「Android テザリング」の版間の差分
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2017年11月6日 (月) 20:45時点における版
テザリングとはスマートフォンのネットワーク接続を使って PC からインターネットにアクセスする手法です。Android 2.2 (Froyo) から USB テザリングと Wi-Fi アクセスポイントテザリングがネイティブでサポートされています。
目次
Wi-Fi アクセスポイント
Android 2.2 "Froyo" から (3G/4G モバイルネットワークに接続して) Android スマートフォンを Wi-Fi アクセスポイントとして使うことができるようになっています。
以下の設定で有効にすることができます:
- Settings > Wireless & networks > Internet tethering > Wi-Fi access point
- Settings > More... > Tethering & mobile hotspot > Mobile Wi-Fi hotspot
USB テザリング
Froyo (Android 2.2) 以降ではネイティブで USB テザリングが可能です。
- コンピュータをあらゆる無線・有線ネットワークから切断します
- USB ケーブルを使ってスマートフォンをコンピュータに接続します (USB 接続モード -- Phone Portal, メモリカードまたは充電のみ -- は重要ではありませんが、テザリング中に USB モードを変更することはできないので注意してください)
- スマートフォンからテザリングオプションを有効にします。以下の設定で有効にできます:
- Settings --> Wireless & Networks --> Internet tethering (最近のバージョンでは
Tethering & portable hotspot
) - Settings -> More... -> Tethering & mobile hotspot -> USB tethering
- Settings --> Wireless & Networks --> Internet tethering (最近のバージョンでは
- 次のコマンドを使って USB インターフェースがシステムによって認識されているか確認します:
$ ip link
- 以下のように
usb0
またはenp?s??u?
デバイスが表示されるはずです (ここでは enp0s20u3 デバイス):
# ip link
1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 65536 qdisc noqueue state UNKNOWN mode DEFAULT group default link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00 2: enp4s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UP mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether ##:##:##:##:##:## brd ff:ff:ff:ff:ff:ff 3: wlp2s0: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc mq state DOWN mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether ##:##:##:##:##:## brd ff:ff:ff:ff:ff:ff 5: enp0s20u3: <BROADCAST,MULTICAST> mtu 1500 qdisc noop state DOWN mode DEFAULT group default qlen 1000 link/ether ##:##:##:##:##:## brd ff:ff:ff:ff:ff:ff
- 最後に、このインターフェースを使ってネットワーク接続を設定します。例:
# dhcpcd enp0s20u3
- Wi-Fi ではなくモバイルデータ通信を使用する場合、課金後にスマートフォンの再起動が必要になることがあります。
systemd-networkd と udev を使う
systemd-networkd を使うことで接続した携帯をゲートウェイとして自動的に使うようにネットワークを設定できます。
/etc/udev/rules.d/90-android-tethering.rules
# Execute pairing program when appropriate ACTION=="add|remove", SUBSYSTEM=="net", ATTR{idVendor}=="18d1" ENV{ID_USB_DRIVER}=="rndis_host", SYMLINK+="android", RUN+="/usr/bin/systemctl restart systemd-networkd.service"
idVendor
の値はあなたの使用している携帯に合わせて変更してください。udevadm を使うことで確認できます:
$ udevadm info /sys/class/net/enp0s26u1u2
そして適当な systemd-networkd ファイルを作成:
/etc/systemd/network/50-enp0s26u1u2.network
[Match] Name=enp0s26u1u2 [Network] DHCP=ipv4
AziLink を使って USB テザリング
この方法はどんな古いバージョンの Android でも使うことができ、スマートフォンの root 化や改造を必要としません (Android 2.2 以降でも使えますが、あまり意味はありません)。ブラウザに変更をすることはありません。それどころか、全てのネットワークトラフィックはあらゆる PC アプリケーションにおいて透過的に処理されます (ICMP の ping は除く)。多少、スマートフォンの CPU を酷使することになります (パワフルな Acer Liquid でも 500 kBytes/sec のデータ通信をするには CPU を 50% 以上使うことになります)。
必要なツール
Arch では、openvpn パッケージをインストールする必要があります。adb ツールが含まれている android-tools パッケージとデバイスを認識させるのに必要な設定を行う /usr/lib/udev/rules.d/51-android.rules
ファイルが含まれている android-udev パッケージもインストールしてください。スマートフォン側では、azilink.apk アプリケーションが必要になります (azilink のホームページ)。コンピュータの OpenVPN と通信するための Java ベースの NAT です。
Arch Linux で携帯電話の接続を設定
sudo で adb を実行しなくてもよいように、USB デバイスを扱う権限をユーザーに付与します。設定を行うために、スマートフォンから USB デバッグを有効にして (Settings -> Applications -> Development -> USB debugging)、USB ケーブルでスマートフォンと PC を接続し、lsusb
コマンドを実行してください。デバイスが記載されているはずです。Acer Liquid の場合の出力例:
Bus 001 Device 006: ID 0502:3202 Acer, Inc.
