Ruby
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Ruby はシンプリシティと生産性に重点を置いた、オープンソースの動的なスクリプト言語です。
目次
Ruby のインストール
インストールするべき Ruby のバージョンはあなたが必要としているものによります。レガシーなアプリケーションをサポートするつもりなら、Ruby 2.0 や 1.9 をインストールしてください。新しいプロジェクトを初めるつもりなら、Ruby 2.1 が推奨です。利用可能な Ruby のバージョンと入手方法の概要を以下に述べます。
Ruby 2.1
Ruby 2.1 をインストールするには、ruby をインストールしてください。Ruby 2.1 には RubyGems が含まれています。
Ruby 2.0
Ruby 2.0 をインストールするには、AUR から ruby2.0AUR をインストールしてください。Ruby 2.0 には #RubyGems が含まれています。
Ruby 1.9
Ruby 1.9 をインストールするには、AUR から ruby1.9AUR をインストールしてください。Ruby 1.9 には #RubyGems が含まれています。
複数のバージョン
同じシステム上で複数のバージョン (例: 2.0.0-p0 と 1.9.3-p392) を動作させたい場合、一番簡単な方法は RVM, chruby, rbenv を使うことです。
ドキュメント
ri
コマンドラインツールでドキュメントを見るには、ruby-docs をインストールしてください。次のようにドキュメントを回覧できます: ri Array
, ri Array.pop
など (man-page と同じような感じです)。
RubyGems
RubyGems は Ruby のモジュール (Gem と呼ばれます) のためのパッケージマネージャで、Arch Linux における pacman に(多少は)相当します。上述の通り ruby に含まれています。
セットアップ
RubyGems を使用する前に、`ruby -e "print Gem.user_dir"`/bin
を $PATH
に追加する必要があります。以下の行を ~/.bashrc
に記述してください:
PATH="`ruby -e 'print Gem.user_dir'`/bin:$PATH"
使用方法
インストールされている gem を確認するには:
$ gem list
gem についての情報を得るには:
$ gem spec gem_name
デフォルトで、gem list
や gem spec
は --local
オプションを使います。つまりローカルのシステムだけで gem を検索します。これを --remote
フラグで上書きすることが可能です。そう、例えば mysql の gem を検索するには:
$ gem list --remote mysql
gem をインストールするには:
$ gem install mysql
ローカルのドキュメントが必要ない場合はスピードアップすることができます:
$ gem install mysql --no-document
インストールされている gem を全てアップデートするには:
$ gem update
gem をユーザー個別またはシステム共通でインストール
Arch Linux ではデフォルトで、gem
を実行したとき、gem はシステム共通 (/usr/lib/ruby/gems/
) ではなくユーザー個別 (~/.gem/ruby/
) にインストールされます。システム共通でインストールすると Pacman でインストールした gem と干渉する可能性があるため、Arch で gem を管理するときはユーザー個別のほうが適しているとされています。
--no-user-install
フラグを付けて gem
コマンドを root で実行することで Gem をシステム共通でインストールすることができます。/etc/gemrc
(システム共通) または ~/.gemrc
(ユーザー個別、システム共通設定を上書きします) にある --user-install
を --no-user-install
で置き換えることでこのフラグをデフォルトで設定可能です。
Bundler は gem をあなたのアプリケーションにパッケージングすることでこの問題をある程度解決します。bundler を使用するにあたって下のセクションを見て下さい。
Bundler
Bundler を使うことであなたのアプリケーションが依存している gem はどれか、さらに(任意で)その gem のバージョンは何でなければならないかを指定することができます。この記述があると、Bundler は必要な gem を全て (完全な gem の依存ツリーを含む) インストールして、後の点検のために結果をログに残します。デフォルトで、Bundler は gem を共有の場所にインストールしますが、あなたのアプリケーションに直接インストールすることも可能です。あなたのアプリケーションが実行されると、複数のバージョンの gem がインストールされている時でも、Bundler はそれぞれの gem の正しいバージョンを与えます。これにはわずかばかりの作業が必要です: アプリケーションは bundle exec
で呼び出される必要があり、あなたのアプリケーションのメインの実行ファイルに2行のボイラープレートコード(おまじない)を入れなくてはなりません。
Bundler をインストールするには:
$ gem install bundler
デフォルトで、Bundler は gem をシステム全体にインストールします。これは Arch での gem それ自体の挙動とは反対です。これを正すには、次を ~/.bashrc
に追加してください:
export GEM_HOME=$(ruby -e 'print Gem.user_dir')
新しい bundle を始めるには:
$ bundle init
次に (bundle init
によって作成された) 作業ディレクトリ内の Gemfile
を編集して必要な gem を記載してください:
Gemfile
gem "rails", "3.2.9" gem "mysql"
次を実行して gem を GEM_HOME
にインストールしてください:
$ bundle install
もしくは、次を実行して gem を作業ディレクトリ内の .bundle
にインストールしてください:
$ bundle install --path .bundle
あなたのメインの実行ファイルを編集するのを忘れないで下さい:
#!/usr/bin/env ruby # "This will automatically discover your Gemfile, and make all of the gems in # your Gemfile available to Ruby." http://bundler.io/rationale.html require 'bundler/setup' ...
最後に、あなたのプログラムを実行して下さい:
bundle exec <main_executable_name.rb>
pacman を使って RubyGems を管理する
gem
を使って gem を管理する代わりに、pacman
や AUR ヘルパーを使うこともできます。Ruby パッケージは ruby-[gemname] という命名規則にしたがっています。この方法では以下の利点があります:
- システムの他の部分と一緒に Gem が更新されます。その結果、
gem update
を実行する必要がなくなります:# pacman -Syu
だけで更新可能です。 - インストールした gem は、インストールしたユーザーだけでなく、システム全体で使うことができます。
gem が AUR に存在しない場合は、gem2archAUR や pacgemAUR を使って自動的にパッケージを作成し、pacman でインストールできます。
Quarry
Quarry は Arch Linux のための rubygems バイナリリポジトリを運営するためのオープンソースツール (GPL3 ライセンス) です。ソースは github でホストされています。
Arch の開発者 anatolik によって非公式の rubygems リポジトリが http://pkgbuild.com/~anatolik/quarry/ で運営されており、いまのところ x86 アーキテクチャのみサポートしています。このリポジトリには多数の人気 gem が含まれており、gem を追加するようリクエストを送ることもできます。バイナリパッケージリポジトリは AUR のソースパッケージよりも簡単に使用することが可能です。
リポジトリを有効にする方法は 非公式ユーザーリポジトリ#quarry を見て下さい。
有効にしたら必要な gem をインストールしてください: # pacman -S ruby-$gemname
。
質問がありましたら、プロジェクトアナウンスに送って下さい: https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=182729
バグレポートやコードの改善は github で送って下さい: https://github.com/anatol/quarry
参照
- Ruby - http://ruby-lang.org/
- Bundler - http://bundler.io/