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[[ko:MATE]]
 
[[ko:MATE]]
 
[[ru:MATE]]
 
[[ru:MATE]]
[[zh-CN:MATE]]
+
[[zh-hans:MATE]]
 
{{Related articles start}}
 
{{Related articles start}}
{{Related2|GNOME|GNOME}}
+
{{Related|GNOME}}
{{Related2|Cinnamon|Cinnamon}}
+
{{Related|Cinnamon}}
 
{{Related|デスクトップ環境}}
 
{{Related|デスクトップ環境}}
 
{{Related|ディスプレイマネージャ}}
 
{{Related|ディスプレイマネージャ}}
  +
{{Related|Qt と GTK アプリケーションの外観の統合}}
 
{{Related articles end}}
 
{{Related articles end}}
   
[http://mate-desktop.org/ MATE のホームページ] より:
+
[https://mate-desktop.org/ MATE のホームページ] より:
   
 
:''MATE デスクトップ環境は GNOME2 のフォークであり、伝統的なやり方を好む Linux ユーザーに魅力的で直感的なデスクトップを提供します。新しい技術をサポートしつつ伝統的なデスクトップを維持するために MATE は[https://github.com/mate-desktop 活発に開発されています]。''
 
:''MATE デスクトップ環境は GNOME2 のフォークであり、伝統的なやり方を好む Linux ユーザーに魅力的で直感的なデスクトップを提供します。新しい技術をサポートしつつ伝統的なデスクトップを維持するために MATE は[https://github.com/mate-desktop 活発に開発されています]。''
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MATE は主に GNOME2 のアプリケーションとユーティリティで構成されており、GNOME 3 のアプリケーションとの衝突を避けるためにフォークされて名前が変更されています。以下は MATE で名前が変更された GNOME のアプリケーションの一覧です。
 
MATE は主に GNOME2 のアプリケーションとユーティリティで構成されており、GNOME 3 のアプリケーションとの衝突を避けるためにフォークされて名前が変更されています。以下は MATE で名前が変更された GNOME のアプリケーションの一覧です。
   
  +
{| class="wikitable"
* Alacarte は '''Mozo''' に名前が変更されました。
 
  +
! アプリケーション
* Nautilus は '''Caja''' に名前が変更されました。
 
  +
! GNOME 2
* Metacity は '''Marco''' に名前が変更されました。
 
  +
! MATE
* Gedit は '''Pluma''' に名前が変更されました。
 
  +
|-
* Eye of GNOME は '''Eye of MATE''' に名前が変更されました。
 
  +
| メニューエディタ
* Evince は '''Atril''' に名前が変更されました。
 
  +
| Alacarte
* File Roller は '''Engrampa''' に名前が変更されました。
 
  +
| style="font-weight: bold;" | Mozo
* GNOME Terminal は '''MATE Terminal''' に名前が変更されました。
 
  +
|-
  +
| ファイルマネージャ
  +
| Nautilus
  +
| style="font-weight: bold;" | Caja
  +
|-
  +
| ウィンドウマネージャ
  +
| Metacity
  +
| style="font-weight: bold;" | Marco
  +
|-
  +
| テキストエディタ
  +
| Gedit
  +
| style="font-weight: bold;" | Pluma
  +
|-
  +
| 画像ビューア
  +
| Eye of GNOME
  +
| style="font-weight: bold;" | Eye of MATE
  +
|-
  +
| ドキュメントビューア
  +
| Evince
  +
| style="font-weight: bold;" | Atril
  +
|-
  +
| アーカイブマネージャ
  +
| File Roller
  +
| style="font-weight: bold;" | Engrampa
  +
|}
   
 
GNOME の名を冠した他のアプリケーションや主要なコンポーネント (GNOME Panel, GNOME Menus など) はそのまま GNOME を MATE に変えられています (MATE Panel, Mate Menus など)。
 
GNOME の名を冠した他のアプリケーションや主要なコンポーネント (GNOME Panel, GNOME Menus など) はそのまま GNOME を MATE に変えられています (MATE Panel, Mate Menus など)。
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== インストール ==
 
== インストール ==
   
MATE は[[official Repositories|公式リポジトリ]]から使うことができ以下のパッケージから[[pacman|インストール]]できます:
+
MATE は[[公式リポジトリ]]から使うことができ以下のパッケージから[[pacman|インストール]]できます:
* {{Pkg|mate-panel}} パッケージは最小のデスクトップシェルを提供します。
 
 
* {{Grp|mate}} グループには標準的な MATE を使うのに必要なコアのデスクトップ環境が含まれています。
 
* {{Grp|mate}} グループには標準的な MATE を使うのに必要なコアのデスクトップ環境が含まれています。
 
* {{Grp|mate-extra}} グループには MATE デスクトップと統合された追加のユーティリティ・アプリケーションが含まれています。{{Grp|mate-extra}} グループをインストールするだけでは依存として {{Grp|mate}} グループ全体がインストールされることはありません。全ての MATE パッケージをインストールしたい場合は、両方のパッケージをインストールする必要があります。
 
* {{Grp|mate-extra}} グループには MATE デスクトップと統合された追加のユーティリティ・アプリケーションが含まれています。{{Grp|mate-extra}} グループをインストールするだけでは依存として {{Grp|mate}} グループ全体がインストールされることはありません。全ての MATE パッケージをインストールしたい場合は、両方のパッケージをインストールする必要があります。
  +
  +
基本的なデスクトップは {{Pkg|marco}}, {{Pkg|mate-panel}}, {{Pkg|mate-session-manager}} で構成されます。
   
 
=== 追加の MATE パッケージ ===
 
=== 追加の MATE パッケージ ===
   
必要とするユーザーが限られているために {{Grp|mate}} や {{Grp|mate-extra}} から省かれている追加のパッケージが存在し
+
以下は MATE コミュニティによって作成・管理されている非公式の MATE アプリケーションで、{{Grp|mate}} や {{Grp|mate-extra}} グループに含まれていません
 
* {{Pkg|mate-netbook}} パッケージにはネットブックなど画面が小さいデバイスで便利な MATE のパネルアプレットが入っています。このアプレットは自動的に全てのウィンドウを最大化しアプリケーションを切り替えるアプレットを提供します。
 
*{{Pkg|mate-user-share}} パッケージは WebDAV を使ったユーザーレベルの公開ファイル共有を提供します。
 
*{{AUR|mate-system-tools}} パッケージにはワークステーションの設定を簡素化するための MATE のツールセットが入っています。中には Arch Linux ではあまり役に立たないものも含まれます。
 
 
また、MATE コミュニティによって開発・メンテナンスされていて {{Grp|mate}} や {{Grp|mate-extra}} グループには含まれていない MATE アプリケーションも多数存在します。
 
