HP Spectre x360 13-4231ng
デバイス | 状態 | モジュール |
ビデオ | 動作、設定を参照 | i915 |
ワイヤレス | 動作、問題を参照 | iwlwifi |
Bluetooth | 動作 | bluetooth |
オーディオ | 動作 | snd_hda_intel |
タッチパッド | 動作 | ? |
ウェブカメラ | 動作 | uvcvideo |
カードリーダー | 動作 | rtsx_pci |
無線スイッチ | 動作、問題を参照 | intel-hid |
ファンクション/マルチメディアキー | 動作 | ? |
この記事では HP Spectre x360 に関するハードウェア固有の設定や、カスタマイズ後に発生する問題を扱っています。設定は Arch Linux をインストールしてから行います。
ノートパソコン一般に関する記事や推奨事項はノートパソコンを見てください。
目次
ハードウェアの情報
ハードウェアオプション
HP Spectre x360 は発売されて既に数年が経っています。全体的な見た目は変わっていませんが、一部ハードウェアの構成は大きく変わっています。この記事で取り上げているのは2016年に発売された Intel Iris Graphics が搭載されたモデルです。ハードウェアの主要構成は以下のとおりです:
- Intel i7 Skylake 6560U と Intel Iris 540 Graphics (4100 では i7 6500 と Intel HD 520 Graphics が搭載されていました)
- 2560x1440 の OLED タッチスクリーン (4100 では LED の 1920x1080 でした)
- 500 GB M.2 SDD
- 8 GB RAM
4231 の lspci
00:00.0 Host bridge: Intel Corporation Skylake Host Bridge/DRAM Registers (rev 09) 00:02.0 VGA compatible controller: Intel Corporation Skylake Integrated Graphics (rev 0a) 00:13.0 Non-VGA unclassified device: Intel Corporation Device 9d35 (rev 21) 00:14.0 USB controller: Intel Corporation Sunrise Point-LP USB 3.0 xHCI Controller (rev 21) 00:14.2 Signal processing controller: Intel Corporation Sunrise Point-LP Thermal subsystem (rev 21) 00:16.0 Communication controller: Intel Corporation Sunrise Point-LP CSME HECI #1 (rev 21) 00:1c.0 PCI bridge: Intel Corporation Device 9d10 (rev f1) 00:1c.1 PCI bridge: Intel Corporation Device 9d11 (rev f1) 00:1c.4 PCI bridge: Intel Corporation Sunrise Point-LP PCI Express Root Port #5 (rev f1) 00:1f.0 ISA bridge: Intel Corporation Sunrise Point-LP LPC Controller (rev 21) 00:1f.2 Memory controller: Intel Corporation Sunrise Point-LP PMC (rev 21) 00:1f.3 Multimedia audio controller: Intel Corporation Sunrise Point-LP HD Audio (rev 21) 00:1f.4 SMBus: Intel Corporation Sunrise Point-LP SMBus (rev 21) 01:00.0 Unassigned class [ff00]: Realtek Semiconductor Co., Ltd. RTS5227 PCI Express Card Reader (rev 01) 02:00.0 Network controller: Intel Corporation Wireless 7265 (rev 61) 03:00.0 Non-Volatile memory controller: Samsung Electronics Co Ltd NVMe SSD Controller (rev 01)
インストール
Arch のインストールはほとんど問題ありません (セキュアブートを無効化してください、F10 で BIOS、F9 でブートオプションを変更できます) が、"fast boot" という名前の BIOS オプションは無効化する必要があります。BIOS でこのオプションが有効になっていると、何を選択しても Windows が起動してしまいます。USB で最新の Arch ISO (2016年6月) を起動すると、Arch の EFI ブートメニューでフリーズします。HDD に Arch をインストールして Windows を消去したら、高速ブートオプションを再度有効化できます。ただしオプションを有効にしても起動時間に違いはありません。
設定
輝度 / バックライト
/sys/class/backlight/intel_backlight
