「Kubernetes」の版間の差分

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== Arch Linux の Kubernetes ==
 
== Arch Linux の Kubernetes ==
   
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=== Minikube ===
Arch Linux で Kubernetes を使用するための AUR パッケージが複数存在します:
 
   
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MiniKubeは[[VirtualBox]]などの仮想マシン上に小さなKubernetesクラスタを構築することが出来るプラットフォームです。
* {{AUR|kubernetes}}{{Broken package link|パッケージが存在しません}}: GitHub から Kubernetes の Go のソースコードをビルドします。
 
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Kubernetesを試してみたいという場合、完全なインストールをいきなり用意するよりもMinikubeを利用するのが良いでしょう。
   
* {{AUR|kubernetes-bin}}: ビルド済みのバイナリと kubernetes パッケージの設定をインストールします。ビルドは必要ありません
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Arch LinuxでMinikubeを利用するには、{{Pkg|minikube}} パッケージおよび、{{Pkg|virtualbox}}など仮想化環境をインストールします。
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実際のminikubeの操作法については[https://kubernetes.io/ja/docs/setup/learning-environment/minikube/ 公式のチュートリアル]を参照してください。
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=== 完全なインストール ===
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Arch Linux で Kubernetes を使用するためには、{{AUR|kubelet-bin}}, {{AUR|kubeadm-bin}}, {{AUR|kubectl-bin}}をインストールします。
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Kubernetesを実際に動作させるには、{{Pkg|docker}}や{{AUR|cri-o}}などのコンテナランタイムも予めインストールしておく必要が有ります。
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さらに、AURパッケージの依存関係が不完全なため、{{Pkg|ebtables}}, {{Pkg|ethtool}}, {{Pkg|socat}}, {{Pkg|conntrack-tools}}が追加で必要です。
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また、必要に応じて以下のパッケージをインストールします。
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* {{AUR|cni-plugins-bin}}: [https://kubernetes.io/docs/concepts/extend-kubernetes/compute-storage-net/network-plugins/ CNI(Container Network Interface)プラグイン]を動作させるのに必要なバイナリパッケージ。標準のCNI(flannel等)を利用する場合、これは必須です。
   
 
== Arch Linux の Kubectl プラグイン ==
 
== Arch Linux の Kubectl プラグイン ==
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=== kubeadm を使う ===
 
=== kubeadm を使う ===
   
以下はマスターとスレーブがひとつずつの構成を取っており、両ノードとも {{ic|192.168.122.0/24}} ネットワーク内に存在し、マスターは kubernetes クラスタを {{ic|192.168.122.1}} でホストします。ポッドはそれぞれ CIDR を持っており、ここでは {{ic|192.168.123.0/24}} とします。
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以下はマスターとスレーブがひとつずつの構成を取っており、両ノードとも {{ic|192.168.122.0/24}} ネットワーク内に存在し、マスターは kubernetes クラスタを {{ic|192.168.122.1}} でホストします。
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また、ポッドに割り当てるIPアドレス範囲(CIDR)は利用するCNIプラグインに合わせて決定しますが、ここでは[https://github.com/coreos/flannel flannel]を利用するので、{{ic|10.244.0.0/16}} とします。
   
 
==== マスター ====
 
==== マスター ====
   
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まず、マシンの[[スワップ]]を無効にします。Kubernetesを稼働させる全てのノードにおいて、これは必須です。
まず、kubelet サービスの設定ファイルを設定:
 
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{{bc|# swapoff -a}}
{{hc|/etc/kubernetes/kubelet|
 
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KUBELET_ARGS="--bootstrap-kubeconfig=/etc/kubernetes/bootstrap-kubelet.conf \
 
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次に、コンテナランタイムを開始させます。{{Pkg|docker}}を利用する場合、{{ic|docker.service}}を開始します。
--kubeconfig=/etc/kubernetes/kubelet.conf \
 