 
* {{Pkg|mate-applet-lockkeys}} - CapsLock, NumLock, ScrollLock のオンオフを表示する MATE パネルアプレット。
 
* {{Pkg|mate-applet-softupd}} - ソフトウェアアップデートが来た時に通知する MATE パネルアプレット。
 
* {{Pkg|mate-applet-streamer}} - ワンクリックで好きなネットラジオを再生することができる MATE パネルアプレット。
 
* {{Pkg|mate-color-manager}} - MATE のカラーマネージメントアプリケーション。
 
* {{Pkg|mate-accountsdialog}} - MATE のユーザーアカウント情報の表示・編集アプリケーション。
 
* {{Pkg|mate-disk-utility}} - MATE のディスク管理アプリケーション。
 
* {{Pkg|mate-mplayer}} - MATE の mplayer フロントエンド。
 
* {{AUR|mate-nettool}} - 様々なネットワークツールの MATE インターフェイス。
 
* {{Pkg|mate-themes-extras}} - MATE の GTK2/3 デスクトップテーマのコレクション。
 
* {{Pkg|gnome-main-menu}} - 伝統的なメインメニューに似た mate-panel アプレット、機能が多少追加されています。
 
* {{Pkg|variety}} - ユーザーが定義した、もしくは自動でダウンロードされた画像を使って定期的に壁紙を変更します。
 
 
以下のパッケージは AUR から利用することができます。MATE と統合されていますが MATE チームによってメンテナンスはされていません。
 
 
* {{AUR|mintmenu}} - MATE の Linux Mint Menu。
 
 
== 1.6 から 1.8 へのアップグレード ==
 
 
アップグレードを実行してください:
 
 
pacman -Syu
 
 
全てのパッケージの置き換えに承認すると、以下のようになるはずです。
 
 
:: Starting full system upgrade...
 
:: Replace mate-document-viewer with community/atril? [Y/n] y
 
:: Replace mate-file-archiver with community/engrampa? [Y/n] y
 
:: Replace mate-file-manager with community/caja? [Y/n] y
 
:: Replace mate-file-manager-gksu with community/caja-extensions? [Y/n] y
 
:: Replace mate-file-manager-image-converter with community/caja-extensions? [Y/n] y
 
:: Replace mate-file-manager-open-terminal with community/caja-extensions? [Y/n] y
 
:: Replace mate-file-manager-sendto with community/caja-extensions? [Y/n] y
 
:: Replace mate-file-manager-share with community/caja-extensions? [Y/n] y
 
:: Replace mate-image-viewer with community/eom? [Y/n] y
 
:: Replace mate-menu-editor with community/mozo? [Y/n] y
 
:: Replace mate-text-editor with community/pluma? [Y/n] y
 
:: Replace mate-window-manager with community/marco? [Y/n] y
 
   
  +
* {{App|Dock Applet|MATE パネルのアプリケーションドック。|https://github.com/robint99/dock-applet|{{Pkg|mate-applet-dock}}}}
MATE 1.8 のアップグレードが完了したら削除できるパッケージがあります。MATE 1.8 では必要なくなった MATE 1.6 のライブラリです。
 
  +
* {{App|Online Radio Applet|ワンクリックで好きなネットラジオを再生することができる MATE パネルアプレット。|http://www.zavedil.com/online-radio-applet/|{{Pkg|mate-applet-streamer}}}}
  +
* {{App|MATE Menu|MATE パネル用の先進的なメニュー。MintMenu のフォーク。|https://github.com/ubuntu-mate/mate-menu|{{Pkg|mate-menu}}}}
  +
* {{App|MATE Tweak|MATE の設定ツール。mintDesktop のフォーク。|https://github.com/ubuntu-mate/mate-tweak|{{AUR|mate-tweak}}}}
  +
* {{App|BriskMenu|SolusOS ディストリビューションの MATE デスクトップ環境用の新しい効率的なメニュー。|https://github.com/solus-project/brisk-menu|{{AUR|brisk-menu}}}}
   
  +
また、Caja の高度な機能を活用するためにインストールする必要があるパッケージもあります。[[ファイルマネージャの機能]]を参照。
pacman -Rs libmatekeyring libmatewnck mate-character-map mate-keyring
 
   
  +
=== MATE 不安定版 ===
== 1.4 から 1.6 へのアップグレード ==
 
   
  +
コミュニティによって作られているパッケージ (参照: [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?pid=1624557#p1624557 フォーラム]):
MATE 1.6 は {{ic|gconf}} から {{ic|gsettings}} に移行しました。MATE 1.4 から更新すると、パネルが空になることがあります。この問題を解決するにはパネルの設定をデフォルトにリセットしてください:
 
   
  +
* {{AUR|mate-desktop-dev}} (https://github.com/nicman23/arch_mate)
# mate-panel --reset
 
 
その後、次のコマンドを実行して古い設定をリストアしてください:
 
 
# mate-conf-import
 
 
MATE 1.4 から MATE 1.6 へ更新した後は、MATE 1.6 で不要になった古い MATE 1.4 のライブラリを削除すると良いでしょう。これで MATE の起動時間が短縮できます:
 
 
# pacman -R ffmpegthumbnailer-caja libmate libmatecanvas libmatecomponent libmatecomponentui libmatenotify libmateui mate-conf mate-conf-editor mate-corba mate-mime-data mate-vfs python-corba python-mate python-mate-desktop
 
 
次を使うことでも孤立したパッケージを削除できます:
 
 
# pacman -R $(pacman -Qtdq)
 
 
{{note|全てのパッケージを削除するには孤立したパッケージを削除するコマンドを複数回実行する必要があります。}}
 
{{warning|要らなくなったライブラリを削除するときは必要なパッケージも削除してしまわないように注意してください。}}
 
   
 
== 起動 ==
 
== 起動 ==
118行目: 90行目:
 
=== グラフィカルログイン ===
 
=== グラフィカルログイン ===
   
[[Display Manager|ディスプレイマネージャ]]を使ってセッションリストから MATE を選んで下さい。MATE の開発者はディスプレイマネージャに GTK+ (2) greeter の [[LightDM|LightDM]] を推奨しています。{{Pkg|lightdm-gtk2-greeter}} パッケージでインストールできます
+
[[ディスプレイマネージャ]]を使ってセッションリストから MATE を選んで下さい。
   
 
=== 手動ログイン ===
 
=== 手動ログイン ===
129行目: 101行目:
 
これで {{ic|startx}} と入力することで MATE を起動できます。
 
これで {{ic|startx}} と入力することで MATE を起動できます。
   
logind セッションの維持など、詳細については [[xinitrc|Xinitrc]] を見て下さい。
+
logind セッションの維持など、詳細については [[xinitrc]] を見て下さい。
   
