレスを割り当てる場合、{{ic|127.0.1.1}} の代わりにそのアドレスを指定してください。
  +
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=== ネットワーク設定 ===
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新しくインストールされた環境ではネットワーク接続がデフォルトで有効になっていません。もう一度ネットワークの設定を行なってください。[[ネットワーク設定]]を見てください。
  +
  +
[[ワイヤレス設定]]の場合 {{Pkg|iw}}, {{Pkg|wpa_supplicant}}, {{Pkg|dialog}} パッケージや[[ワイヤレス設定#ドライバー・ファームウェアをインストールする|ファームウェアパッケージ]]のインストールが必要です。
  +
  +
=== Initramfs ===
   
 
必要があれば {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} を設定 ([[mkinitcpio]]) し、イニシャル RAM ディスクを生成:
 
必要があれば {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} を設定 ([[mkinitcpio]]) し、イニシャル RAM ディスクを生成:
 
# mkinitcpio -p linux
 
# mkinitcpio -p linux
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=== Root パスワード ===
   
 
{{ic|passwd}} で root パスワードを設定します:
 
{{ic|passwd}} で root パスワードを設定します:
 
# passwd
 
# passwd
   
=== ブートローダーのインストール ===
+
=== ブートローダー ===
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Arch Linux を起動するために Linux に対応している[[ブートローダー]]を選択してインストールする必要があります。ブートローダーは、[[#起動モードの確認|起動モード]]が UEFI の場合は [[systemd-boot]] や [[GRUB]]、BIOS の場合は GRUB が多く選択されています。
[[ブートローダー]]のページを見て都合に合わせて選択してください。
 
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Intel の CPU を使っている場合は {{Pkg|intel-ucode}} パッケージをインストールして、[[マイクロコード#Intel のマイクロコードのアップデートを有効にする|マイクロコードのアップデートを有効]]にしてください。
   
 
=== 再起動 ===
 
=== 再起動 ===
 
chroot 環境から抜けるには、{{ic|exit}} と打つか、{{ic|Ctrl+D}} を押します。
 
chroot 環境から抜けるには、{{ic|exit}} と打つか、{{ic|Ctrl+D}} を押します。
   
また、任意で {{ic|/mnt}} の下にマウントしたパーティションをアンマウントします: {{ic|umount -R /mnt}}。
+
また、任意で {{ic|/mnt}} にマウントしたパーティションをアンマウントします: {{ic|umount -R /mnt}}。
   
 
そして {{ic|reboot}} と入力してマシンを再起動してください。インストールメディアを取り除いて、root アカウントで新しいシステムにログインします。
 
そして {{ic|reboot}} と入力してマシンを再起動してください。インストールメディアを取り除いて、root アカウントで新しいシステムにログインします。

2018年10月21日 (日) 10:44時点における版

このドキュメントは、Arch Install Scripts を使って Arch Linux をインストールする過程を案内するものです。インストールの前に、FAQ に目を通しておくことをお勧めします。使用されている用語については、ヘルプ:読み方を見てください。コードの例にはプレースホルダ (斜体 の文字) を含んでいる場合があり、手動で置き換える必要があります。

コミュニティによって管理されている Arch wiki には様々な情報が記載されており、問題が起こった時はまず wiki を参照してください (インストール環境からは ELinks で閲覧できます)。答えが見つけられない場合には、Slack や、フォーラム を使って下さい。また、使い慣れていないコマンドは man コマンド で man ページを参照しましょう。

Arch Linux は 512 MB 以上のメモリが搭載された x86_64 互換のマシンで動作します。base グループに含まれている全てのパッケージをインストールしても、使用するディスク容量は 800 MB 以下です。インストールする際はリモートリポジトリからパッケージを取得する必要があるため、インターネットに接続できる環境が必要です。

インストールの準備

カテゴリ:Arch の入手とインストールに書かれているように Arch Linux の ISO を Arch Linux のダウンロードページ からダウンロードしてください。インストールメディアを起動すると root ユーザーでログインされ、Zsh のシェルプロンプトが表示されます。Alt+arrow ショートカットを使用することでコンソールを切り替えることができます。設定ファイルを編集するときは nano, vi, vim が使えます。