が存在しますがカーネル 4.6 と 4.7rc6 現在では機能しません。(acpi_os
などの) カーネルパラメータを使用しても問題は解決しません。有機 EL ディスプレイにはそもそもバックライトが存在しません。xrandr を使うことで画面の明るさを変えることができます。使用しているドライバーによって (Xorg に含まれている modesetting ドライバー、あるいは Intel Graphics の xf86-video-intel)、ディスプレイの名前は eDP-1 だったり eDP1 だったりします。xrandr
を使ってどちらの名前が使われているのか確認してください。以下は明るさを 50% に変更するコマンドです:
$ xrandr --output eDP1 --brightness .5
上記のコマンドは有機 EL 以外のディスプレイでも機能しますが、有機 EL 以外のディスプレイでは輝度を下げても消費電力が減ることはありません。詳しいテスト・計測をしたわけではありませんが、デフォルトの 100% から 50% 程度に輝度を下げることでバッテリーが数時間は長く持つようになるようです。
inotify
を使うことでホットキーによって輝度を調整できるようにすることができます (詳しくはバックライト#sysfs を変更しても明るさが変更されないを参照)。以下のスクリプトを使ってください:
#!/bin/sh path=/sys/class/backlight/intel_backlight luminance() { read -r level < "$path"/actual_brightness bc <<< "scale=10;$level/$max" } read -r max < "$path"/max_brightness xrandr --output eDP1 --brightness "$(luminance)" inotifywait -me modify --format "$path"/actual_brightness | while read; do echo $(luminance) xrandr --output eDP1 --brightness "$(luminance)" done
上記のスクリプトを使うには明るさを計算するために bc
パッケージをインストールする必要があります。スクリプトは /usr/share/bin/brightness
に保存してください (Arch ファイルシステム階層を参照)。以下のファイルを ~/.config/autostart/brightness.desktop
に配置することで GNOME でログイン時にスクリプトを実行することができます:
[Desktop Entry] Name=brightness GenericName=brightness Comment=adjust brightness using hotkeys Exec=/usr/local/bin/brightness Terminal=false Type=Application X-GNOME-Autostart-enabled=true
上記のスクリプトは問題なく機能しますが、他にも問題が多少存在します:
- 再起動後に Chromium などのプログラムを起動したときに輝度が 100% にリセットされます。
- ログインする前ではホットキーは使えません。
GNOME のスケーリング
ディスプレイの最大解像度は 2560x1440 です。GNOME はデフォルトで Y 軸の画面解像度が 1200 以上だった場合にスケーリングファクターを2にします [1]。そのままではボタンなどが大きすぎてしまいます。xrandr で以下のように設定してください:
$ xrandr --output eDP1 --scale 1.25x1.25 $ xrandr --output eDP1 --panning 3200x1800
上記のコマンドは2回に分けて実行してください。GNOME は設定を記憶しません。起動時に他のプログラムを起動している場合、ログイン後に上記の設定を自動起動スクリプトで実行するのは信頼性に欠けます。スリープを追加してもあまり当てにならないでしょう。テストが必要です。
ビデオドライバー
Intel Graphics に書かれているように Xorg に含まれている modesetting ドライバーを使用することが一部で推奨されています。Xorg 1.18.2 現在、Mesa のバージョン 12.0 未満ではドライバーの性能はお世辞にも良くはなく、特にウェブブラウジングやドキュメントをスクロールしたときなどに問題がありました。Spectre x360 では xf86-video-intel をインストールすることでパフォーマンスが著しく向上します。
問題
解像度以外の問題:
- Wifi は機能します。機内モードのホットキーも動作します。しかしながら、ホットキーにはおかしな挙動があります:
- コンソールで起動すると10秒ほど ^@ が連続して入力されることがあります。しばらくすると突然止まります。それまでログインができません。
- GDM で起動することで機内モードのホットキーは機能するようになります。特に問題はありません。すぐにログインできます。
- GNOME にログインした直後、ホットキーが勝手に動作して機内モードのオンオフが7秒ほど繰り返されます。
dmesg
の表示によれば wifi モジュールによって HardFault が発生しているようです。 - GDM でしばらく待機すれば、ホットキーの動作はログイン後に起こらなくなります。7秒間のタイマーは GDM でも進みます。