  +
== 設定 ==
== アクセシビリティ ==
 
   
  +
MATE の設定は ''Control Center'' アプリケーション (''mate-control-center'') から行うことができます。このアプリケーションは {{Pkg|mate-control-center}} パッケージに入っています。ハードウェアを管理したい場合、追加でツールをインストールする必要があります。
MATE は視覚や身体に障害を持つ人も使用することができます。{{Pkg|orca}} や {{Pkg|espeak}} (目が見えない人のためのスクリーンリーダー)、そして {{Pkg|onboard}} (身体に障害を持つ人のためのオンスクリーンキーボード) をインストールしてください:
 
   
  +
; オーディオ
# pacman -S orca espeak onboard
 
  +
: {{Pkg|mate-media}} パッケージは [[ALSA]] と [[PulseAudio]] バックエンドをサポートしています。
  +
; Bluetooth
  +
: [[Bluetooth]] 端末のサポートが必要な場合、{{Pkg|blueman}} パッケージをインストールしてください。[[Blueman]] を参照。
  +
; ネットワーク
  +
: ネットワークを設定したい場合、{{Pkg|network-manager-applet}} パッケージをインストールしてください。[[NetworkManager]] を参照。
  +
; 電源管理
  +
: {{Pkg|mate-power-manager}} パッケージは UPower バックエンドをサポートしています。
  +
; プリンター
  +
: プリンターを設定したい場合、{{Pkg|system-config-printer}} パッケージをインストールしてください。
  +
  +
=== アクセシビリティ ===
  +
  +
MATE は視覚や身体に障害を持つ人も使用することができます。{{Pkg|orca}} や {{Pkg|espeak}} (目が見えない人のためのスクリーンリーダー)、そして {{Pkg|onboard}} (身体に障害を持つ人のためのオンスクリーンキーボード) を[[インストール]]してください。
   
 
そして MATE を起動する前にアクセシビリティ機能が必要なユーザーで次のコマンドを実行してください:
 
そして MATE を起動する前にアクセシビリティ機能が必要なユーザーで次のコマンドを実行してください:
   
gsettings set org.mate.interface accessibility true
+
$ gsettings set org.mate.interface accessibility true
   
 
変更を適用するために再起動すれば {{ic|System -> Preferences -> Assistive Technologies}} からアクセシビリティアプリケーションを設定できます。
 
変更を適用するために再起動すれば {{ic|System -> Preferences -> Assistive Technologies}} からアクセシビリティアプリケーションを設定できます。
   
  +
=== 通知 ===
== ネットワーク管理 ==
 
   
  +
;バッテリーの放電
MATE でのネットワークの管理には [[NetworkManager|Network Manager]] を使うことが推奨されています。インストールと設定方法は wiki のページを見て下さい。
 
   
  +
バッテリー使用時の通知を無効にするには:
== Bluetooth ==
 
   
  +
$ gsettings set org.mate.power-manager.notify-discharging false
MATE 1.8 の [[Bluetooth|Bluetooth]] サポートは [http://mate-desktop.org/blog/2014-03-11-mate-desktop-singing-the-bluez/ Blueman の新バージョンの完成まで保留になっています]。詳細はあとでここに追記します。
 
   
  +
;輝度
== PulseAudio と GStreamer ==
 
   
  +
[[バックライト#カーネルコマンドラインオプション]]を見てください。
MATE は2つのオーディオバックエンドをサポートしています。[[PulseAudio|PulseAudio]] と [[GStreamer|GStreamer]] です。デフォルトでは、PulseAudio バックエンドがインストールされますが、GStreamer バックエンドに切り替えたい場合は次のコマンドを実行してください:
 
   
  +
== ヒントとテクニック ==
# pacman -S mate-settings-daemon-gstreamer mate-media-gstreamer
 
 
== Tips & Tricks ==
 
   
 
=== コンポジットを有効にする ===
 
=== コンポジットを有効にする ===
163行目: 146行目:
 
コンポジットはデフォルトでは有効になっていません。有効にするには {{ic|System -> Preferences -> Windows}} から {{ic|General}} タブの {{ic|Enable software compositing window manager}} の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行することでも有効にできます:
 
コンポジットはデフォルトでは有効になっていません。有効にするには {{ic|System -> Preferences -> Windows}} から {{ic|General}} タブの {{ic|Enable software compositing window manager}} の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行することでも有効にできます:
   
$ dconf write /org/mate/marco/general/compositing-manager true
+
$ gsettings set org.mate.Marco.general compositing-manager true
   
 
=== 新規ウィンドウの位置を変更する ===
 
=== 新規ウィンドウの位置を変更する ===
169行目: 152行目:
 
デフォルトで、新しいウィンドウが開く位置は左上に決まっています。新しいウィンドウを真ん中に持ってくるには、{{ic|System -> Preferences -> Windows}} から {{ic|Placement}} タブの {{ic|Center new windows}} の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行することでも変更できます:
 
デフォルトで、新しいウィンドウが開く位置は左上に決まっています。新しいウィンドウを真ん中に持ってくるには、{{ic|System -> Preferences -> Windows}} から {{ic|Placement}} タブの {{ic|Center new windows}} の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行することでも変更できます:
   
$ dconf write /org/mate/marco/general/center-new-windows true
+
$ gsettings set org.mate.Marco.general center-new-windows true
   
 
=== ウィンドウのスナップを有効にする ===
 
=== ウィンドウのスナップを有効にする ===
   
ウィンドウスナップはデフォルトでは有効になっていません。有効にするには {{ic|System -> Preferences -> Windows}} から {{ic|Placement}} タブの {{ic|Enable side by side tiling}} の横のボックスにチェックを入れて下さい。
+
ウィンドウスナップはデフォルトでは有効になっていません。有効にするには {{ic|System -> Preferences -> Windows}} から {{ic|Placement}} タブの {{ic|Enable side by side tiling}} の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行:
  +
  +
$ gsettings set org.mate.Marco.general side-by-side-tiling true
   
 
=== デスクトップアイコンを表示・隠す ===
 
=== デスクトップアイコンを表示・隠す ===
   
デフォルトで、MATE はデスクトップに複数のアイコンを表示します: デスクトップディレクトリの中身、コンピュータ、ホーム、ネットワークディレクトリ、ゴミ箱、マウントされたデバイス。{{ic|dconf}} を使ってアイコンを個別に、もしくはまとめて表示・隠すことができます。
+
デフォルトで、MATE はデスクトップに複数のアイコンを表示します: デスクトップディレクトリの中身、コンピュータ、ホーム、ネットワークディレクトリ、ゴミ箱、マウントされたデバイス。{{ic|gsettings}} を使ってアイコンを個別に、もしくはまとめて表示・隠すことができます。
   
