Lenovo ThinkPad Yoga 260

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概要

ほとんどの機能は特に設定をしなくても動作します。ビデオカードを使うにはカーネルのバージョン 4.3 が必要で、加速度計が認識されるのはカーネルのバージョン 4.9 以上だけです。サスペンドも問題なく機能します。

デバイス 動作 モジュール
グラフィック Yes i915
ワイヤレス Yes iwlwifi
オーディオ Yes snd_hda_intel
タッチスクリーン Yes wacom
スタイラスペン Yes ¹ wacom,usbhid
加速度計 Yes hid_sensor_accel_3d
タッチパッド Yes psmouse
トラックポイント Yes psmouse
カメラ Yes uvcvideo
カードリーダー Yes mmc_core
Bluetooth Yes btintel
指紋リーダー Yes ²
スマートカードリーダー Yes

¹ペンのボタンは xsetwacom で割り当てることができます。Wacom タブレット#ボタンの再マッピングを見てください。デバイスの名前は "Wacom Co.,Ltd. Pen and multitouch sensor Pen stylus" です。

²https://github.com/3v1n0/libfprint を使用します。指紋センサーのバグトラッカー: https://gitlab.freedesktop.org/libfprint/libfprint/issues/54

インストール

新しいカーネルであれば問題は起こりません。wifi も使えます。起動後に画面が映らなくなる場合、#カーネルのロード後に画面が消えるを見てください。

インストール USB の起動

ブートメニューと BIOS にアクセスするには "F1" を押します。BIOS からセキュアブートを無効化してください。UEFI ブートモードで起動できます。

設定

トラックパッド

トラックパッドは xf86-input-synaptics で動作します。

トラックポイント

トラックポイントを見てください。ときどきトラックポイントが効かなくなって、触ったときに dmesg でエラーが出力されることがあります。カーネルモジュールを再ロードすることで問題は解決します:

# rmmod psmouse
# modprobe psmouse

タッチスクリーンとスタイラスペン

タッチスクリーンは Wacom ドライバーで動作します (パッケージ: xf86-input-wacom)。スタイラスペンも使用できます。底のボタンは消しゴム、上のボタンはマウス中ボタンと定義されています。

ノート: タッチスクリーンを使いやすくする件について、詳しくは タブレット PC を参照してください。

ビデオ

カーネルはバージョン 4.3 から HD Graphics 520 をサポートしています。デフォルト設定では、動画再生時にちらつきが発生します。DRI3 と glamor を有効にすることで抑えることができます。/etc/X11/xorg.conf.d/20-intel.conf ファイルを作成:

Section "Device"
   Identifier  "Intel Graphics"
   Driver      "intel"
   Option      "AccelMethod"  "glamor"
   Option      "DRI"    "3"
   Option      "TearFree"    "true"
EndSection

miniDP ポートは動作します (VGA アダプタを使用して確認)。接続したディスプレイは xrandr で確認できます。HDMI 出力は Xorg と xf86-video-intel 1:2.99.917+730 で動作を確認済み。

カードリーダー

microSD カードリーダーは特に設定をしなくても動作します。

Bluetooth

Bluetooth アダプタは特に設定をしなくても動作します。Android テザリングとファイル転送を確認済み。

ハードウェア情報

lspci の出力:

00:00.0 Host bridge: Intel Corporation Sky Lake Host Bridge/DRAM Registers (rev 08)
00:02.0 VGA compatible controller: Intel Corporation Sky Lake Integrated Graphics (rev 07)
00:08.0 System peripheral: Intel Corporation Sky Lake Gaussian Mixture Model
00:13.0 Non-VGA unclassified device: Intel Corporation Device 9d35 (rev 21)
00:14.0 USB controller: Intel Corporation Device 9d2f (rev 21)
00:14.2 Signal processing controller: Intel Corporation Device 9d31 (rev 21)
00:16.0 Communication controller: Intel Corporation Device 9d3a (rev 21)
00:17.0 SATA controller: Intel Corporation Device 9d03 (rev 21)
00:1c.0 PCI bridge: Intel Corporation Device 9d10 (rev f1)
00:1c.2 PCI bridge: Intel Corporation Device 9d12 (rev f1)
00:1f.0 ISA bridge: Intel Corporation Device 9d48 (rev 21)
00:1f.2 Memory controller: Intel Corporation Device 9d21 (rev 21)
00:1f.3 Audio device: Intel Corporation Device 9d70 (rev 21)
00:1f.4 SMBus: Intel Corporation Device 9d23 (rev 21)
00:1f.6 Ethernet controller: Intel Corporation Ethernet Connection I219-V (rev 21)
02:00.0 Unassigned class [ff00]: Realtek Semiconductor Co., Ltd. Device 522a (rev 01)
04:00.0 Network controller: Intel Corporation Wireless 8260 (rev 3a)

lsusb の出力:

Bus 001 Device 004: ID 138a:0090 Validity Sensors, Inc. 
Bus 001 Device 003: ID 13d3:5248 IMC Networks 
Bus 001 Device 002: ID 8087:0a2b Intel Corp. 
Bus 001 Device 005: ID 056a:5048 Wacom Co., Ltd 
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub

トラブルシューティング

アイドル状態なのに CPU の使用率が高い

アイドル状態でも Thinkpad の CPU 使用率が不自然に高い場合、ACPI ファームウェアに問題がある可能性があります。Windows ではアップデートによって問題が解決します。Linux では割り込みを発生させるデバイスを無効化することで問題を回避できます。

割り込みの発生元を確認:

$ grep . -r /sys/firmware/acpi/interrupts

以下のように出力されます:

...
/sys/firmware/acpi/interrupts/gpe34:   30289   enabled  <-- this causes many interrupts
/sys/firmware/acpi/interrupts/gpe35:       3   enabled
...

無効化するには (root で実行):

# echo "disable" > /sys/firmware/acpi/interrupts/gpe34

これで CPU がアイドル状態のとき使用率が 0-2% まで下がります。

systemd サービスを使うことで上記の設定を自動化できます。

/etc/systemd/system/disable-interrupts.service を作成:

[Unit]
Description=Disable acpi interrupts
[Service]
ExecStart=/usr/bin/bash -c 'echo "disable" > /sys/firmware/acpi/interrupts/gpe34'
[Install]
WantedBy=multi-user.target

作成したら disable-interrupts.service systemd ユニットを有効化してください。

カーネルのロード後に画面が消える

Intel P-State ドライバーに問題がある古いカーネルで発生します。ドライバーのバグがある部分を無効化することで解決します。カーネルパラメータとして intel_pstate=no_hwp を追加してください。GRUB を使用している場合、/etc/default/grub ファイルを以下のように編集:

GRUB_CMDLINE_LINUX="intel_pstate=no_hwp"

設定できたら grub-mkconfig で設定ファイルを生成してください。

標準の Arch USB ISO ではブートメニューエントリを選択して Tab キーを押すことで編集できます。

画面が回転しない

"TearFree" オプションを有効にすると回転ができなくなる可能性があります。xrandr -o left で画面が表示されなくなったりエラーメッセージが表示されます (xrandr: Configure crtc 0 failed)。X.org の Intel ドライバーのバージョン 1:2.99.917+641+ge4ef6e9 以上ではバグは存在しません。ドライバーをアップグレードするか tear-free を無効化してください。