MATE

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MATE のホームページ より:

MATE デスクトップ環境は GNOME2 のフォークであり、伝統的なやり方を好む Linux ユーザーに魅力的で直感的なデスクトップを提供します。新しい技術をサポートしつつ伝統的なデスクトップを維持するために MATE は活発に開発されています

MATE のアプリケーション

MATE は主に GNOME2 のアプリケーションとユーティリティで構成されており、GNOME 3 のアプリケーションとの衝突を避けるためにフォークされて名前が変更されています。以下は MATE で名前が変更された GNOME のアプリケーションの一覧です。

アプリケーション GNOME 2 MATE
メニューエディタ Alacarte Mozo
ファイルマネージャ Nautilus Caja
ウィンドウマネージャ Metacity Marco
テキストエディタ Gedit Pluma
画像ビューア Eye of GNOME Eye of MATE
ドキュメントビューア Evince Atril
アーカイブマネージャ File Roller Engrampa

GNOME の名を冠した他のアプリケーションや主要なコンポーネント (GNOME Panel, GNOME Menus など) はそのまま GNOME を MATE に変えられています (MATE Panel, Mate Menus など)。

インストール

MATE は公式リポジトリから使うことができ以下のパッケージからインストールできます:

  • mate-panel パッケージは最小のデスクトップシェルを提供します。
  • mate グループには標準的な MATE を使うのに必要なコアのデスクトップ環境が含まれています。
  • mate-extra グループには MATE デスクトップと統合された追加のユーティリティ・アプリケーションが含まれています。mate-extra グループをインストールするだけでは依存として mate グループ全体がインストールされることはありません。全ての MATE パッケージをインストールしたい場合は、両方のパッケージをインストールする必要があります。

追加の MATE パッケージ

必要とするユーザーが限られているために以下のパッケージは matemate-extra からは省かれています。

  • gnome-main-menu - 伝統的なメインメニューに似た mate-panel アプレット、機能が多少追加されています。
  • mate-netbook - パッケージにはネットブックなど画面が小さいデバイスで便利な MATE のパネルアプレット。このアプレットは自動的に全てのウィンドウを最大化しアプリケーションを切り替えるアプレットを提供します。

また、MATE コミュニティによって開発・メンテナンスされていて matemate-extra グループには含まれていない MATE アプリケーションも多数存在します。

  • mate-accountsdialog - MATE のユーザーアカウント情報の表示・編集アプリケーション。
  • mate-applet-lockkeys - CapsLock, NumLock, ScrollLock のオンオフを表示する MATE パネルアプレット。
  • mate-applet-streamer - ワンクリックで好きなネットラジオを再生することができる MATE パネルアプレット。
  • mate-color-manager - MATE のカラーマネージメントアプリケーション。
  • mate-disk-utility - MATE のディスク管理アプリケーション。
  • mate-screensaver-hacks - MATE のために xscreensaver のスクリーンセーバーを有効にする。
  • mate-themes-extras - MATE の GTK2/3 デスクトップテーマのコレクション。
  • variety - ユーザーが定義した、もしくは自動でダウンロードされた画像を使って定期的に壁紙を変更します。

以下のパッケージは AUR から利用することができます。MATE と統合されていますが MATE チームによるメンテナンスはされていません。

  • mintmenuAUR - MATE の Linux Mint Menu。

起動

MATE はディスプレイマネージャを使うか手動で起動することができます。

グラフィカルログイン

ディスプレイマネージャを使ってセッションリストから MATE を選んで下さい。MATE の開発者はディスプレイマネージャに GTK+ (2) greeter の LightDM を推奨しています。lightdm-gtk2-greeter パッケージでインストールできます。

手動ログイン

コンソールから手動で MATE を起動したい場合は、次の行を ~/.xinitrc ファイルに追加してください:

~/.xinitrc
exec mate-session

これで startx と入力することで MATE を起動できます。

logind セッションの維持など、詳細については Xinitrc を見て下さい。

アクセシビリティ

MATE は視覚や身体に障害を持つ人も使用することができます。orcaespeak (目が見えない人のためのスクリーンリーダー)、そして onboard (身体に障害を持つ人のためのオンスクリーンキーボード) をインストールしてください。

そして MATE を起動する前にアクセシビリティ機能が必要なユーザーで次のコマンドを実行してください:

gsettings set org.mate.interface accessibility true

変更を適用するために再起動すれば System -> Preferences -> Assistive Technologies からアクセシビリティアプリケーションを設定できます。

