「デスクトップエントリ」の版間の差分
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+ | [[Category:Freedesktop.org]] |
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+ | [[Category:設定ファイル]] |
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[[Category:パッケージ開発]] |
[[Category:パッケージ開発]] |
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[[en:Desktop entries]] |
[[en:Desktop entries]] |
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− | [[ |
+ | [[ru:Desktop entries]] |
+ | [[zh-hans:Desktop entries]] |
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− | デスクトップエントリは [[Xorg|X Window System]] で動作するプログラムの挙動を指定する [http://www.freedesktop.org/wiki/ freedesktop.org] の仕様です。デスクトップエントリは設定ファイルとしてアプリケーションの起動方法やメニューとアイコンの表示方法を定義します。最も一般的なデスクトップエントリは {{ic|.desktop}} と {{ic|.directory}} ファイルです。この記事では有用な標準仕様のデスクトップエントリを作成する方法を簡単に説明します。主にパッケージ作成者やメンテナを対象にしていますが、ソフトウェアの開発者なども読む価値があると思われます。 |
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+ | [https://specifications.freedesktop.org/desktop-entry-spec/desktop-entry-spec-latest.html XDG デスクトップエントリ仕様]は、[https://specifications.freedesktop.org/menu-spec/menu-spec-latest.html XDG Desktop Menu] 仕様を実装している[[デスクトップ環境]]のアプリケーションメニューにアプリケーションを統合するための規格です。 |
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+ | == 基本 == |
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− | デスクトップエントリには大きくわけて3つのタイプがあります: |
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+ | デスクトップエントリには、1つの {{ic|Type}} キーと1つの {{ic|Name}} キーが含まれていなければなりません。オプションで、アプリケーションメニューでの見た目を定義することができます。 |
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− | ; アプリケーション : アプリケーションのショートカット |
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− | ; リンク : ウェブリンクのショートカット。 |
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− | ; ディレクトリ : メニューエントリのメタデータのコンテナ。 |
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+ | {{ic|Type}} に指定できるタイプは3つあります: |
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− | 以下のセクションではこれらのエントリを作成したり修正する方法をざっと説明しています。 |
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+ | |||
+ | ;Application |
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+ | :どのようにしてアプリケーションを起動するかや、どの MIME タイプをサポートするかを定義します (MIME タイプの記述は [[XDG MIME Applications]] により使用されます)。[[XDG 自動起動]]を使えば、アプリケーションエントリを特定のディレクトリに配置することにより、そのエントリを[[自動起動]]させることができます。アプリケーションエントリは、ファイル拡張子 {{ic|.desktop}} を使用します。[[#アプリケーションエントリ]] を見てください。 |
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+ | |||
+ | ;Link |
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+ | :{{ic|URL}} へのショートカットを定義します。リンクエントリは、ファイル拡張子 {{ic|.desktop}} を使用します。 |
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+ | |||
+ | ;Directory |
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+ | :アプリケーションメニューでのサブメニューの見た目を定義します。ディレクトリエントリは、ファイル拡張子 {{ic|.directory}} を使用します。 |
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+ | |||
+ | 以下のセクションでは、これらのエントリの作成や検証の方法について大まかに説明します。 |
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== アプリケーションエントリ == |
== アプリケーションエントリ == |
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− | アプリケーションのデスクトップエントリ |
