spectrwm

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spectrwm ウェブサイト より:

spectrwm は Xorg 用の小型の動的タイル型ウィンドウマネージャです。余計なことをしないようにすることで、貴重なスクリーン画面を一番重要なことだけに使うことができます。デフォルトで無難に使いこなすことができ、設定するのに何か言語を学ぶ必要はありません。ハッカーによるハッカーのためのウィンドウマネージャであり、小さくコンパクトに高速で動作することを希求しています。

Spectrwm は C 言語で書かれておりテキストファイルで設定を行います。以前は scrotwm という名前でした。

インストール

spectrwmAUR パッケージを インストール します。

起動

xinit を指定して spectrwm を実行します。

設定

spectrwm はまずユーザー個別のファイルである ~/.spectrwm.conf を開こうとします。ファイルが存在しない場合、次に全ユーザー共通の設定ファイルである /etc/spectrwm.conf を開きます。

任意で、spectrwm から (ユーザーのパスにある) baraction.sh を呼び出すことができ、ステータスメッセージを stdout に出力してステータスバーで使うことができます。

ノート: ステータス バーに使用可能なフォントを設定する必要があります。fc-list コマンドを使用してインストールされているフォントを確認し、ローカル設定ファイルの bar_font フィールドにフォントを設定します。例えば:
~/.spectrwm.conf
bar_font = xos4 Terminus:pixelsize=14

Mod キー (コマンドを実行するメインキー) は Mod4 に設定されており、普通は Mod4 は Super キーにあたります。

画面をロックするキーバインドも存在しており、デフォルトでは xlockmore パッケージの xlock が呼びだされます。

アイドル状態が一定時間続いた後に画面をロックするスクリーンセーバーや電源管理として xscreensaver を使うこともできます。

xtermxscreensaver のフォントや色などの設定を変更する方法は Xdefaults を見てください。アニメーションやディスプレイの電源管理を選択するには xscreensaver-demo を実行します。

キーバインドの設定

デフォルトのキーバインドは /etc/spectrwm/spectrwm_<<キーボードレイアウト>>.conf にあります。キーバインドをカスタマイズするには:

  • ~/.spectrwm.confkeyboard_mapping を /dev/null に設定
  • /etc/spectrwm/spectrewm_<<キーボードレイアウト>>.conf の内容をコピーして ~/.spectrwm.conf の後ろに貼り付け

マルチモニター (Xinerama)

Xrandr を使用しないでマルチモニターを設定するには、リージョンを作成してデスクトップ全体をモニターごとに一つのリージョンに分割します:

region                = screen[1]:1280x1024+0+0
region                = screen[1]:1280x1024+1280+0

ステータスバーの設定

ステータスバーを有効にするには、/etc/spectrwm.conf (もしくは ~/.spectrwm.conf) にある以下の2つのアイテムをアンコメントしてください。デフォルトではコメントアウトされてステータスバーは無効になっています。

bar_action              = baraction.sh
bar_delay               = 5

Bash スクリプト

ステータスバーをテストするには、先に ~/.bashrc ファイルの $PATH に追加した ~/scripts (あるいは ~/bin) ディレクトリに以下のシンプルな baraction.sh を追加してください:

#!/bin/bash
# baraction.sh script for spectrwm status bar

SLEEP_SEC=5  # set bar_delay = 5 in /etc/spectrwm.conf
COUNT=0
#loops forever outputting a line every SLEEP_SEC secs
while :; do
	let COUNT=$COUNT+1
        echo -e "         Hello World! $COUNT"
        sleep $SLEEP_SEC
done

Modkey+Q を押して spectrwm を再起動すれば数秒後にステータスバーに出力が確認できるはずです。この段階で問題が起こる場合、スクリプトに実行可能属性を付与して、コマンドラインからスクリプトをテストしてください。bar_action に指定したパスやファイル名も確認してください。

ステータスバーでは次のようなアイテムを追加することができます: イーサネットの状態, メール通知, ディスク容量, マウント, 再生中の曲 (mpc current)。

スクリプトで日付を表示することもでき、その場合は spectrwm に組み込まれている時計は無効にできます:

clock_enabled     = 0

Conky

bash スクリプトの代替として conky を使うことができます。テキスト文字列を stdout に出力して spectrwm から読み込めるように、conky はグラフィカルモードでは使わないようにします。まず conky をインストールしてください。AUR からカット版の "conky-cli" をインストールする必要はありません。

~/.spectrwm.conf で以下を設定:

bar_action = conky

そして各ユーザーの ~/.conkyrc ファイルに以下のように記述:

out_to_x no
out_to_console yes
update_interval 1.0
total_run_times 0
use_spacer none
TEXT
${time %R %a,%d-%#b-%y} |Mail:${new_mails} |Up:${uptime_short} |Temp:${acpitemp}C |Batt:${battery_short} |${addr wlan0} |RAM:$memperc% |CPU:${cpu}% | ${downspeedf wlan0}

