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Arch Linux は、[[Wikipedia:ja:x64|x86_64]] 向けに独自に開発された、あらゆる用途に対応できる万能 [[GNU_プロジェクト|GNU]]/Linux ディストリビューションです。Arch はローリングリリースモデルをベースとしており、常に最先端であるように努め、ほとんどのソフトウェアは最新の安定バージョンが提供されます。Arch は最小限の基本システムの状態でインストールされ、ユーザー自身が、ユーザーの理想とする環境のために必要なものだけをインストールして構築することができます。
[[zh-TW:Arch Linux]]
 
Arch Linux は、[[Wikipedia:ja:P6マイクロアーキテクチャ|i686]]/[[Wikipedia:ja:x64|x86_64]] 向けに独自に開発された、あらゆる用途に対応できる万能 GNU/Linux ディストリビューションです。その開発は、シンプリシティ、ミニマリズム、およびコードの簡潔性に焦点を当てています。Arch は最小限の基本システムの状態でインストールされ、ユーザー自身が、ユーザーの理想とする環境のために必要なものだけをインストールして構築することができます。GUI の構成設定ツールは公式には提供されず、ほとんどのシステム設定はシェル上でテキストファイルを編集することで行います。Arch はローリングリリースモデルをベースとしており、常に最先端であるように努め、ほとんどのソフトウェアは最新の安定バージョンが提供されます。
 
   
== 沿革 ==
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== 原則 ==
詳細は [[History of Arch Linux]] を参照。
 
   
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=== シンプルであること ===
Arch Linux はカナダ人プログラマー Judd Vinet によって立ち上げられました。最初の公式バージョン Arch Linux 0.1 は 2002年3月11日にリリースされました。Arch は完全に独自に開発されましたが、[http://slackware.com Slackware]、[http://www.crux.nu CRUX]、あるいは [http://ja.wikipedia.org/wiki/BSD BSD]など、他のシンプルなディストリビューションに影響を受けています。Judd Vinet は2007年10月1日までプロジェクトを率いましたが、他の趣味を追求するために辞任し、以降プロジェクトはアメリカ人プログラマー Aaron Griffin が率いています。
 
   
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Arch Linux はシンプリシティを、「不必要な追加や修正を行わない」ことと定義しています。Arch Linux はオリジナルの開発者([[Wikipedia:Upstream_(software_development)|アップストリーム]])のリリースしたままのソフトウェアを、最小限のディストリビューション固有(ダウンストリーム)の変更を加えて提供しています。アップストリームに取り入れられていないパッチは避けられ、Arch のダウンストリームパッチは、プロジェクトの次のリリースで廃止されるパックポートされたバグフィックスでほぼ構成されています。
== シンプルであること ==
 
   
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同じように、Arch はアップストリームの提供する設定ファイルを、ファイルパスの調整のような限定的なディストリビューション固有の問題の修正のみに留めて提供しています。単にパッケージがインストールされたからといって、自動でサービスを有効にするような自動化は追加しません。パッケージは、特定のケースでディスクスペースの無駄を省くといった、特に利点がある場合にのみ分割されます。GUI の構成設定ツールは公式には提供されず、ほとんどのシステム設定をシェル上やテキストエディタで行うことを推奨しています。
[[The Arch Way (日本語)]] の理念に則り、Arch Linux は、軽量、柔軟、シンプル、および UNIX ライクであることを目指しています。インストールでは i686/x86-64 用にコンパイルされた最小限 (非GUI) の環境が提供され、不必要なパッケージは含まれません。ユーザーは不要な、あるいは迷惑なパッケージを削っていくのではなく、あらかじめ選択されたデフォルトなどのない最小構成からシステムを作り上げることができます。Arch の設計哲学および実装は、最小構成のコンソールマシンから壮大で機能豊富なデスクトップ環境まで、要求されたいかなる種類のシステムへの拡張をも容易にします。どんな Arch システムにするかは''ユーザー''が決めるのです。
 
   
== 最新であること ==
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=== 最新であること ===
   