ISO にはパッケージは含まれておらず、インターネットを介して Arch Linux をインストールします。したがって、インストールを行うにはネットワークに接続する必要があります。

イメージファイルは CD に焼いて、ISO ファイルとしてマウントするか、USB スティックに直接書き込みます。これは新しいインストールの時だけに必要です。既にインストール済みの Arch Linux は pacman -Syu でいつでもアップデートできます。

キーボードレイアウト

デフォルトのキーボードレイアウトは US キーボードです。利用可能なキーマップは以下のコマンドで確認できます:

# ls /usr/share/kbd/keymaps/**/*.map.gz

レイアウトを変更するには使用したいファイルの名前を指定して loadkeys(1) を実行してください。パスや拡張子は省略可能です。例えば、日本語キーボードレイアウトに設定するには:

# loadkeys jp106

コンソールフォント/usr/share/kbd/consolefonts/ に存在し、setfont(8) で設定ができます。

起動モードの確認

UEFI マザーボードで UEFI モードが有効になっている場合、Archisosystemd-boot によって Arch Linux を起動します。UEFI 環境ではインストール手順が多少異なります。efivars をチェックして UEFI モードで起動しているかどうか確認してください:

# ls /sys/firmware/efi/efivars

ディレクトリが存在しない場合、BIOS (または CSM) モードで起動しています。詳しくは使用しているマザーボードのマニュアルを読んでください。

パーティション

ライブ環境によって認識されたディスクには /dev/sda/dev/nvme0n1 などのようにブロックデバイスが割り当てられます。デバイスを確認するには、lsblk または fdisk を使ってください:

# fdisk -l

rom, loop, airoot などのデバイスは無視してかまいません。

Arch Linux をインストールするデバイスには以下のパーティションが必要です:

ノート: スワップ領域はスワップパーティションとして用意することもスワップファイルで設定することもできます。

パーティションテーブルを変更するときは fdiskparted を使います:

# fdisk /dev/sda

詳しくはパーティショニングを見てください。

ノート: LVM, ディスク暗号化, RAID などを使う場合は、この段階で用意をします。

パーティションのフォーマット

パーティションを作成したら、適切なファイルシステムでフォーマットする必要があります。例えば、ext4/dev/sda1 のルートパーティションをフォーマットするには、以下のコマンドを実行:

# mkfs.ext4 /dev/sda1

スワップ用のパーティション (例: /dev/sda3) を作成した場合は、mkswap で初期化してください:

# mkswap /dev/sda3
# swapon /dev/sda3

詳しくはファイルシステムスワップを参照して下さい。

パーティションのマウント

ルートパーティションのファイルシステムを /mntマウントしてください。例:

# mount /dev/sda1 /mnt

他のパーティションについては、それぞれマウントポイントを作成してマウントしてください。例:

# mkdir /mnt/boot
# mount /dev/sda2 /mnt/boot

後の fstab の生成で実行する genfstab は、マウントされているファイルシステムやスワップ領域を認識します。

インターネットへの接続

有線接続の場合、dhcpcd デーモンが起動時に 有効化 され自動的に接続を開始します。ping を使って接続が確立されているかどうか確かめてください:

# ping archlinux.jp

接続できない場合は、dhcpcd デーモンの状態を確認してください。

# systemctl status dhcpcd@interface

interface の名前はタブ補完で入力できます。Active: failedと表示される場合は、dhcpcd デーモンの起動に失敗しています。ネットワーク設定を手動で行ってください。Active: active (running)と表示される場合は、dhcpcd デーモンは起動しています。その場合にネットワーク設定を手動で行うときは、systemctl stop dhcpcd@interfacedhcpcd サービスを停止してください。

無線接続の場合 iw, wpa_supplicant, netctl を使って接続できます。ワイヤレス設定を参照してください。

システムクロックの更新

systemd-timesyncd を使ってシステムクロックを正確にしてください:

# timedatectl set-ntp true

サービスの状態は timedatectl status で確認できます。

インストール

ミラーの選択

/etc/pacman.d/mirrorlist を編集してミラーを選択してください。位置的に一番近いミラーがベストです。設定したミラーリストが pacstrap によってインストール時にコピーされます。

