メールサーバーのソースを表示

[[Category:メールサーバー]]
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[[pt:Mail server]]
メールサーバーは複数のコンポーネントから構成されます。[[Wikipedia:ja:メール転送エージェント|メール転送エージェント]] (MTA) が [[Wikipedia:Simple Mail Transfer Protocol|SMTP]] を使ってメールを送受信します。受信されたメールは [[Wikipedia:ja:メール配送エージェント|メール配送エージェント]] (MDA) に渡されてメールボックスにメールが保存されます (通常は [[Wikipedia:ja:mbox|mbox]] または [[Wikipedia:ja:Maildir|Maildir]] 形式)。[[メールクライアント]] (MUA) を使ってリモートからメールにアクセスしたい場合、[[Wikipedia:Post Office Protocol|POP3]] や [[Wikipedia:IMAP|IMAP]] サーバーを稼働する必要があります。

{{Text art|<nowiki>
+---------+  SMTP  +---+   +---+               +----------------+
|Other MTA| <----> |MTA| --|MDA|-> Storage <-- |POP3/IMAP server|
+---------+        +---+   +---+               +----------------+
                     ^                                 ^
                     |     SMTP    +---+               |
                     +-------------|MUA|---------------+
                                   +---+
</nowiki>}}

== ソフトウェア ==

以下のソフトウェアは Sendmail を除いて全てメール配送エージェントを含みます。

* {{App|[[Exim]]|細かく設定ができるメール転送エージェント。|https://exim.org/|{{Pkg|exim}}}}
* {{App|[[OpenSMTPD]]|OpenBSD プロジェクトの一員のメール転送エージェント。|https://opensmtpd.org/|{{Pkg|opensmtpd}}}}
* {{App|[[Postfix]]|高速・管理しやすい・セキュアなメール転送エージェント。|http://www.postfix.org/|{{Pkg|postfix}}}}
* {{App|[[Sendmail]]|有名なメール転送エージェント。|http://www.sendmail.org/|{{AUR|sendmail}}}}

=== POP3/IMAP サーバー ===

* {{App|[[Courier]]|メール転送エージェント。POP3, IMAP, ウェブメールおよびメーリングリストを別々のコンポーネントとして提供。|https://www.courier-mta.org/|{{AUR|courier-mta}}}}
* {{App|[[Wikipedia:Cyrus IMAP server|Cyrus IMAP]]|カスタムメールスプールフォーマットを備えたメール転送エージェント。POP3 と IMAP サービスを提供。|https://www.cyrusimap.org/|{{AUR|cyrus-imapd}}}}
* {{App|[[Dovecot]]|セキュア・高速・簡単なセットアップを目指して書かれた IMAP と POP3 のサーバー。|https://dovecot.org/|{{Pkg|dovecot}}}}
* {{App|[[UW IMAP]]|IMAP/POP サーバー。|https://www.washington.edu/imap/|{{Pkg|imap}}}}

=== スタンドアロン MDA ===

* {{App|[[fdm]]|メールの配送とフィルタリングのためのシンプルなプログラム。|https://github.com/nicm/fdm|{{Pkg|fdm}}}}
* {{App|[[Procmail]]|メールのフィルタリング・ソート・保存を行うプログラム (メンテナンスされていません)。|http://www.procmail.org/|{{Pkg|procmail}}}}
* {{App|Maildrop|Courier メールサーバーによって使われているメールフィルター・メール配送エージェント。|https://www.courier-mta.org/maildrop/|{{AUR|courier-maildrop}}}}

[[Wikipedia:Comparison of e-mail servers]] も見てください。

== ポート ==

{| class="wikitable"プロトコル !! 暗号化
|-
| 他の MTA からメールを受信 || 25 || SMTP || STARTTLS
|-
|rowspan=2| MUA から投稿を受信 || 587 || SMTP || STARTTLS
|-
| 465 || [[Wikipedia:SMTPS|SMTPS]] || 黙示的な TLS
|-
|rowspan=4| MUA からメールにアクセス
| 110 || POP3 || STARTTLS
|-
| 995 || POP3S || 暗黙的 TLS
|-
| 143 || IMAP || STARTTLS
|-
| 993 || IMAPS || 暗黙的 TLS
|}

{{Note|暗黙的な TLS は [[Wikipedia:Opportunistic TLS|STARTTLS]] よりもセキュアです。後者は [[Wikipedia:ja:中間者攻撃|中間者攻撃]] に脆弱なためです。詳しくは [https://serverfault.com/questions/523804/is-starttls-less-safe-than-tls-ssl] や [[RFC:8314]] を参照。}}

