「非公式ユーザーリポジトリ/Repo-ck」の版間の差分

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''Repo-ck'' は [[Wikipedia:Con Kolivas|Con Kolivas]] による [http://ck-hack.blogspot.com MuQSS] (発音は mux) や {{ic|-ck}} パッチセットを搭載した、汎用と CPU 最適化済みのカーネルとサポートパッケージが含まれた、非公式の Arch Linux リポジトリです。
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== インストール ==
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[[非公式ユーザーリポジトリ#repo-ck|repo-ck]] リポジトリを {{ic|pacman.conf}} に追加して [http://repo-ck.com/ graysky] の鍵に[[Pacman-key#非公式な鍵を追加|署名]]してください。
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== カーネルと関連パッケージ ==
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Arch Linux の公式カーネルは x86_64 アーキテクチャ向けにビルドされた''汎用''パッケージです。Repo-ck では汎用版の [[linux-ck]] だけでなく特定の CPU に最適化したパッケージを用意しています。
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! CPU タイプ !! グループエイリアス !! 説明
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| {{C|'''Generic'''}}
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| ''ck-generic'' || 公式 Arch Linux カーネルと同じような汎用カーネル。
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| rowspan="11" {{G|'''Intel'''}}
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| ''ck-atom'' || Intel Atom 専用の最適化。
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| ''ck-silvermont'' || Intel Silvermont 専用の最適化。
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| ''ck-core2'' || Intel Core 2 ファミリー Dual や Quads など。
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| ''ck-nehalem'' || Intel の第1世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
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| ''ck-sandybridge'' || Intel の第2世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
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| ''ck-broadwell'' || Intel の第5世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
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| ''ck-skylake'' || Intel の第6世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
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| ''ck-p4'' || Intel Pentium-4 (P4/P4 ベースの Celeron/Pentium-4 M/旧式の Xeon)。
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| ''ck-pentm'' || Intel Pentium-M (Pentium-M ノートパソコンチップ/Pentium-4 M 以外)。
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| rowspan="6" {{R|'''AMD'''}}
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| ''ck-kx'' || AMD K7/K8 ファミリー
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| ''ck-k10'' || AMD K10 ファミリー 61xx Eight-Core Magny-Cours, Athlon X2 7x50, Phenom X3/X4/II, Athlon II X2/X3/X4, Turion II ファミリープロセッサなど。
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|''ck-bobcat''|| x86-64 命令セット対応の AMD Family 14h コアを搭載した CPU。
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|''ck-bulldozer''|| x86-64 命令セット対応の AMD Family 15h コアを搭載した CPU。
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| ''ck-piledriver'' || x86-64 命令セット対応の AMD Family 15h コアを搭載した CPU。
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| ''ck-zen'' || x86-64 命令セット対応の AMD Family 17h コアを搭載した CPU。
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== 適切な CPU に最適化されたパッケージを選択 ==
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よくわからない場合は、'''ck-generic''' グループをインストールしてください。どんな互換 CPU でも動作します。特定の CPU に最適化されたパッケージが欲しい場合は、以下のコマンドを実行してください ({{Grp|base-devel}} のインストールが必要です):
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$ gcc -c -Q -march=native --help=target | grep march
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出力された {{ic|-march}} が GCC がネイティブで使用する march です。下の表を見て、出力された値に適切なグループを確認してください。
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{{Warning|Intel の CPU に最適化されたパッケージは Core2 シリーズと i3/i5/i7 シリーズのチップにしか対応していません。Pentium/Celeron のチップの多くは最適化パッケージを利用するために必要な命令セットが揃っていません。Pentium/Celeron チップを使っている場合は、たとえ GCC が i3/i5/i7 に匹敵する値 (例: haswell) を返してきたとしても、汎用パッケージをインストールするようにしてください。}}
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{{Note|以下の表は GCC v4.9 から導入された新しいシンプルな march オプションにあわせて更新されています。詳しくは [https://gcc.gnu.org/gcc-4.9/changes.html リリースノート] を参照してください。}}
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! ブランド !! グループ !! March
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| ''ck-silvermont'' || silvermont
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| ''ck-core2'' || core2
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| ''ck-nehalem'' || nehalem
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| ''ck-sandybridge'' || sandybridge
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| ''ck-ivybridge'' || ivybridge
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| ''ck-haswell'' || haswell
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| ''ck-broadwell'' || broadwell
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| ''ck-skylake'' || skylake
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| ''ck-p4'' || pentium4, prescott, nocona
