「SANE」の版間の差分

提供: ArchWiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
62行目: 62行目:
 
Sane はスキャナーのタイプにあわせて多数のバックエンドを用意しちえます。あなたのデバイスのバックエンドを確認するには:
 
Sane はスキャナーのタイプにあわせて多数のバックエンドを用意しちえます。あなたのデバイスのバックエンドを確認するには:
 
$ scanimage -A
 
$ scanimage -A
 
==フロントエンドのインストール==
 
SANE には多数のフロントエンドが存在しています。[http://www.sane-project.org/sane-frontends.html sane-project のウェブサイト] にはフロントエンドのリストが載っています。もしくは {{ic|pacman}} を使って "sane" や "scanner" などのキーワードで[[Pacman#パッケージ・データベースに問い合わせる|リポジトリを検索]]してください。
 
 
* {{App|[[Wikipedia:Scanner_Access_Now_Easy#gscan2pdf|gscan2pdf]]|スキャンした文章から PDF, TIFF, DjVu を生成する GTK2 ベースの GUI。他のエンジンを使うことで [[OCR]] をすることもできます。|http://gscan2pdf.sourceforge.net/|{{Pkg|gscan2pdf}}}}
 
* {{App|[[Wikipedia:Scanner_Access_Now_Easy#Simple_Scan|Simple Scan]]|[[GNOME]] デスクトップに統合され XSane よりも使いやすいシンプルな GUI。元は Ubuntu 用に作られたソフトウェアで Canonical Ltd. の Robert Ancell によって GNU/Linux 版はメンテナンスされています。|https://launchpad.net/simple-scan|{{Pkg|simple-scan}}}}
 
* {{App|[[Wikipedia:Skanlite|Skanlite]]|画像のスキャンと保存しかできないシンプルな画像スキャンアプリケーション。KSane バックエンドがベース。|https://www.kde.org/applications/graphics/skanlite|{{Pkg|skanlite}}}}
 
* {{App|[[Wikipedia:Scanner_Access_Now_Easy#XSane|XSane]]|懐古な見た目ながら豊富な機能があるフル機能の GTK ベースのフロントエンド。|http://www.xsane.org/|{{Pkg|xsane}}}}
 
 
{{Note|
 
* 16ビットの色深度モードで XSane を使って直接 PDF にスキャンすると [https://bugs.launchpad.net/ubuntu/+source/xsane/+bug/539162 破損したファイル] が生成される既知のバグがあります。8ビットモードでは問題ありません。
 
* フロントエンドを使用するというだけでは設定が不要になるわけではありません。特に [[Avahi|mDNS]] でデバイスを設定する場合などです。例えば {{ic|skanlite}} は mDNS を扱うことができないため、ネットワークスキャナを正しく認識するにはコマンドラインに情報を追加する必要があります。HP Officejet Pro L7590 での設定例: {{ic|1=skanlite --device "hpaio:/net/Officejet_Pro_L7500?ip=192.168.0.17"}}。}}
 
   
 
==ネットワークスキャニング==
 
==ネットワークスキャニング==

2023年7月12日 (水) 19:30時点における版

関連記事

SANE (Scanner Access Now Easy) は、GNU/Linux でスキャナを使うためのライブラリとコマンドラインツールを提供します。

インストール

sane パッケージをインストールしてください。ほとんどのフロントエンドとドライバはこのパッケージを依存関係としてインストールするため、たいてい、このパッケージを明示的にインストールする必要はありません。

スキャナドライバ

最近のスキャナの多くは "ドライバレス" スキャンをサポートしています。[1] デバイスの互換性については、sane-airscan GitHubApple AirPrint devices で調べられます。

あなたのスキャナが "ドライバレス" モードで動作することが分かっている場合は、sane-airscan パッケージをインストールしてください。スキャナが USB を使用する場合は、USB 接続で IPP プロトコルを使用できるようにするために、ipp-usb パッケージをインストールし、 ipp-usb.service起動/有効化してください。