Arch Linux は、そのソフトウェアにシステムを破損させるような問題がない限り、常に最新の安定バージョンを提供するよう努めています。[[Wikipedia:Rolling release|ローリングリリース]] をベースとしたシステムは、一度インストールするだけでシステムの再インストールや次のバージョンへの複雑なシステムアップグレードなどを必要とせず、シームレスなアップグレードで継続して使用ることができます。一つのコマンドを実行するだけで、Arch システムは最新で最先端になります。
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Arch Linux は、そのソフトウェアにシステムを破損させるような問題がない限り、常に最新の安定バージョンを提供するよう努めています。[[Wikipedia:ja:ローリング・リリース|ローリングリリース]]をベースとしたシステムは、一度インストールすれば継続的なアップグレードで使用し続けることができます。
   
Arch は GNU/Linux ユーザーに、最新の安定版カーネルの他、[[systemd (日本語)|systemd]] init システム、ファイルシステム (Ext2/3/4, Reiser, XFS, JFS, BTRFS)、LVM2/EVMS、ソフトウェア RAID、udev サポートおよび initcpio (と [[mkinitcpio (日本語)|mkinitcpio]]) を含む多くの新しい機能を提供します。
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Arch は GNU/Linux ユーザーに、最新の安定版カーネルの他、[[systemd]] init システム、新しいファイルシステム、LVM2、ソフトウェア RAID、udev サポートおよび initcpio (と [[mkinitcpio]]) を含む多くの新しい機能を提供します。
   
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=== 実用的であること ===
== ソフトウェアパッケージング ==
 
   
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Arch は理想的なディストリビューションというよりは実用的なディストリビューションです。このページに書かれている原則はあくまで原則にすぎません。最終的に、設計上の決定は開発者の総意によって個別に行われます。事実に基づく技術的な分析と議論が重要なのであり、政治的・大衆的意見は意味を持ちません。
Arch は使いやすいバイナリ[[Wikipedia:ja:パッケージ管理システム|パッケージマネージャー]] [[pacman (日本語)|pacman]] に支えられており、一つのコマンドでシステム全体をアップグレードできます。Pacman は ''C'' 言語で開発されており、徹底的して軽量、シンプル、および高速であるよう設計されています。Arch はまた ports ライクな [[Arch Build System]] も提供しており、パッケージのソースからビルドおよびインストールが簡単に行え、その同期も一つのコマンドで行えます。あなたはシステム全体のリビルドでさえ一つのコマンドで行えるのです。
 
   
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Arch Linux のリポジトリにある数多くのパッケージとビルドスクリプトは、希望する人々にフリーでオープンソースなソフトウェアを提供するのと同じように、「イデオロギーよりも機能性」を選ぶ人々にプロプライエタリソフトウェアパッケージの選択の自由もサポートしています。
i686 および x86-64 アーキテクチャをサポートしている Arch [[Official Repositories (日本語)|公式リポジトリ]]はあなたのソフトウェア要求に応じる数千もの高品質なパッケージを提供しています。さらに、Arch は [[Arch User Repository (日本語)|Arch User Repository (AUR)]] を用意しコミュニティの拡大や貢献を促進しています。AUR にはユーザーがメンテナンスする何千もの PKGBUILD スクリプトが登録されており、''makepkg'' コマンドを使用してそれらパッケージをソースからコンパイルできます。それはまた自分自身のカスタムリポジトリを用意することも容易にしています。
 
   
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===ユーザー中心であること===
== ソースインテグリティ ==
 
   
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多くの GNU/Linux ディストリビューションが、より「ユーザーフレンドリ」であろうとしているのに対し、Arch Linux はこれまでも、そしてこれからも「ユーザー中心」でありつづけます。Arch はできるだけ多くの人にアピールするよりも、貢献している人のニーズを満たすことを目指しています。熟練の GNU/Linux ユーザーや、積極的にドキュメントを読んだり自分の問題を解決する“do-it-yourself”の姿勢を持った人をターゲットにしています。
Arch はパッチのあてられていない、いわゆるバニラソフトウェアを提供しています。パッケージは作者が配布しようと意図した純粋なソースから作成されます。ごく稀に起きるパッチ作業は、ローリングリリースモデルにおけるバージョンの不一致による深刻な障害を避けるためのものです。
 
