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このドキュメントは、インストール済みの Arch に機能を追加・改善するための、人気のある記事や重要な情報の注釈付きインデックスです。Arch Linux のベースシステムのインストールについては[[ビギナーズガイド]]や[[インストールガイド]]を読んでさい。まずは[[#システム管理|システム管理]]と[[#パッケージ管理|パッケージ管理]]を読んで理解してから他のセクションやページに進んで下さい。
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このドキュメントは、インストール済みの Arch に機能を追加・改善するための、人気のある記事や重要な情報の注釈付きインデックスです。Arch Linux のベースシステムのインストールについては[[インストールガイド]]を読んでください。まずは[[#システム管理|システム管理]]と[[#パッケージ管理|パッケージ管理]]を読んで理解してから他のセクションやページに進んで下さい。
 
== システム管理 ==
 
== システム管理 ==
   
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=== ユーザーとグループ ===
 
=== ユーザーとグループ ===
   
新規インストールではユーザーアカウントはスーパーユーザーしか作られません、これは root としてよく知られています。長期間 root にログインするのは愚かである (サーバーの [[Secure Shell|SSH]] で使う場合も) と一般的に認識されており、セキュリティ上問題があります。代わりに、権限を少なくしたユーザーアカウントを作って、ほとんどの作業ではそのユーザーを使い、システム管理だけに root アカウントを使うべきです。ユーザーの追加方法は[[ユーザーとグループ#ユーザー管理]]を見て下さい。
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新規インストールではユーザーアカウントはスーパーユーザーしか作られません、これは root としてよく知られています。長期間 root にログインするのは愚かである (サーバーの [[Secure Shell|SSH]] で使う場合も) と一般的に認識されており、セキュリティ上問題があります [https://apple.stackexchange.com/questions/192365/is-it-ok-to-use-the-root-user-as-a-normal-user/192422#192422]。代わりに、権限を少なくしたユーザーアカウントを作って、ほとんどの作業ではそのユーザーを使い、システム管理だけに root アカウントを使うべきです。ユーザーの追加方法は[[ユーザーとグループ#ユーザー管理]]を見て下さい。
   
 
GNU/Linux ではユーザーとグループが''アクセス制御''に使われます。管理者がグループとパーミッションを調整することでユーザーやサービスがシステムリソースにアクセスするのを承諾・拒否できます。場合によっては[[光学ディスクドライブ]] (CD/DVD) などの周辺機器やサウンドハードウェアなどにアクセスするために適切なグループを設定する必要があります。詳しくは[[ユーザーとグループ]]を見て下さい。
 
GNU/Linux ではユーザーとグループが''アクセス制御''に使われます。管理者がグループとパーミッションを調整することでユーザーやサービスがシステムリソースにアクセスするのを承諾・拒否できます。場合によっては[[光学ディスクドライブ]] (CD/DVD) などの周辺機器やサウンドハードウェアなどにアクセスするために適切なグループを設定する必要があります。詳しくは[[ユーザーとグループ]]を見て下さい。
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=== 管理者権限 ===
 
=== 管理者権限 ===
   
[[su|su]] (substitute user) コマンドを使うことで現在ログインしているユーザーを、システムの他のユーザー (普通は root) として操作できます。それに対して [[sudo|sudo]] コマンドは一時的に、特定のコマンドに対して、管理者権限を与えます。
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[[su]] (substitute user) コマンドを使うことで現在ログインしているユーザーを、システムの他のユーザー (普通は root) として操作できます。それに対して [[sudo]] コマンドは一時的に、特定のコマンドに対して、管理者権限を与えます。
   
 
=== サービス管理 ===
 
=== サービス管理 ===
   
Arch Linux はシステムとサービスの管理に [[systemd|systemd]] を init として使っています。あなたの Arch Linux をメンテナンスするために、systemd について基本的なことを知っておくべきです。systemd を使うときには {{ic|systemctl}} コマンドを使います。詳しくは [[systemd#systemctl の基本的な使い方|systemd#systemctl の基本的な使い方]] を読んで下さい。
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Arch Linux はシステムとサービスの管理に [[systemd]] を [[init]] として使っています。あなたの Arch Linux をメンテナンスするために、systemd について基本的なことを知っておくべきです。systemd を使うときには {{ic|systemctl}} コマンドを使います。詳しくは [[systemd#systemctl の基本的な使い方]]を読んで下さい。
   
 
=== システムメンテナンス ===
 
=== システムメンテナンス ===
   
Arch はローリングリリースであり素早くパッケージが更新されます。従ってユーザーは[[システムメンテナンス]]にある程度の時間をさくことが求められます。また [[Arch Linux の安定化]]にはできる限り Arch Linux を安定させるためのヒントをのせています。
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Arch はローリングリリースであり素早くパッケージが更新されます。従ってユーザーは[[システムメンテナンス]]にある程度の時間をさくことが求められます。また [[Arch Linux の安定化]]にはできる限り Arch Linux を安定させるためのヒントをのせています。システムのセキュリティを高めるための推奨事項やベストプラクティスについては[[セキュリティ]]を読んで下さい
   
 
== パッケージ管理 ==
 
== パッケージ管理 ==
   
このセクションではパッケージ管理に関する有益な情報を集めています。詳しくは、[[FAQ#パッケージ管理|FAQ#パッケージ管理]] や [[:カテゴリ:パッケージ管理]] を見てください。
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このセクションではパッケージ管理に関する有益な情報を集めています。詳しくは、[[FAQ#パッケージ管理]] や[[:カテゴリ:パッケージ管理]]を見てください。
   
{{Note|[[The Arch Way#便利であることよりも正確なコードであること|The Arch Way#便利であることよりも正確なコードであること]] に従って、Arch Linux では最新の状態を保つことが必須、システムをアップグレードするまえに手動の操作が必要なことがあります。[https://mailman.archlinux.org/mailman/listinfo/arch-announce/ arch-announce メーリングリスト]を講読したりフロントページの [https://archlinuxjp.kusakata.com/ Arch news] を更新する前に読むようにしてください。また、[https://archlinuxjp.kusakata.com/feeds/news/ RSS フィード]を講読したり Twitter の [https://twitter.com/archlinux_jp @archlinux_jp] をフォローするのも役立つはずです。}}
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{{Note|[[The Arch Way#便利であることよりも正確なコードであること]]に従って、Arch Linux では最新の状態を保つことが必須となっており、システムをアップグレードするに手動の操作が必要なことがあります。[https://lists.archlinux.org/listinfo/arch-announce/ arch-announce メーリングリスト] を講読したりフロントページの [https://www.archlinux.jp/ Arch ニュース] を更新する前に読むようにしてください。また、[https://www.archlinux.jp/feeds/news/ RSS フィード] を講読したり Twitter の [https://twitter.com/archlinux_jp @archlinux_jp] をフォローするのも役立つはずです。}}
   