 
==== 全てのデスクトップアイコンを隠す ====
 
==== 全てのデスクトップアイコンを隠す ====
   
$ dconf write /org/mate/desktop/background/show-desktop-icons false
+
$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons false
   
 
==== 個々のアイコンを隠す ====
 
==== 個々のアイコンを隠す ====
   
 
コンピューターのアイコンを隠す:
 
コンピューターのアイコンを隠す:
$ dconf write /org/mate/caja/desktop/computer-icon-visible false
+
$ gsettings set org.mate.caja.desktop computer-icon-visible false
   
 
ユーザーディレクトリのアイコンを隠す:
 
ユーザーディレクトリのアイコンを隠す:
$ dconf write /org/mate/caja/desktop/home-icon-visible false
+
$ gsettings set org.mate.caja.desktop home-icon-visible false
   
 
ネットワークのアイコンを隠す:
 
ネットワークのアイコンを隠す:
$ dconf write /org/mate/caja/desktop/network-icon-visible false
+
$ gsettings set org.mate.caja.desktop network-icon-visible false
   
 
ゴミ箱のアイコンを隠す:
 
ゴミ箱のアイコンを隠す:
$ dconf write /org/mate/caja/desktop/trash-icon-visible false
+
$ gsettings set org.mate.caja.desktop trash-icon-visible false
   
 
マウントボリュームのアイコンを隠す:
 
マウントボリュームのアイコンを隠す:
$ dconf write /org/mate/caja/desktop/volumes-visible false
+
$ gsettings set org.mate.caja.desktop volumes-visible false
   
 
逆にアイコンを表示させるには {{ic|false}} を {{ic|true}} に置き換えてください。
 
逆にアイコンを表示させるには {{ic|false}} を {{ic|true}} に置き換えてください。
204行目: 189行目:
 
=== MATE で他のウィンドウマネージャを使う ===
 
=== MATE で他のウィンドウマネージャを使う ===
   
MATE のデフォルトのウィンドウマネージャは GNOME 2 のウィンドウマネージャ {{pkg|metacity}} のフォークである ''marco'' です。様々な方法を使って ''marco'' を他のウィンドウマネージャに置き換えることが可能です:
+
MATE のデフォルトのウィンドウマネージャは GNOME 2 のウィンドウマネージャ {{pkg|metacity}} のフォークである ''marco'' です。以下の方法を使って ''marco'' を他のウィンドウマネージャに置き換えることが可能です:
   
  +
;gsettings を使う (推奨)
* ウィンドウマネージャをすげ替える一番簡単な方法は {{ic|mate-session-properties}} でウィンドウマネージャを自動起動する方法です。
 
   
  +
以下のコマンドを実行して MATE のウィンドウマネージャを指定してください、''wm-name'' は使用したいウィンドウマネージャの名前に置き換えてください (例: ''openbox'', ''metacity''):
''System'' メニューを開いて、''Preferences'' メニューまで行き '''Startup Applications''' をクリックしてください。ダイアログで '''Add''' をクリックして名前とコメントを入力して次のような形式でコマンドを追加してください: ''"name of window manager"'' ''"--replace"'' (例えば、openbox なら次のコマンドを使って下さい: {{ic|openbox --replace}})。
 
  +
$ gsettings set org.mate.session.required-components windowmanager ''wm-name''
   
  +
;MATE セッションの自動起動を使う
ログアウトしてからログインしなおせば ''marco'' は選んだウィンドウマネージャに置き換えられているはずです。''macro'' に戻すには '''Startup Applications''' で作ったエントリを削除してください。
 
   
  +
''mate-session-properties'' を使ってウィンドウマネージャを自動起動させることができます。自動起動されたウィンドウマネージャがログイン時にデフォルトになっていたウィンドウマネージャを置き換えます。''System'' メニューを開いて、''Preferences'' メニューまで行き ''Startup Applications'' をクリックしてください。ダイアログで ''Add'' をクリックして名前とコメントを入力して次のような形式でコマンドを追加してください: {{ic|''wm-name'' --replace}} (例えば、openbox なら次のコマンドを使って下さい: {{ic|openbox --replace}})。ログアウトしてからログインしなおせば ''marco'' は選んだウィンドウマネージャに置き換えられているはずです。''macro'' に戻すには ''Startup Applications'' で作ったエントリを削除してください。
* もしくは dconf で使いたいウィンドウマネージャを指定することも可能です:
 
   
  +
''marco'' を置き換えた後もいくつか設定が必要です。例えば、[[PC スピーカーのビープ音の無効化]]を見て下さい。
$ dconf write /org/mate/desktop/session/required-components/windowmanager "'mywindowmanager'"
 
   
  +
=== Caja にデスクトップを管理させないようにする ===
"mywindowmanager" は選んだウィンドウマネージャの名前に置き換えてください (例: ''openbox'', ''metacity'')。
 
   
  +
Caja にデスクトップを管理させないようにするには以下を実行してください:
* MATE のウィンドウマネージャ (marco) を終了して使いたいウィンドウマネージャを起動する (この方法は非推奨です!)
 
   
  +
$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons false
.xinitrc を以下のように編集してください:
 
  +
$ killall caja # Caja will be restarted by session manager
 
exec mate-session
 
killall marco
 
exec mywindowmanager
 
 
"mywindowmanager" は使いたいウィンドウマネージャの名前に置き換えてください。
 
 
{{note|この方法は {{ic|startx}} コマンドを使って MATE セッションを起動するときにしか使えません。ディスプレイマネージャを使っている場合は他の2つの方法を使って下さい。}}
 
   
 
=== ウィンドウのボタンの順番を変更する ===
 
=== ウィンドウのボタンの順番を変更する ===
   
dconf を使ってボタンを変更することができます。キーは {{ic|org.mate.marco.general.button-layout}} にあります。グラフィカルの dconf-editor を使うか dconf コマンドラインツールを使って変更してください:
+
グラフィカルの dconf-editor を使うか gsettings コマンドラインツールを使って変更してください:
   
$ dconf write /org/mate/marco/general/button-layout "'close,maximize,minimize:'"
+
$ gsettings set org.mate.Marco.general button-layout 'close,maximize,minimize:'
   
'''menu''', '''close''', '''minimize''', '''maximize''' をお望みの順番でカンマで区切って指定してください。コロンはウィンドウのタイトルになります (変更を適用するのに必要です)。
+
''menu'', ''close'', ''minimize'', ''maximize'' をお望みの順番でカンマで区切って指定してください。コロンはウィンドウのタイトルになります (変更を適用するのに必要です)。
   
