Mozc

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2013年11月16日 (土) 14:54時点におけるKusakata (トーク | 投稿記録)による版 (→‎mozc-fcitx)
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プロジェクトホームページより:

Mozc は Chromium OS、Windows、Mac、あるいは Linux など、マルチプラットフォームで動作するよう設計された日本語インプットメソッドエディタ (IME) であり、このオープンソースプロジェクトは Google 日本語入力 から派生したものです。Mozc と Google 日本語入力との差異は About Mozc で説明されています。 (簡単に言うと、Mozc は辞書やその関連データが Google 日本語入力と異なっているか省略されており、Google 日本語入力と同等の変換品質は持ちません)

インストール

無印 MozcAURUnofficial user repository を使うか、AUR から自分でビルドしてインストールできます。

ノート: Mozc は ibusインプットメソッドフレームワークを使用します。IBus のインストールや設定については IBus (日本語) を参照してください。

このパッケージは以下のコンポーネントからなっています:

パッケージ mozc 説明
グループ mozc-im
コンポーネント mozc Mozc サーバ
ibus-mozc IBus 用モジュール
emacs-mozc Emacs 用 Mozc (任意)
ヒント: 非公式パッケージを使用して、他のインプットメソッドフレームワークで Mozc を使用することもできます。

Unofficial user repository を使う

Mozc の Unoficcial user repository が用意されています。これを使用する場合は以下を /etc/pacman.conf に追加します:

[pnsft-pur]
SigLevel = Optional TrustAll
Server = http://downloads.sourceforge.net/project/pnsft-aur/pur/$arch
ノート: 用意されているのは現在 x86_64 用パッケージのみです。

そしてパッケージデータベースを更新します:

# pacman -Syy

インストールするパッケージは以下のようにグループ指定で選択することができます:

# pacman -S mozc-im

または、例えば以下のように直接指定します:

# pacman -S mozc ibus-mozc emacs-mozc

PKGBUILD を使ってコンパイル

自分で AUR からビルドする場合は以下の手順で行います。

まず mozc の tarball を AUR から入手するか、AUR ツールを使用し、必要であれば PKGBUILD を編集します。

$ wget https://aur.archlinux.org/packages/mo/mozc/mozc.tar.gz
$ tar xvf mozc.tar.gz
$ cd mozc

PKGBUILD の編集

Emacs で mozc.el を使用して日本語入力を行う場合は、_emacs_mozc= の行をコメントから解除してください:

## If you will be using mozc.el on Emacs, uncomment below.
_emacs_mozc="yes"

ビルドおよびインストール

PKGBUILD の編集が終わったら保存し、ビルド及びインストールします:

$ makepkg -s -i
ノート: AUR 支援ツールの中には、分割パッケージに対応していないために、作成したパッケージのうちの一つしかインストールしようとしないものがあるかもしれません。その場合、インストールに失敗したり必要なパッケージがインストールされません。その時でも (makepkg が正常終了している限り) パッケージファイル (*.pkg.tar.xz) 自体は作成されていますので、ツールがビルドに使用したパスから探してすべてインストールしてください。

Mozc を利用可能にする

X または IBus を再起動し、Mozc を利用できるようにします。

Mozc バリエーション on AUR

各パッケージは以下のように構成されています:

パッケージ mozc mozc-svn mozc-ut mozc-fcitx 説明
グループ mozc-im mozc-im-svn mozc-im mozc-im
コンポーネント mozc mozc-svn mozc-ut -- Mozc サーバ
ibus-mozc ibus-mozc-svn ibus-mozc-ut -- IBus 用モジュール (任意)
(uim-mozc) uim-mozc-svn uim-mozc-ut -- uim 用モジュール (任意)
N/A fcitx-mozc-svn N/A -- Fcitx 用モジュール (任意)
emacs-mozc emacs-mozc-svn emacs-mozc-ut -- Emacs 用 Mozc (任意)
-- -- -- mozc-fcitx mozc-fcitx パッケージ

uim-mozc

MozcAUR は IBus にしか対応していませんが、macuimuim-mozc プラグインを提供しています。uim-mozcAUR (AUR) が無印 Mozcmozc-utAUR で利用でき、mozc-svnAUR でもビルドできるようになっています (Input Japanese using uim を参照してください)。uim-mozc は他の Mozc パッケージと同様に Unoffical User Repository からインストールできます

mozc-ut

mozc-utAUR は Mozc に Mozc UT 辞書を追加します。これにより 35 万語以上がオリジナル辞書に追加されます。uim-mozc プラグインのビルドにも対応しています。