+ | アプリケーションのデスクトップエントリ ({{ic|.desktop}} ファイル) は、基本的にメタ情報リソースの集合であり、アプリケーションのショートカットです。通常、これらのファイルは、システム全体でインストールしたアプリケーションなら {{ic|/usr/share/applications}} か {{ic|/usr/local/share/applications}} に、ユーザ固有のアプリケーションなら {{ic|~/.local/share/applications}} に入っています。ユーザーのエントリはシステムのエントリよりも優先されます。 |
− | === |
+ | === ファイル例 === |
− | 以下はデスクトップエントリの構成のサンプルです。このサンプルは雰囲気を伝えるだけのものであり、利用可能なエントリキー全ての使い方を示してはいません。完全なキーのリストは [ |
+ | 以下は、コメントを追加したデスクトップエントリの構成のサンプルです。このサンプルは雰囲気を伝えるだけのものであり、利用可能なエントリキー全ての使い方を示してはいません。完全なキーのリストは [https://specifications.freedesktop.org/desktop-entry-spec/desktop-entry-spec-latest.html#recognized-keys freedesktop 仕様] を見てください。 |
[Desktop Entry] |
[Desktop Entry] |
||
+ | |||
− | Type=Application # 上述のタイプを指定します |
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+ | # 前の章でリストアップしたタイプ |
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− | Version=1.0 # ファイルが準拠しているデスクトップエントリ仕様のバージョン |
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+ | Type=Application |
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− | Name=jMemorize # アプリケーションの名前 |
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+ | |||
− | Comment=Flash card based learning tool # コメントはツールチップとして使われます |
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+ | # このファイルが準拠しているデスクトップエントリ仕様のバージョン |
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− | Path=/opt/jmemorise # 実行ファイルが存在するフォルダのパス |
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+ | Version=1.0 |
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− | Exec=jmemorize # アプリケーションの実行可能ファイル |
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+ | |||
− | Icon=jmemorize # エントリを表示するときに使われるアイコンの名前 |
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+ | # アプリケーションの名前 |
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− | Terminal=false # アプリケーションをターミナルで実行する必要があるかどうかを記述 |
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+ | Name=jMemorize |
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− | Categories=Education;Languages;Java; # エントリを表示するカテゴリを記述 |
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+ | |||
+ | # ツールチップとして利用できる/されるコメント |
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+ | Comment=Flash card based learning tool |
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+ | |||
+ | # 実行ファイルが存在するフォルダへのパス |
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+ | Path=/opt/jmemorise |
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+ | |||
+ | # アプリケーションの実行可能ファイル。引数を付けることができます。 |
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+ | Exec=jmemorize |
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+ | |||
+ | # エントリを表示するときに使われるアイコンの名前 |
||
+ | Icon=jmemorize |
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+ | |||
+ | # アプリケーションをターミナルで実行する必要があるかどうかを記述 |
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+ | Terminal=false |
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+ | |||
+ | # このエントリをどのカテゴリで表示すべきかを記述 |
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+ | Categories=Education;Languages;Java; |