 
=== ドライブをマウントしたらファイルマネージャを自動で開くのを止める ===
 
=== ドライブをマウントしたらファイルマネージャを自動で開くのを止める ===
   
デフォルトで、ドライブがマウントされたとき MATE は新しいファイルマネージャのウィンドウを自動で開きます。これを無効にするには、dconf で以下のキーを変更してください:
+
デフォルトで、ドライブがマウントされたとき MATE は新しいファイルマネージャのウィンドウを自動で開きます。これを無効にするには、gsettings で以下のキーを変更してください:
   
$ dconf write /org/mate/desktop/media-handling/automount-open false
+
$ gsettings set org.mate.media-handling automount-open false
  +
  +
自動マウントを無効化するには:
  +
  +
$ gsettings set org.mate.media-handling automount false
   
 
=== スクリーンセーバー ===
 
=== スクリーンセーバー ===
   
MATE は {{pkg|mate-screensaver}} を使ってセッションをロックします。デフォルトでは限られた数のロック画面しか使うことができません。もっと多くのロック画面を使うには、{{Pkg|mate-screensaver-hacks}} パッケージをインストールしてください。これで {{pkg|mate-screensaver}} で [[Xscreensaver]] のロック画面を使えるようになります。
+
MATE は {{pkg|mate-screensaver}} を使ってセッションをロックします。デフォルトでは限られた数のロック画面しか使うことができません。もっと多くのロック画面を使うには、{{AUR|mate-screensaver-hacks}} パッケージをインストールしてください。これで {{pkg|mate-screensaver}} で [[Xscreensaver]] のロック画面を使えるようになります。
   
 
=== ロック画面 & 既定の壁紙 ===
 
=== ロック画面 & 既定の壁紙 ===
263行目: 246行目:
 
X セッションを再起動して、変更を反映させて下さい。
 
X セッションを再起動して、変更を反映させて下さい。
   
=== Qt アプリケーションスタイル ===
+
=== Caja空間モード ===
   
  +
新しいフォルダは新しいウィンドウで開くようにするには (空間モード)、Caja の設定ダイアログを開いて、behaviour タブをクリックして 'Open each folder in its own window' オプションにチェックを入れて下さい。もしくは、以下のコマンドを実行することでも同じ設定が行われます:
Qt4 アプリケーションに MATE のテーマを継承させるには、以下を行なって下さい:
 
  +
$ gsettings set org.mate.caja.preferences always-use-browser false
   
  +
=== フォントの DPI 設定を変更 ===
* ''System -> Preferences -> Qt4 Config'' に行くかシェルから {{ic|qtconfig-qt4}} を実行
 
* '''GUI Style''' を {{ic|GTK+}} に変更する
 
* ''File --> Save''
 
   
  +
デスクトップを右クリックして ''Change desktop background > Fonts > Details > Resolution'' を選択することで MATE におけるフォントの DPI (dots per inch) を変更することができます。
詳しくは [[Uniform Look for Qt and GTK Applications]] を見て下さい。
 
  +
  +
=== アプリケーションメニューのアイコンを変更 ===
  +
  +
デフォルトでは、アプリケーションメニューのアイコンは {{ic|start-here}} に設定されています。別のアイコンを使いたい場合、アイコンを {{ic|/usr/local/share/pixmaps}} などのフォルダにコピーして次のコマンドを実行してください:
  +
$ gsettings set org.mate.panel.menubar icon-name ''icon''
  +
''icon'' はアイコンの名前に置き換えて下さい。アイコンの名前にファイルの拡張子を含めてはいけません。最後に、MATE Panel を再起動してください。
  +
  +
=== パネルの速度設定 ===
  +
  +
;表示が出たり消えるときの時間
  +
自動的に隠すようにしている場合にパネルが消えたり現れたりするのにかかる時間を調整したい場合、次のコマンドを実行:
  +
$ dconf write /org/mate/panel/toplevels/''panel''/(un)hide-delay ''time''
  +
''panel'' は ''top'' か ''bottom'' に、''time'' はミリ秒の値に置き換えて下さい (例: 300)。
  +
  +
;アニメーション速度
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パネルのアニメーションの速度を設定したい場合、次を実行:
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$ dconf write /org/mate/panel/toplevels/''panel''/animation-speed ''value''
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''panel'' は ''top'' か ''bottom'' に ''value'' は {{ic|"'fast'"}}, {{ic|"'medium'"}}, {{ic|"'slow'"}} のどれかに置き換えて下さい。
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=== caja-open-terminal で使用するターミナルを設定 ===
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{{ic|caja-open-terminal}} 拡張は GSettings を使って使用するターミナルを決定します。デフォルトは ''mate-terminal'' です。使用するターミナルを変更するには、以下のコマンドを実行してください:
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$ gsettings set org.mate.applications-terminal exec ''my-terminal''
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''my-terminal'' は実行したいターミナルの実行ファイルの名前に置き換えてください。例: ''xterm''。
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== トラブルシューティング ==
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=== コンポジットの切り替え ===
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nvidia のプロプライエタリドライバーとコンポジット型ウィンドウマネージャを使用している環境では、ソフトウェアによってグラフィックのレンダリングに問題が発生することがあります。
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コンポジット機能を簡単に切り替えられるようにしたい場合、以下のスクリプトをホームディレクトリのどこかに保存してください、例: {{ic|~/.scripts/compositing.sh}}:
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{{bc|<nowiki>
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#!/bin/bash
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if $(gsettings get org.mate.Marco.general compositing-manager) == "true"
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then
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gsettings set org.mate.Marco.general compositing-manager false
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else
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gsettings set org.mate.Marco.general compositing-manager true
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fi
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</nowiki>}}
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そしてこのファイルを実行するカスタムキーボードショートカットを作成してください。例: {{ic|Ctrl+Alt+C}} で {{ic|sh ~/.scripts/compositing.sh}} を実行。
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=== コンポジットの垂直同期 ===
  +
  +
Mate のウィンドウマネージャである ''marco'' は DRI3/Xpresent によってちらつきを抑えるソフトウェアコンポジットをサポートしています [https://github.com/mate-desktop/marco/issues/326]。
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グラフィックドライバーが DRI3 をサポートしていない場合 (例: NVIDIA のプロプライエタリドライバー)、''marco'' は ''OpenGL'' による垂直同期をサポートしていません。そのためコンポジットを有効にするとティアリングが発生することがあります [https://github.com/mate-desktop/marco/issues/91]。その場合は [[Compton]] など OpenGL をサポートしている別の[[Xorg#コンポジット|コンポジットマネージャ]]を使用してみてください。
   