 
=== pacman ===
 
=== pacman ===
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=== Arch User Repository ===
 
=== Arch User Repository ===
   
[[ABS]] ツリーは公式リポジトリにあるソフトウェアをビルドすることを可能にしますが、これと同様に、ユーザーが投稿したパッケージをビルドするのに使うのが [[Arch User Repository|AUR]] です。AUR にある非公式ビルドスクリプトは、[https://aur.archlinux.org/index.php ウェブインターフェース]や [[AUR ヘルパー]]を使って取得します。
+
Arch Build System は公式リポジトリにあるソフトウェアをビルドすることを可能にしますが、これと同様に、ユーザーが投稿したパッケージをビルドするのに使うのが [[Arch User Repository|AUR]] です。AUR にある非公式ビルドスクリプトは、[https://aur.archlinux.org/ ウェブインターフェース] や [[AUR ヘルパー]]を使って取得します。
   
 
[[AUR ヘルパー]]は [[Arch User Repository|AUR]] へのシームレスなアクセスを実現します。ヘルパーはそれぞれ多少機能が違いますが、どのヘルパーも、非公式レポジトリにある何万もの PKGBUILD の検索・取得・ビルド・インストールを簡単にしてくれます。
 
[[AUR ヘルパー]]は [[Arch User Repository|AUR]] へのシームレスなアクセスを実現します。ヘルパーはそれぞれ多少機能が違いますが、どのヘルパーも、非公式レポジトリにある何万もの PKGBUILD の検索・取得・ビルド・インストールを簡単にしてくれます。
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=== ミラー ===
 
=== ミラー ===
   
一番速い・最新の pacman ミラーを使うには[[ミラー]]のページの手順に従って下さい。記事で説明されているように、ことに良いアドバイスは定期的に [https://www.archlinux.org/mirrors/status/ Mirror Status] や [http://www.archlinux.de/?page=MirrorStatus Mirror-Status] で最近更新されたミラーのリストを見ることです。
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一番速い・最新の pacman ミラーを使うには[[ミラー]]のページの手順に従って下さい。記事で説明されているように、ことに良いアドバイスは定期的に [https://www.archlinux.jp/mirrors/status/ ミラーステータス] で最近更新されたミラーのリストを見ることです。
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== ブート ==
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このセクションではブートプロセスに関する情報を含めています。Arch のブートプロセスの概要は [[Arch ブートプロセス]]にあります。詳しくは[[:カテゴリ:ブートプロセス]]を参照して下さい。
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=== ハードウェアの自動認識 ===
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既定では、ハードウェアはブートプロセスで自動で認識されるはずです。[[カーネルモジュール#ロード]]に書かれているように、モジュールの自動ロードを無効にして、手動で必要なモジュールを明示することで、ブート時間を短くすることができます。さらに、[[Xorg]] もまた udev を使って必要なドライバを自動検知しますが、X サーバーを手動で設定することもできます。
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=== マイクロコード ===
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プロセッサはときどき [http://www.anandtech.com/show/8376/intel-disables-tsx-instructions-erratum-found-in-haswell-haswelleep-broadwelly 誤った挙動] をすることがあり、起動時に''マイクロコード''をアップデートすることでカーネルによって修正することができます。Intel のプロセッサではマイクロコードのアップデートをするためにパッケージをインストールする必要があります。詳しくは[[マイクロコード]]を見て下さい。
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=== ブートメッセージの保持 ===
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ブートが完了すると、画面がクリアされログイン画面が現れます。ユーザーはブートプロセスの出力をすべて見ることができないかもしれません。[[ブートメッセージのクリアの無効化]]をすることでこの問題を解決できます。
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=== 起動時に Num Lock ===
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ほとんどのキーボードには Num Lock トグルキーが存在します。起動時に Num Lock の数字入力モードを有効にするには、[[起動時に Numlock を有効化]]を見て下さい。
   
 
== グラフィカルユーザーインターフェース ==
 
== グラフィカルユーザーインターフェース ==
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=== ウィンドウマネージャ ===
 
=== ウィンドウマネージャ ===
   
完全装備の[[デスクトップ環境]]は完全に調和したグラフィカルユーザーインターフェースを提供しますが、システムリソースを多めに消費する傾向があります。ユーザーはパフォーマンスを最大化したり環境をシンプルにするために[[ウィンドウマネージャ]]をインストールして必要な機能を選択することもできます。ウィンドウマネージャはほとんどのデスクトップ環境と一緒に使うこともできます。[[:Category:動的ウィンドウマネージャ|動的ウィンドウマネージャ]]、[[:Category:スタック型ウィンドウマネージャ|スタック型ウィンドウマネージャ]]、[[:Category:タイル型ウィンドウマネージャ|タイル型ウィンドウマネージャ]]はそれぞれ異なった手法でウィンドウを管理します。
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完全装備の[[デスクトップ環境]]は完全に調和したグラフィカルユーザーインターフェースを提供しますが、システムリソースを多めに消費する傾向があります。ユーザーはパフォーマンスを最大化したり環境をシンプルにするために[[ウィンドウマネージャ]]をインストールして必要な機能を選択することもできます。ウィンドウマネージャはほとんどのデスクトップ環境と一緒に使うこともできます。[[:カテゴリ:動的ウィンドウマネージャ|動的ウィンドウマネージャ]]、[[:カテゴリ:スタック型ウィンドウマネージャ|スタック型ウィンドウマネージャ]]、[[:カテゴリ:タイル型ウィンドウマネージャ|タイル型ウィンドウマネージャ]]はそれぞれ異なった手法でウィンドウを管理します。
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== 電源管理 ==
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このセクションはラップトップユーザーや電源管理のコントールを求めている人に役立つ情報を集めています。詳しくは、[[:カテゴリ:電源管理]]を見て下さい。
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全般的な情報は[[電源管理]]を見て下さい。
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=== ACPI イベント ===
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電源ボタンを押したりラップトップのカバーを閉じたりしたときに発生する ACPI イベント時のシステムの動作を設定できます。[[systemd]] を使う新しい(推奨の)方法は [[電源管理#systemd による電源管理|systemd による電源管理]]を見て下さい。古い方法は [[acpid]] を見て下さい。
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=== CPU 周波数スケーリング ===
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モダンなプロセッサは周波数を下げて電力の消費や熱を少なくすることができます。熱量を減らせばより静かで長寿命のシステムを作れます。詳細は [[CPU 周波数スケーリング]]を参照してください。
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=== ノートパソコン ===
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特定の機種のインストールガイドなどのポータブルコンピュータに関する記事は[[:カテゴリ:ノートパソコン]]を見て下さい。ノートパソコンに関する記事の全般の概要と推奨事項は[[ノートパソコン]]を見て下さい。
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=== サスペンドとハイバネーション ===
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[[サスペンドとハイバネート]]を参照してください。
   