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| ''ck-pentm'' || pentm, pentium-m
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| rowspan="6" {{R|'''AMD'''}}
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| ''ck-kx'' || athlon, athlon-4, athlon-tbird, athlon-mp, athlon-xp, k8-sse3
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| ''ck-k10'' || amdfam10
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|''ck-bobcat''|| btver1
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|''ck-bulldozer''|| bdver1
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| ''ck-piledriver'' || bdver2
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| ''ck-zen'' || vnver1
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|}
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詳しくは、以下を参照:
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* https://wiki.gentoo.org/wiki/Safe_CFLAGS#Intel
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* https://wiki.gentoo.org/wiki/Safe_CFLAGS#AMD
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* http://www.linuxforge.net/docs/linux/linux-gcc.php
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=== CPU 最適化済みのパッケージによる速度の改善 ===
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GCC のコンパイルオプションによる影響を比較したテストの結果は、全く変化がないものから劇的にスピードアップしたものまで、様々です [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=154333] [https://www.phoronix.com/scan.php?page=news_item&px=GCC-Optimizations-E3V5-Levels] [https://www.phoronix.com/scan.php?page=article&item=intel_core_avx2&num=2]。
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== インストール例 ==
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{{Note|カーネルを追加するときは、ブートローダーの設定を手動で編集して新しいカーネルイメージが認識されるようにする必要があります。例えば、GRUB の場合は [[GRUB#メイン設定ファイルの生成]] を見て下さい。}}
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'''ck-X''' グループを使ってインストールしたいパッケージを選択します。[[#カーネルと関連パッケージ|パッケージセット]]と対応する17個のグループが存在します。例:
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{{hc|# pacman -S ck-generic|2=
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:: There are 6 members in group ck-generic:
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:: Repository repo-ck
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1) broadcom-wl-ck 2) linux-ck 3) linux-ck-headers 4) nvidia-304xx-ck 5) nvidia-340xx-ck 6) nvidia-ck
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Enter a selection (default=all):
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}}
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もしくは、''linux-ck'' と ''linux-ck-headers'' を直接 pacman でインストールしてください。
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== BFQ I/O スケジューラ ==
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[[Linux-ck#BFQ I/O スケジューラを有効にする方法]]を見て下さい。
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== リポジトリの統計 ==
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{{Note|統計は毎日更新されるわけではありませんが、データのスナップショットが取られています。}}
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  +
リポジトリの [http://repo-ck.com/stats.pdf 統計] を閲覧することができます (パッケージや CPU の人気度, ダウンロード数など)。
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== ミラー ==
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以下のミラーが存在します:
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* https://mirror.archlinux.no/repo-ck/
  +
  +
== トラブルシューティング ==
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  +
=== サポート ===
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  +
[https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=111715 BBS スレッド] を使って下さい。
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=== ダウンロードが定期的に途切れる ===
  +
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[https://aur.archlinux.org/account/graysky Graysky] は [[Wikipedia:ja:GoDaddy|Go Daddy]] を使ってウェブホストしています。Go Daddy の貧相なサーバーエンドからの転送は完了しないこともあります。転送が途切れても続行するように、リポジトリのアドレスを複数回記述して、pacman が自動的に次のサーバーを試行するようにしてください。repo-ck にはアドレスが一つしかないので (ミラーなし)、同一のサーバー行を使って下さい:
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{{bc|<nowiki>[repo-ck]
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Server = http://repo-ck.com/$arch
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Server = http://repo-ck.com/$arch
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Server = http://repo-ck.com/$arch
  +
Server = http://repo-ck.com/$arch
  +
Server = http://repo-ck.com/$arch
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</nowiki>}}
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  +
もしくは、[[pacman]] のダウンローダーを [[Pacman ヒント#wget|wget]] に変更することで、自動的にダウンロードのレジュームができます。
  +
  +
この問題については [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?pid=1422475#p1422475 こちらのフォーラム投稿] を見てください。
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=== エラー: signature from graysky is unknown trust ===
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graysky の gpg 鍵をインポート・署名してください。手順は [http://repo-ck.com/ repo-ck.com] に載っています。[[pacman-key#非公式な鍵を追加]]も参照。