他のステータスバー

他にも dzen2 を使ってステータスバーを作成する方法もあります。カラーやアイコンも使うことができるという利点がありますが、spectrwm とバーを統合することができないという欠点も存在します。現在のワークスペースの番号やレイアウト、バーを切り替えるキーバインドなどは使うことができません。"region" オプションを使うことでステータスバーで使用する画面領域を予約することができます。例えば画面の上部14ピクセルを予約するには spectrwm.conf の以下の部分を:

bar_enabled             = 1
region                  = screen[1]:1024x768+0+0

以下のように変更してください (解像度は適宜置き換えてください):

bar_enabled             = 0
region                  = screen[1]:1024x754+0+14

i3status などを使って情報を流し込みます:

$ i3status | dzen2 -fn -*-terminus-medium-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* &

上記のバーとは無関係に Spectrwm のバーは Meta+b で有効化・無効化できます。

スクリーンショット

Spectrwm にはキーバインドを使って screenshot.sh という名前のスクリプトを実行する機能があります。

Meta+s       for a full screenshot
Meta+Shift+s for a screenshot of a single window

まず scrot をインストールしてから、spectrwm パッケージに含まれているデフォルトスクリプトを $PATH が通っている場所にコピーしてください。例:

$ cp /usr/share/spectrwm/screenshot.sh ~/bin

画面ロック

デフォルトでは、ロックを行うキーバインド Mod+Shift+Delete では xlock を実行されます。

program[lock]      = xlock

xlock の代わりに xscreensaver を使うには:

program[lock]      = xscreensaver-command -lock

spectrwm を使う

  • スペースを節約するために、ウィンドウのタイトルバーは表示されません。ウィンドウのボーダーはたった1ピクセルです。ボーダーの色はフォーカスされると変化します。
  • レイアウトは動的に管理され即座に変更されます。標準のレイアウトは3つ存在します (スタッキングアルゴリズム): vertical, horizontal, maximized (ステータスバーの [|], [-], [ ] でレイアウトを確認できます)。
  • マスターエリア (ワーキングエリア) という概念が存在します。全てのウィンドウはマスターに切り替えることができ、そうするとマスターエリアに表示されます。vertical (horizontal) モードではマスターエリアは画面の左 (上) 側です。マスターエリアのサイズはキーで調整できます。デフォルトではマスターエリアに表示できるウィンドウは一つだけですが、増やすことも可能です。
  • マスターエリア以外の領域はスタッキングエリアと呼ばれます。新しいウィンドウはスタッキングエリアに追加されます。デフォルトでは vertical (horizontal) モードのスタッキングエリアは列 (行) は一つだけですが、増やすことも可能です。
  • ウィンドウはタイル管理から切り離してフローティングレイヤーに移動することができます。タイルにそぐわないプログラムで有用です。

キーバインド一覧:

Meta+Shift+Return: open terminal
Meta+p: dmenu (then type the start of the program name and return)
Meta+1/2/3/4/5/6/7/8/9/0: select workspaces 1-10
Meta+Shift+1/2/3/4/5/6/7/8/9/0: move window to workspace 1-10
Meta+Right/Left: select next/previous workspace
Meta+Shift+Right/Left: select next/previous screen
Meta+Spacebar: cycle through layouts (vertical, horizontal, maximized)
Meta+j/k: cycle through windows forwards/backwards
Meta+Tab/Meta+Shft+Tab: same as Meta+j/k
Meta+Return: move current window to master area
Meta+h/l:  increase/decrease size of master area

高度なスタッキング:

Meta+,/. : increase/decrease the number of windows in master area (default is 1)
Meta+Shift+,/. : increase/decrease number of columns(rows) in stacking area in vertical(horizontal) mode (default is 1)
Meta+Shift+j/k: swap window position with next/previous window
Meta+t: float<->tile toggle

マウスバインド:

Mouseover: focus window
Meta+LeftClick+Drag: move window (and float it if tiled)
Meta+RightClick+Drag: resize floating window
Meta+Shift+RightClick+Drag: resize floating window keeping it centred

他のキーバインド:

Meta+x: close window
Meta+Shift+x: kill window
Meta+b: hide/show status bar
Meta+q: restart spectrwm (reset desktops and reread spectrwm config without stopping running programs)
Meta+Shift+q: exit spectrwm

トラブルシューティング

ログインしても何も表示されない

Shift+WinKey+Return を押すと xterm が起動します。デフォルトのキーバインドは spectrwm(1) を見てください。また、設定ファイルをチェックしてください。

アクティブでないデスクトップでウィンドウが開く

現在、新しいウィンドウで使われるデスクトップはウィンドウの PID によって決定されます。新しいプロセスでターミナルを開いて引数を渡すことで、ターミナルで回避することができます。

startx を実行すると Xorg が終了します

xlockmore などのすべての依存関係がインストールされていることを確認してください。

トラブルシューティングのために、別の xsession 内の xinitrc に対して Xephyr を使用することもできます。

参照

  • spectrwm - spectrwm の公式ウェブサイト
  • #spectrwm at OFTC - 公式 IRC チャンネル
  • dmenu - dwm の開発者によるシンプルなアプリケーションランチャー