AMDGPU

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2017年8月23日 (水) 22:09時点におけるKusakata (トーク | 投稿記録)による版 (同期)
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amdgpu は最新の AMD Radeon グラフィックカードのオープンソースグラフィックドライバーです。

現在のところ、amdgpu がサポートしているのは Volcanic IslandsSea IslandsSouthern Islands ファミリーのカードだけです。Southern Islands は実験的にサポートしています。GCN 以前の GPU をサポートする計画はありません。

サポートされていない AMD/ATI のビデオカードを利用している場合は Radeon オープンソースドライバーAMD のプロプライエタリドライバーを使ってください。

インストール

ノート:
  • プロプライエタリの Catalyst ドライバーから移行する場合、先に AMD Catalyst#アンインストール を読んでください。
  • xf86-video-amdgpu パッケージは Xorg のアクセラレーションにしか使われないため、必ずしも必要というわけではありません。

xf86-video-amdgpu パッケージをインストールしてください。2D アクセラレーションのための DDX ドライバーが含まれており、依存パッケージとして mesa もインストールされます。mesa には 3D アクセラレーションのための DRI ドライバーが含まれています。

x86_64 環境で32ビットのサポートが必要な場合、multilib リポジトリから lib32-mesa もインストールしてください。

ビデオデコードのハードウェア支援機能は mesa-vdpaulib32-mesa-vdpau パッケージをインストールすることで使えます。

Southern Islands (SI) と Sea Islands (CIK) のサポートの有効化

linux パッケージでは Southern Islands (SI) や Sea Islands (CIK) カードの AMDGPU サポートは有効になっています。カーネルを自分でビルド・コンパイルするときはコンフィグで CONFIG_DRM_AMDGPU_SI=YCONFIG_DRM_AMDGPU_CIK=Y を有効にしてください。

カーネルによる SI/CIK の AMDGPU サポートが有効になっていても、依然として AMDGPU ドライバーの代わりに radeon ドライバーが使われることがあります。

amdgpu モジュールを強制的に使用するには radeon モジュールをブラックリストに追加してください:

/etc/modprobe.d/radeon.conf
blacklist radeon

AMDGPU PRO

警告: Arch Linux は公式にはサポートされていません。
ノート:
  • プロプライエタリな OpenCL コンポーネントだけを使いたい場合は opencl-amdAUR パッケージをインストールしてください。
  • AMDGPU PRO を使うには linux (4.8 または 4.9) と Xorg (1.18) パッケージのダウングレードが必要になります。

AMD はオープンソースの AMDGPU カーネルドライバーの上で動作するバイナリのユーザーランドドライバー AMDGPU PRO を提供しています。AMDGPU PRO ドライバーは OpenGL, OpenCL, Vulkan, VDPAU をサポートしており、オープンソースドライバーよりも高い性能を発揮します。詳しくは 最初のリリースノートPhoronix フォーラムでのアナウンス を参照してください。

公式の AMDGPU PRO ドライバーにパッチを適用したバージョンが amdgpu-proAUR パッケージでインストールできます。

ロード

amdgpu カーネルモジュールはシステムの起動時に自動的にロードされます。

ロードされない場合:

  • 最新の linux-firmware パッケージがインストールされていることを確認してください。AMDGPU ドライバーは各モデルの最新ファームウェアがないと起動できません。
  • カーネルパラメータnomodesetvga= を指定していないことを確認してください。amdgpuKMS を必要とします。
  • カーネルモジュールのブラックリストamdgpu が無効になっていないか確認してください。

Early KMS の有効化

ヒント: 解像度に問題が発生する場合、Kernel Mode Setting#モードの強制と EDID を読んでください。

Kernel Mode Setting (KMS) は radeon ドライバーによってサポートされており、必須であり、デフォルトで有効になっています。

普通 KMS は initramfs の後に初期化されます。ただし、initramfs の段階で KMS を有効化することも可能です。/etc/mkinitcpio.confMODULES 行に amdgpu モジュールを追加してください:

MODULES="... amdgpu ..."

そして、initramfs を再生成してください:

# mkinitcpio -p linux

変更は再起動後に適用されます。

Xorg の設定

Xorg は自動的にドライバーをロードしてモニターの EDID を認識して最大解像度を設定します。必要な設定はドライバーのチューニングだけです。

手動で設定したい場合、/etc/X11/xorg.conf.d/20-amdgpu.conf を作成して、以下を記述してください:

Section "Device"
    Identifier "AMD"
    Driver "amdgpu"
EndSection

上記のセクションを使って、ドライバーの設定を変更したり機能を有効にすることができます。

パフォーマンスチューニング

ビデオアクセラレーションの有効化

VA-APIVDPAU をインストールすることでハードウェアアクセラレーションによる動画のエンコード・デコードを行うことができます。

ドライバーオプション

以下のオプションは /etc/X11/xorg.conf.d/20-amdgpu.conf で設定します。

ドライバーオプションの設定について詳しくは man amdgpu を読んでください。

DRI は有効にする DRI のレベルを設定します。DRI2 の場合は 2、DRI3 の場合は 3 と設定します。Xorg バージョン 1.18.3 以上ではデフォルト値は 3 となっており、古いバージョンでは DRI2 が使われます:

Option "DRI" "3" 

TearFree はハードウェアのページフリップ機能を使って、ちらつきを抑えます。オプションを設定すると、プロパティのデフォルト値が auto に設定され、回転などの RandR の操作で TearFree がオンになります:

Option "TearFree" "true"

トラブルシューティング

HDMI/DP の音声が出力されない

オープンソースの AMDGPU ドライバーは 開発途上 の DAL のコードに依存しています。HDMI や DisplayPort から音声を出力するには現在のところ AMDGPU-PRO ドライバーをインストールする他ありません。

HDMI で表示位置がおかしい

amdgpu.audio=0 カーネルパラメータを使うことで (問題のある) HDMI の音声サポートを有効にしないようにできます [1]

Xorg やアプリケーションが起動しない

Xorg の色深度を 16 や 32 に設定すると以下のような問題が発生します:

  • (EE) AMDGPU(0): [DRI2] DRI2SwapBuffers: drawable has no back or front?" error after opening glxgears で OpenGL アプリがクラッシュする。
  • (EE) AMDGPU(0): Given depth (32) is not supported by amdgpu driver エラーで Xorg が起動しない。

(/etc/X11/xorg.conf.d/10-screen.conf ファイルの) "screen" セクションに以下を追加して標準的な色深度である 24 を使うようにしてください:

Section "Screen"
       DefaultDepth    24
       SubSection      "Display"
               Depth   24
       EndSubSection
EndSection

周波数を上げたときに画面が崩れる問題が起こる

ディスプレイの周波数を 120Hz 以上に設定したときにディスプレイに乱れが発生する場合、メモリクロックや GPU クロックが低すぎてディスプレイに応答できていません。

以下を実行することで解決できます [2]:

# echo high > /sys/class/drm/card0/device/power_dpm_force_performance_level

または:

# echo low > /sys/class/drm/card0/device/power_dpm_force_performance_level

radeon-profile-gitAURradeon-profile-daemon-gitAUR を使うことで GUI で "power_dpm" を管理することもできます [3]