   
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全てのユーザーはディストリビューションへ参加・貢献することを推奨されています。[https://bugs.archlinux.org/ バグ]の報告や修正の支援、パッケージを改善するパッチやコア[https://gitlab.archlinux.org/ プロジェクト]の開発支援はとても助けになります。Arch の開発者はボランティアであり、積極的に貢献することでチームの一部を担っていると感じることができるでしょう。''Archer'' は自由に[[Arch_User_Repository]]にパッケージを投稿したり、[[メインページ|ArchWiki ドキュメント]]の改善や拡充、[https://bbs.archlinux.jp/ フォーラム]・[https://lists.archlinux.org/mailman3/lists/ メーリングリスト]や[[IRC チャンネル]]での他のユーザーの問題解決の支援や意見交換をすることができます。Arch Linux は地球上の多くの人々に選ばれているオペレーティングシステムであり、様々な言語でのドキュメントの提供や作成を支援する[[国際コミュニティ]]がいくつも存在しています。
== コミュニティ ==
 
   
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=== 汎用であること ===
Arch コミュニティは、頼りになり、活発で、そして友好的です。すべての ''Archers'' はディストリビューションへの参加や貢献、コアソフトウェアの開発支援、パッケージのメンテナンス、[https://bugs.archlinux.org/ バグ]の報告や修正、[[Main Page (日本語)|ArchWiki ドキュメント]]の改善や拡充、[https://bbs.archlinux.org/ フォーラム]や[https://mailman.archlinux.org/mailman/listinfo/ メーリングリスト]や[[IRC Channels]]での他のユーザーの問題解決の支援や意見交換、あるいはだれかが自分で開発するアプリケーションなども含めた知識の共有などを勧めています。Arch Linux は地球上の多くの人々に選ばれているオペレーティングシステムであり、様々な言語でのドキュメントの提供や作成を支援する[[International Communities|国際コミュニティ]]がいくつか存在しています。
 
   
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Arch Linux は汎用のディストリビューションです。インストール時には、コマンドラインの環境のみが提供されています。不要なパッケージを削除するのではなく、[[Wikipedia:ja:x64|x86_64]]アーキテクチャ用の[[公式リポジトリ]]で提供されている何千もの高品質なパッケージを選ぶことでカスタムシステムを作り上げることができます。
もしこのコミュニティのアクティブメンバーになりたいと思ったら、[[Getting Involved (日本語)]] を読んでください。
 
   
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Arch はローリングリリースモデルで、軽量・シンプルで高速な[[Wikipedia:ja:パッケージ管理システム|パッケージマネージャ]] [[pacman]] に支えられており、一つのコマンドでシステム全体を継続的にアップグレードできます。また、Arch は ports ライクな [[Arch Build System]] も提供しており、パッケージのソースからビルドおよびインストールが簡単に行え、その同期も一つのコマンドで行えます。さらに、Arch は [[Arch User Repository|Arch User Repository (AUR)]] にはユーザーがメンテナンスする何千もの PKGBUILD スクリプトが登録されており、[[makepkg]] コマンドを使用してソースからインストール可能なパッケージにコンパイルできます。さらには、自分自身のカスタムリポジトリを用意することも容易にしています。
== まとめ ==
 
   
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== 歴史 ==
まとめますと: Arch Linux は何でも自分でできる、あるいはやりたい Linux® ユーザー向けにデザインされた、多用途でシンプルなディストリビューションです。パワフルかつ管理が容易で、サーバーやワークステーションに理想的なディストリビューションでもあります。あなたのお好みのままにできるのです。あなたが、私たちの GNU/Linux はこうあるべきだというビジョンに賛同されるなら、あなたは歓迎されますし、自由に使い、参加し、コミュニティに貢献するようおすすめします。ようこそ Arch へ!
 