ノート:

mozc-svn

mozc-svnAUR は Mozc 公開 svn リポジトリを使用してビルドします。uim-mozc および fcitx-mozc プラグインのビルドも対応しています。特に理由のない限り、mozc または mozc-ut を使用してください。mozc-svnmozc とほとんど同じであり (公開されている svn リポジトリは実際は trunk ではなく mozc の公開バージョンがアップするタイミングでのみ更新されています)、makepkg にかかる時間はおそらく mozc-svn の方が長くなります。

mozc-fcitx

mozc-fcitxAURFcitx を使用する場合専用のパッケージです。

設定

IBus の設定に関しては IBus (日本語) を参照してください。

Mozc をデフォルトのインプットメソッドにするには、ibus-setup で設定します:

$ ibus-setup

「インプットメソッド」タブを選び、Mozc をインプットメソッドリストの先頭に移動します。

インプットメソッドの切り替えは、Alt + Shift_L (IBus のデフォルト) で行えます。

Emacs で Mozc を使う

mozc.el (mozc-mode) を使用し、LEIM (Library of Emacs Input Method) 経由で日本語を入力することができます。mozc-mode を使用するには、以下を .emacs.d/init.el あるいはその他の Emacs カスタム設定用ファイルに追加します:

(require 'mozc)  ; or (load-file "/path/to/mozc.el")
(setq default-input-method "japanese-mozc")

mozc.el は変換候補の表示スタイルに、候補のリストを入力中文字列のそばに表示する "overlay" モードを提供しています (Mozc r77以降)。このモードをデフォルトで利用する場合は、以下の設定を追加します:

(setq mozc-candidate-style 'overlay)

C-\ (toggle-input-method) で mozc-mode のオン/オフを切り替えます。

Emacs 上で C-SPC が IM のオン・オフで使われてしまうのを抑止する

デスクトップ環境上で IM のオン・オフのキー割り当てに C-SPC を設定しており、Emacs 上でもそちらが優先されて C-SPC/C-@ で set-mark-command が使えなくて困る、という場合は、~/.Xresources~/.Xdefaults に以下を追加します。

Emacs*UseXIM: false

Tips

現在使用している Mozc のバージョンを表示する

Mozc 起動中に "ばーじょん" と入力し変換すると、変換候補の中に現在の Mozc のバージョン番号が表示されます:

ばーじょん
バージョン
ヴァージョン
ばーじょん
Mozc-1.6.1187.102  ⇐ Mozc のバージョン
...

Mozc tool コマンド

Mozc tool は以下のコマンドで起動できます。

  • Mozc プロパティ:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=config_dialog
  • Mozc 辞書ツール:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=dictionary_tool
  • Mozc 単語登録:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=word_register_dialog
  • Mozc 手書き文字入力:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=hand_writing
  • Mozc 文字パレット:
    $ /usr/lib/mozc/mozc_tool --mode=character_palette

ASCII キーボードで CapsLock キーを英数キーとして使用する

Mozc のプリセットのキーバインドや多くの日本語入力メソッドでは、変換前入力中の英数入力切り替えは、英数キー、ひらがな/カタカナキー、あるいは無変換キーなどに割り当てられていますが、ASCII キーボードにそれらはありません。CapsLock キーに英数キー (Eisu_toggle) を割り当てることで日本語キーボードと同じように使用できます (Mozc は CapsLock キーを認識しないようです)。

以下の設定では、OADG キーボードと等価な、Eisu_toggle を CapsLock キーに、Caps_Lock を Shift + CapsLock キーに割り当てます。

警告: この設定はデスクトップ全体に作用します。

~/.Xmodmap を以下のように編集します:

keycode 66 = Eisu_toggle Caps_Lock
clear Lock

X 再起動するか、xmodmap コマンドを実行して編集を適用します:

$ xmodmap ~/.Xmodmap

トラブルシューティング

Mozc のビルドに失敗する (プロセスが強制終了される)

ビルドが以下のようなメッセージで異常終了した場合:

...
/bin/sh: 1 行:  xxxx 強制終了
...
make: *** [xxx/xxx ...] エラー 137
...

メモリ不足になっていないか確認してください。

Mozc をアップグレードし、X または IBus を再起動しても (リブートはしていない) 古い Mozc が動いている

古いバージョンの Mozc が終了されずにずっとメモリ上で動作しているのかもしれません。Mozc のプロセスを一度 kill してみてください:

$ killall mozc_server

関連項目