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+ | |||
+ | {{Note|必須のキーは {{ic|Type}} と {{ic|Name}} だけです。}} |
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=== キーの定義 === |
=== キーの定義 === |
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− | [ |
+ | [https://specifications.freedesktop.org/desktop-entry-spec/desktop-entry-spec-latest.html#recognized-keys freedesktop] のサイトに、認識される全てのデスクトップエントリが記載されています。 |
+ | 例えば、{{Ic|Type}} キーは3つのタイプのデスクトップエントリを定義します: アプリケーション (Application, タイプ1), リンク (Link, タイプ2), ディレクトリ (Directory, タイプ3)。 |
||
* {{Ic|Version}} キーはアプリケーションのバージョンを表すものではなく、デスクトップエントリが準拠しているデスクトップエントリ規格のバージョンを指定します。 |
* {{Ic|Version}} キーはアプリケーションのバージョンを表すものではなく、デスクトップエントリが準拠しているデスクトップエントリ規格のバージョンを指定します。 |
||
45行目: | 78行目: | ||
Comment=Notes Manager |
Comment=Notes Manager |
||
− | 上記のような設定はユーザーを混乱させるだけなので |
+ | 上記のような設定はユーザーを混乱させるだけなので避けるべきです。{{Ic|Name}} キーにはアプリケーションの名前 (あるいはその省略語や頭字語) だけを書いてください。 |
− | * {{Ic|GenericName}} にはアプリケーションがどのようなものなのかを示す名称を指定 |
+ | * {{Ic|GenericName}} にはアプリケーションがどのようなものなのかを示す名称を指定するべきです (例えば Firefox なら "Web Browser")。 |
− | * {{Ic|Comment}} は何らかの追加情報を記入します。 |
+ | * {{Ic|Comment}} には何らかの追加情報を記入することを意図しています。 |
− | + | === 検証 === |
|
+ | |||
+ | いくつかのキーは非推奨となっているので、{{man|1|desktop-file-validate}} を使ってデスクトップエントリを検証する必要があるかもしれません。このツールは {{Pkg|desktop-file-utils}} パッケージに含まれています。エントリを検証するには、以下を実行してください: |
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+ | |||
+ | $ desktop-file-validate <''デスクトップファイル''> |
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− | 標準が確立されるに従って非推奨となったキーもいくつか存在しています。{{Pkg|desktop-file-utils}} パッケージに含まれている {{Ic|desktop-file-validate}} を使うのが確認するのに一番最適かつシンプルな方法です。確証するには、次を実行: |
||
− | $ desktop-file-validate <your desktop file> |
||
上記のコマンドで詳細かつ有用な警告・エラーメッセージが表示されます。 |
上記のコマンドで詳細かつ有用な警告・エラーメッセージが表示されます。 |
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+ | |||
+ | === インストール === |
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+ | |||
+ | 対象のディレクトリに desktop ファイルをインストールするには、{{man|1|desktop-file-install}} を使ってください。例えば: |
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+ | $ desktop-file-install --dir=$HOME/.local/share/applications ~/app.desktop |
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+ | |||
+ | === デスクトップエントリデータベースの更新 === |
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+ | |||
+ | {{ic|~/.local/share/applications}} で定義されているデスクトップエントリを機能させるには、以下のコマンドを実行してください: |
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+ | |||
+ | $ update-desktop-database ~/.local/share/applications |
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+ | |||
+ | {{Tip|{{ic|-v}} (verbose) 引数を追加すると、デスクトップエントリのエラーを表示します。}} |
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== アイコン == |
== アイコン == |
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+ | |||
+ | [https://specifications.freedesktop.org/icon-theme-spec/icon-theme-spec-latest.html Icon Theme Specification] も参照してください。 |
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=== 一般的な画像フォーマット === |
=== 一般的な画像フォーマット === |
||
63行目: | 113行目: | ||
{| class="wikitable" align="center" |
