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[[Category:セキュリティ]] [[Category:ファイルシステム]] [[en:Disk quota]] [[Wikipedia:Disk quota|Wikipedia]] より: :'''ディスククォータ'''とはシステムの管理者によって設定されるファイルシステムの使用量の制限である。ディスクにクォータを設定することで限られたディスク資源を効果的に活用できる。 この記事ではディスククォータのインストールと設定方法について説明します。 == インストール == {{pkg|quota-tools}} パッケージを[[インストール]]してください。 == 使用方法 == まずは、{{ic|/etc/fstab}} を編集してファイルシステムのクォータマウントオプションを有効にしてください。例えば以下のエントリがあった場合: /dev/sda1 /home ext4 defaults 1 1 以下のように変更します: /dev/sda1 /home ext4 defaults''',usrquota''' 1 1 または、グループクォータマウントオプションも有効にする場合: /dev/sda1 /home ext4 defaults''',usrquota,grpquota''' 1 1 オプションを追加したら再マウントしてください: # mount -vo remount /home そしてクォータインデックスを作成してください: # quotacheck -vgum /home 複数のパーティションでクォータオプションを追加した場合、root で {{ic|quotacheck -vguma}} を使うこともできます。 {{Tip| コマンドを実行すると * {{ic|[...]Quotafile $FILE was probably truncated. Cannot save quota settings...}} となる場合は、以前に作成した {{ic|aquota*}} を削除してください。 * {{ic|quotacheck: Mountpoint (or device) /home not found or has no quota enabled. quotacheck: Cannot find filesystem to check or filesystem not mounted with quota option.}} となり、かつカスタムカーネルを使っている場合は、カーネルがクォータをサポートしていることを確認してください。 エラーが発生し続けているなら、 {{ic|-F vfsold}} または {{ic|-F vfsv0}} オプションを追加で試してみてください。なおカーネル 3.1.6-1 時点で、Arch では {{ic|vfsv1}} をもはやサポートしていません。 ファイルシステムを再マウントするときに * {{ic|mount: /home not mounted already, or bad option}} となるなら、クォータがすでに有効かもしれません。{{ic|quotaoff /home}} を root で実行してからもう一度再マウントを試してみてください。 }} 最後に、クォータを有効にしてください: # quotaon -av 上記の設定を行うと systemd ユニットの {{ic|quotaon.service}} と {{ic|systemd-quotacheck.service}} がディスククォータのチェックを行ってくれます [https://bugs.archlinux.org/task/31391]。{{ic|/etc/fstab}} のクォータマウントオプションがパースされると、両方のサービスが自動的に起動します。 == 設定 == {{Tip|パーティションに存在する 1K ブロックの数を確認するには {{ic|df}} コマンドを使ってください。}} {{ic|$USER}} は適当なユーザーに置き換えてください: {{hc|# edquota ''$USER''| Disk quotas for user '''$USER''' (uid 1000): Filesystem blocks soft hard inodes soft hard /dev/sda1 1944 0 0 120 0 0 }} {{note|グループクォータを編集する場合、{{ic|edquota -g $GROUP}} を使ってください。}} ;blocks: {{ic|$USER}} によって現在使われている 1k ブロック数。 {{note|ファイルシステムのブロックサイズとは無関係にブロックサイズは 1k に固定して設定されています。詳しくは [https://stackoverflow.com/questions/2506288/detect-block-size-for-quota-in-linux/2506311#2506311] を参照。}} ;inodes: {{ic|$USER}} によって使われているディレクトリ・ファイルのエントリ数。 ;soft: {{ic|$USER}} がパーティション上に作成できるブロック/inode の最大数。この数に達すると警告が表示され猶予時間のカウントダウンが開始します。"0" (ゼロ) に設定されている場合、制限無しです。 ;hard: {{ic|$USER}} がパーティション上に作成できるブロック/inode の最大数。"0" (ゼロ) に設定されている場合、制限無しです。 {{ic|soft}} リミットの猶予期間を設定するには: # edquota -t === 設定例 === 例えば以下の ''user1'' の設定の場合: {{hc|# edquota ''user1''| Disk quotas for user ''user1'' (uid ''1000''): Filesystem blocks soft hard inodes soft hard ''/dev/sda1'' 695879 10000 15000 6741 0 0 }} ''user1'' の使用容量が {{ic|soft}} リミットの 10MB を超えたときに、{{ic|edquota -t}} で設定した時間が経過した後、ソフトリミットが発動します。 {{ic|hard}} リミットはさらに厳しい制限を課します。ハードリミットまで達したらユーザーはデータを全く書き込めなくなります。 {{Warning|{{ic|hard}} リミットはユーザーやグループによって書き込まれる全てのファイルに適用されます。一時ファイルも書き込めなくなるため、アプリケーションを起動してもクラッシュしてしまう可能性があります。}} {{Tip|クォータの設定によって問題が発生する場合、まずは root コンソールから {{ic|edquota ''user1''}} でクォータを修正してみてください。もしくは、root で {{ic|quotaoff -a}} を実行することで全てのクォータを無効化することもできます。起動時に {{ic|1=quotacheck.mode=skip}} [[カーネルパラメータ]]を使用すると {{ic|systemd-quotacheck.service}} が一時的に無効化されます。}} == 管理 == クォータの制限と高度な操作。 === 基本 === 以下のコマンドを使うことで指定したパーティションのクォータを確認できます: # repquota /home ユーザーに適用されている全てのクォータを確認するには以下のコマンドを使ってください: # quota -u $USER グループの場合: # quota -g $GROUP === クォータの設定のコピー === ==== 別のユーザーにコピー ==== {{ic|''user1''}} から {{ic|''user2''}} にクォータの設定をコピーするには: # edquota -p ''user1'' ''user2'' クォータの設定を複数のユーザーにコピーしたい場合、コマンドの末尾に {{ic|''user3''}}, {{ic|''user4''}} とユーザーを追加することができます。 グループの設定をコピーする場合は {{ic|edquota -g -p ''group1'' ''group2'' ...}} とします。 ==== 全てのユーザーにコピー ==== {{ic|''user1''}} のクォータを設定してから999以上の UID を持つユーザー全てにクォータを適用: # edquota -p ''user1'' $(awk -F: '$3 > 999 {print $1}' /etc/passwd) === 他のコマンド === 便利なコマンドが存在します: * {{ic|repquota -a}} はディスクの使用状況を表示します。 * {{ic|warnquota}} は {{ic|/etc/warnquota.conf}} の設定に基づいて、クォータについてユーザーに警告します。 * {{ic|setquota}} はスクリプトから使うときに便利なクォータの設定コマンドです。 * {{ic|quotastats}} はクォータシステムに関する情報を表示します: {{hc|$ quotastats| Number of dquot lookups: 101289 Number of dquot drops: 101271 Number of still active inodes with quota : 18 Number of dquot reads: 93 Number of dquot writes: 2077 Number of quotafile syncs: 134518740 Number of dquot cache hits: 7391 Number of allocated dquots: 90 Number of free dquots: 2036 Number of in use dquot entries (user/group): -1946 }} == 参照 == * http://tldp.org/HOWTO/Quota.html * http://www.sf.net/projects/linuxquota/ * http://www.yolinux.com/TUTORIALS/LinuxTutorialQuotas.html * [https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/7/html/Storage_Administration_Guide/ch-disk-quotas.html RHEL7: Disk Quotas]
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