"ドライバレス" で動作しないかもしれない場合は、SANE - Supported DevicesSANE/スキャナー別の問題 を確認し、あなたのスキャナが別のドライバで動作するかどうかを調べてください。

ほとんどのスキャナは特に設定をしなくても動作します。動作しない場合は、SANE/スキャナー別の問題 でインストール手順を確認してください。

ノート: 一部のドライバ (sane-airscan を含む) は、ネットワークスキャナを探索するためにマルチキャストを使用します。iptables#マルチキャストのトラフィックを許可する で、ファイアウォールを正しく設定する方法を確認してください。

フロントエンド

SANE には多数のフロントエンドが存在しています。不完全なリストは SANE プロジェクトのウェブサイトで見られます。

  • Simple Scan — XSane よりも GNOME デスクトップにより良く統合され、より使いやすくなるように設計されたシンプルな GUI。gnome の一部。
https://gitlab.gnome.org/GNOME/simple-scan || simple-scan
  • Skanlite — 画像のスキャンと保存しかできないシンプルな画像スキャンアプリケーション。KSane バックエンドがベース。
https://apps.kde.org/skanlite/ || skanlite
  • Skanpage — A simple scanning application designed for multi-page scanning and saving of documents and images.
https://apps.kde.org/skanpage/ || skanpage
  • XSane — 懐古な見た目ながら豊富な機能があるフル機能の GTK ベースのフロントエンド。
http://www.xsane.org/ || xsane

一部の OCR ソフトウェアは SANE を使って画像をスキャンできます: gImageReader、gscan2pdf、Linux-Intelligent-Ocr-Solution、OCRFeederPaperwork

ノート:
  • 16ビットの色深度モードで XSane を使って直接 PDF にスキャンすると 破損したファイル が生成される既知のバグがあり、pacman の出力でも警告されます。8ビットモードでは問題ないことが知られています。
この記事またはセクションの正確性には問題があります。
理由: skanlite が mDNS を処理する必要はありません。mDNS ホスト名解決が正しく設定されていて、スキャナのアドレスが hostname.local として指定されている限り、動作するはずです。これは hplip の制限/バグのようです。 (議論: トーク:SANE#)
  • フロントエンドを使用するというだけでは設定が不要になるわけではありません。特に mDNS でデバイスを設定する場合などです。例えば skanlite は mDNS を扱うことができないため、ネットワークスキャナを正しく認識するにはコマンドラインに情報を追加する必要があります。HP Officejet Pro L7590 での設定例: skanlite --device "hpaio:/net/Officejet_Pro_L7500?ip=192.168.0.17"

検証

sane があなたのスキャナーを認識しているか確認してください:

$ scanimage -L

上記のコマンドが失敗する場合、root で再度コマンドを実行してパーミッションが問題なのかどうか確認してください。root で実行しても失敗する場合、スキャナーがコンピュータに接続されていることを確認してください。スキャナーを一度切断して再度接続すると /usr/lib/udev/rules.d/49-sane.rules がスキャナーを認識することもあります。

実際にスキャンができるかどうか確認するには:

$ scanimage --format=png > test.png

scanimage: sane_start: Invalid argument というメッセージを吐いてスキャンが失敗する場合、デバイスを指定する必要があります:

$ scanimage -L
device `v4l:/dev/video0' is a Noname Video WebCam virtual device
device `pixma:04A91749_247936' is a CANON Canon PIXMA MG5200 multi-function peripheral

以下のように実行してみてください:

$ scanimage --device "pixma:04A91749_247936" --format=tiff > test.tiff

Sane はスキャナーのタイプにあわせて多数のバックエンドを用意しちえます。あなたのデバイスのバックエンドを確認するには:

$ scanimage -A

ネットワークスキャニング

ネットワークを介してスキャナーを共有する

スキャナーをネットワーク上の sane を使っている他のホストと共有することができます。サーバーをセットアップするためには、まずネットワーク上のどのホストにアクセス許可を与えるのか指定してください。