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{{bc|# systemctl start docker.service}}
--config=/var/lib/kubelet/config.yaml \
 
--network-plugin=cni \
 
--pod-infra-container-image=k8s.gcr.io/pause:3.1"
 
}}
 
引数に存在しないファイルを指定していますが心配はいりません。ファイルは {{ic|kubeadm}} の初期化時に作成されます。プロキシ環境あるいは特殊な DNS 設定を使っている場合、以下の引数を追加してコンテナで使用する {{ic|resolv.conf}} を指定してください:
 
{{bc|1=--resolv-conf=/the/path/to/the/resolv.conf}}
 
   
 
それから、以下のコマンドを実行:
 
それから、以下のコマンドを実行:
{{bc|# kubeadm init --advertise-address=192.168.122.1 --pod-network-cidr=192.168.123.0/24}}
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{{bc|# kubeadm init --apiserver-advertise-address=192.168.122.1 --pod-network-cidr=10.244.0.0/16}}
初期化の進捗が表示され、それから以下のように出力されます:
 
[kubelet-check] It seems like the kubelet isn't running or healthy.
 
[kubelet-check] The HTTP call equal to 'curl -sSL http://localhost:10248/healthz' failed with error: Get http://localhost:10248/healthz: dial tcp 127.0.0.1:10248: connect: connection refused.
 
   
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{{ic|kubeadm}}によってPKI(公開鍵基盤)とクライアント証明書が自動的に作成され、{{ic|kubelet.service}}が開始されます。
ここで、{{ic|kubelet.service}} を[[起動]]してください。kubelet によって kubernetes のコンポーネントが起動します。{{ic|kubeadm}} で確認できます。問題なく起動が完了したら、以下のようなメッセージが表示されます:
 
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問題なく起動が完了したら、以下のようなメッセージが表示されます:
   
 
Your Kubernetes master has initialized successfully!
 
Your Kubernetes master has initialized successfully!
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それからポッドネットワークをデプロイします。[https://kubernetes.io/docs/concepts/cluster-administration/addons/ こちら] に様々な方法が載っています。全ての方法にはそれぞれデフォルトのポッドネットワーク CIDR が存在します。{{ic|--pod-network-cidr}} で指定した値にあわせて設定を修正してください。
 
それからポッドネットワークをデプロイします。[https://kubernetes.io/docs/concepts/cluster-administration/addons/ こちら] に様々な方法が載っています。全ての方法にはそれぞれデフォルトのポッドネットワーク CIDR が存在します。{{ic|--pod-network-cidr}} で指定した値にあわせて設定を修正してください。
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ここではflannelをデプロイするので、以下のコマンドを実行:
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$ wget https://raw.githubusercontent.com/coreos/flannel/master/Documentation/kube-flannel.yml
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$ kubectl apply -f kube-flannel.yml
   
 
最後に、マスターの状態を確認:
 
最後に、マスターの状態を確認:

2020年3月29日 (日) 22:32時点における版

Kubernetes はコンテナ化されたアプリケーションのデプロイ・スケーリング・管理を自動化するためのオープンソースシステムです。Kubernetes は k8s とも呼ばれます。

Arch Linux の Kubernetes

Minikube

MiniKubeはVirtualBoxなどの仮想マシン上に小さなKubernetesクラスタを構築することが出来るプラットフォームです。 Kubernetesを試してみたいという場合、完全なインストールをいきなり用意するよりもMinikubeを利用するのが良いでしょう。

Arch LinuxでMinikubeを利用するには、minikube パッケージおよび、virtualboxなどの仮想化環境をインストールします。

実際のminikubeの操作法については公式のチュートリアルを参照してください。

完全なインストール

Arch Linux で Kubernetes を使用するためには、kubelet-binAUR, kubeadm-binAUR, kubectl-binAURをインストールします。 Kubernetesを実際に動作させるには、dockercri-oAURなどのコンテナランタイムも予めインストールしておく必要が有ります。