{| class="wikitable" align="center" |
||
− | |+ |
+ | |+ freedesktop.org 仕様で指定されているアイコンとしてサポートされる画像フォーマット。 |
! 拡張子 |
! 拡張子 |
||
! フルネームまたは説明 |
! フルネームまたは説明 |
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110行目: | 160行目: | ||
=== アイコンの変換 === |
=== アイコンの変換 === |
||
− | ( |
+ | ({{ic|gif}} や {{ic|ico}} など) freedesktop.org の仕様でサポートされていないフォーマットのアイコンしか見つからなかった場合、''convert'' ツールでサポート/推奨されているフォーマットに変換できます (''convert'' は {{Pkg|imagemagick}} パッケージに含まれています): |
+ | |||
− | $ convert <icon name>.gif <icon name>.png |
||
+ | $ convert <アイコン名>.gif <アイコン名>.png |
||
− | ''ico'' などのコンテナフォーマットから変換した場合、''<icon name>-<number>.png'' という名前で ''ico'' ファイルにカプセル化されていた画像が取得できます。画像のサイズや ''ico'' などのコンテナに含まれている画像の数を調べたいときは ({{Pkg|imagemagick}} パッケージに含まれている) ''identify'' を使います: |
||
+ | |||
+ | {{ic|ico}} などのコンテナフォーマットから変換した場合、{{ic|<icon name>-<number>.png}} という名前で {{ic|ico}} ファイルにカプセル化されていた画像が取得できます。画像のサイズや {{ic|ico}} などのコンテナに含まれている画像の数を調べたいときは ({{Pkg|imagemagick}} パッケージに含まれている) ''identify'' を使います: |
||
+ | |||
{{hc|$ identify /usr/share/vlc/vlc48x48.ico| |
{{hc|$ identify /usr/share/vlc/vlc48x48.ico| |
||
/usr/share/vlc/vlc48x48.ico[0] ICO 32x32 32x32+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb |
/usr/share/vlc/vlc48x48.ico[0] ICO 32x32 32x32+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb |
||
121行目: | 174行目: | ||
/usr/share/vlc/vlc48x48.ico[5] ICO 16x16 16x16+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb |
/usr/share/vlc/vlc48x48.ico[5] ICO 16x16 16x16+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb |
||
}} |
}} |
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+ | |||
上記の ''ico'' ファイルでは、ファイル名からは 48x48 の画像しか含まれていないように見えますが、実は6つのサイズの画像が含まれていて、中には 48x48 よりも大きな 128x128 の画像もあります。 |
上記の ''ico'' ファイルでは、ファイル名からは 48x48 の画像しか含まれていないように見えますが、実は6つのサイズの画像が含まれていて、中には 48x48 よりも大きな 128x128 の画像もあります。 |
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+ | |||
+ | あるいは、''icotool'' ({{Pkg|icoutils}} にあり) を使って ico コンテナから png イメージを抽出できます: |
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+ | $ icotool -x <icon name>.ico |
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+ | |||
+ | .icns コンテナからイメージを展開する場合、''icns2png'' ({{Pkg|libicns}} により提供) を使うことができます: |
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+ | $ icns2png -x <icon name>.icns |
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=== アイコンの取得 === |
=== アイコンの取得 === |
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− | 大抵 .desktop ファイルが付属しているパッケージにはアイコンが含まれていますが、アイコンは存在するのに .desktop ファイルが開発者によって作られていない場合もあります。まずはソースパッケージの中にアイコンが存在しないか確認すると良いでしょう。 |
+ | 大抵 ''.desktop'' ファイルが付属しているパッケージにはアイコンが含まれていますが、アイコンは存在するのに ''.desktop'' ファイルが開発者によって作られていない場合もあります。まずはソースパッケージの中にアイコンが存在しないか確認すると良いでしょう。 |
+ | ソースパッケージの中に大量の画像が存在するときは、'''find''' を使って拡張子でファイルを絞り込んで、それから '''grep''' を使ってパッケージ名や "icon" あるいは "logo" などのキーワードで検索をかけましょう: |
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$ find /path/to/source/package -regex ".*\.\(svg\|png\|xpm\|gif\|ico\)$" |
$ find /path/to/source/package -regex ".*\.\(svg\|png\|xpm\|gif\|ico\)$" |
