GPD Win

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GPD Win は小型 (5.5インチディスプレイ) の携帯デバイスです。

ハードウェア

このセクションで説明していないハードウェアは特に設定をしなくても問題なく動作します。

内蔵 Wi-Fi

Linux Bug 185661 が解決されるまでは、内蔵されている Wi-Fi を使うにはフィックスが必要になります。こちら から brcmfmac4356-pcie.txt を入手して /lib/firmware/brcm に配置して brcmfmac モジュールをリロードしてください。

ノート: ウェブページの右下にある "txt" ボタンでは適切なファイルがダウンロードされません。中身を手動でコピーアンドペーストして brcmfmac4356-pcie.txt としてください。

Arch Linux のインストーラーで内蔵 Wi-Fi を動作させたい場合、Windows 10 から上記のファイルを C:\ にダウンロードしてインストーラーで以下を実行するのが一番簡単です:

ディレクトリを作成して Windows 10 パーティションをマウント (mmcblk0p2lsblk を実行して確認できた Windows 10 パーティションに置き換えてください):

# mkdir windows
# mount /dev/mmcblk0p2 windows

ファイルをコピー:

# cp windows/brcmfmac4356-pcie.txt /lib/firmware/brcm

モジュールをリロード:

# modprobe -r brcmfmac
# modprobe brcmfmac

Wi-Fi に接続:

# wifi-menu
ノート: Wi-Fi が動作しない場合、BIOS の設定が必要な場合があります。再起動してから、デバイスが立ち上がる際に Del キーを押して、BIOS 画面が開いたら Chipset タブから South Bridge を選択し、LPSS & SCC Configuration を選んで SCC SDIO Support を PCI Mode に変更してください。BIOS の変更を保存したら、もう一度ファイルのコピーから設定してみてください。

バッテリーセンサー

カーネル 4.12 からは特に何も設定しなくても動作します。それ以前のバージョンでは Hans de Goede のパッチがあたったカーネル が必要です。パッチのあたったカーネルを使うことで起動後に電源ケーブルを接続したときに充電されない問題や高速充電されない問題も解決されます。

X セッションの回転

携帯ディスプレイが使われているため、ディスプレイは適切に回転させる必要があります。カーネル 4.9.2 から、X セッションの回転は (xrandr による手動設定あるいはデスクトップ環境の設定を問わず) 問題なく動作します。

GNOME を使っていて全てがアップスケールされてしまう場合、以下のコマンドでスケールを元に戻せます:

$ gsettings set org.gnome.desktop.interface scaling-factor 1

タッチスクリーンの回転

カーネル 4.9.2 から、X セッションを回転すると自動的にタッチスクリーンも回転します (gnome-control-center で確認)。

ノート: GNOME を使っていると、回転は適切に行なわれます。ARandR などのディスプレイの向きを変更するアプリケーションを使用していても同様です。2018年2月16日時点で、Xfce では、タッチスクリーンの座標は自動回転しません。

自動的にタッチスクリーンが回転しない場合、以下のコマンドで上手くいくこともありますが、絶対にそうなるとは限りません:

$ xinput set-prop 'Goodix Capacitive TouchScreen' 'Coordinate Transformation Matrix' -1 0 1 0 -1 1 0 0 1

サウンド

最新カーネルと linux-lts で問題なく機能します。ヘッドフォンジャックを使うには Hans de Goede のパッチが適用されたカーネル が必要です。

メモリカードリーダー

最新カーネルと linux-lts カーネルのどちらでも問題なく動作します。

電源ボタンとボリュームボタン

動作しますが Hans de Goede のパッチが適用されたカーネル が必要です。

画面輝度の調整

カーネル 4.14 からは特に設定をしなくても動作します。それ以前のカーネルでは Hans de Goede のパッチが適用されたカーネル が必要です。

フタを開き閉めしたときにサスペンド・復帰

カーネル 4.14 から特に設定をしなくても動作します。

4.13 以前でも動作しますが Hans de Goede のパッチが適用されたカーネル が必要です。

インストール

インストーラーの起動

起動時に "Del""Esc" を押し続けて BIOS を開いてください。BIOS からは、USB ドライブを優先して起動するようにオプションを変更してください。

Arch Linux の起動オプション画面では、"e" を押して起動オプションを編集し、画面が正しく回転されるように fbcon=rotate:1 を追加してください。

Windows 10 とデュアルブートするためのパーティションのフォーマット

Windows のディスク管理などを使って Windows 10 のパーティションを縮小して Arch Linux の新しいパーティション用の領域を作成してください。

lsblk を実行してパーティションを確認して以下のパーティションの番号をメモしてください:

  • (X) Windows ブートローダー (100MB のパーティション)
  • (Y) Windows 10 パーティション
  • (Z) 新しい Linux のパーティション

新しい Linux パーティションをフォーマットしてマウント:

# mkfs.ext4 /dev/mmcblk0pZ
# mount /dev/mmcblk0pZ /mnt

ブートディレクトリを作成して Windows ブートローダーをマウント:

# mkdir /mnt/boot
# mount /dev/mmcblk0pX /mnt/boot

Arch Linux のインストール

ベースシステムをインストール:

# pacstrap -i /mnt base base-devel

Wi-Fi を使うためのファイルをコピー:

# cp /lib/firmware/brcm/brcmfmac4356-pcie.txt /mnt/lib/firmware/brcm

その後はインストールガイドのブートローダーの設定まで手順を進めてください。

ブートローダーのインストール

ブートローダーをインストール:

# bootctl install

/boot/loader/entries/arch.conf を以下のように作成:

ノート: linux-lts を使用する場合は、/vmlinuz-linux/vmlinuz-linux-lts に、/initramfs-linux.img/initramfs-linux-lts.img に置き換えてください。
title   Arch Linux
linux   /vmlinuz-linux
initrd  /initramfs-linux.img
options fbcon=rotate:1 root=/dev/mmcblk0pZ rw

トラブルシューティング

全てのコアを使用した場合にクラッシュする

CPU の Turbo Boost はソフトウェアによって制御されますが Linux カーネル (4.4) は CPU の速度をあまり下げずに、ずっと 2.4Ghz 程度で動作します。4コア全てを使い切ると CPU がクラッシュすることがあります。Turbo Boost 機能を無効化することでクラッシュは解決します (BIOS の "Turbo Mode" 設定)。詳しくは こちら を参照。