「Parted」の版間の差分

提供: ArchWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
(ページの作成:「Category:ファイルシステム Category:システムリカバリ en:GNU Parted {{Related articles start}} {{Related|GParted}} {{Related|パーティショ...」)
 
(同期)
(同じ利用者による、間の2版が非表示)
2行目: 2行目:
 
[[Category:システムリカバリ]]
 
[[Category:システムリカバリ]]
 
[[en:GNU Parted]]
 
[[en:GNU Parted]]
  +
[[ru:GNU Parted]]
  +
[[zh-hans:GNU Parted]]
 
{{Related articles start}}
 
{{Related articles start}}
{{Related|GParted}}
+
{{Related|fdisk}}
 
{{Related|パーティショニング}}
 
{{Related|パーティショニング}}
 
{{Related articles end}}
 
{{Related articles end}}
11行目: 13行目:
 
== インストール ==
 
== インストール ==
   
[[公式リポジ]]から {{Pkg|parted}} を[[インストール]]してください。
+
{{Pkg|parted}} パッケージを[[インスール]]してください。グラフィカルインターフェイスを使いたい場合、''parted'' のグラフィカルフロントエンドである {{pkg|gparted}} パッケージを[[インストール]]してください。
   
 
== 使用方法 ==
 
== 使用方法 ==
31行目: 33行目:
 
=== インタラクティブモード ===
 
=== インタラクティブモード ===
   
インタラクティブモードでは、コマ1つずつ入力し、すぐにデ変更が適用されす。例:
+
インタラクティブモードではパーティショニ簡単行うことができ、指定したバイスにパーティショニングコマンドで自動的に適用されるためコマンドを繰り返し実行る必要がありません
   
  +
デバイスの操作を開始するには、以下のコマンドを実行:
(parted) mklabel gpt
 
(parted) mkpart P1 ext3 1MiB 8MiB
 
   
  +
# parted /dev/sd''x''
{{Tip|いくつか省略形が存在します。例えば、{{ic|print}} の代わりに {{ic|p}} と入力したり、{{ic|units}} の代わりに {{ic|u}} と入力することが可能です。}}
 
  +
  +
コマンドラインプロンプトがハッシュ ({{ic|#}}) から {{ic|(parted)}} に切り替わります。プロンプトの {{ic|(parted)}} は手動で入力する必要があるコマンドではありません。
  +
  +
利用可能なコマンドを確認するには:
  +
  +
(parted) help
  +
  +
パーティショニングが完了したときや、他のデバイスのパーティションテーブル・スキームを変更したい場合、以下のコマンドで parted を終了します:
  +
  +
(parted) quit
  +
  +
終了後、コマンドラインプロンプトは元の {{ic|#}} に戻ります。
   
 
コマンドにパラメータを指定しなかった場合、Parted はパラメータを尋ねます。例:
 
コマンドにパラメータを指定しなかった場合、Parted はパラメータを尋ねます。例:
45行目: 58行目:
 
== ラウンディング ==
 
== ラウンディング ==
   
  +
多くのパーティショニングシステムには複雑な制約が存在するため、Parted はあなたが要求したことと少しだけ違うことをすることがあります (例えば、パーティションの開始位置を 10.4Mb から 10.352Mb に変えることがあります)。計算された値があまりにも食い違った場合、Parted はあなたに確認を行います。Parted が何をするのか詳しく知りたい場合は、"unit s" コマンドを使うことでパーティションの終末点がセクタで表示されます。また、細かく指定したい場合、セクタでパーティションの終末点を指定することもできます ("s" を後ろに付ける)。
Since many partitioning systems have complicated constraints, Parted will usually do something slightly different to what you asked. (For example, create a partition starting at 10.352Mb, not 10.4Mb) If the calculated values differ too much, Parted will ask you for confirmation. If you know exactly what you want, or to see exactly what Parted is doing, it helps to specify partition endpoints in sectors (with the "s" suffix) and give the "unit s" command so that the partition endpoints are displayed in sectors.
 