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− | アプリケーションの開発者がソースパッケージにアイコンを含めていないときは、アプリケーションのウェブサイトを検索しましょう。 |
+ | アプリケーションの開発者がソースパッケージにアイコンを含めていないときは、アプリケーションのウェブサイトを検索しましょう。{{AUR|tvbrowser}} など、プロジェクトによってはウェブサイトに [https://enwiki.tvbrowser.org/index.php/Banners,_Logos_and_other_Promotion_Material アートワーク/ロゴのページ] が存在しアイコンをダウンロードすることができます。プロジェクトがマルチプラットフォームの場合、Linux/UNIX パッケージにアイコンが付属していなくても、Windows パッケージには存在する可能性があります。プロジェクトが CVS や SVN などの[[wikipedia:Version control system|バージョン管理システム]]を使用している場合、リポジトリにアイコンが存在しないか確認してください。 |
+ | どうやっても見つからないのであれば、プロジェクトにまだアイコンやロゴがないのかもしれません。 |
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+ | |||
+ | === アイコンのパス === |
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+ | |||
+ | [https://specifications.freedesktop.org/icon-theme-spec/icon-theme-spec-latest.html freedesktop.org 仕様]は、プログラムがアイコンを探索するディレクトリと、探索する順番を規定しています: |
||
+ | # {{ic|$HOME/.icons}} (後方互換性のため) |
||
+ | # {{ic|$XDG_DATA_DIRS/icons}} |
||
+ | # {{ic|/usr/share/pixmaps}} |
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== ツール == |
== ツール == |
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+ | |||
+ | === Arronax === |
||
+ | |||
+ | [https://www.florian-diesch.de/software/arronax/ Arronax] は、アプリケーションやショートカットのデスクトップエントリを作成/変更するためのグラフィカルなプログラムです。使用するには {{AUR|arronax}} を[[インストール]]してください。 |
||
+ | |||
+ | === Alacarte === |
||
+ | |||
+ | {{Pkg|alacarte}} は [[GNOME]] のためのグラフィカルなメニューエディタで、freedesktop.org のメニュー仕様を使用します。デスクトップエントリのオーバーライドもサポートしています。 |
||
+ | |||
+ | === jdDesktopEntryEdit === |
||
+ | |||
+ | {{AUR|jddesktopentryedit}} は、デスクトップエントリを編集するための、[[Qt]] を使用するグラフィカルプログラムです。 |
||
=== gendesk === |
=== gendesk === |
||
+ | |||
{{Pkg|gendesk}} は PKGBUILD ファイルから直接情報を取得して .desktop ファイルを生成する Arch Linux 専用のツールとして開発がスタートしました。今ではコマンドライン引数を使用する汎用のツールとなっています。 |
{{Pkg|gendesk}} は PKGBUILD ファイルから直接情報を取得して .desktop ファイルを生成する Arch Linux 専用のツールとして開発がスタートしました。今ではコマンドライン引数を使用する汎用のツールとなっています。 |
||
アイコンは [http://openiconlibrary.sourceforge.net/ openiconlibrary] から自動的にダウンロードすることが可能です (アイコンのソースは将来変更される可能性があります)。 |
アイコンは [http://openiconlibrary.sourceforge.net/ openiconlibrary] から自動的にダウンロードすることが可能です (アイコンのソースは将来変更される可能性があります)。 |
||
− | ==== 使用 |
+ | ==== 使用法 ==== |
* {{Ic|gendesk}} を makedepends に追加 |
* {{Ic|gendesk}} を makedepends に追加 |
||
144行目: | 226行目: | ||
{{bc|gendesk --pkgname "$pkgname" --pkgdesc "$pkgdesc"}} |
{{bc|gendesk --pkgname "$pkgname" --pkgdesc "$pkgdesc"}} |
||
− | * もしくは、アイコンが既に含まれている場合 (例: $pkgname.png)、{{Ic|-n}} フラグを使います。例: |
+ | * もしくは、アイコンが既に含まれている場合 (例: $pkgname.png)、アイコンをダウンロードしない、あるいはデフォルトのアイコンを使うために {{Ic|-n}} フラグを使います。例: |
{{bc|gendesk -n --pkgname "$pkgname" --pkgdesc "$pkgdesc"}} |
{{bc|gendesk -n --pkgname "$pkgname" --pkgdesc "$pkgdesc"}} |
||
162行目: | 244行目: | ||
* 詳しくは [https://github.com/xyproto/gendesk gendesk プロジェクト] を参照。 |
* 詳しくは [https://github.com/xyproto/gendesk gendesk プロジェクト] を参照。 |
||
+ | === lsdesktopf === |
||
− | === *.desktop ファイルから検索 === |
||
+ | {{AUR|lsdesktopf}} は、利用可能な ''.desktop'' ファイルを一覧表示したり、エントリの内容を検索したりできます。 |
