トラックポイント
TrackPoint はキーボードの中央に位置するポインティングスティックに対する Lenovo の登録商標です。トラックポイントは xf86-input-evdev や xf86-input-libinput でサポートされています。Xorg では evdev ドライバーがデフォルトです。
デフォルトの Xorg ではクリックとポイントをサポートしていますが、中クリックやスクロールを使うには設定が必要です。
目次
GUI の設定
gpointing-device-settings パッケージをインストールしてください。
中ボタンのスクロール
xf86-input-libinput を使用する場合、デフォルトで中ボタンのスクロールが有効になります。
xf86-input-evdev を使用する場合、中ボタンのスクロールは xorg-xinput パッケージの xinput でサポートされます。例:
~/.xinitrc
tpset() { xinput set-prop "TPPS/2 IBM TrackPoint" "$@"; } tpset "Evdev Wheel Emulation" 1 tpset "Evdev Wheel Emulation Button" 2 tpset "Evdev Wheel Emulation Timeout" 200 tpset "Evdev Wheel Emulation Axes" 6 7 4 5 tpset "Device Accel Constant Deceleration" 0.95
タップで選択
TrackPoint ではタッチパッドのような tap-to-click 機能が使えます。手動で有効にするには:
# echo -n 1 > /sys/devices/platform/i8042/serio1/press_to_select
udev の設定ルール
以下のルールは起動時にトラックポイントの速度を上げてタップによる選択 (上を参照) を有効にします。値は自由に変更することができ、/sys/devices/platform/i8042/serio1/serio2/
のファイルに他の変更を加えることもできます。ルールはトラックポイントしか存在しないデバイスでも機能します。
/etc/udev/rules.d/10-trackpoint.rules
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="input", ATTR{name}=="TPPS/2 IBM TrackPoint", ATTR{device/sensitivity}="240"
Xorg の設定
トラックポイントで中マウスボタンを押すことによるスクロールを有効にするには、/etc/X11/xorg.conf.d/20-thinkpad.conf
を作成してください (TPPS/2 IBM TrackPoint
は xinput で確認できるデバイス名に置き換えてください):
Section "InputClass" Identifier "Trackpoint Wheel Emulation" MatchProduct "TPPS/2 IBM TrackPoint" MatchDevicePath "/dev/input/event*" Option "EmulateWheel" "true" Option "EmulateWheelButton" "2" Option "Emulate3Buttons" "false" Option "XAxisMapping" "6 7" Option "YAxisMapping" "4 5" EndSection
トラブルシューティング
トラックポイントが認識されない、あるいは数分後に認識される
カーネルのバグが原因です。参照: https://bugzilla.kernel.org/show_bug.cgi?id=33292
対処方法は psmouse
モジュールに proto=bare
を指定することです。ただし、これを設定するとクリックパッドによるスクロールと2本指の中クリックが無効化されてしまいます:
modprobe psmouse proto=bare