   
  +
parted-2.4 から、“MiB”, “GiB”, “TiB” などのように IEC バイナリ単位を使って開始地点や終末地点を指定したとき、parted はそれらの値をバイト数で指定したときと同じ数値として正確に扱います (つまり “B” を付けたときと同じ)。そのため曖昧な誤差は生じません。逆に、“4GB” のようにパーティションの開始位置を指定した場合、その地点よりも最大で 500MB ほど前だったり後ろだったりになることがあります。従って、パーティションを作成するときは、バイト (“B”) やセクタ (“s”) を使うか “MiB” のような IEC バイナリ単位を使うほうが良いでしょう。
As of parted-2.4, when you specify start and/or end values using IEC binary units like “MiB”, “GiB”, “TiB”, etc., parted treats those values as exact, and equivalent to the same number specified in bytes (i.e., with the “B” suffix), in that it provides no “helpful” range of sloppiness. Contrast that with a partition start request of “4GB”, which may actually resolve to some sector up to 500MB before or after that point. Thus, when creating a partition, you should prefer to specify units of bytes (“B”), sectors (“s”), or IEC binary units like “MiB”, but not “MB”, “GB”, etc.
 
  +
  +
== パーティショニング ==
  +
  +
=== 新しいパーティションテーブルの作成 ===
  +
  +
パーティションを作成したことがない場合やパーティションテーブルのタイプを変更したいときはデバイスのパーティションテーブルを(再)作成する必要があります。スクラッチからパーティションスキームを再構築したい場合もデバイスのパーティションテーブルを再作成すると良いでしょう。
  +
  +
パーティションテーブルを(再)作成したいデバイスを開いてください:
  +
  +
# parted /dev/sd''x''
  +
  +
[[GUID Partition Table]] を新しく作成したい場合、以下のコマンドを使用します:
  +
  +
(parted) mklabel gpt
  +
  +
[[Master Boot Record]]/MS-DOS パーティションテーブルを新しく作成したい場合、以下のコマンドを実行:
  +
  +
(parted) mklabel msdos
  +
  +
=== パーティションスキーム ===
  +
  +
デバイスを分割するパーティションの数と容量、どのディレクトリをパーティションにマウントするか (マウントポイント) 決めます。必要なパーティションについては[[パーティショニング#パーティション形態]]を見てください。
  +
  +
以下のコマンドを使ってパーティションを作成できます:
  +
  +
(parted) mkpart ''part-type'' ''fs-type'' ''start'' ''end''
  +
  +
* {{ic|''part-type''}} は {{ic|primary}}, {{ic|extended}}, {{ic|logical}} のどれかになります。MBR パーティションテーブルでのみ意味があります。
  +
* {{ic|''fs-type''}} は使用するファイルシステムに一番適した識別子になります ({{ic|help mkpart}} と入力してリストを確認できます)。''mkpart'' コマンドはファイルシステムを作成するわけではありません: {{ic|''fs-type''}} パラメータは単に ''parted'' が1バイトのコードを設定するのに使われ、コードによってブートローダーはパーティションに含まれているデータの種類をプレビューします。[[Wikipedia:Disk partitioning#PC partition types]] を参照。
  +
: {{Tip|大抵の [[Wikipedia:File_system#Linux|Linux ファイルシステム]] は同じ MBR パーティションタイプコード ([[Wikipedia:Partition type#PID_83h|0x83]]) にマッピングされるため、例えば ''ext4'' でフォーマットするパーティションに {{ic|ext2}} を使っても全く問題ありません。}}
  +
* {{ic|''start''}} はパーティションのデバイスにおける開始位置です。数字と [http://www.gnu.org/software/parted/manual/parted.html#unit 単位] で指定し、例えば {{ic|1MiB}} なら 1 MiB が開始位置になります。
  +
* {{ic|''end''}} はデバイスの先頭からのパーティションの終末位置です ({{ic|''start''}} の値からの位置ではありません)。{{ic|''start''}} と同じ形式で指定し、例えば {{ic|100%}} はデバイスの末尾までを意味します (全ての領域を使用します)。
  +
  +
{{Warning|パーティションは互いに被らないようにする必要があります。デバイスに未使用の領域を残したくない場合、パーティションの開始位置と終末位置を合わせてください。}}
  +
  +
{{Note|''parted'' が以下のように警告を表示する場合:
  +
  +
Warning: The resulting partition is not properly aligned for best performance.
  +
Ignore/Cancel?
  +
  +
[[パーティショニング#パーティションアライメント]]と[[#アライメント]]を読んで修正してください。}}
  +
  +
{{ic|/boot}} ディレクトリを含むパーティションには以下のコマンドを使ってパーティションを起動可能にします:
  +
  +
(parted) set ''partition'' boot on
  +
  +
* {{ic|''partition''}} はフラグを立てるパーティションの数字に置き換えてください ({{ic|print}} コマンドの出力で数字を確認できます)。