== MX レコード ==

メールサーバーをホストするには [[Wikipedia:ja:ドメイン名|ドメイン]] の [[Wikipedia:ja:MXレコード|MX レコード]] でメール転送エージェントのドメイン名を指定する必要があります。MX レコードの値として使用するドメイン名は最低でもひとつの [[Wikipedia:A record|アドレスレコード]] (A, AAAA) にマッピングされている必要があり、[[RFC:2181#section-10.3|RFC 2181]] に準拠するため [[Wikipedia:CNAME record|CNAME レコード]] があってはいけません、レコードが存在すると一部のメールサーバーからメールが取得できなくなる可能性があります。DNS レコードの設定は基本的に [[Wikipedia:ja:レジストラ|ドメインレジストラ]] の設定インターフェイスから行います。

== TLS ==

{{Warning|[[Wikipedia:TLS|TLS]] を使用する場合は [[Transport Layer Security#サーバーサイドの推奨事項]]を見てください。}}

証明書の取得方法は [[OpenSSL]] を見てください。

== 認証 ==

[[Wikipedia:Email authentication|メールの認証方法]]は様々なものが存在します。

=== Sender Policy Framework ===

[[Wikipedia:ja:Sender Policy Framework|Wikipedia]] より:
:'''Sender Policy Framework''' ('''SPF''') とは、電子メールにおける送信ドメイン認証のひとつ。差出人のメールアドレスが他のドメイン名になりすまししていないか検出する技術である。 

あなたのドメインからメールが送られたことを他のメール転送エージェントが確認できるようにするため、[[Wikipedia:ja:Sender Policy Framework|Wikipedia の記事]] に書かれているように DNS TXT レコードを設定してください ([https://www.spfwizard.net/ オンラインウィザード] も存在します)。SPF を使って受信したメールを確認したい場合、SPF の実装を使うようにメール転送エージェントを設定する必要があります。[http://www.openspf.org/Implementations SPF の実装] は複数存在し {{Pkg|libspf2}}, {{Pkg|perl-mail-spf}}, {{Pkg|perl-mail-spf-query}} などが利用できます。

{|class="wikitable sortable"
|+ SPF 検証のサポート
! [[Courier]]
| {{Yes}} (内蔵)
|-
! [[Postfix]]
| {{G|[[Postfix#Sender Policy Framework|Yes]]}}
|-
! [[Sendmail]]
| {{G|[[Wikipedia:Milter|Milter]] と {{AUR|spfmilter-acme}} を使用}}
|-
! [[Exim]]
| {{Y|[https://github.com/Exim/exim/wiki/SPF 実験的なサポート] ({{Pkg|libspf2}} が必要)}}
|-
! [[OpenSMTPD]]
| {{No}}
|-
! [[Wikipedia:ja:Cyrus IMAP server|Cyrus IMAP]]
| {{C|?}}
|}

以下は SPF レコードを確認できるウェブサイトです:

* [http://www.kitterman.com/spf/validate.html SPF Record Checker]
* [http://www.appmaildev.com/en/spf SPF Email test]

{{Tip|SPF can even be helpful for domains not used to send email. Publishing a policy like {{ic|1=v=spf1 -all}} makes any mail server enforcing SPF reject emails from your domain name, thus preventing misuse.}}

=== Sender Rewriting Scheme ===

[[Wikipedia:ja:センダー・リライティング・スキーム|Sender Rewriting Scheme]] (SRS) は [[#Sender Policy Framework|Sender Policy Framework]] を破壊せずに転送されたメールのアドレスをセキュアに書き換えることができる仕組みです。

[[Postfix]] の場合、[[Postfix#Sender Rewriting Scheme]] を見てください。

=== DKIM ===

[[Wikipedia:ja:ドメインキー・アイデンティファイド・メール|DomainKeys Identified Mail]] (DKIM) はメールの偽装を防止するために作られたドメインレベルのメール認証方式です。

DKIM の実装として [[OpenDKIM]] や {{Pkg|dkimproxy}}{{Broken package link|パッケージが存在しません}} が利用できます。

== テスト ==
DNS レコードや配達できるかどうか、暗号化などをテストする方法は複数存在します。

=== 専用ツール ===

* {{Pkg|swaks}}

=== 専用ウェブサイト ===

簡単にテストできる便利なウェブサイトが存在します。

* https://mxtoolbox.com/
* http://ismyemailworking.com/
* https://www.mail-tester.com/ (無料では3回まで)
* https://www.checktls.com/
* https://pingability.com/zoneinfo.jsp

== ヒントとテクニック ==

ほとんどのメールサーバーは送信するメールにユーザーの IP アドレスと [[Wikipedia:ja:ユーザーエージェント|ユーザーエージェント]] を含めないように設定できます。

メールサーバーに追加できる機能として以下のようなものがあります:

* [[ClamAV]] によるメールのウイルスチェック
* [[SpamAssassin]] によるスパムの認識とフィルタリング
* [[Wikipedia:ja:Sieve|Sieve]] – メールフィルタリングプログラミング言語
* [[Roundcube]] や [[Squirrelmail]] などの [[Wikipedia:ja:Webメール|ウェブメール]]