ネットワーク管理

MATE でのネットワークの管理には NetworkManager を使うことが推奨されています。インストールと設定方法は wiki のページを見て下さい。

Bluetooth

バージョン 1.8 から、MATE における Bluetooth のサポートは Blueman によって提供されています。

PulseAudio と GStreamer

MATE は2つのオーディオバックエンドをサポートしています。PulseAudioGStreamer です。デフォルトでは、PulseAudio バックエンドがインストールされますが、GStreamer バックエンドに切り替えたい場合は mate-settings-daemon-gstreamermate-media-gstreamerインストールしてください。

Tips & Tricks

コンポジットを有効にする

コンポジットはデフォルトでは有効になっていません。有効にするには System -> Preferences -> Windows から General タブの Enable software compositing window manager の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行することでも有効にできます:

$ dconf write /org/mate/marco/general/compositing-manager true

新規ウィンドウの位置を変更する

デフォルトで、新しいウィンドウが開く位置は左上に決まっています。新しいウィンドウを真ん中に持ってくるには、System -> Preferences -> Windows から Placement タブの Center new windows の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行することでも変更できます:

$ dconf write /org/mate/marco/general/center-new-windows true

ウィンドウのスナップを有効にする

ウィンドウスナップはデフォルトでは有効になっていません。有効にするには System -> Preferences -> Windows から Placement タブの Enable side by side tiling の横のボックスにチェックを入れて下さい。もしくは、ターミナルから以下を実行:

$ dconf write /org/mate/marco/general/side-by-side-tiling true

デスクトップアイコンを表示・隠す

デフォルトで、MATE はデスクトップに複数のアイコンを表示します: デスクトップディレクトリの中身、コンピュータ、ホーム、ネットワークディレクトリ、ゴミ箱、マウントされたデバイス。dconf を使ってアイコンを個別に、もしくはまとめて表示・隠すことができます。

全てのデスクトップアイコンを隠す

$ dconf write /org/mate/desktop/background/show-desktop-icons false

個々のアイコンを隠す

コンピューターのアイコンを隠す:

$ dconf write /org/mate/caja/desktop/computer-icon-visible false

ユーザーディレクトリのアイコンを隠す:

$ dconf write /org/mate/caja/desktop/home-icon-visible false

ネットワークのアイコンを隠す:

$ dconf write /org/mate/caja/desktop/network-icon-visible false

ゴミ箱のアイコンを隠す:

$ dconf write /org/mate/caja/desktop/trash-icon-visible false

マウントボリュームのアイコンを隠す:

$ dconf write /org/mate/caja/desktop/volumes-visible false

逆にアイコンを表示させるには falsetrue に置き換えてください。

MATE で他のウィンドウマネージャを使う

MATE のデフォルトのウィンドウマネージャは GNOME 2 のウィンドウマネージャ metacity のフォークである marco です。様々な方法を使って marco を他のウィンドウマネージャに置き換えることが可能です:

  • ウィンドウマネージャをすげ替える一番簡単な方法は mate-session-properties でウィンドウマネージャを自動起動する方法です。自動起動されたウィンドウマネージャがログイン時にデフォルトになっていたウィンドウマネージャを置き換えます。System メニューを開いて、Preferences メニューまで行き Startup Applications をクリックしてください。ダイアログで Add をクリックして名前とコメントを入力して次のような形式でコマンドを追加してください: "name of window manager" "--replace" (例えば、openbox なら次のコマンドを使って下さい: openbox --replace)。ログアウトしてからログインしなおせば marco は選んだウィンドウマネージャに置き換えられているはずです。macro に戻すには Startup Applications で作ったエントリを削除してください。
  • もしくは dconf で使いたいウィンドウマネージャを指定することも可能です:
$ dconf write /org/mate/desktop/session/required-components/windowmanager mywindowmanager

"mywindowmanager" は選んだウィンドウマネージャの名前に置き換えてください (例: openbox, metacity)。

Caja にデスクトップを管理させないようにするには [1]$PATH にスクリプトを作成してください:

/usr/local/bin/caja-run
#!/bin/bash
unset DESKTOP_AUTOSTART_ID && exec caja --no-desktop "$@"

このスクリプトの名前を caja にしてはいけません。スクリプトに chmod +x で実行属性を付与してデフォルトのファイルマネージャコマンドを置き換えます:

$ gsettings set org.mate.session.required-components filemanager "caja-run"

ウィンドウのボタンの順番を変更する

dconf を使ってボタンを変更することができます。キーは org.mate.marco.general.button-layout にあります。グラフィカルの dconf-editor を使うか dconf コマンドラインツールを使って変更してください:

$ dconf write /org/mate/marco/general/button-layout "'close,maximize,minimize:'"

menu, close, minimize, maximize をお望みの順番でカンマで区切って指定してください。コロンはウィンドウのタイトルになります (変更を適用するのに必要です)。

ドライブをマウントしたらファイルマネージャを自動で開くのを止める

デフォルトで、ドライブがマウントされたとき MATE は新しいファイルマネージャのウィンドウを自動で開きます。これを無効にするには、dconf で以下のキーを変更してください:

$ dconf write /org/mate/desktop/media-handling/automount-open false

スクリーンセーバー

MATE は mate-screensaver を使ってセッションをロックします。デフォルトでは限られた数のロック画面しか使うことができません。もっと多くのロック画面を使うには、mate-screensaver-hacks パッケージをインストールしてください。これで mate-screensaverXscreensaver のロック画面を使えるようになります。

ロック画面 & 既定の壁紙

次のファイルを作成することでロック画面の壁紙を変更できます:

/usr/share/glib-2.0/schemas/mate-background.gschema.override
[org.mate.background]
picture-filename='/path/to/the/background.jpg'

その後、スキーマを再コンパイルします:

# glib-compile-schemas /usr/share/glib-2.0/schemas/

X セッションを再起動して、変更を反映させて下さい。

Qt アプリケーションのスタイル

Qt4 アプリケーションに MATE のテーマを継承させるには、以下を行なって下さい:

* System -> Preferences -> Qt4 Config に行くかシェルから qtconfig-qt4 を実行
* GUI StyleGTK+ に変更する
* File --> Save

詳しくは Qt と GTK アプリケーションの外観の統合を見て下さい。

トラブルシューティング

コンポジットの切り替え

nvidia のプロプライエタリドライバーとコンポジット型ウィンドウマネージャを使用している環境では、ソフトウェアによってグラフィックのレンダリングに問題が発生することがあります。

コンポジット機能を簡単に切り替えられるようにしたい場合、以下のスクリプトをホームディレクトリのどこかに保存してください、例: ~/.scripts/compositing.sh:

#!/bin/bash
if $(dconf read /org/mate/marco/general/compositing-manager) == "true"
then
  dconf write /org/mate/marco/general/compositing-manager false
else
  dconf write /org/mate/marco/general/compositing-manager true
fi

そしてこのファイルを実行するカスタムキーボードショートカットを作成してください。例: Ctrl+Alt+Csh ~/.scripts/compositing.sh を実行。

コンポジットの垂直同期

marcoOpenGL による垂直同期をサポートしていません。そのためコンポジットを有効にするとティアリングが発生することがあります [2]。その場合は compton-gitAUR など OpenGL をサポートしている別のコンポジットマネージャを使用してみてください。

カーソルテーマの修正

カーソルテーマを修正するには、~/.icons/default/index.theme を編集して以下を含めて下さい:

[Icon Theme]
Inherits=mate

LightDM でグラデーション背景を使う

LightDM から MATE にシームレスな移行ができるように、デフォルトの MATE (1.8) の Stripes 壁紙を LightDM の背景としても使いたい場合、MATE がグレイスケール PNG から動的に作成することがわかり、それを LightDM がサポートしていないということが判明するでしょう。どうしても使いたい場合、/org/mate/desktop/background/show-desktop-icons を一時的に false を設定して、System Tools メニューの dconf Editor ツールを使うか、Alt-F2 を押して出る Run Application から以下を実行してください:

dconf write /org/mate/desktop/background/show-desktop-icons false

そしてダイアログから killall mate-panel を実行してパネルが再度表示される前に Print Screen を押します。LightDM にピッタリ合う画面サイズの PNG を保存する Save As ダイアログが表示されます。その後、もう一度デスクトップアイコンを表示させるために次を実行してください:

dconf reset /org/mate/desktop/background/show-desktop-icons

パネルの影の有効化

競合状態があるために、コンポジットを有効にしても、MATE デスクトップにログインした後にパネルの影は表示されません [3]

/usr/share/applications/marco.desktop をコピーして遅延時間を追加してください:

~/.local/share/applications/marco.desktop
X-MATE-Autostart-Phase=Applications
X-MATE-Autostart-Delay=2
X-MATE-Provides=windowmanager
X-MATE-Autostart-Notify=true
ノート: Delays are only allowed in the applications phase, hence X-MATE-Autostart-Phase must be set to Applications.

効果がない場合は、遅延時間を増やしてください。

参照