「Fsck」の版間の差分
Kusanaginoturugi (トーク | 投稿記録) (→仕組み: 英語版に記事を差し替え) |
Kusanaginoturugi (トーク | 投稿記録) (→仕組み: 飜訳) |
||
21行目: | 21行目: | ||
# mkinitcpio には fsck フックによって、マウントする前に root ファイルシステムを fsck するオプションがあります。これを使う場合、root を {{ic|rw}} カーネルパラメータで読み書き可能でマウントする必要があります [https://projects.archlinux.org/mkinitcpio.git/commit/?id=449b3e543c]。 |
# mkinitcpio には fsck フックによって、マウントする前に root ファイルシステムを fsck するオプションがあります。これを使う場合、root を {{ic|rw}} カーネルパラメータで読み書き可能でマウントする必要があります [https://projects.archlinux.org/mkinitcpio.git/commit/?id=449b3e543c]。 |
||
+ | # systemd は ''fsck'' パス番号が 0 より大きい ([[#fstab options]] または [[Systemd#systemd.mount - mounting|ユーザが提供するユニットファイル]]による) すべてのファイルシステムを ''fsck'' します。ルートファイルシステムは、最初はカーネルパラメータ {{ic|ro}} で読み込み専用にマウントされ、その後 ''fstab'' から読み書き可能に再マウントされなければなりません ({{ic|default}}のマウントオプションは {{ic|rw}} を意味することに注意してください)。 |
||
− | # systemd will ''fsck'' all file systems having a ''fsck'' pass number greater than 0 (either with [[#fstab options]] or a [[Systemd#systemd.mount - mounting|user-supplied unit file]]). For the root file system, it also has to be mounted read-only initially with the kernel parameter {{ic|ro}} and only then remounted read-write from [[fstab]] (note that the {{ic|defaults}} mount option implies {{ic|rw}}). |
||
デフォルトで1番目の方法が推奨されています。[[インストールガイド]]に従った場合はこちらを使うことになります。2番目の方法を使いたい場合は、{{ic|mkinitcpio.conf}} から fsck フックを削除してカーネルコマンドラインで {{ic|ro}} を使ってください。どちらの方法を使っていたとしても、カーネルパラメータ {{ic|1=fsck.mode=skip}} を使うことで fsck を完全に無効化することが可能です。 |
デフォルトで1番目の方法が推奨されています。[[インストールガイド]]に従った場合はこちらを使うことになります。2番目の方法を使いたい場合は、{{ic|mkinitcpio.conf}} から fsck フックを削除してカーネルコマンドラインで {{ic|ro}} を使ってください。どちらの方法を使っていたとしても、カーネルパラメータ {{ic|1=fsck.mode=skip}} を使うことで fsck を完全に無効化することが可能です。 |
2022年1月20日 (木) 09:44時点における版
fsck は "file system check" の略であり、Linux のファイルシステムをチェックしたり修復するのに使われます。通常、全てのファイルシステムをチェックするのに必要な時間をけずるため、fsck プログラムは異なる物理ディスクドライブのファイルシステムを同時に処理します (参照: fsck(8))。
Arch Linux のブートプロセスでは起動するたびに簡便に fsck を実行してドライブ上の全てのパーティションを自動的にチェックします。そのため、特に必要がないかぎりは基本的にコマンドラインを使用する必要はありません。
目次
ブート時のチェック
仕組み
2つの方法があります:
- mkinitcpio には fsck フックによって、マウントする前に root ファイルシステムを fsck するオプションがあります。これを使う場合、root を
rw
カーネルパラメータで読み書き可能でマウントする必要があります [1]。 - systemd は fsck パス番号が 0 より大きい (#fstab options または ユーザが提供するユニットファイルによる) すべてのファイルシステムを fsck します。ルートファイルシステムは、最初はカーネルパラメータ
ro
で読み込み専用にマウントされ、その後 fstab から読み書き可能に再マウントされなければなりません (default
のマウントオプションはrw
を意味することに注意してください)。
デフォルトで1番目の方法が推奨されています。インストールガイドに従った場合はこちらを使うことになります。2番目の方法を使いたい場合は、mkinitcpio.conf
から fsck フックを削除してカーネルコマンドラインで ro
を使ってください。どちらの方法を使っていたとしても、カーネルパラメータ fsck.mode=skip
を使うことで fsck を完全に無効化することが可能です。
強制的にチェック
base
mkinitcpio フックを使っている場合、カーネルパラメータで起動時に fsck.mode=force
を設定することで強制的に fsck をすることができます。マシンに存在する全てのファイルシステムをチェックします。
また、systemd が提供している systemd-fsck@.service(8) は initramfs でチェックされないファイルシステムも全てチェックされます。ただし、ルートファイルシステムをチェックするとファイルシステムを再マウントしなくてはならないため起動プロセスが遅くなるので注意してください。
ヒントとテクニック
破損ブロックを修復
破損箇所を自動的に修復するには、次を実行:
# fsck -a
破損ブロックをインタラクティブに修復
破損箇所を修復するには、次を実行:
# fsck -r <drive>
チェックの頻度を変更
デフォルトでは、fsck は30回起動するたびにファイルシステムをチェックします (パーティションごとに別々にカウントされます)。チェックの頻度を変更するには、次を実行:
# tune2fs -c 20 /dev/sda1
上の例では、20
が次のチェックを行うまでの起動回数です。
1
を設定すると起動時に毎回スキャンを行い、0
を設定すると一切スキャンしなくなります。
fstab のオプション
fstab はシステムの設定ファイルであり、マウントするパーティション (ファイルシステム) とファイルシステムツリーを Linux カーネルに指示するのに使われます。
基本的な /etc/fstab
エントリは以下のようになります:
/dev/sda1 / ext4 defaults 0 1 /dev/sda2 /other ext4 defaults 0 2 /dev/sda3 /win ntfs-3g defaults 0 0
6番目のカラム (太字) が fsck のオプションです。
- 0 = チェックしない。
- 1 = 最初にチェックするファイルシステム (パーティション)。
/
(root パーティション) は 1 に設定してください。 - 2 = 他のチェックするファイルシステム。
トラブルシューティング
分割した /usr パーティションで fsck が動作しない
/etc/mkinitcpio.conf
に必要なフックを記述していることを確認してください。また、このファイルを編集した後にはかならず initramfs イメージを再生成する必要があります。- fstab を確認してください。最後のフィールドはルートパーティションだけを "1" にする必要があります。それ以外はすべて "2" か "0" にします。他の誤字もないように注意深く確認してください。
ext2fs : no external journal
電源切断により、ext3/4 ファイルシステムが通常の方法で修復できないほど破損する場合があります。普通は fsck が外部ジャーナルを見つけられないというプロンプトを出します。その場合は次の一連のコマンドを実行してください:
ディレクトリを指定してそのパーティションをアンマウントします
# umount <directory>
新しいジャーナルをパーティションに書き込みます
# tune2fs -j /dev/<partition>
fsck を起動してパーティションを修復します
# fsck -p /dev/<partition>