 
== オーディオ/ビデオ ==
 
== オーディオ/ビデオ ==
   
[[:カテゴリ:音声/動画]]にはマルチメディアに関するページが含まれています。
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[[:カテゴリ:マルチメディア]]にはマルチメディアに関するページが含まれています。
   
 
=== サウンド ===
 
=== サウンド ===
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[[サウンドシステム|サウンド]]はカーネルのサウンドドライバによって提供されます:
 
[[サウンドシステム|サウンド]]はカーネルのサウンドドライバによって提供されます:
   
* [[ALSA|ALSA]] はカーネルに含まれており基本的に何も設定しなくても動作するので推奨のサウンドシステムです ([[Advanced Linux Sound Architecture#チャンネルのミュートを解除する|ミュートの解除]]だけは必要です)。
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* [[ALSA]] はカーネルに含まれており基本的に何も設定しなくても動作するので推奨のサウンドシステムです ([[Advanced Linux Sound Architecture#チャンネルのミュートを解除する|ミュートの解除]]だけは必要です)。
   
* [[OSS|OSS]] は ALSA が動作しない場合に使うことができます。
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* [[OSS]] は ALSA が動作しない場合に使うことができます。
   
上記に加えて[[サウンドシステム#サウンドサーバー|サウンドサーバー]]をインストール・設定することも可能です。高度なオーディオ設定については、[[プロオーディオ]]を参照してください。
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上記に加えて [[PulseAudio]] などの[[サウンドシステム#サウンドサーバー|サウンドサーバー]]をインストール・設定することも可能です。高度なオーディオ設定については、[[プロオーディオ]]を参照してください。
   
 
=== ブラウザプラグイン ===
 
=== ブラウザプラグイン ===
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== ネットワーク ==
 
== ネットワーク ==
   
このセクションはネットワークに関する一部の事柄を扱っています。完全なガイドは[[Network Configuration|ネットワーク設定]]を見て下さい。[[:カテゴリ:ネットワーク]]も参照。
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このセクションはネットワークに関する一部の事柄を扱っています。完全なガイドは[[ネットワーク設定]]を見て下さい。[[:カテゴリ:ネットワーク]]も参照。
   
 
=== 時刻同期 ===
 
=== 時刻同期 ===
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=== DNS のパフォーマンス ===
 
=== DNS のパフォーマンス ===
   
非常にシンプルな DNS サーバーである [[pdnsd]] を使うことで、クエリのキャッシュによって読み込み時間を改善することができます。また、DHCP サーバーとしても使える [[dnsmasq|dnsmasq]] もあります。
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非常にシンプルな DNS サーバーである [[pdnsd]] を使うことで、クエリのキャッシュによって読み込み時間を改善することができます。また、DHCP サーバーとしても使える [[dnsmasq]] もあります。
   
 
=== DNS のセキュリティ ===
 
=== DNS のセキュリティ ===
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=== ファイアウォールの設定 ===
 
=== ファイアウォールの設定 ===
   
[[ファイアウォール]]は Linux のネットワークスタックの上部で拡張保護レイヤーとして働きます。Linux カーネルには [[Wikipedia:Netfilter|Netfilter]] プロジェクトのひとつで、[[Wikipedia:Stateful firewall|ステートフルファイアウォール]]である [[iptables|iptables]] があります。利用するにはフロントエンドを使うか、直接設定します。Arch では全てのポートが閉じられており、ネットワークデーモンは設定をしないかぎり自動で起動しないため、保護すべきサービスがない限りファイアウォールはあまり意味がありません。
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[[ファイアウォール]]は Linux のネットワークスタックの上部で拡張保護レイヤーとして働きます。Linux カーネルには [[Wikipedia:Netfilter|Netfilter]] プロジェクトのひとつで、[[Wikipedia:Stateful firewall|ステートフルファイアウォール]]である [[iptables]] と [[nftables]] があります。利用するにはフロントエンドを使うか、直接設定します。Arch では全てのポートが閉じられており、ネットワークデーモンは設定をしないかぎり自動で起動しないため、保護すべきサービスがない限りファイアウォールはあまり意味がありません。
   
 
=== Windows ネットワーク ===
 
=== Windows ネットワーク ===
   
Windows マシンと Arch Linux マシンをネットワークを介して接続したい場合、ユーザーはSMB/CIFS ネットワークプロトコルの実装である [[Samba|Samba]] を使うことができます。
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Windows マシンと Arch Linux マシンをネットワークを介して接続したい場合、ユーザーはSMB/CIFS ネットワークプロトコルの実装である [[Samba]] を使うことができます。
   
 
Arch Linux マシンを接続して認証に Active Directory を使いたいときは、[[Active Directory Integration]] の中にある記事を読んで下さい。
 
Arch Linux マシンを接続して認証に Active Directory を使いたいときは、[[Active Directory Integration]] の中にある記事を読んで下さい。
 
== ブート ==
 
 
このセクションではブートプロセスに関する情報を含めています。Arch のブートプロセスの概要は [[Arch ブートプロセス]]にあります。詳しくは[[:カテゴリ:ブートプロセス]]を参照して下さい。
 
 
=== ハードウェアの自動認識 ===
 
 
既定では、ハードウェアはブートプロセスで自動で認識されるはずです。[[カーネルモジュール#ロード]]に書かれているように、モジュールの自動ロードを無効にして、手動で必要なモジュールを明示することで、ブート時間を短くすることができます。さらに、[[Xorg|Xorg]] もまた udev を使って必要なドライバを自動検知しますが、X サーバーを手動で設定することもできます。
 
 
=== 起動時に Num Lock ===
 
 
Num Lock はほとんどのキーボードにあるトグルキーです。起動時に Num Lock の数字入力モードを有効にするには、[[起動時に Numlock を有効化]]を見て下さい。
 
 
=== ブートメッセージの保持 ===
 
 
ブートが完了すると、画面がクリアされログイン画面が現れます。ユーザーはブートプロセスの出力をすべて見ることができないかもしれません。[[Disable clearing of boot messages|ブートメッセージの消去を無効化]]することでこの問題を解決できます。
 