それから、以下のファイルを作成してください (ciri はあなたの Linux ユーザーの名前に、0502 はあなたのスマートフォンのベンダー ID に置き換えてください):
/etc/udev/rules.d/51-android.rules
SUBSYSTEM=="usb", ATTR(idVendor)=="0502", MODE="0666" OWNER="ciri"
変更を適用するために root で udevadm control --reload
コマンドを実行します (もしくはコンピュータを再起動してください)。変更が適用されたことを確認するために、adb devices
を実行して 'unauthorized' ではなく 'device' と表示されることを確認してください。また、Linux PC から (root 以外の) 通常ユーザーで Android SDK の adb shell
コマンドを実行すると、携帯電話の方に unix プロンプトが表示されるはずです。
手順
携帯電話で AziLink アプリケーションを実行して下部の "About" を選択すると手順が表示されます。大筋は以下の通りです:
- 携帯電話の USB デバッグを有効にしてください (Settings -> Applications -> Development -> USB debugging)。
- 携帯電話を USB ケーブルで PC に接続してください。
- AziLink を実行して上部の Service active オプションにチェックを入れてください。
- Linux PC で以下のコマンドを実行:
$ adb forward tcp:41927 tcp:41927
# openvpn azilink.ovpn
設定ファイルの例 [1]:
azilink.ovpn
dev tun remote 127.0.0.1 41927 tcp-client ifconfig 192.168.56.2 192.168.56.1 route 0.0.0.0 128.0.0.0 route 128.0.0.0 128.0.0.0 socket-flags TCP_NODELAY keepalive 10 30 dhcp-option DNS 192.168.56.1
resolv.conf の中身を以下のように手動で更新する必要があります:
/etc/resolv.conf
nameserver 192.168.56.1
NetworkManager を使っている場合、OpenVPN を実行する前に停止させる必要があります。
EasyTether を使って USB テザリング
Linux の easytether クライアントソフトウェアを入手してください。以下のように設定・実行してください:
# pacman -U easytether-0.8.5-2-x86_64.pkg.tar.xz # easytether-usb # dhcpcd tap-easytether
接続するスマートフォンには Android アプリの EasyTether をインストールしてください。
Bluetooth でテザリング
Android (4.0 以降。前のバージョンでも出来ることあり) はアクセスポイントモードの Bluetooth パーソナルエリアネットワーク (PAN) に対応しています。
NetworkManager がこのアクションを実行できネットワークの初期化を処理します。詳しくはドキュメントを見て下さい。
もしくは: Bluetooth の記事の記述に従って、ペアリングをしてコンピュータと Android デバイスを接続できるようにしてから、次を実行 (デバイスのアドレス (AA_BB_CC_DD_EE_FF
) は置き換えて下さい):
$ dbus-send --system --type=method_call --dest=org.bluez /org/bluez/hci0/dev_AA_BB_CC_DD_EE_FF org.bluez.Network1.Connect string:'nap'
これでネットワークインターフェース bnep0
が作成されます。最後に、このインターフェースでネットワーク接続を設定してください。Android はデフォルトで DHCP を提供します。
SOCKS プロクシを使ってテザリング
このテザリング方法はスマートフォンから PC へのポートフォワーディングによって行います。ブラウジングだけに使うことができます。Firefox の場合、about:config
で network.proxy.socks_remote_dns
を true
に設定してください。
必要なツール
- android-tools と android-udev パッケージ
- スマートフォンから PC に接続するための USB 接続ケーブル
- Tetherbot または Proxoid のどちらか
手順
Tetherbot
[2] の Using the Socks Proxy の指示に従って下さい。
Proxoid
[3] で説明されている手順に従って下さい。