  +
  +
==== UEFI/GPT の例 ====
  +
  +
どのようにパーティショニングする場合でも、特殊な [[EFI System Partition]] が必要となります。
  +
  +
EFI システムパーティションを新しく作成する場合、以下のコマンドを使います (推奨サイズは 550 MiB):
  +
  +
(parted) mkpart ESP fat32 1MiB 551MiB
  +
(parted) set 1 esp on
  +
  +
後はどのようにパーティションするかはあなた次第です。残り領域の 100% を使うパーティションをひとつだけ作成する場合:
  +
  +
(parted) mkpart primary ext4 551MiB 100%
  +
  +
あるいは {{ic|/}} (20 GiB) と {{ic|/home}} (残り全ての領域) パーティションに分ける場合:
  +
  +
(parted) mkpart primary ext4 551MiB 20.5GiB
  +
(parted) mkpart primary ext4 20.5GiB 100%
  +
  +
もしくは {{ic|/}} (20 GiB), スワップ (4 GiB), {{ic|/home}} (残りの全ての領域) パーティションに分割する場合:
  +
  +
(parted) mkpart primary ext4 551MiB 20.5GiB
  +
(parted) mkpart primary linux-swap 20.5GiB 24.5GiB
  +
(parted) mkpart primary ext4 24.5GiB 100%
  +
  +
==== BIOS/MBR の例 ====
  +
  +
ディスク領域を全て占有するプライマリパーティションをひとつだけ作る最小の構成の場合、以下のコマンドを使用:
  +
  +
(parted) mkpart primary ext4 1MiB 100%
  +
(parted) set 1 boot on
  +
  +
20 GiB の {{ic|/}} パーティションを作成してから残り領域全てを使って {{ic|/home}} パーティションを作成する例:
  +
  +
(parted) mkpart primary ext4 1MiB 20GiB
  +
(parted) set 1 boot on
  +
(parted) mkpart primary ext4 20GiB 100%
  +
  +
{{ic|/boot}} (100 MiB), {{ic|/}} (20 GiB), スワップ (4 GiB), {{ic|/home}} (残り全領域) パーティションに分割して作成する場合:
  +
  +
(parted) mkpart primary ext3 1MiB 100MiB
  +
(parted) set 1 boot on
  +
(parted) mkpart primary ext3 100MiB 20GiB
  +
(parted) mkpart primary linux-swap 20GiB 24GiB
  +
(parted) mkpart primary ext3 24GiB 100%
  +
  +
== パーティションのリサイズ ==
  +
  +
{{Warning|パーティションのサイズを変更するときはアンマウントして使用されてない状態にする必要があります。({{ic|/}} をマウントしているパーティションなど) アンマウントできない場合、ライブメディア環境などを使って下さい。}}
  +
{{Note|
  +
* {{ic|parted}} で出来るのはパーティションの末端を移動することだけです。
  +
* parted v4.2 現在、''resizepart'' を使うには [[#インタラクティブモード]] でなければなりません [https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/parted/+bug/1270203]。
  +
* 以下の手順は ext2, ext3, ext4 ファイルシステムを使っているパーティションの場合です。
  +
}}
  +
  +
パーティションを拡大したい場合、パーティションをリサイズしてからパーティション上のファイルシステムをリサイズする必要があります。逆に、縮小する場合は、データが消失しないように先にファイルシステムをリサイズしてから、パーティションのリサイズを行います。
  +
  +
=== パーティションの拡大 ===
  +
  +
パーティションを拡大するには (parted のインタラクティブモード):
  +
  +
(parted) resizepart ''number'' ''end''
  +
  +
{{ic|''number''}} は拡大したいパーティションの番号に置き換えて下さい。{{ic|''end''}} がパーティションの新しい末端です (古い末端よりも大きくする必要があります)。
  +
  +
次に、パーティションのファイルシステムを拡大します:
  +
  +
# resize2fs /dev/''sdaX'' ''size''
  +
  +
{{ic|''sdaX''}} は拡大するパーティションに、{{ic|''size''}} はパーティションの新しい容量に置き換えて下さい。
  +
  +
=== パーティションの縮小 ===
  +
  +
パーティションのファイルシステムを縮小するには:
  +
  +
# resize2fs /dev/''sdaX'' ''size''
  +
  +
{{ic|''sdaX''}} は縮小するパーティションに、{{ic|''size''}} はパーティションの新しい容量に置き換えて下さい。
  +
  +
次にパーティションを縮小 (parted のインタラクティブモード):
  +
  +
(parted) resizepart ''number'' ''end''
  +
  +
{{ic|''number''}} は縮小したいパーティションの番号に置き換えて下さい。{{ic|''end''}} がパーティションの新しい末端です (古い末端よりも小さくする必要があります)。
  +
  +
完了したら、{{Pkg|util-linux}} の 'resizepart'' コマンドを使ってカーネルに新しい容量を通知します:
  +
  +
# resizepart ''device'' ''number'' ''size''
  +
  +
{{ic|''device''}} はパーティションが存在するデバイスに、{{ic|''number''}} はパーティションの番号に、{{ic|''size''}} はパーティションの新しい容量に置き換えて下さい。
   