 
=== ブート時に X を起動 ===
 
 
グラフィカルユーザーインターフェースを提供する [[Xorg|X]] サーバーを使うなら、ユーザーはログイン後に手動で起動するよりブートプロセス中にサーバーを起動して欲しいと思うかもしれません。グラフィカルログインをするには[[ディスプレイマネージャ]]のページを、ディスプレイマネージャを使わない方法は[[ログイン時に X を起動]]を見て下さい。
 
 
== 電源管理 ==
 
 
このセクションはラップトップユーザーや電源管理のコントールを求めている人に役立つ情報を集めています。詳しくは、[[:カテゴリ:電源管理]]を見て下さい。
 
 
全般的な情報は[[電源管理]]を見て下さい。
 
 
=== ACPI イベント ===
 
 
電源ボタンを押したりラップトップのカバーを閉じたりしたときに発生する ACPI イベント時のシステムの動作を設定できます。[[systemd|systemd]] を使う新しい(推奨の)方法は [[電源管理#systemd による電源管理|systemd による電源管理]] を見て下さい。古い方法は [[acpid|acpid]] を見て下さい。
 
 
=== CPU 周波数のスケーリング ===
 
 
モダンなプロセッサは周波数を下げて電力の消費や熱を少なくすることができます。熱量を減らせばより静かで長寿命のシステムを作れます。詳細は [[CPU 周波数スケーリング]]を参照してください。
 
 
=== ラップトップ ===
 
 
特定の機種のインストールガイドなどのポータブルコンピュータに関する記事は [[:カテゴリ:ノートパソコン]]を見て下さい。ラップトップに関する記事の全般の概要と推奨事項は[[ノートパソコン]]を見て下さい。
 
 
=== サスペンドとハイバネーション ===
 
 
[[サスペンドとハイバネート]]を参照してください。
 
   
 
== 入力デバイス ==
 
== 入力デバイス ==
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=== キーボードレイアウト ===
 
=== キーボードレイアウト ===
   
非英語・非標準のキーボードはデフォルトでは期待されたとおりに動作しないことがあります。仮想コンソールと [[Xorg|Xorg]] でのキーボードレイアウトの設定方法が、それぞれ[[コンソールでのキーボード設定]]と [[Xorg でのキーボード設定]]で記述されています。
+
非英語・非標準のキーボードはデフォルトでは期待されたとおりに動作しないことがあります。仮想コンソールと [[Xorg]] でのキーボードレイアウトの設定方法が、それぞれ[[コンソールでのキーボード設定]]と [[Xorg でのキーボード設定]]で記述されています。
   
 
=== マウスボタンの設定 ===
 
=== マウスボタンの設定 ===
   
先進的な、普通でないマウスを使っている人はデフォルトでは全てのマウスが認識されていないのに気づくかもしれません。追加のボタンにアクションを設定したいと思っているならば、[[Get All Mouse Buttons Working]] に設定方法があります。
+
先進的な、普通でないマウスを使っている人はデフォルトでは全てのマウスが認識されていないのに気づくかもしれません。特殊なボタンに様々なアクションを設定したいと考えたのであれば、[[全てのマウスボタンを動作させる]]に設定方法があります。
   
 
=== ラップトップタッチパッド ===
 
=== ラップトップタッチパッド ===
   
多くのラップトップには [http://www.synaptics.com/ Synaptics] や [http://www.alps.com/ ALPS] の"タッチパッド"ポインティングデバイスが備わっています。これらや、その他のタッチパッド機種は、Synaptics インプットドライバを使います。インストールや設定の詳細は [[Touchpad Synaptics|Touchpad Synaptics]] を見て下さい。
+
多くのラップトップには [https://www.synaptics.com/ Synaptics] や [http://www.alps.com/ ALPS] の"タッチパッド"ポインティングデバイスが備わっています。これらや、その他のタッチパッド機種は、Synaptics インプットドライバあるいは libinput を使います。インストールや設定の詳細は [[Synaptics タッチパッド]]や [[libinput]] を見て下さい。
   
 
=== トラックポイント ===
 
=== トラックポイント ===
   
トラックポイントデバイスの設定については [http://www.thinkwiki.org/wiki/How_to_configure_the_TrackPoint ThinkWiki] に詳しいです
+
トラックポイントデバイスの設定については[[トラックポイント]]を参照てください。
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=== Xorg での入力 ===
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日本語を入力するのに必要なインプットメソッド等については [[国際化#Xorg での入力]] に書いてあります。
   
 
== 最適化 ==
 
== 最適化 ==
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=== ファイルインデックスと検索 ===
 
=== ファイルインデックスと検索 ===
   
ほとんどのディストリビューションでは、{{ic|locate}} コマンドで高速なファイル検索を行えます。これ機能させるため {{Pkg|mlocate}} をインストールするのが推奨されます。インストールした後は {{ic|updatedb}} を走らせてファイルシステムのインデックスを作って下さい。
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ほとんどのディストリビューションでは、{{ic|locate}} コマンドで高速なファイル検索を行えます。[[locate]] 使うときは {{Pkg|mlocate}} をインストールするのが推奨されます。インストールした後は {{ic|updatedb}} を走らせてファイルシステムのインデックスを作って下さい。
   
 
=== ローカルメール配送 ===
 
=== ローカルメール配送 ===
   
メール同期にベースセットアップは必要ありません。シンプルなローカルメール配送をするには [[Postfix]] の記事を見て Postfix を設定してください。他の選択肢は [[SSMTP]], [[MSMTP]], [[fdm]] です。
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メール同期にベースセットアップは必要ありません。シンプルなローカルメール配送をするには [[Postfix]] の記事を見て Postfix を設定してください。他の選択肢は [[SSMTP]], [[msmtp]], [[fdm]] です。
   
 
=== 印刷 ===
 
=== 印刷 ===
   
[[CUPS|CUPS]] は標準に基づいた、Apple によって開発されているオープンソースの印刷システムです。プリンタに関する記事は[[:カテゴリ:プリンター]]を見て下さい。
+
[[CUPS]] は標準に基づいた、Apple によって開発されているオープンソースの印刷システムです。プリンタに関する記事は[[:カテゴリ:プリンター]]を見て下さい。
   
 
== 外観 ==
 
== 外観 ==
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=== フォント ===
 
=== フォント ===
   
フォントについての情報は[[フォント]]と[[フォント設定]]で見ることができます。
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フォントについての情報は[[フォント]]と[[フォント設定]]で見ることができます。また、[[メトリック互換フォント]]のページでは他のオペレーティングシステムと互換性のあるフォントを記載しています。
   
 
==== コンソールフォント ====
 
==== コンソールフォント ====
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=== GTK と Qt のテーマ ===
 
