「JWM」の版間の差分
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2018年5月4日 (金) 23:37時点における版
JWM (Joe's Window Manager) は C で書かれた羽のように軽い Xorg 向けのウィンドウマネージャです。Joe Wingbermuehle によって活発に開発されています。Puppy Linux や Damn Small Linux といったディストリビューションのデフォルトウィンドウマネージャです。
JWM は通常状態で約 5 MB しかメモリを使用しません。2009年1月現在、公式リポジトリに含まれている JWM のパッケージの容量は 76 KB を切っており (dwm は 17 KB 以下)、インストールしても 171 KB にしかなりません (dwm は 68 KB)。さらに小さくなるようにコンパイルした場合、ディスク容量は約 136 KB、常駐メモリ使用量は 1500 KB を下回ります。
設定はシンプルな XML ファイル ~/.jwmrc
を使って行い、パネルやボタンのカスタマイズをサポートしています。また、システムトレイドックが同梱されています。
目次
インストール
JWM の起動
xinit プログラムを実行して X サーバーと JWM クライアントプログラムを起動してください:
$ xinit /usr/bin/jwm
もしくは、xinitrc に exec /usr/bin/jwm
を追加してください。詳しくはログイン時に X を起動を参照。
設定
サンプル設定ファイルが /etc/system.jwmrc
にあります。~/.jwmrc
を作成してください:
$ touch ~/.jwmrc
もしくは:
$ cp -i /etc/system.jwmrc ~/.jwmrc
このファイルを編集することで環境を作成します。利用できるタグ・属性・値の完全なリストは JWM Configuration を見て下さい。
選択タグの概要
JWM Configuration を参照。
ヒントとテクニック
<Tasklist> のコントラストの改善
デフォルトの <Tasklist>
の設定を変更することでデフォルトの <MenuStyle>
とアクティブ時の <WindowStyle>
のコントラストスタイルを調和させることができます:
<TaskListStyle><ActiveForeground>black</ActiveForeground><ActiveBackground>gray90:gray70</ActiveBackground></TaskListStyle> <TaskListStyle> <ActiveForeground>white</ActiveForeground> <ActiveBackground>#70849d:#2e3a67</ActiveBackground> </TaskListStyle>
ログアウトとリフレッシュ
<Exit/>
(Logout) は現在の X サーバーからログアウトするメニューコマンドです。
<Restart/>
(Refresh) は設定ファイルを再初期化してメニューとキーバインドを更新するメニューコマンドタグです。
<Restart/>
と <Exit/>
は以下のような記述を使うことで Ctrl+Alt
修飾キーにバインドすることができます:
<Key mask="CA" key="r">exec:jwm -restart</Key> <Key mask="CA" key="e">exec:jwm -exit</Key>
再起動とシャットダウン
systemd が入っている環境では Restart
と Poweroff
メニューオプションを使って再起動・シャットダウンできます。
<Program label="Restart">systemctl reboot</Program> <Program label="Poweroff">systemctl poweroff</Program>
もしくは、<Key>
を使ってコマンドを適当なキーにバインドしてください。
詳しくはユーザーにシャットダウンを許可を参照。
Conky
<StartupCommand>
から Conky を実行することで様々なデータを表示することが可能です (例: ノートパソコンのバッテリー残量や AC アダプタの状態)。xfdesktop が Conky と衝突することがあります。以下の方法で回避できます:
- Conky FAQ を見て
~/.conkyrc
を編集 ~/.jwmrc
で<Group>
Conky を作成して以下の<Option>
タグを指定:
<Group> <Class>Conky</Class> <Option>nolist</Option> <Option>noborder</Option> <Option>notitle</Option> <Option>sticky</Option> </Group>
最小ビルド
メニューアイコンを使わないようにしたり Xft フォントを無効化することで UI のレスポンスを少しだけ向上させることができます。さらに、カスタムビルドによって外部ライブラリのサポートを削除することで反応性が上がります。副次効果としてリソースの消費量も減ります。Xft サポートを有効にして Xft フォントを使うようにコンパイルした最小ビルドでは、常駐メモリを約 3MB、共有メモリを約 1.5 MB 使用します。Xft サポートを省いてコンパイルすると使用メモリがそれぞれ 1.5 MB 以下、約 1.2 MB になります。詳しくは Arch Build System のページを見て下さい。
PKGBUILD の例
PKGBUILD
pkgname=jwm pkgver=2.1.0 pkgrel=3 pkgdesc="A lightweight window manager for the X11 Window System" arch=('i686' 'x86_64') url="http://joewing.net/programs/jwm/" license=('GPL2') depends=('libx11') backup=('etc/system.jwmrc') source=(http://joewing.net/programs/jwm/releases/jwm-$pkgver.tar.bz2) md5sums=('e8fab21b2410eb82032b7c3472af642c') build() { cd "$srcdir/$pkgname-$pkgver" ./configure --prefix=/usr --sysconfdir=/etc --disable-fribidi \ --disable-confirm --disable-icons --disable-png \ --disable-xpm --disable-jpeg --disable-xinerama \ --disable-xft --disable-xrender --disable-debug make } package() { cd "$srcdir/$pkgname-$pkgver" make BINDIR="$pkgdir/usr/bin" MANDIR="$pkgdir/usr/share/man" \ SYSCONF="$pkgdir/etc" install }
最小フォント
<WindowStyle> -*-fixed-*-r-*-*-10-*-*-*-*-*-*-* <TaskListStyle> -*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-* <TrayStyle> -*-fixed-*-r-*-*-13-*-*-*-*-*-*-*
- 詳しくは
xfontsel
の man ページや X Logical Font Description の記事を読んで下さい。
手動タイル
Poor Man's Tiling Window Manager を使うことで JWM にタイリングのサポートを追加することができます。manage.py
に PATH
を通すことで、様々なタイリング操作をキーに割り当てることができます。例:
<Key mask="H" key="Up">exec:manage.py swap</Key> <Key mask="H" key="Down">exec:manage.py cycle</Key> <Key mask="H" key="Left">exec:manage.py left</Key> <Key mask="H" key="Right">exec:manage.py right</Key>
トラブルシューティング
ログの確認
X が tty1
で動作していない場合、Ctrl+Alt+F1
で標準出力のエラーとメッセージを確認できます。ターミナルに出力された文字をログに記録する方法は script(1) を見て下さい。
compton を使用している場合に全てのウィンドウが透過する
~/.jwmrc
でウィンドウの透過度を設定してください:
<Inactive> <Opacity>1,0</Opacity> </Inactive>
ターミナルウィンドウが完全に最大化しない
~/.jwmrc
にグループを追加して iignore
オプションを設定してください。例:
<Group> <Class>URxvt</Class> <Option>iignore</Option> </Group>
設定の変更の確認
JWM の設定をチェックしたい場合は、次を実行してください、構文エラーがある場合は行番号付きで表示されます:
$ jwm -p