/etc/sane.d/saned.conf ファイルを変更して下さい。例:

# required
localhost
# allow local subnet
192.168.0.0/24

iptables を使っている場合、nf_conntrack_sane モジュールを追加してファイアウォールが saned の接続を記録するようにしてください。

その後 systemd を使って saned.socket起動有効化してください。それでネットワークからスキャナーが使えるようになります。詳しくは saned(8) を参照。

ノート: saned は意図的に net: バックエンドを使用するスキャナの共有を拒否することがあります (一部 USB スキャナも含まれます)。FS#54786 に共有を許可するパッチが存在しますが、ネットワークによっては問題が発生します。サーバーで scanimage -L の出力からスキャナの URL を確認してください。

リモートのワークステーションからスキャナーにアクセス

ノート: 一部のネットワークスキャナーでは別の設定が必要です。SANE/スキャナー別の問題を見てください。

リモートの Arch Linux ワークステーションからネットワークスキャナーにアクセスすることができます。

まず /etc/sane.d/net.conf ファイルにサーバーのホストネームあるいは IP アドレスを指定してください:

# static IP address
192.168.0.1
# or host name
stratus

それからワークステーションの接続をテストしてください:

$ scanimage -L

これでフロントエンドにネットワークスキャナーが表示されるはずです。

Windows クライアント

SANE の Windows 版は サポートが切れており動かすのが難しい ため、代わりに SaneTwain を使ってみてください。

トラブルシューティング

SANE/スキャナー別の問題も見てください。

Invalid argument

xsane などの sane フロントエンドで "Invalid argument" エラーが出る場合、理由として以下のような理由が考えられます:

ファームウェアファイルがない

スキャナーを使うためのファームウェアファイルが存在しない (詳しくはファームウェアを参照)。

ファームウェアファイルのパーミッションがおかしい

ファームウェアファイルのパーミッションが間違っている場合、以下のコマンドを実行してください:

# chown root:scanner /usr/share/sane/SCANNER_MODEL/FIRMWARE_FILE
# chmod ug+r /usr/share/sane/SCANNER_MODEL/FIRMWARE_FILE

複数のバックエンドがスキャナーを要求している

スキャナーをサポートしているバックエンドが複数ある場合、Sane はサポートがないバックエンドを選んでしまうことがあります (その場合 scanimage -L でスキャナーが表示されません)。旧式の Epson 製スキャナーと epson2epson バックエンドで発生する問題です。その場合、/etc/sane.d/dll.conf で使用しないバックエンドをコメントアウトすることで解決できます。Epson の場合は、以下の行を:

epson2
#epson

以下のように変更してください:

#epson2
epson

iscan の epkowa バックエンドと snapscan バックエンド (epson スキャナー) が干渉することもあります。scanimage -L コマンドを使ったときにエラーが表示されます。(xsane などの) スキャナーアプリを2回起動することで問題は解決します。もしくは /etc/sane.d/epkowa.conf の設定が間違っていないか確認したり、あるいは iscan パッケージを削除してください。

xHCI による通信ができない (旧式のスキャナー)

一部の古いモデルのスキャナーでは USB 3 端子で接続した場合にスキャナーが機能しません。この問題が発生する場合、フロントエンドを起動する前に SANE_USB_WORKAROUND=1 環境変数を設定してみてください [2][3]

上記の設定で問題が解決しない場合、以下の解決方法を試してみてください:

  • USB3 端子の代わりに USB2 端子を使うことができる場合、使ってみる。
  • BIOS/EFI で xHCI を無効化する。eHCI が使われるようになってスキャナーが動作します。欠点として全ての USB 端子の速度が落ちます。
  • 一部の Intel のチップセットでは 'setpci' コマンドを使って特定の USB 端子で xHCI と eHCI コントローラーのどちらを使うか指定することができます。詳しくは [4][5] を見てください ("setpci" について書かれている部分までスクロールしてください)。シンプルなシェルスクリプトでひとつの USB ポートだけモードを切り替えることができます。
  • ネットワークを介してスキャナーを接続する (ネットワークスキャナーの場合)。