 
== ワーニング ==
 
== ワーニング ==
   
  +
危険な操作をしようとすると Parted はかならず警告を表示します。ただし本質的に危険なコマンドについては別です (viz., rm, mklabel, mkpart)。
Parted will always warn you before doing something that is potentially dangerous, unless the command is one of those that is inherently dangerous (viz., rm, mklabel and mkpart).
 
   
 
=== アライメント ===
 
=== アライメント ===
   
  +
パーティションの作成時、''parted'' はパーティションのアライメントが正しくないと警告することがありますが、正しいアライメントについてのヒントは教えてくれません。例:
When creating a partition, ''parted'' might warn about improper partition alignment but does not hint about proper alignment. For example:
 
   
 
(parted) mkpart primary fat16 0 32M
 
(parted) mkpart primary fat16 0 32M
61行目: 211行目:
 
Ignore/Cancel?
 
Ignore/Cancel?
   
  +
この警告はパーティションの開始位置がアラインされていないことを意味しています。"Ignore" と入力すると先に進み、開始位置がわかるようにパーティションテーブルがセクタで表示され、警告がなくなるまで2の冪まで開始セクタが切り上げられてパーティションが削除/再作成されます。例えば、512B セクタのフラッシュドライブの場合、Parted は 2048 の倍数のセクタでパーティションを開始させようとします (1MiB アライメント)。
The warning means the partition start is not aligned. Enter "Ignore" to go ahead anyway, print the partition table in sectors to see where it starts, and remove/recreate the partition with the start sector rounded up to increasing powers of 2 until the warning stops. As one example, on a flash drive with 512B sectors, Parted wanted partitions to start on sectors that were a multiple of 2048, which is 1MB alignment.
 
  +
  +
''parted'' に適切なアライメントを計算して欲しいときは、開始位置に具体的な数字の代わりに 0% を指定してください。例えば巨大なひとつの ext4 パーティションを作成する場合:
  +
  +
(parted) mkpart primary ext4 0% 100%
  +
  +
== ヒントとテクニック ==
  +
  +
=== Windows XP とのデュアルブート ===
  +
  +
Windows XP パーティションを別のドライブに移動してブートパーティションにしたい場合、パーティションを移動する前に以下のレジストリキーを削除することで GParted を使って簡単に Windows を維持することができます:
  +
  +
HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\MountedDevices
  +
  +
詳しくは [http://gparted-forum.surf4.info/viewtopic.php?pid=8347#p8347 こちら] を参照してください。
  +
  +
=== アライメントのチェック ===
  +
  +
既にパーティション済みのディスクで ''parted'' を使ってデバイスのパーティションのアライメントを検証することができます。例えば、{{ic|/dev/sda}} の1番目のパーティションのアライメントを確認するには:
  +
  +
# parted /dev/sda
  +
(parted) align-check optimal 1
  +
1 aligned
   