ベースシステムのインストール

pacstrap スクリプトを使って、base グループをインストールします。AUR からソフトウェアをコンパイルしたり ABS を使うつもりであれば、base-devel パッケージグループもインストールするべきです。

# pacstrap /mnt base base-devel

base グループにはライブ環境に存在する全てのツールが含まれているわけではありません。btrfs-progs や無線ファームウェアなどは別にインストールする必要があります。packages.both を見てください。

必要に応じて、上のコマンドにパッケージの名前を追加 (スペースで区切る) すれば、他のパッケージやグループもインストールできます。また、chroot を実行した後に pacman コマンドでインストールすることも可能です。

システムの設定

fstab の生成

genfstab コマンドを実行して fstab を生成してください (UUID を使う場合は -U オプション、ラベルを使う場合は -L オプションのどちらかを指定します):

# genfstab -U /mnt >> /mnt/etc/fstab

作成された /mnt/etc/fstab を確認して、問題がないことをチェックしてください。

chroot

新しくインストールしたシステムに chroot:

# arch-chroot /mnt

タイムゾーン

/etc/localtime から /usr/share/zoneinfo/Zone/SubZone にシンボリックリンクを張って下さい。ZoneSubzone はあなたのタイムゾーンに合わせて変更してください。例:

# ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime

hwclock(8) を実行して /etc/adjtime を生成してください。ハードウェアクロックが UTC に設定されている場合、マシンにインストールされている他のオペレーティングシステムも UTC に設定する必要があります。

# hwclock --systohc --utc

詳しくは時刻#時刻系を見てください。

ロケール

/etc/locale.gen を編集して使用するロケール (例: en_US.UTF-8 UTF-8ja_JP.UTF-8 UTF-8) をアンコメントし、次のコマンドを実行してください:

# locale-gen

ロケール/etc/locale.conf で設定します:

# echo LANG=en_US.UTF-8 > /etc/locale.conf

必要であれば、vconsole.conf(5)コンソールキーマップフォントを設定します:

# echo KEYMAP=jp106 > /etc/vconsole.conf

ホストネーム

あなたのコンピュータの名前を /etc/hostname に書き込んで適切なホストネームを設定してください:

# echo myhostname > /etc/hostname

同じ名前を /etc/hosts にも記述します:

/etc/hosts
127.0.0.1	localhost
::1		localhost
127.0.1.1	myhostname.localdomain	myhostname

システムに永続的な IP アドレスを割り当てる場合、127.0.1.1 の代わりにそのアドレスを指定してください。

ネットワーク設定

新しくインストールされた環境ではネットワーク接続がデフォルトで有効になっていません。もう一度ネットワークの設定を行なってください。ネットワーク設定を見てください。

ワイヤレス設定の場合 iw, wpa_supplicant, dialog パッケージやファームウェアパッケージのインストールが必要です。

Initramfs

必要があれば /etc/mkinitcpio.conf を設定 (mkinitcpio) し、イニシャル RAM ディスクを生成:

# mkinitcpio -p linux

Root パスワード

passwd で root パスワードを設定します:

# passwd

ブートローダー

Arch Linux を起動するために Linux に対応しているブートローダーを選択してインストールする必要があります。ブートローダーは、起動モードが UEFI の場合は systemd-bootGRUB、BIOS の場合は GRUB が多く選択されています。

Intel の CPU を使っている場合は intel-ucode パッケージをインストールして、マイクロコードのアップデートを有効にしてください。

再起動

chroot 環境から抜けるには、exit と打つか、Ctrl+D を押します。

また、任意で /mnt にマウントしたパーティションをアンマウントします: umount -R /mnt

そして reboot と入力してマシンを再起動してください。インストールメディアを取り除いて、root アカウントで新しいシステムにログインします。

インストール後

システム管理の方法やインストール後のチュートリアルは一般的な推奨事項を参照 (グラフィカルユーザーインターフェイス、サウンド、タッチパッドなど)。

あなたの興味を引くであろうアプリケーションの一覧は、アプリケーション一覧を参照。