起動が遅い

起動が遅い場合 (例: xsanescanimage -L でスキャナーが認識されるまで時間がかかる)、おそらくスキャナーをサポートしているドライバが複数あるのが原因です。

/etc/sane.d/dll.conf を開いて不必要なドライバーをコメントアウトしてください (例: epson, epson2, epkowa が同時に使われる場合 epson あるいは epkowa だけを残して他をコメントアウトする)。

ネットワークスキャナーが存在しない場合 "net" ドライバーもコメントアウトできます。

スキャンデバイスとしてウェブカメラがある場合も起動時に認識が遅くなります。/etc/sane.d/v4l.conf の全ての行をコメントアウトすることでウェブカメラをブラックリストにできます。

Device busy

scanimage -L で USB デバイスが確認できるのに scanimage pixma:04A9173E_11DAD1 --format=tiff > test.tiff でテストすると 'Device busy' エラーしか返ってこない場合、scanner グループにユーザーを追加 usermod -a -G scanner yourusername してから /etc/modprobe.d/no-usblp.confblacklist usblp を記述して usblp カーネルモジュールをブラックリスト化してください (usblp がロードされなくなりますが、CUPS あるいは xsane などのツールでは必要ありません)。その後再起動してください [6]

パーミッション問題

systemd によって scannerlp グループは廃止されました。ユーザーをグループに追加する必要はありません。詳しくはユーザーとグループ#systemd 以前のグループを見てください。

USB デバイスのパーミッションを変更することもできますが推奨されません。Udev ルールを使ってスキャナーが認識されるように修正するほうが良いでしょう。

まずは lsusb で接続されている USB デバイスを確認してください:

Bus 006 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 005 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 004 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 003 Device 003: ID 04d9:1603 Holtek Semiconductor, Inc. 
Bus 003 Device 002: ID 04fc:0538 Sunplus Technology Co., Ltd 
Bus 003 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 002 Device 001: ID 1d6b:0001 Linux Foundation 1.1 root hub
Bus 001 Device 006: ID 03f0:2504 Hewlett-Packard 
Bus 001 Device 002: ID 046d:0802 Logitech, Inc. Webcam C200
Bus 001 Device 001: ID 1d6b:0002 Linux Foundation 2.0 root hub

上記の場合はスキャナーは Bus 001 Device 006: ID 03f0:2504 Hewlett-Packard です。03f0vendorID2504productID です。

/usr/lib/udev/rules.d/49-sane.rules を開いてあなたのスキャナーの vendorID と productID が書かれた行が存在するか確認してください。存在しない場合、新しいファイル /etc/udev/rules.d/49-sane-missing-scanner.rules を以下の内容で作成します:

ATTRS{idVendor}=="vendorID", ATTRS{idProduct}=="productID", MODE="0664", GROUP="scanner", ENV{libsane_matched}="yes"

ファイルを保存したら、スキャナを一度切断してから再接続すればファイルのパーミッションが正しく設定されているはずです。

デバイス (スキャナー) をバックエンドファイルに追加することもできます:

usb 0x03f0 0x2504/etc/sane.d/hp4200.conf に追加すると以下のようになります:

#
# Configuration file for the hp4200 backend
#
#
# HP4200
#usb 0x03f0 0x0105
usb 0x03f0 0x2504

パラレルポート接続のスキャナー

パラレルポートで接続されたデバイスは全てプリンターとして認識され lp グループが割り当てられます。udev ルールを作成して該当するパラレルポートを libsane_matched として設定するか、あるいはユーザーを lp グループに追加してください。CUPS も設定ファイルを読み取るために lp グループを使うため、ユーザーを lp グループに追加すると潜在的にセキュリティ上問題があります。詳しくは CUPS#接続インターフェイスを参照。