さらに、AURパッケージの依存関係が不完全なため、ebtables, ethtool, socat, conntrack-toolsが追加で必要です。

また、必要に応じて以下のパッケージをインストールします。

Arch Linux の Kubectl プラグイン

Kubectl プラグインは独立したバイナリであり、サブコマンドを追加して Kubectl の機能を拡張します。

Arch Linux には Kubectl プラグインの AUR パッケージが存在します:

  • kubectl-trace-gitAUR: kubectl を使って kubernetes クラスタの bpftrace プログラムをスケジュールします。

基本設定

kubeadm ヘルパーを使用するか手動で kubernetes クラスタを設定します。

kubeadm を使う

以下はマスターとスレーブがひとつずつの構成を取っており、両ノードとも 192.168.122.0/24 ネットワーク内に存在し、マスターは kubernetes クラスタを 192.168.122.1 でホストします。

また、ポッドに割り当てるIPアドレス範囲(CIDR)は利用するCNIプラグインに合わせて決定しますが、ここではflannelを利用するので、10.244.0.0/16 とします。

マスター

まず、マシンのスワップを無効にします。Kubernetesを稼働させる全てのノードにおいて、これは必須です。

# swapoff -a

次に、コンテナランタイムを開始させます。dockerを利用する場合、docker.serviceを開始します。

# systemctl start docker.service

それから、以下のコマンドを実行:

# kubeadm init --apiserver-advertise-address=192.168.122.1 --pod-network-cidr=10.244.0.0/16

kubeadmによってPKI(公開鍵基盤)とクライアント証明書が自動的に作成され、kubelet.serviceが開始されます。

問題なく起動が完了したら、以下のようなメッセージが表示されます:

Your Kubernetes master has initialized successfully!

新しく作成した kubernetes クラスタの管理者としてアカウントを設定します:

$ mkdir -p $HOME/.kube
$ sudo cp -i /etc/kubernetes/admin.conf $HOME/.kube/config
$ sudo chown $(id -u):$(id -g) $HOME/.kube/config

それからポッドネットワークをデプロイします。こちら に様々な方法が載っています。全ての方法にはそれぞれデフォルトのポッドネットワーク CIDR が存在します。--pod-network-cidr で指定した値にあわせて設定を修正してください。

ここではflannelをデプロイするので、以下のコマンドを実行:

$ wget https://raw.githubusercontent.com/coreos/flannel/master/Documentation/kube-flannel.yml
$ kubectl apply -f kube-flannel.yml

最後に、マスターの状態を確認:

$ kubectl get componentstatus

ノード

マスターの成功メッセージの最後の行に入力してクラスタに参加:

kubeadm join --token <token> 192.168.122.1:6443 --discovery-token-ca-cert-hash sha256:<hash>

トラブルシューティング

settings behind proxy

kubeadmhttps_proxy, http_proxy, no_proxy 環境変数を読み込みます。Kubernetes の内部ネットワークは最後の環境変数に記述します。例:

export no_proxy="192.168.122.0/24,10.96.0.0/12,192.168.123.0/24"

2番目の CIDR がデフォルトのサービスネットワーク CIDR です。

また、CNI プラグインが追加で必要です:

$ go get -d github.com/containernetworking/plugins
$ cd ~/go/src/github.com/containernetworking/plugins
$ bash ./build_linux.sh 
# cp bin/* /opt/cni/bin/

fatal error: runtime: out of memory

ソースから kubernetes をビルドしたときに発生します。zram 領域を設定することで回避できます:

# modprobe zram
# echo lz4 > /sys/block/zram0/comp_algorithm
# echo 16G > /sys/block/zram0/disksize
# mkswap --label zram0 /dev/zram0
# swapon --priority 100 /dev/zram0

error when creating "xxx.yaml": No API token found for service account "default"

stackoverflow を見てください。

Error: unable to load server certificate

サービスの起動時に発生することがあります。*.key ファイルのパーミッションの設定が正しいか確認してください。