 
== 参照 ==
 
== 参照 ==
67行目: 239行目:
 
* [https://www.gnu.org/software/parted/manual/ GNU parted - Parted ユーザーマニュアル]
 
* [https://www.gnu.org/software/parted/manual/ GNU parted - Parted ユーザーマニュアル]
 
* [http://rainbow.chard.org/2013/01/30/how-to-align-partitions-for-best-performance-using-parted/ How to align partitions for best performance using parted]
 
* [http://rainbow.chard.org/2013/01/30/how-to-align-partitions-for-best-performance-using-parted/ How to align partitions for best performance using parted]
  +
* [http://positon.org/resize-an-ext3-ext4-partition Resize an ext3/ext4 partition]
  +
* [http://gparted-forum.surf4.info/ 公式 GParted フォーラム]

2018年6月10日 (日) 19:44時点における版

関連記事

GNU Parted はパーティションテーブルを作成したり操作するためのプログラムです。GUI フロントエンドとして GParted が存在します。

インストール

parted パッケージをインストールしてください。グラフィカルインターフェイスを使いたい場合、parted のグラフィカルフロントエンドである gparted パッケージをインストールしてください。

使用方法

Parted には2つのモードがあります: コマンドラインモードとインタラクティブモードです。Parted は以下のように実行します:

# parted device

device は編集するハードディスクデバイスに置き換えて下さい (例: /dev/sda)。device を省略すると、parted が編集するデバイスを推測します。

コマンドラインモード

コマンドラインモードでは、1つまたは複数のコマンドを指定します。例:

# parted /dev/sda mklabel gpt mkpart P1 ext3 1MiB 8MiB 
ノート: (--help などの) オプションはコマンドラインでだけ指定することが可能です。

インタラクティブモード

インタラクティブモードではパーティショニングを簡単に行うことができ、指定したデバイスにパーティショニングコマンドで自動的に適用されるためコマンドを繰り返し実行する必要がありません。

デバイスの操作を開始するには、以下のコマンドを実行:

# parted /dev/sdx

コマンドラインプロンプトがハッシュ (#) から (parted) に切り替わります。プロンプトの (parted) は手動で入力する必要があるコマンドではありません。

利用可能なコマンドを確認するには:

(parted) help

パーティショニングが完了したときや、他のデバイスのパーティションテーブル・スキームを変更したい場合、以下のコマンドで parted を終了します:

(parted) quit

終了後、コマンドラインプロンプトは元の # に戻ります。

コマンドにパラメータを指定しなかった場合、Parted はパラメータを尋ねます。例:

(parted) mklabel
New disk label type? gpt

ラウンディング

多くのパーティショニングシステムには複雑な制約が存在するため、Parted はあなたが要求したことと少しだけ違うことをすることがあります (例えば、パーティションの開始位置を 10.4Mb から 10.352Mb に変えることがあります)。計算された値があまりにも食い違った場合、Parted はあなたに確認を行います。Parted が何をするのか詳しく知りたい場合は、"unit s" コマンドを使うことでパーティションの終末点がセクタで表示されます。また、細かく指定したい場合、セクタでパーティションの終末点を指定することもできます ("s" を後ろに付ける)。

parted-2.4 から、“MiB”, “GiB”, “TiB” などのように IEC バイナリ単位を使って開始地点や終末地点を指定したとき、parted はそれらの値をバイト数で指定したときと同じ数値として正確に扱います (つまり “B” を付けたときと同じ)。そのため曖昧な誤差は生じません。逆に、“4GB” のようにパーティションの開始位置を指定した場合、その地点よりも最大で 500MB ほど前だったり後ろだったりになることがあります。従って、パーティションを作成するときは、バイト (“B”) やセクタ (“s”) を使うか “MiB” のような IEC バイナリ単位を使うほうが良いでしょう。