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Arch コミュニティは一番有名で影響力のある Linux ディストリビューションの1つにまで成長・成熟を続け、その評価は長年に渡って受けた[[Arch Linux プレスカバレッジ|注目とレビュー]]によって裏付けられています。
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Arch の開発者は無給で、パートタイムのボランティアであり、Arch Linux をマネタイズする予定はありません。これからもあらゆる意味でフリーであり続けます。Arch の開発の歴史についてさらに調べたいという好奇心があるなら [https://web.archive.org/web/*/archlinux.org Internet Archive Wayback Machine の Arch のエントリ] や [https://www.archlinux.jp/news/ Arch Linux ニュースアーカイブ] を見てください。
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=== 初期 ===
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Judd Vinet (カナダ人プログラマーであり時折ギタリスト) が2001年の早くに Arch Linux の開発を開始しました。最初の公式リリース、Arch Linux 0.1 は2002年3月11日に公開されています。[http://www.slackware.com/ Slackware], [[Wikipedia:ja:Berkeley_Software_Distribution|BSD]], [http://www.pld-linux.org/ Polish Linux Distribution], [http://crux.nu/ CRUX] のすっきりとしたシンプリシティに[https://distrowatch.com/dwres.php?resource=interview-arch 影響を受け]、また、当時これらのディストリビューションにパッケージ管理が存在してなかったのに失望して、Vinet はこれらのディストリビューションと同じような方針で独自のディストリビューションを立ち上げたのです。彼は、パッケージのインストール・削除・アップグレードを自動的に処理する、[[pacman]] という名のパッケージ管理システムも書き上げました。
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=== 中期 ===
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[https://wiki.archlinux.org/images/8/8d/Archstats2002-2011.png フォーラムの投稿数やユーザー数、バグレポートの数のグラフ]から明らかなように、初期の Arch コミュニティは着実に成長していきました。さらに、Arch は早くから [https://www.osnews.com/story/4827 オープンでフレンドリで有益なコミュニティ] として知られています。
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=== ArchWiki の誕生 ===
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2005年7月8日には MediaWiki エンジンによる ArchWiki が[[ArchWiki:About#歴史|立ち上げられました]]。
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=== A. Griffin 時代の幕開け ===
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2007年の後半に、Judd Vinet は Arch 開発者として活発に参加することをやめ、[https://bbs.archlinux.org/viewtopic.php?id=38024 円滑にアメリカ人のプログラマー Aaron Griffin (Phrakture) へとトップが移りました]。
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=== Arch Install Scripts ===
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2012年7月15日にリリースされたインストールイメージからは、メニューによって操作する Arch Installation Framework が [https://www.archlinux.jp/news/install-media-20120715-released/ 廃止] されて代わりに Arch Install Scripts ({{Pkg|arch-install-scripts}}) が搭載されるようになりました。
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=== systemd 時代 ===
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2012年と2013年の間に伝統的な System V init システムが systemd によって置き換えられました [https://www.archlinux.jp/news/install-medium-20121006-introduces-systemd/][https://www.archlinux.jp/news/systemd-is-now-the-default-on-new-installations/][https://www.archlinux.jp/news/end-of-initscripts-support/][https://www.archlinux.jp/news/final-sysvinit-deprecation-warning/]。
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=== i686 サポートの廃止 ===
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2017年1月25日、開発者やコミュニティで使われなくなってきたことを受けて i686 アーキテクチャのサポートを段階的に廃止することが [https://www.archlinux.jp/news/phasing-out-i686-support/ アナウンス] されました。そして [https://www.archlinux.jp/news/the-end-of-i686-support/ 2017年11月末日] までにミラーから全ての i686 パッケージが削除されました。
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=== プロジェクトリーダーの展望と選出 ===
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2020年の始め、チームの努力により、 Arch Linux のスタッフは今後のリーダーを決定する新しいプロセスを考案しました。詳細は [[DeveloperWiki:プロジェクトリーダー]] を参照してください。
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A. Griffin の退任の決定により、後継者を選出する投票が行われました。2020年2月24日に結果が[https://www.archlinux.jp/news/the-future-of-the-arch-linux-project-leader/ 公開]され、 Levente Polyak が公式に選出されました。
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{{TranslationStatus|Arch Linux|2022-10-29|751950}}