 
=== カーソルテーマの修正 ===
 
=== カーソルテーマの修正 ===
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[Icon Theme]
 
[Icon Theme]
 
Inherits=mate
 
Inherits=mate
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=== LightDM でグラデーション背景を使う ===
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LightDM から MATE にシームレスな移行ができるように、デフォルトの MATE (1.8) の ''Stripes'' 壁紙を LightDM の背景としても使いたい場合、MATE がグレイスケール PNG から動的に作成することがわかり、それを LightDM がサポートしていないということが判明するでしょう。どうしても使いたい場合、{{ic|/org/mate/desktop/background/show-desktop-icons}} を一時的に {{ic|false}} を設定して、{{ic|System Tools}} メニューの {{ic|dconf-editor}} ツールを使うか、Alt-F2 を押して出る {{ic|Run Application}} から以下を実行してください:
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$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons false
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そしてダイアログから {{ic|killall mate-panel}} を実行してパネルが再度表示される前に {{ic|Print Screen}} を押します。LightDM にピッタリ合う画面サイズの PNG を保存する {{ic|Save As}} ダイアログが表示されます。その後、もう一度デスクトップアイコンを表示させるために次を実行してください:
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  +
$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons true
  +
  +
=== パネルの影の有効化 ===
  +
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競合状態があるために、コンポジットを有効にしても、MATE デスクトップにログインした後にパネルの影は表示されません [https://github.com/mate-desktop/mate-panel/issues/193]。
  +
  +
{{ic|/usr/share/applications/marco.desktop}} をコピーして遅延時間を追加してください:
  +
  +
{{hc|~/.local/share/applications/marco.desktop|2=
  +
X-MATE-Autostart-Phase='''Applications'''
  +
'''X-MATE-Autostart-Delay=2'''
  +
X-MATE-Provides=windowmanager
  +
X-MATE-Autostart-Notify=true
  +
}}
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  +
{{Note|遅延時間は applications フェイズでしか設定できません。{{ic|X-MATE-Autostart-Phase}} を {{ic|Applications}} に設定する必要があります。}}
  +
  +
効果がない場合は、遅延時間を増やしてください。
  +
  +
=== タスクバーのスクロールを無効化 ===
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MATE のパネルのウィンドウリストでは、マウスやタッチパッドを使ってウィンドウをスクロールすることができます。この機能は時には迷惑であったり、あるいは誤ってウィンドウをスクロールしてしまう可能性もあります。
  +
  +
MATE の設定からこの機能を無効化することはできませんが、[[Arch Build System]] を使って {{Pkg|libwnck3}} にパッチをあてることで無効化することが可能です。その場合、こちらの [https://pastebin.com/raw/q66p3dtj パッチ] を使って libwnck3 をリビルドしてください。パッチを適用してパッケージをリビルドする方法の詳細は [[ABS でパッチを適用#パッチの適用]]を参照。
  +
  +
=== at-spi-registryd によってログアウトやシャットダウンが遅くなる ===
  +
  +
ログアウトやシャットダウン時に、{{ic|A program is still running: at-spi-registryd.desktop}} というポップアップが表示されることがあります。''at-spi-registryd'' を起動しないようにすることでポップアップを回避できます。[[GTK+#accessibility bus に関する警告を表示させない]]を見てください。ただしアクセシビリティの機能に影響があるかもしれません。
   
 
== 参照 ==
 
== 参照 ==
   
* [http://mate-desktop.org MATE ホームページ]
+
* [https://mate-desktop.org MATE ホームページ]
* [http://wiki.mate-desktop.org/archlinux_custom_repo MATE wiki の Arch Linux]
+
* [https://wiki.mate-desktop.org/archlinux_custom_repo MATE wiki の Arch Linux]
* [http://mate-desktop.org/gallery/1.6/ ''MATE デスクトップスクリーンショット'']
+
* [https://mate-desktop.org/gallery/1.8/ ''MATE デスクトップスクリーンショット'']
 
* [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?pid=1018647 ''The MATE Desktop Environment''] - MATE に関する Arch Linux フォーラムの議論
 
* [https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?pid=1018647 ''The MATE Desktop Environment''] - MATE に関する Arch Linux フォーラムの議論

2018年6月14日 (木) 22:25時点における版

関連記事

MATE のホームページ より:

MATE デスクトップ環境は GNOME2 のフォークであり、伝統的なやり方を好む Linux ユーザーに魅力的で直感的なデスクトップを提供します。新しい技術をサポートしつつ伝統的なデスクトップを維持するために MATE は活発に開発されています

目次

MATE のアプリケーション

MATE は主に GNOME2 のアプリケーションとユーティリティで構成されており、GNOME 3 のアプリケーションとの衝突を避けるためにフォークされて名前が変更されています。以下は MATE で名前が変更された GNOME のアプリケーションの一覧です。

アプリケーション GNOME 2 MATE
メニューエディタ Alacarte Mozo
ファイルマネージャ Nautilus Caja
ウィンドウマネージャ Metacity Marco
テキストエディタ Gedit Pluma
画像ビューア Eye of GNOME Eye of MATE
ドキュメントビューア Evince Atril
アーカイブマネージャ File Roller Engrampa

GNOME の名を冠した他のアプリケーションや主要なコンポーネント (GNOME Panel, GNOME Menus など) はそのまま GNOME を MATE に変えられています (MATE Panel, Mate Menus など)。

インストール

MATE は公式リポジトリから使うことができ以下のパッケージからインストールできます:

  • mate グループには標準的な MATE を使うのに必要なコアのデスクトップ環境が含まれています。
  • mate-extra グループには MATE デスクトップと統合された追加のユーティリティ・アプリケーションが含まれています。mate-extra グループをインストールするだけでは依存として mate グループ全体がインストールされることはありません。全ての MATE パッケージをインストールしたい場合は、両方のパッケージをインストールする必要があります。

基本的なデスクトップは marco, mate-panel, mate-session-manager で構成されます。

追加の MATE パッケージ

以下は MATE コミュニティによって作成・管理されている非公式の MATE アプリケーションで、matemate-extra グループには含まれていません。

  • Dock Applet — MATE パネルのアプリケーションドック。
https://github.com/robint99/dock-applet || mate-applet-dock
  • Online Radio Applet — ワンクリックで好きなネットラジオを再生することができる MATE パネルアプレット。
http://www.zavedil.com/online-radio-applet/ || mate-applet-streamer
  • MATE Menu — MATE パネル用の先進的なメニュー。MintMenu のフォーク。
https://github.com/ubuntu-mate/mate-menu || mate-menu
  • MATE Tweak — MATE の設定ツール。mintDesktop のフォーク。
https://github.com/ubuntu-mate/mate-tweak || mate-tweakAUR
  • BriskMenu — SolusOS ディストリビューションの MATE デスクトップ環境用の新しい効率的なメニュー。
https://github.com/solus-project/brisk-menu || brisk-menuAUR