パーティショニング

新しいパーティションテーブルの作成

パーティションを作成したことがない場合やパーティションテーブルのタイプを変更したいときはデバイスのパーティションテーブルを(再)作成する必要があります。スクラッチからパーティションスキームを再構築したい場合もデバイスのパーティションテーブルを再作成すると良いでしょう。

パーティションテーブルを(再)作成したいデバイスを開いてください:

# parted /dev/sdx

GUID Partition Table を新しく作成したい場合、以下のコマンドを使用します:

(parted) mklabel gpt

Master Boot Record/MS-DOS パーティションテーブルを新しく作成したい場合、以下のコマンドを実行:

(parted) mklabel msdos

パーティションスキーム

デバイスを分割するパーティションの数と容量、どのディレクトリをパーティションにマウントするか (マウントポイント) 決めます。必要なパーティションについてはパーティショニング#パーティション形態を見てください。

以下のコマンドを使ってパーティションを作成できます:

(parted) mkpart part-type fs-type start end
  • part-typeprimary, extended, logical のどれかになります。MBR パーティションテーブルでのみ意味があります。
  • fs-type は使用するファイルシステムに一番適した識別子になります (help mkpart と入力してリストを確認できます)。mkpart コマンドはファイルシステムを作成するわけではありません: fs-type パラメータは単に parted が1バイトのコードを設定するのに使われ、コードによってブートローダーはパーティションに含まれているデータの種類をプレビューします。Wikipedia:Disk partitioning#PC partition types を参照。
ヒント: 大抵の Linux ファイルシステム は同じ MBR パーティションタイプコード (0x83) にマッピングされるため、例えば ext4 でフォーマットするパーティションに ext2 を使っても全く問題ありません。
  • start はパーティションのデバイスにおける開始位置です。数字と 単位 で指定し、例えば 1MiB なら 1 MiB が開始位置になります。
  • end はデバイスの先頭からのパーティションの終末位置です (start の値からの位置ではありません)。start と同じ形式で指定し、例えば 100% はデバイスの末尾までを意味します (全ての領域を使用します)。
警告: パーティションは互いに被らないようにする必要があります。デバイスに未使用の領域を残したくない場合、パーティションの開始位置と終末位置を合わせてください。
ノート: parted が以下のように警告を表示する場合:
Warning: The resulting partition is not properly aligned for best performance.
Ignore/Cancel?
パーティショニング#パーティションアライメント#アライメントを読んで修正してください。

/boot ディレクトリを含むパーティションには以下のコマンドを使ってパーティションを起動可能にします:

(parted) set partition boot on
  • partition はフラグを立てるパーティションの数字に置き換えてください (print コマンドの出力で数字を確認できます)。

UEFI/GPT の例

どのようにパーティショニングする場合でも、特殊な EFI System Partition が必要となります。

EFI システムパーティションを新しく作成する場合、以下のコマンドを使います (推奨サイズは 550 MiB):

(parted) mkpart ESP fat32 1MiB 551MiB
(parted) set 1 esp on

後はどのようにパーティションするかはあなた次第です。残り領域の 100% を使うパーティションをひとつだけ作成する場合:

(parted) mkpart primary ext4 551MiB 100%

あるいは / (20 GiB) と /home (残り全ての領域) パーティションに分ける場合:

(parted) mkpart primary ext4 551MiB 20.5GiB
(parted) mkpart primary ext4 20.5GiB 100%

もしくは / (20 GiB), スワップ (4 GiB), /home (残りの全ての領域) パーティションに分割する場合:

(parted) mkpart primary ext4 551MiB 20.5GiB
(parted) mkpart primary linux-swap 20.5GiB 24.5GiB
(parted) mkpart primary ext4 24.5GiB 100%

BIOS/MBR の例

ディスク領域を全て占有するプライマリパーティションをひとつだけ作る最小の構成の場合、以下のコマンドを使用:

(parted) mkpart primary ext4 1MiB 100%
(parted) set 1 boot on

20 GiB の / パーティションを作成してから残り領域全てを使って /home パーティションを作成する例:

(parted) mkpart primary ext4 1MiB 20GiB
(parted) set 1 boot on
(parted) mkpart primary ext4 20GiB 100%