=== GTK と Qt のテーマ ===
   
グラフィカルインターフェイスを持っている Linux 向けのアプリケーションはほとんどが [[GTK+|GTK+]] または [[Qt|Qt]] ツールキットを使っています。ツールキットの記事と [[Qt と GTK アプリケーションの外観の統合]]にはインストールしたプログラムの外観を好きなように変更する方法が載っています。
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グラフィカルインターフェイスを持っている Linux 向けのアプリケーションはほとんどが [[GTK+]] または [[Qt]] ツールキットを使っています。ツールキットの記事と [[Qt と GTK アプリケーションの外観の統合]]にはインストールしたプログラムの外観を好きなように変更する方法が載っています。
   
 
== コンソール環境改善 ==
 
== コンソール環境改善 ==
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=== エイリアス ===
 
=== エイリアス ===
   
シェルコマンドから成る、よく使うコマンドのショートカットをユーザーによって定義できます。一般的な時間節約のエイリアスは [[Bash#エイリアス]] にあります。[[Zsh|zsh]] にも簡単に移植できます。
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シェルコマンドから成る、よく使うコマンドのショートカットをユーザーによって定義できます。一般的な時間節約のエイリアスは [[Bash#エイリアス]] にあります。[[Zsh]] にも簡単に移植できます。
   
 
=== 他のシェル ===
 
=== 他のシェル ===
   
デフォルトで Arch にインストールされているシェルは [[Bash|Bash]] です。しかしながら、ライブインストールメディアでは [[Zsh|zsh]] と {{Pkg|grml-zsh-config}} アドオンパッケージが使われています。他の代替シェルについては[[コマンドシェル#シェル一覧]]を参照してください。
+
デフォルトで Arch にインストールされているシェルは [[Bash]] です。しかしながら、ライブインストールメディアでは [[Zsh]] と {{Pkg|grml-zsh-config}} アドオンパッケージが使われています。他の代替シェルについては[[コマンドシェル#シェル一覧]]を参照してください。
   
 
=== Bash の追加機能 ===
 
=== Bash の追加機能 ===
   
種々雑多な Bash の設定が [[Bash#Tips and tricks]] で説明されています。入力補完、履歴検索、[[Readline]] マクロなど。
+
種々雑多な Bash の設定が [[Bash#ヒントとテクニック]] で説明されています。入力補完、履歴検索、[[Readline]] マクロなど。
   
 
=== 出力のカラー化 ===
 
=== 出力のカラー化 ===
   
  +
[[コンソールのカラー出力]]で詳しく説明されています。
多くのアプリケーションが内部にカラー機能を持っていますが、{{ic|cope}} などの一般的なカラーラッパーを使うこともできます。[[Arch User Repository|AUR]] から {{AUR|cope-git}} をインストールできます。{{AUR|acoc}} は似た機能を持っています。
 
   
 
==== コアユーティリティ ====
 
==== コアユーティリティ ====
   
{{ic|grep}} や {{ic|ls}} といった特定のコアユーティリティの出力をカラー化する方法は [[Core Utilities|Core Utilities]] にあります。
+
{{ic|grep}} や {{ic|ls}} といった特定のコアユーティリティの出力をカラー化する方法は [[Core Utilities]] にあります。
   
 
==== Man ページ ====
 
==== Man ページ ====
   
Man ページ(マニュアルページ)は GNU/Linux ユーザーにとって一番役立つ資料のひとつです。可読性を上げるために、[[man page#Colored man pages]] に書かれているように設定することでテキストをカラーで表示できます。
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Man ページ(マニュアルページ)は GNU/Linux ユーザーにとって一番役立つ資料のひとつです。可読性を上げるために、[[man ページ#man ページのカラー出力]]に書かれているように設定することでテキストをカラーで表示できます。
   
 
=== 圧縮ファイル ===
 
=== 圧縮ファイル ===
   
GNU/Linux システムでは圧縮ファイルやアーカイブを扱うことが頻繁にあります。[[Tar]] は一番よく使われているアーカイブツールのひとつで、ユーザーはその構文に慣れるのが好ましいです (例えば Arch Linux のパッケージは単純に xz で圧縮された tarball です)。役に立つコマンドを [[Bash/Functions|Bash/関数]] で見ることができます。
+
GNU/Linux システムでは圧縮ファイルやアーカイブを扱うことが頻繁にあります。[[Tar]] は一番よく使われているアーカイブツールのひとつで、ユーザーはその構文に慣れるのが好ましいです (例えば Arch Linux のパッケージは単純に xz で圧縮された tarball です)。役に立つコマンドを [[Bash/関数]] で見ることができます。
   
 
=== コンソールプロンプト ===
 
=== コンソールプロンプト ===
   
コンソールプロンプト (PS1) は広範にカスタマイズできます。様々なユーザーの例がフォーラムの [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=50885 What's your PS1?] で見れます。Bash と Zsh については、[[Bash カラープロンプト]]と [[Zsh#プロンプト|Zsh#プロンプト]] をそれぞれ参照してください。
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コンソールプロンプト (PS1) は広範にカスタマイズできます。様々なユーザーの例がフォーラムの [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=50885 What's your PS1?] で見れます。Bash と Zsh については、[[Bash カラープロンプト]]と [[Zsh#プロンプト]] をそれぞれ参照してください。
   
 
=== Emacs シェル ===
 
=== Emacs シェル ===
   
Emacs は標準的なテキスト編集以外にも、多くの機能を持っていることで知られていますが、シェルの代替として使うこともできます。カラーアウトプットを有効にしたときの文字化けを修正するには [[Emacs#カラー出力の問題|Emacs#カラー出力の問題]] を参照して下さい。
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Emacs は標準的なテキスト編集以外にも、多くの機能を持っていることで知られていますが、シェルの代替として使うこともできます。カラーアウトプットを有効にしたときの文字化けを修正するには [[Emacs#カラー出力の問題]] を参照して下さい。
   
 
=== マウスサポート ===
 
=== マウスサポート ===
   
コンソールでマウスを使ってコピー・ペースト操作をするのに、GNU [[screen]] のトラディショナルコピーモードを使う方法があります。詳しい解説は[[コンソールマウスサポート]]を参照してください。
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コンソールでマウスを使ってコピー・ペースト操作をするのに、GNU [[screen]] のトラディショナルコピーモードを使う方法があります。詳しい解説は[[コンソールマウスサポート]]を参照してください。[[クリップボード]]が使える[[ターミナルエミュレータ]]では特に設定しなくてもコピー・ペーストできます
   
 
=== スクロールバックバッファ ===
 
=== スクロールバックバッファ ===
   
画面から消えたテキストを見たり保存するには、[[Scrollback buffer]] を参照して下さい。
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画面から消えたテキストを見たり保存するには、[[スクロールバックバッファ]]を参照して下さい。
   