また、Caja の高度な機能を活用するためにインストールする必要があるパッケージもあります。ファイルマネージャの機能を参照。

MATE 不安定版

コミュニティによって作られているパッケージ (参照: フォーラム):

起動

MATE はディスプレイマネージャを使うか手動で起動することができます。

グラフィカルログイン

ディスプレイマネージャを使ってセッションリストから MATE を選んで下さい。

手動ログイン

コンソールから手動で MATE を起動したい場合は、次の行を ~/.xinitrc ファイルに追加してください:

~/.xinitrc
exec mate-session

これで startx と入力することで MATE を起動できます。

logind セッションの維持など、詳細については xinitrc を見て下さい。

設定

MATE の設定は Control Center アプリケーション (mate-control-center) から行うことができます。このアプリケーションは mate-control-center パッケージに入っています。ハードウェアを管理したい場合、追加でツールをインストールする必要があります。

オーディオ
mate-media パッケージは ALSAPulseAudio バックエンドをサポートしています。
Bluetooth
Bluetooth 端末のサポートが必要な場合、blueman パッケージをインストールしてください。Blueman を参照。
ネットワーク
ネットワークを設定したい場合、network-manager-applet パッケージをインストールしてください。NetworkManager を参照。
電源管理
mate-power-manager パッケージは UPower バックエンドをサポートしています。
プリンター
プリンターを設定したい場合、system-config-printer パッケージをインストールしてください。

アクセシビリティ

MATE は視覚や身体に障害を持つ人も使用することができます。orcaespeak (目が見えない人のためのスクリーンリーダー)、そして onboard (身体に障害を持つ人のためのオンスクリーンキーボード) をインストールしてください。

そして MATE を起動する前にアクセシビリティ機能が必要なユーザーで次のコマンドを実行してください:

$ gsettings set org.mate.interface accessibility true

変更を適用するために再起動すれば System -> Preferences -> Assistive Technologies からアクセシビリティアプリケーションを設定できます。

通知

バッテリーの放電

バッテリー使用時の通知を無効にするには:

$ gsettings set org.mate.power-manager.notify-discharging false
輝度

バックライト#カーネルコマンドラインオプションを見てください。

ヒントとテクニック

コンポジットを有効にする

コンポジットはデフォルトでは有効になっていません。有効にするには System -> Preferences -> Windows から General タブの Enable software compositing window manager の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行することでも有効にできます:

$ gsettings set org.mate.Marco.general compositing-manager true

新規ウィンドウの位置を変更する

デフォルトで、新しいウィンドウが開く位置は左上に決まっています。新しいウィンドウを真ん中に持ってくるには、System -> Preferences -> Windows から Placement タブの Center new windows の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行することでも変更できます:

$ gsettings set org.mate.Marco.general center-new-windows true

ウィンドウのスナップを有効にする

ウィンドウスナップはデフォルトでは有効になっていません。有効にするには System -> Preferences -> Windows から Placement タブの Enable side by side tiling の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行:

$ gsettings set org.mate.Marco.general side-by-side-tiling true

デスクトップアイコンを表示・隠す

デフォルトで、MATE はデスクトップに複数のアイコンを表示します: デスクトップディレクトリの中身、コンピュータ、ホーム、ネットワークディレクトリ、ゴミ箱、マウントされたデバイス。gsettings を使ってアイコンを個別に、もしくはまとめて表示・隠すことができます。

全てのデスクトップアイコンを隠す

$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons false

個々のアイコンを隠す

コンピューターのアイコンを隠す:

$ gsettings set org.mate.caja.desktop computer-icon-visible false

ユーザーディレクトリのアイコンを隠す:

$ gsettings set org.mate.caja.desktop home-icon-visible false

ネットワークのアイコンを隠す:

$ gsettings set org.mate.caja.desktop network-icon-visible false

ゴミ箱のアイコンを隠す:

$ gsettings set org.mate.caja.desktop trash-icon-visible false

マウントボリュームのアイコンを隠す:

$ gsettings set org.mate.caja.desktop volumes-visible false

逆にアイコンを表示させるには falsetrue に置き換えてください。

MATE で他のウィンドウマネージャを使う

MATE のデフォルトのウィンドウマネージャは GNOME 2 のウィンドウマネージャ metacity のフォークである marco です。以下の方法を使って marco を他のウィンドウマネージャに置き換えることが可能です:

gsettings を使う (推奨)

以下のコマンドを実行して MATE のウィンドウマネージャを指定してください、wm-name は使用したいウィンドウマネージャの名前に置き換えてください (例: openbox, metacity):

$ gsettings set org.mate.session.required-components windowmanager wm-name
MATE セッションの自動起動を使う

mate-session-properties を使ってウィンドウマネージャを自動起動させることができます。自動起動されたウィンドウマネージャがログイン時にデフォルトになっていたウィンドウマネージャを置き換えます。System メニューを開いて、Preferences メニューまで行き Startup Applications をクリックしてください。ダイアログで Add をクリックして名前とコメントを入力して次のような形式でコマンドを追加してください: wm-name --replace (例えば、openbox なら次のコマンドを使って下さい: openbox --replace)。ログアウトしてからログインしなおせば marco は選んだウィンドウマネージャに置き換えられているはずです。macro に戻すには Startup Applications で作ったエントリを削除してください。

marco を置き換えた後もいくつか設定が必要です。例えば、PC スピーカーのビープ音の無効化を見て下さい。

Caja にデスクトップを管理させないようにする

Caja にデスクトップを管理させないようにするには以下を実行してください:

$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons false
$ killall caja # Caja will be restarted by session manager

ウィンドウのボタンの順番を変更する

グラフィカルの dconf-editor を使うか gsettings コマンドラインツールを使って変更してください:

$ gsettings set org.mate.Marco.general button-layout 'close,maximize,minimize:'

menu, close, minimize, maximize をお望みの順番でカンマで区切って指定してください。コロンはウィンドウのタイトルになります (変更を適用するのに必要です)。

ドライブをマウントしたらファイルマネージャを自動で開くのを止める

デフォルトで、ドライブがマウントされたとき MATE は新しいファイルマネージャのウィンドウを自動で開きます。これを無効にするには、gsettings で以下のキーを変更してください:

$ gsettings set org.mate.media-handling automount-open false

自動マウントを無効化するには:

$ gsettings set org.mate.media-handling automount false

スクリーンセーバー

MATE は mate-screensaver を使ってセッションをロックします。デフォルトでは限られた数のロック画面しか使うことができません。もっと多くのロック画面を使うには、mate-screensaver-hacksAUR パッケージをインストールしてください。これで mate-screensaverXscreensaver のロック画面を使えるようになります。

ロック画面 & 既定の壁紙

次のファイルを作成することでロック画面の壁紙を変更できます:

/usr/share/glib-2.0/schemas/mate-background.gschema.override
[org.mate.background]
picture-filename='/path/to/the/background.jpg'

その後、スキーマを再コンパイルします:

# glib-compile-schemas /usr/share/glib-2.0/schemas/

X セッションを再起動して、変更を反映させて下さい。

Caja の空間モード

新しいフォルダは新しいウィンドウで開くようにするには (空間モード)、Caja の設定ダイアログを開いて、behaviour タブをクリックして 'Open each folder in its own window' オプションにチェックを入れて下さい。もしくは、以下のコマンドを実行することでも同じ設定が行われます:

$ gsettings set org.mate.caja.preferences always-use-browser false

フォントの DPI 設定を変更

デスクトップを右クリックして Change desktop background > Fonts > Details > Resolution を選択することで MATE におけるフォントの DPI (dots per inch) を変更することができます。

アプリケーションメニューのアイコンを変更

デフォルトでは、アプリケーションメニューのアイコンは start-here に設定されています。別のアイコンを使いたい場合、アイコンを /usr/local/share/pixmaps などのフォルダにコピーして次のコマンドを実行してください:

$ gsettings set org.mate.panel.menubar icon-name icon

icon はアイコンの名前に置き換えて下さい。アイコンの名前にファイルの拡張子を含めてはいけません。最後に、MATE Panel を再起動してください。

パネルの速度設定

表示が出たり消えるときの時間

自動的に隠すようにしている場合にパネルが消えたり現れたりするのにかかる時間を調整したい場合、次のコマンドを実行:

$ dconf write /org/mate/panel/toplevels/panel/(un)hide-delay time

paneltopbottom に、time はミリ秒の値に置き換えて下さい (例: 300)。

アニメーション速度

パネルのアニメーションの速度を設定したい場合、次を実行:

$ dconf write /org/mate/panel/toplevels/panel/animation-speed value

paneltopbottomvalue"'fast'", "'medium'", "'slow'" のどれかに置き換えて下さい。

caja-open-terminal で使用するターミナルを設定

caja-open-terminal 拡張は GSettings を使って使用するターミナルを決定します。デフォルトは mate-terminal です。使用するターミナルを変更するには、以下のコマンドを実行してください:

$ gsettings set org.mate.applications-terminal exec my-terminal

my-terminal は実行したいターミナルの実行ファイルの名前に置き換えてください。例: xterm

トラブルシューティング

コンポジットの切り替え

nvidia のプロプライエタリドライバーとコンポジット型ウィンドウマネージャを使用している環境では、ソフトウェアによってグラフィックのレンダリングに問題が発生することがあります。

コンポジット機能を簡単に切り替えられるようにしたい場合、以下のスクリプトをホームディレクトリのどこかに保存してください、例: ~/.scripts/compositing.sh:

#!/bin/bash
if $(gsettings get org.mate.Marco.general compositing-manager) == "true"
then
  gsettings set org.mate.Marco.general compositing-manager false
else
  gsettings set org.mate.Marco.general compositing-manager true
fi

そしてこのファイルを実行するカスタムキーボードショートカットを作成してください。例: Ctrl+Alt+Csh ~/.scripts/compositing.sh を実行。

コンポジットの垂直同期

Mate のウィンドウマネージャである marco は DRI3/Xpresent によってちらつきを抑えるソフトウェアコンポジットをサポートしています [1]

グラフィックドライバーが DRI3 をサポートしていない場合 (例: NVIDIA のプロプライエタリドライバー)、marcoOpenGL による垂直同期をサポートしていません。そのためコンポジットを有効にするとティアリングが発生することがあります [2]。その場合は Compton など OpenGL をサポートしている別のコンポジットマネージャを使用してみてください。

カーソルテーマの修正

カーソルテーマを修正するには、~/.icons/default/index.theme を編集して以下を含めて下さい:

[Icon Theme]
Inherits=mate

LightDM でグラデーション背景を使う

LightDM から MATE にシームレスな移行ができるように、デフォルトの MATE (1.8) の Stripes 壁紙を LightDM の背景としても使いたい場合、MATE がグレイスケール PNG から動的に作成することがわかり、それを LightDM がサポートしていないということが判明するでしょう。どうしても使いたい場合、/org/mate/desktop/background/show-desktop-icons を一時的に false を設定して、System Tools メニューの dconf-editor ツールを使うか、Alt-F2 を押して出る Run Application から以下を実行してください:

$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons false

そしてダイアログから killall mate-panel を実行してパネルが再度表示される前に Print Screen を押します。LightDM にピッタリ合う画面サイズの PNG を保存する Save As ダイアログが表示されます。その後、もう一度デスクトップアイコンを表示させるために次を実行してください:

$ gsettings set org.mate.background show-desktop-icons true

パネルの影の有効化

競合状態があるために、コンポジットを有効にしても、MATE デスクトップにログインした後にパネルの影は表示されません [3]

/usr/share/applications/marco.desktop をコピーして遅延時間を追加してください:

~/.local/share/applications/marco.desktop
X-MATE-Autostart-Phase=Applications
X-MATE-Autostart-Delay=2
X-MATE-Provides=windowmanager
X-MATE-Autostart-Notify=true
ノート: 遅延時間は applications フェイズでしか設定できません。X-MATE-Autostart-PhaseApplications に設定する必要があります。

効果がない場合は、遅延時間を増やしてください。

タスクバーのスクロールを無効化

MATE のパネルのウィンドウリストでは、マウスやタッチパッドを使ってウィンドウをスクロールすることができます。この機能は時には迷惑であったり、あるいは誤ってウィンドウをスクロールしてしまう可能性もあります。

MATE の設定からこの機能を無効化することはできませんが、Arch Build System を使って libwnck3 にパッチをあてることで無効化することが可能です。その場合、こちらの パッチ を使って libwnck3 をリビルドしてください。パッチを適用してパッケージをリビルドする方法の詳細は ABS でパッチを適用#パッチの適用を参照。

at-spi-registryd によってログアウトやシャットダウンが遅くなる

ログアウトやシャットダウン時に、A program is still running: at-spi-registryd.desktop というポップアップが表示されることがあります。at-spi-registryd を起動しないようにすることでポップアップを回避できます。GTK+#accessibility bus に関する警告を表示させないを見てください。ただしアクセシビリティの機能に影響があるかもしれません。

参照