/boot (100 MiB), / (20 GiB), スワップ (4 GiB), /home (残り全領域) パーティションに分割して作成する場合:

(parted) mkpart primary ext3 1MiB 100MiB
(parted) set 1 boot on
(parted) mkpart primary ext3 100MiB 20GiB
(parted) mkpart primary linux-swap 20GiB 24GiB
(parted) mkpart primary ext3 24GiB 100%

パーティションのリサイズ

警告: パーティションのサイズを変更するときはアンマウントして使用されてない状態にする必要があります。(/ をマウントしているパーティションなど) アンマウントできない場合、ライブメディア環境などを使って下さい。
ノート:
  • parted で出来るのはパーティションの末端を移動することだけです。
  • parted v4.2 現在、resizepart を使うには #インタラクティブモード でなければなりません [1]
  • 以下の手順は ext2, ext3, ext4 ファイルシステムを使っているパーティションの場合です。

パーティションを拡大したい場合、パーティションをリサイズしてからパーティション上のファイルシステムをリサイズする必要があります。逆に、縮小する場合は、データが消失しないように先にファイルシステムをリサイズしてから、パーティションのリサイズを行います。

パーティションの拡大

パーティションを拡大するには (parted のインタラクティブモード):

(parted) resizepart number end

number は拡大したいパーティションの番号に置き換えて下さい。end がパーティションの新しい末端です (古い末端よりも大きくする必要があります)。

次に、パーティションのファイルシステムを拡大します:

# resize2fs /dev/sdaX size

sdaX は拡大するパーティションに、size はパーティションの新しい容量に置き換えて下さい。

パーティションの縮小

パーティションのファイルシステムを縮小するには:

# resize2fs /dev/sdaX size

sdaX は縮小するパーティションに、size はパーティションの新しい容量に置き換えて下さい。

次にパーティションを縮小 (parted のインタラクティブモード):

(parted) resizepart number end

number は縮小したいパーティションの番号に置き換えて下さい。end がパーティションの新しい末端です (古い末端よりも小さくする必要があります)。

完了したら、util-linux の 'resizepart コマンドを使ってカーネルに新しい容量を通知します:

# resizepart device number size

device はパーティションが存在するデバイスに、number はパーティションの番号に、size はパーティションの新しい容量に置き換えて下さい。

ワーニング

危険な操作をしようとすると Parted はかならず警告を表示します。ただし本質的に危険なコマンドについては別です (viz., rm, mklabel, mkpart)。

アライメント

パーティションの作成時、parted はパーティションのアライメントが正しくないと警告することがありますが、正しいアライメントについてのヒントは教えてくれません。例:

(parted) mkpart primary fat16 0 32M
Warning: The resulting partition is not properly aligned for best performance.
Ignore/Cancel?                                                     

この警告はパーティションの開始位置がアラインされていないことを意味しています。"Ignore" と入力すると先に進み、開始位置がわかるようにパーティションテーブルがセクタで表示され、警告がなくなるまで2の冪まで開始セクタが切り上げられてパーティションが削除/再作成されます。例えば、512B セクタのフラッシュドライブの場合、Parted は 2048 の倍数のセクタでパーティションを開始させようとします (1MiB アライメント)。

parted に適切なアライメントを計算して欲しいときは、開始位置に具体的な数字の代わりに 0% を指定してください。例えば巨大なひとつの ext4 パーティションを作成する場合:

(parted) mkpart primary ext4 0% 100%

ヒントとテクニック

Windows XP とのデュアルブート

Windows XP パーティションを別のドライブに移動してブートパーティションにしたい場合、パーティションを移動する前に以下のレジストリキーを削除することで GParted を使って簡単に Windows を維持することができます:

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\MountedDevices

詳しくは こちら を参照してください。

アライメントのチェック

既にパーティション済みのディスクで parted を使ってデバイスのパーティションのアライメントを検証することができます。例えば、/dev/sda の1番目のパーティションのアライメントを確認するには:

# parted /dev/sda
(parted) align-check optimal 1
1 aligned

参照