2023年10月26日 (木) 02:09時点における最新版

Arch Linux は、x86_64 向けに独自に開発された、あらゆる用途に対応できる万能 GNU/Linux ディストリビューションです。Arch はローリングリリースモデルをベースとしており、常に最先端であるように努め、ほとんどのソフトウェアは最新の安定バージョンが提供されます。Arch は最小限の基本システムの状態でインストールされ、ユーザー自身が、ユーザーの理想とする環境のために必要なものだけをインストールして構築することができます。

原則

シンプルであること

Arch Linux はシンプリシティを、「不必要な追加や修正を行わない」ことと定義しています。Arch Linux はオリジナルの開発者(アップストリーム)のリリースしたままのソフトウェアを、最小限のディストリビューション固有(ダウンストリーム)の変更を加えて提供しています。アップストリームに取り入れられていないパッチは避けられ、Arch のダウンストリームパッチは、プロジェクトの次のリリースで廃止されるパックポートされたバグフィックスでほぼ構成されています。

同じように、Arch はアップストリームの提供する設定ファイルを、ファイルパスの調整のような限定的なディストリビューション固有の問題の修正のみに留めて提供しています。単にパッケージがインストールされたからといって、自動でサービスを有効にするような自動化は追加しません。パッケージは、特定のケースでディスクスペースの無駄を省くといった、特に利点がある場合にのみ分割されます。GUI の構成設定ツールは公式には提供されず、ほとんどのシステム設定をシェル上やテキストエディタで行うことを推奨しています。

最新であること

Arch Linux は、そのソフトウェアにシステムを破損させるような問題がない限り、常に最新の安定バージョンを提供するよう努めています。ローリングリリースをベースとしたシステムは、一度インストールすれば継続的なアップグレードで使用し続けることができます。

Arch は GNU/Linux ユーザーに、最新の安定版カーネルの他、systemd init システム、新しいファイルシステム、LVM2、ソフトウェア RAID、udev サポートおよび initcpio (と mkinitcpio) を含む多くの新しい機能を提供します。

実用的であること

Arch は理想的なディストリビューションというよりは実用的なディストリビューションです。このページに書かれている原則はあくまで原則にすぎません。最終的に、設計上の決定は開発者の総意によって個別に行われます。事実に基づく技術的な分析と議論が重要なのであり、政治的・大衆的意見は意味を持ちません。

Arch Linux のリポジトリにある数多くのパッケージとビルドスクリプトは、希望する人々にフリーでオープンソースなソフトウェアを提供するのと同じように、「イデオロギーよりも機能性」を選ぶ人々にプロプライエタリソフトウェアパッケージの選択の自由もサポートしています。

ユーザー中心であること

多くの GNU/Linux ディストリビューションが、より「ユーザーフレンドリ」であろうとしているのに対し、Arch Linux はこれまでも、そしてこれからも「ユーザー中心」でありつづけます。Arch はできるだけ多くの人にアピールするよりも、貢献している人のニーズを満たすことを目指しています。熟練の GNU/Linux ユーザーや、積極的にドキュメントを読んだり自分の問題を解決する“do-it-yourself”の姿勢を持った人をターゲットにしています。

全てのユーザーはディストリビューションへ参加・貢献することを推奨されています。バグの報告や修正の支援、パッケージを改善するパッチやコアプロジェクトの開発支援はとても助けになります。Arch の開発者はボランティアであり、積極的に貢献することでチームの一部を担っていると感じることができるでしょう。Archer は自由にArch_User_Repositoryにパッケージを投稿したり、ArchWiki ドキュメントの改善や拡充、フォーラムメーリングリストIRC チャンネルでの他のユーザーの問題解決の支援や意見交換をすることができます。Arch Linux は地球上の多くの人々に選ばれているオペレーティングシステムであり、様々な言語でのドキュメントの提供や作成を支援する国際コミュニティがいくつも存在しています。