 
=== セッション管理 ===
 
=== セッション管理 ===
   
[[tmux|tmux]] や [[screen]] のようなターミナルマルチプレクサを使うと、タブとペインで構成されたセッション下でプログラムを動作できます。ユーザーがターミナルエミュレータを kill したり [[Xorg|X]] を終了したり、ログオフしたときでも、ターミナルマルチプレクサが動いているかぎりセッションに関連付けられたプログラムはバックグラウンドで動きつづきます。プログラム同士を対話させるにはセッションを付けなおす必要があります。
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[[tmux]] や [[screen]] のようなターミナルマルチプレクサを使うと、タブとペインで構成されたセッション下でプログラムを動作できます。ユーザーがターミナルエミュレータを kill したり [[Xorg|X]] を終了したり、ログオフしたときでも、ターミナルマルチプレクサが動いているかぎりセッションに関連付けられたプログラムはバックグラウンドで動きつづきます。プログラム同士を対話させるにはセッションを付けなおす必要があります。

2018年6月10日 (日) 19:58時点における版

関連記事

このドキュメントは、インストール済みの Arch に機能を追加・改善するための、人気のある記事や重要な情報の注釈付きインデックスです。Arch Linux のベースシステムのインストールについてはインストールガイドを読んでください。まずはシステム管理パッケージ管理を読んで理解してから他のセクションやページに進んで下さい。

目次

システム管理

このセクションではシステム管理や管理者のタスクを扱っています。Core Utilitiesカテゴリ:システム管理 も参照してください。

ユーザーとグループ

新規インストールではユーザーアカウントはスーパーユーザーしか作られません、これは root としてよく知られています。長期間 root にログインするのは愚かである (サーバーの SSH で使う場合も) と一般的に認識されており、セキュリティ上問題があります [1]。代わりに、権限を少なくしたユーザーアカウントを作って、ほとんどの作業ではそのユーザーを使い、システム管理だけに root アカウントを使うべきです。ユーザーの追加方法はユーザーとグループ#ユーザー管理を見て下さい。

GNU/Linux ではユーザーとグループがアクセス制御に使われます。管理者がグループとパーミッションを調整することでユーザーやサービスがシステムリソースにアクセスするのを承諾・拒否できます。場合によっては光学ディスクドライブ (CD/DVD) などの周辺機器やサウンドハードウェアなどにアクセスするために適切なグループを設定する必要があります。詳しくはユーザーとグループを見て下さい。

管理者権限

su (substitute user) コマンドを使うことで現在ログインしているユーザーを、システムの他のユーザー (普通は root) として操作できます。それに対して sudo コマンドは一時的に、特定のコマンドに対して、管理者権限を与えます。

サービス管理

Arch Linux はシステムとサービスの管理に systemdinit として使っています。あなたの Arch Linux をメンテナンスするために、systemd について基本的なことを知っておくべきです。systemd を使うときには systemctl コマンドを使います。詳しくは systemd#systemctl の基本的な使い方を読んで下さい。

システムメンテナンス

Arch はローリングリリースであり素早くパッケージが更新されます。従ってユーザーはシステムメンテナンスにある程度の時間をさくことが求められます。また Arch Linux の安定化にはできる限り Arch Linux を安定させるためのヒントをのせています。システムのセキュリティを高めるための推奨事項やベストプラクティスについてはセキュリティを読んで下さい。

パッケージ管理

このセクションではパッケージ管理に関する有益な情報を集めています。詳しくは、FAQ#パッケージ管理カテゴリ:パッケージ管理を見てください。

ノート: The Arch Way#便利であることよりも正確なコードであることに従って、Arch Linux では最新の状態を保つことが必須となっており、システムをアップグレードする前に手動の操作が必要なことがあります。arch-announce メーリングリスト を講読したりフロントページの Arch ニュース を更新する前に読むようにしてください。また、RSS フィード を講読したり Twitter の @archlinux_jp をフォローするのも役立つはずです。

pacman

pacman は Arch Linux のパッケージマネージャです。他の記事を読む前に、全てのユーザーは使い方をしっておく必要があります。

pacman ヒントには pacman や一般的なパッケージ管理での操作感を向上させる方法が載っています。

リポジトリ

公式リポジトリのページでは公式にメンテナンスされているリポジトリのそれぞれの目的を説明しています。

Arch Linux x86_64 をインストールしていて、32ビットのアプリケーションを使いたい場合、multilib リポジトリを有効にする必要があります。

非公式ユーザーリポジトリには公式のサポートがない他のリポジトリを記載しています。

Arch Build System

Ports はもともと BSD ディストリビューションで使われているシステムで、ローカルシステム上のディレクトリツリー内のビルドスクリプトから出来ています。簡単に言うと、それぞれの port はサードパーティ製のアプリケーションの名を取ったディレクトリ内にスクリプトを持っています。

ABS ツリーは PKGBUILD と呼ばれるビルドスクリプトによって一様に動作します。PKGBUILD にはソフトウェアの情報がつまっています: 整合性ハッシュ、プロジェクト URL、バージョン、ライセンスとビルド手順。これらの PKGBUILD は makepkg によってパースされ、pacman で簡単に管理できるパッケージが作られます。

AUR にあるものを含んだレポジトリの全てのパッケージは makepkg のリコンパイルの対象になります。

Arch User Repository

Arch Build System は公式リポジトリにあるソフトウェアをビルドすることを可能にしますが、これと同様に、ユーザーが投稿したパッケージをビルドするのに使うのが AUR です。AUR にある非公式ビルドスクリプトは、ウェブインターフェースAUR ヘルパーを使って取得します。

AUR ヘルパーAUR へのシームレスなアクセスを実現します。ヘルパーはそれぞれ多少機能が違いますが、どのヘルパーも、非公式レポジトリにある何万もの PKGBUILD の検索・取得・ビルド・インストールを簡単にしてくれます。

ミラー

一番速い・最新の pacman ミラーを使うにはミラーのページの手順に従って下さい。記事で説明されているように、ことに良いアドバイスは定期的に ミラーステータス で最近更新されたミラーのリストを見ることです。

ブート

このセクションではブートプロセスに関する情報を含めています。Arch のブートプロセスの概要は Arch ブートプロセスにあります。詳しくはカテゴリ:ブートプロセスを参照して下さい。

ハードウェアの自動認識

既定では、ハードウェアはブートプロセスで自動で認識されるはずです。カーネルモジュール#ロードに書かれているように、モジュールの自動ロードを無効にして、手動で必要なモジュールを明示することで、ブート時間を短くすることができます。さらに、Xorg もまた udev を使って必要なドライバを自動検知しますが、X サーバーを手動で設定することもできます。