2018年2月6日 (火) 23:09時点における版

関連記事

Repo-ckCon Kolivas による MuQSS (発音は mux) や -ck パッチセットを搭載した、汎用と CPU 最適化済みのカーネルとサポートパッケージが含まれた、非公式の Arch Linux リポジトリです。

インストール

repo-ck リポジトリを pacman.conf に追加して graysky の鍵に署名してください。

カーネルと関連パッケージ

Arch Linux の公式カーネルは x86_64 アーキテクチャ向けにビルドされた汎用パッケージです。Repo-ck では汎用版の linux-ck だけでなく特定の CPU に最適化したパッケージを用意しています。

CPU タイプ グループエイリアス 説明
Generic ck-generic 公式 Arch Linux カーネルと同じような汎用カーネル。
Intel ck-atom Intel Atom 専用の最適化。
ck-silvermont Intel Silvermont 専用の最適化。
ck-core2 Intel Core 2 ファミリー Dual や Quads など。
ck-nehalem Intel の第1世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
ck-sandybridge Intel の第2世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
ck-ivybridge Intel の第3世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
ck-haswell Intel の第4世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
ck-broadwell Intel の第5世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
ck-skylake Intel の第6世代 Core i3/i5/i7 ファミリー
ck-p4 Intel Pentium-4 (P4/P4 ベースの Celeron/Pentium-4 M/旧式の Xeon)。
ck-pentm Intel Pentium-M (Pentium-M ノートパソコンチップ/Pentium-4 M 以外)。
AMD ck-kx AMD K7/K8 ファミリー
ck-k10 AMD K10 ファミリー 61xx Eight-Core Magny-Cours, Athlon X2 7x50, Phenom X3/X4/II, Athlon II X2/X3/X4, Turion II ファミリープロセッサなど。
ck-bobcat x86-64 命令セット対応の AMD Family 14h コアを搭載した CPU。
ck-bulldozer x86-64 命令セット対応の AMD Family 15h コアを搭載した CPU。
ck-piledriver x86-64 命令セット対応の AMD Family 15h コアを搭載した CPU。
ck-zen x86-64 命令セット対応の AMD Family 17h コアを搭載した CPU。

適切な CPU に最適化されたパッケージを選択

よくわからない場合は、ck-generic グループをインストールしてください。どんな互換 CPU でも動作します。特定の CPU に最適化されたパッケージが欲しい場合は、以下のコマンドを実行してください (base-devel のインストールが必要です):

$ gcc -c -Q -march=native --help=target | grep march

出力された -march が GCC がネイティブで使用する march です。下の表を見て、出力された値に適切なグループを確認してください。

警告: Intel の CPU に最適化されたパッケージは Core2 シリーズと i3/i5/i7 シリーズのチップにしか対応していません。Pentium/Celeron のチップの多くは最適化パッケージを利用するために必要な命令セットが揃っていません。Pentium/Celeron チップを使っている場合は、たとえ GCC が i3/i5/i7 に匹敵する値 (例: haswell) を返してきたとしても、汎用パッケージをインストールするようにしてください。
ノート: 以下の表は GCC v4.9 から導入された新しいシンプルな march オプションにあわせて更新されています。詳しくは リリースノート を参照してください。
ブランド グループ March
Intel ck-atom bonnell
ck-silvermont silvermont
ck-core2 core2
ck-nehalem nehalem
ck-sandybridge sandybridge
ck-ivybridge ivybridge
ck-haswell haswell
ck-broadwell broadwell
ck-skylake skylake
ck-p4 pentium4, prescott, nocona
ck-pentm pentm, pentium-m
AMD ck-kx athlon, athlon-4, athlon-tbird, athlon-mp, athlon-xp, k8-sse3
ck-k10 amdfam10
ck-bobcat btver1
ck-bulldozer bdver1
ck-piledriver bdver2
ck-zen vnver1

詳しくは、以下を参照:

CPU 最適化済みのパッケージによる速度の改善

GCC のコンパイルオプションによる影響を比較したテストの結果は、全く変化がないものから劇的にスピードアップしたものまで、様々です [1] [2] [3]

インストール例

ノート: カーネルを追加するときは、ブートローダーの設定を手動で編集して新しいカーネルイメージが認識されるようにする必要があります。例えば、GRUB の場合は GRUB#メイン設定ファイルの生成 を見て下さい。

ck-X グループを使ってインストールしたいパッケージを選択します。パッケージセットと対応する17個のグループが存在します。例:

# pacman -S ck-generic
:: There are 6 members in group ck-generic:
:: Repository repo-ck
   1) broadcom-wl-ck  2) linux-ck  3) linux-ck-headers  4) nvidia-304xx-ck  5) nvidia-340xx-ck  6) nvidia-ck

Enter a selection (default=all):

もしくは、linux-cklinux-ck-headers を直接 pacman でインストールしてください。

BFQ I/O スケジューラ

Linux-ck#BFQ I/O スケジューラを有効にする方法を見て下さい。

リポジトリの統計

ノート: 統計は毎日更新されるわけではありませんが、データのスナップショットが取られています。

リポジトリの 統計 を閲覧することができます (パッケージや CPU の人気度, ダウンロード数など)。

ミラー

以下のミラーが存在します:

トラブルシューティング

サポート

BBS スレッド を使って下さい。

ダウンロードが定期的に途切れる

GrayskyGo Daddy を使ってウェブホストしています。Go Daddy の貧相なサーバーエンドからの転送は完了しないこともあります。転送が途切れても続行するように、リポジトリのアドレスを複数回記述して、pacman が自動的に次のサーバーを試行するようにしてください。repo-ck にはアドレスが一つしかないので (ミラーなし)、同一のサーバー行を使って下さい:

[repo-ck]
Server = http://repo-ck.com/$arch
Server = http://repo-ck.com/$arch
Server = http://repo-ck.com/$arch
Server = http://repo-ck.com/$arch
Server = http://repo-ck.com/$arch

もしくは、pacman のダウンローダーを wget に変更することで、自動的にダウンロードのレジュームができます。

この問題については こちらのフォーラム投稿 を見てください。

エラー: signature from graysky is unknown trust

graysky の gpg 鍵をインポート・署名してください。手順は repo-ck.com に載っています。pacman-key#非公式な鍵を追加も参照。