汎用であること

Arch Linux は汎用のディストリビューションです。インストール時には、コマンドラインの環境のみが提供されています。不要なパッケージを削除するのではなく、x86_64アーキテクチャ用の公式リポジトリで提供されている何千もの高品質なパッケージを選ぶことでカスタムシステムを作り上げることができます。

Arch はローリングリリースモデルで、軽量・シンプルで高速なパッケージマネージャ pacman に支えられており、一つのコマンドでシステム全体を継続的にアップグレードできます。また、Arch は ports ライクな Arch Build System も提供しており、パッケージのソースからビルドおよびインストールが簡単に行え、その同期も一つのコマンドで行えます。さらに、Arch は Arch User Repository (AUR) にはユーザーがメンテナンスする何千もの PKGBUILD スクリプトが登録されており、makepkg コマンドを使用してソースからインストール可能なパッケージにコンパイルできます。さらには、自分自身のカスタムリポジトリを用意することも容易にしています。

歴史

Arch コミュニティは一番有名で影響力のある Linux ディストリビューションの1つにまで成長・成熟を続け、その評価は長年に渡って受けた注目とレビューによって裏付けられています。

Arch の開発者は無給で、パートタイムのボランティアであり、Arch Linux をマネタイズする予定はありません。これからもあらゆる意味でフリーであり続けます。Arch の開発の歴史についてさらに調べたいという好奇心があるなら Internet Archive Wayback Machine の Arch のエントリArch Linux ニュースアーカイブ を見てください。

初期

Judd Vinet (カナダ人プログラマーであり時折ギタリスト) が2001年の早くに Arch Linux の開発を開始しました。最初の公式リリース、Arch Linux 0.1 は2002年3月11日に公開されています。Slackware, BSD, Polish Linux Distribution, CRUX のすっきりとしたシンプリシティに影響を受け、また、当時これらのディストリビューションにパッケージ管理が存在してなかったのに失望して、Vinet はこれらのディストリビューションと同じような方針で独自のディストリビューションを立ち上げたのです。彼は、パッケージのインストール・削除・アップグレードを自動的に処理する、pacman という名のパッケージ管理システムも書き上げました。

中期

フォーラムの投稿数やユーザー数、バグレポートの数のグラフから明らかなように、初期の Arch コミュニティは着実に成長していきました。さらに、Arch は早くから オープンでフレンドリで有益なコミュニティ として知られています。

ArchWiki の誕生

2005年7月8日には MediaWiki エンジンによる ArchWiki が立ち上げられました

A. Griffin 時代の幕開け

2007年の後半に、Judd Vinet は Arch 開発者として活発に参加することをやめ、円滑にアメリカ人のプログラマー Aaron Griffin (Phrakture) へとトップが移りました

Arch Install Scripts

2012年7月15日にリリースされたインストールイメージからは、メニューによって操作する Arch Installation Framework が 廃止 されて代わりに Arch Install Scripts (arch-install-scripts) が搭載されるようになりました。

systemd 時代

2012年と2013年の間に伝統的な System V init システムが systemd によって置き換えられました [1][2][3][4]

i686 サポートの廃止

2017年1月25日、開発者やコミュニティで使われなくなってきたことを受けて i686 アーキテクチャのサポートを段階的に廃止することが アナウンス されました。そして 2017年11月末日 までにミラーから全ての i686 パッケージが削除されました。

プロジェクトリーダーの展望と選出

2020年の始め、チームの努力により、 Arch Linux のスタッフは今後のリーダーを決定する新しいプロセスを考案しました。詳細は DeveloperWiki:プロジェクトリーダー を参照してください。

A. Griffin の退任の決定により、後継者を選出する投票が行われました。2020年2月24日に結果が公開され、 Levente Polyak が公式に選出されました。

翻訳ステータス: このページは en:Arch Linux の翻訳バージョンです。最後の翻訳日は 2022-10-29 です。もし英語版に 変更 があれば、翻訳の同期を手伝うことができます。