マイクロコード

プロセッサはときどき 誤った挙動 をすることがあり、起動時にマイクロコードをアップデートすることでカーネルによって修正することができます。Intel のプロセッサではマイクロコードのアップデートをするためにパッケージをインストールする必要があります。詳しくはマイクロコードを見て下さい。

ブートメッセージの保持

ブートが完了すると、画面がクリアされログイン画面が現れます。ユーザーはブートプロセスの出力をすべて見ることができないかもしれません。ブートメッセージのクリアの無効化をすることでこの問題を解決できます。

起動時に Num Lock

ほとんどのキーボードには Num Lock トグルキーが存在します。起動時に Num Lock の数字入力モードを有効にするには、起動時に Numlock を有効化を見て下さい。

グラフィカルユーザーインターフェース

このセクションではグラフィカルなアプリケーションを動かしたいユーザーのための説明を載せています。カテゴリ:X サーバー にはさらなる資料があります。

ディスプレイサーバー

Xorg は標準の、X Window System (X11 または X) のオープンソース実装です。グラフィカルユーザーインターフェース (GUI) のために、多くのユーザーは Xorg を使っています。

Wayland は新しい、もう一つのディスプレイサーバープロトコルで、リファレンス実装として Weston が利用できます。開発はまだ初期段階で、ほとんどのアプリケーションはまだサポートしていません。

ディスプレイドライバ

標準の vesa ディスプレイドライバでほとんどのビデオカードが動作しますが、ATI, Intel, NVIDIA 製品それぞれに適したドライバをインストールすることで、パフォーマンスをあげたり追加機能を使うことができます。

ディスプレイマネージャ

X を手動で起動するかわりに、ディスプレイマネージャを使う方法がディスプレイマネージャに載っています。ディスプレイマネージャと同じようにして既存の仮想ターミナルを利用するにはログイン時に X を起動を見て下さい。

デスクトップ環境

Xorg はグラフィック環境を整えるための基本フレームワークを提供しますが、完全なユーザーエクスペリエンスを得るためには追加のコンポーネントが必要になります。GNOME, KDE, LXDE, Xfce などのデスクトップ環境は多くの X クライアントをバンドルしています。ウィンドウマネージャ、パネル、ファイルマネージャ、ターミナルエミュレータ、テキストエディタ、アイコン、その他ユーティリティなどです。完全なリストはカテゴリ:デスクトップ環境を見て下さい。

ウィンドウマネージャ

完全装備のデスクトップ環境は完全に調和したグラフィカルユーザーインターフェースを提供しますが、システムリソースを多めに消費する傾向があります。ユーザーはパフォーマンスを最大化したり環境をシンプルにするためにウィンドウマネージャをインストールして必要な機能を選択することもできます。ウィンドウマネージャはほとんどのデスクトップ環境と一緒に使うこともできます。動的ウィンドウマネージャスタック型ウィンドウマネージャタイル型ウィンドウマネージャはそれぞれ異なった手法でウィンドウを管理します。

電源管理

このセクションはラップトップユーザーや電源管理のコントールを求めている人に役立つ情報を集めています。詳しくは、カテゴリ:電源管理を見て下さい。

全般的な情報は電源管理を見て下さい。

ACPI イベント

電源ボタンを押したりラップトップのカバーを閉じたりしたときに発生する ACPI イベント時のシステムの動作を設定できます。systemd を使う新しい(推奨の)方法は systemd による電源管理を見て下さい。古い方法は acpid を見て下さい。

CPU 周波数スケーリング

モダンなプロセッサは周波数を下げて電力の消費や熱を少なくすることができます。熱量を減らせばより静かで長寿命のシステムを作れます。詳細は CPU 周波数スケーリングを参照してください。

ノートパソコン

特定の機種のインストールガイドなどのポータブルコンピュータに関する記事はカテゴリ:ノートパソコンを見て下さい。ノートパソコンに関する記事の全般の概要と推奨事項はノートパソコンを見て下さい。

サスペンドとハイバネーション

サスペンドとハイバネートを参照してください。

オーディオ/ビデオ

カテゴリ:マルチメディアにはマルチメディアに関するページが含まれています。

サウンド

サウンドはカーネルのサウンドドライバによって提供されます:

  • ALSA はカーネルに含まれており基本的に何も設定しなくても動作するので推奨のサウンドシステムです (ミュートの解除だけは必要です)。
  • OSS は ALSA が動作しない場合に使うことができます。

上記に加えて PulseAudio などのサウンドサーバーをインストール・設定することも可能です。高度なオーディオ設定については、プロオーディオを参照してください。

ブラウザプラグイン

メディアリッチなウェブコンテンツを楽しむために Adobe Acrobat Reader, Adobe Flash Player, Java などのブラウザプラグインがインストールできます。

コーデック

コーデックを利用してマルチメディアアプリケーションはオーディオやビデオストリームをエンコード・デコードします。エンコードされたストリームを再生するために、ユーザーは適切なコーデックをインストールする必要があります。

ネットワーク

このセクションはネットワークに関する一部の事柄を扱っています。完全なガイドはネットワーク設定を見て下さい。カテゴリ:ネットワークも参照。

時刻同期

Network Time Protocol (NTP) はネットワークに接続された機器において、機器の時計を正しい時刻に同期するための通信プロトコルです。

DNS のパフォーマンス

非常にシンプルな DNS サーバーである pdnsd を使うことで、クエリのキャッシュによって読み込み時間を改善することができます。また、DHCP サーバーとしても使える dnsmasq もあります。

DNS のセキュリティ

ウェブブラウジングやオンラインでの買い物、SSH サービスへの接続やその他の似たようなことをより良いセキュリティで行うために、DNS レコードの署名を検証する DNSSEC を有効にしたクライアントソフトウェアを使うことができます。また、DNSCrypt で DNS 通信を暗号化することも可能です。

ファイアウォールの設定

ファイアウォールは Linux のネットワークスタックの上部で拡張保護レイヤーとして働きます。Linux カーネルには Netfilter プロジェクトのひとつで、ステートフルファイアウォールである iptablesnftables があります。利用するにはフロントエンドを使うか、直接設定します。Arch では全てのポートが閉じられており、ネットワークデーモンは設定をしないかぎり自動で起動しないため、保護すべきサービスがない限りファイアウォールはあまり意味がありません。

Windows ネットワーク

Windows マシンと Arch Linux マシンをネットワークを介して接続したい場合、ユーザーはSMB/CIFS ネットワークプロトコルの実装である Samba を使うことができます。

Arch Linux マシンを接続して認証に Active Directory を使いたいときは、Active Directory Integration の中にある記事を読んで下さい。

入力デバイス

このセクションには入力デバイスの設定ヒントを集めています。他の情報は、カテゴリ:入力デバイスを見て下さい。

キーボードレイアウト

非英語・非標準のキーボードはデフォルトでは期待されたとおりに動作しないことがあります。仮想コンソールと Xorg でのキーボードレイアウトの設定方法が、それぞれコンソールでのキーボード設定Xorg でのキーボード設定で記述されています。

マウスボタンの設定

先進的な、普通でないマウスを使っている人はデフォルトでは全てのマウスが認識されていないのに気づくかもしれません。特殊なボタンに様々なアクションを設定したいと考えたのであれば、全てのマウスボタンを動作させるに設定方法があります。

ラップトップタッチパッド

多くのラップトップには SynapticsALPS の"タッチパッド"ポインティングデバイスが備わっています。これらや、その他のタッチパッド機種は、Synaptics インプットドライバあるいは libinput を使います。インストールや設定の詳細は Synaptics タッチパッドlibinput を見て下さい。

トラックポイント

トラックポイントデバイスの設定についてはトラックポイントを参照してください。

Xorg での入力

日本語を入力するのに必要なインプットメソッド等については 国際化#Xorg での入力 に書いてあります。

最適化

このセクションではシステムやアプリケーションのパフォーマンスを上昇させるのに役立つ設定やツールなどを提案しています。

ベンチマーク

ベンチマークとは、統一された標準の手法を使ってパフォーマンスを計算したり、その結果を他のシステムの結果と比較したりすることです。

パフォーマンスの最大化

パフォーマンスの最大化では Arch Linux のパフォーマンスを向上するための基本的な情報を集めています。

ソリッドステートドライブ

ソリッドステートドライブの記事には、寿命を最大化する設定などソリッドステートドライブに関する様々なことを説明しています。

システムサービス

デーモンに関係するセクションです。カテゴリ:デーモンとシステムサービスも見て下さい。

ファイルインデックスと検索

ほとんどのディストリビューションでは、locate コマンドで高速なファイル検索を行えます。locate を使うときは mlocate をインストールするのが推奨されます。インストールした後は updatedb を走らせてファイルシステムのインデックスを作って下さい。

ローカルメール配送

メール同期にベースセットアップは必要ありません。シンプルなローカルメール配送をするには Postfix の記事を見て Postfix を設定してください。他の選択肢は SSMTP, msmtp, fdm です。

印刷

CUPS は標準に基づいた、Apple によって開発されているオープンソースの印刷システムです。プリンタに関する記事はカテゴリ:プリンターを見て下さい。

外観

このセクションでは Arch のエクスペリエンスを視覚的に高めるための"見た目に快い"設定について触れています。カテゴリ:視覚効果も見て下さい。

フォント

フォントについての情報はフォントフォント設定で見ることができます。また、メトリック互換フォントのページでは他のオペレーティングシステムと互換性のあるフォントを記載しています。

コンソールフォント

コンソールで多くの時間を費やす(つまり X サーバー外での作業が中心の)ユーザーにとっては、コンソールフォントを変えて可読性を向上させることが役に立つでしょう。フォント#コンソールフォントを見て下さい。

修正フォントパッケージ

フォントレンダリングライブラリには標準パッケージにくらべてレンダリングを改善した修正パッケージがあります。フォント設定#パッチがあてられているパッケージを見て下さい。

GTK と Qt のテーマ

グラフィカルインターフェイスを持っている Linux 向けのアプリケーションはほとんどが GTK+ または Qt ツールキットを使っています。ツールキットの記事と Qt と GTK アプリケーションの外観の統合にはインストールしたプログラムの外観を好きなように変更する方法が載っています。

コンソール環境改善

このセクションにはコンソールプログラムをより実用的に使うために役立つことを載せています。カテゴリ:コマンドシェルも見て下さい。

エイリアス

シェルコマンドから成る、よく使うコマンドのショートカットをユーザーによって定義できます。一般的な時間節約のエイリアスは Bash#エイリアス にあります。Zsh にも簡単に移植できます。

他のシェル

デフォルトで Arch にインストールされているシェルは Bash です。しかしながら、ライブインストールメディアでは Zshgrml-zsh-config アドオンパッケージが使われています。他の代替シェルについてはコマンドシェル#シェル一覧を参照してください。

Bash の追加機能

種々雑多な Bash の設定が Bash#ヒントとテクニック で説明されています。入力補完、履歴検索、Readline マクロなど。

出力のカラー化

コンソールのカラー出力で詳しく説明されています。

コアユーティリティ

grepls といった特定のコアユーティリティの出力をカラー化する方法は Core Utilities にあります。

Man ページ

Man ページ(マニュアルページ)は GNU/Linux ユーザーにとって一番役立つ資料のひとつです。可読性を上げるために、man ページ#man ページのカラー出力に書かれているように設定することでテキストをカラーで表示できます。

圧縮ファイル

GNU/Linux システムでは圧縮ファイルやアーカイブを扱うことが頻繁にあります。Tar は一番よく使われているアーカイブツールのひとつで、ユーザーはその構文に慣れるのが好ましいです (例えば Arch Linux のパッケージは単純に xz で圧縮された tarball です)。役に立つコマンドを Bash/関数 で見ることができます。

コンソールプロンプト

コンソールプロンプト (PS1) は広範にカスタマイズできます。様々なユーザーの例がフォーラムの What's your PS1? で見れます。Bash と Zsh については、Bash カラープロンプトZsh#プロンプト をそれぞれ参照してください。

Emacs シェル

Emacs は標準的なテキスト編集以外にも、多くの機能を持っていることで知られていますが、シェルの代替として使うこともできます。カラーアウトプットを有効にしたときの文字化けを修正するには Emacs#カラー出力の問題 を参照して下さい。

マウスサポート

コンソールでマウスを使ってコピー・ペースト操作をするのに、GNU screen のトラディショナルコピーモードを使う方法があります。詳しい解説はコンソールマウスサポートを参照してください。クリップボードが使えるターミナルエミュレータでは特に設定しなくてもコピー・ペーストできます。

スクロールバックバッファ

画面から消えたテキストを見たり保存するには、スクロールバックバッファを参照して下さい。

セッション管理

tmuxscreen のようなターミナルマルチプレクサを使うと、タブとペインで構成されたセッション下でプログラムを動作できます。ユーザーがターミナルエミュレータを kill したり X を終了したり、ログオフしたときでも、ターミナルマルチプレクサが動いているかぎりセッションに関連付けられたプログラムはバックグラウンドで動きつづきます。プログラム同士を対話させるにはセッションを付けなおす必要があります。