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− | {{AUR|lsdesktopf}} bash スクリプトは "Categories" や "Exec" の中身を検索します。"Categories" が存在しないときは "Name" の中身を使います。*.desktop のコマンドラインやカテゴリを使って利用可能なプログラムをコンソールで簡単に確認することが可能です。"DskPath" 配列で定義された既存のベースパスをカラーで表示します。 |
||
+ | $ lsdesktopf |
||
− | 例: |
||
− | + | $ lsdesktopf --list |
|
− | + | $ lsdesktopf --list gtk zh_TW,zh_CN,en_GB |
|
+ | |||
− | # lsdesktopf gtk |
||
+ | MIME タイプ関連の検索を行うこともできます。[[XDG MIME Applications#lsdesktopf]] を見てください。 |
||
=== fbrokendesktop === |
=== fbrokendesktop === |
||
− | {{AUR|fbrokendesktop}} |
+ | {{AUR|fbrokendesktop}} Bash スクリプトは、既存のパスを指していない壊れた {{ic|Exec}} の値を検出します。パラメータを指定しなかった場合、fbrokendesktop は {{ic|DskPath}} 配列のプリセットフォルダを使います。破損している ''.desktop'' だけを完全なパスとファイル名と共に表示します。 |
例: |
例: |
||
− | + | $ fbrokendesktop |
|
− | + | $ fbrokendesktop /usr |
|
− | + | $ fbrokendesktop /usr/share/xsessions/icewm.desktop |
|
+ | == ヒントとテクニック == |
||
− | == Tips and tricks == |
||
+ | === ターミナルから desktop ファイルを実行する === |
||
− | === デスクトップエントリの隠匿 === |
||
+ | {{Pkg|gtk3}} がインストールされている場合、{{ic|gtk-launch ''application.desktop''}} と実行してください。 |
||
− | {{Tip|デスクトップエントリは {{ic|/dev/null}} へのシンボリックリンクを作成することで隠匿できます。例えば: {{ic|$ ln -s /dev/null ~/.local/share/applications/''foo''.desktop}}。}} |
||
+ | あるいは、{{Pkg|dex}} パッケージをインストールして、{{ic|dex ''/path/to/application.desktop''}} と実行してください。 |
||
− | まず、問題のデスクトップエントリファイルを {{ic|~/.local/share/applications}} にコピーして、変更が上書きされないようにして下さい。 |
||
+ | === desktop ファイルの変更 === |
||
− | 次に、全ての環境でエントリが表示されないようにするには、デスクトップエントリファイルをテキストエディタで開いて次の行を追加します: {{ic|NoDisplay=true}}。 |
||
+ | システム全体で使用される ''.desktop'' ファイル (例えば、パッケージからインストールしたもの) を変更したい場合、まず関連する ''.desktop'' ファイルを {{ic|$XDG_DATA_HOME/applications/}} にコピーしてください (例えば、{{ic|/usr/share/applications/}} から {{ic|~/.local/share/applications/}} へ)。こうすることで、[[システムメンテナンス#システムのアップグレード|システムのアップグレード]]の際に対象のパッケージがアップデートされても、あなたが加えた変更が上書きされることはありません。ローカルのユーザ固有の ''.desktop'' ファイルは、自動的にシステム全体の ''.desktop'' ファイルよりも優先されるはずです。これで、必要に応じてローカルのユーザ固有の ''.desktop'' ファイルを変更できます。 |
||
− | 特定のデスクトップでエントリが表示されないようにするには、デスクトップエントリファイルに次の行を追加します: {{ic|NotShowIn=''desktop-name''}}。 |
||
+ | {{Note|アプリケーションを自動起動するように設定している場合、[[XDG Autostart]] に従って、{{ic|$XDG_CONFIG_HOME/autostart}} 内にシステムデスクトップエントリのコピーがすでに存在している場合があります。自動起動する場合のみの動作を変更したい場合、このファイルを変更してください。すべての場合における動作を変更したい場合は、以下のことを行う必要があります: |
||
− | ''desktop-name'' は ''GNOME'', ''Xfce'', ''KDE'' などに置き換えて下さい。複数のデスクトップでデスクトップエントリを隠匿することもできます。デスクトップの名前をセミコロンで区切って複数指定して下さい。 |
||
+ | * デスクトップエントリファイルを {{ic|$XDG_CONFIG_HOME/autostart/}} から {{ic|$XDG_DATA_HOME/applications}} に移動する。 |
||
+ | * {{ic|ls -l}} を使って、このデスクトップエントリが編集可能な通常のファイルであり、システム関連の場所へのリンクでないことを確認する。リンクである場合は、上記で説明したように元のファイルのコピーに入れ替える。 |
||
+ | * ユーザアプリケーションディレクトリ (内のデスクトップエントリ) へのシンボリックリンクを作成する (便宜上、デフォルトの XDG ディレクトリに置き換えています): |
||
+ | ln -s ~/.local/share/applications/''desktop_entry'' ~/.config/autostart/ |
||
− | === 自動起動 === |
||
+ | これで、アプリケーションランチャー内のファイルは、自動起動させるファイルと同じになります。 |
||
− | GNOME や KDE など XDG 互換のデスクトップ環境を使っている場合、デスクトップ環境は以下のディレクトリにある {{ic|*.desktop}} ファイルを自動的に起動します: |
||
+ | }} |
||
+ | ==== 環境変数の変更 ==== |
||
− | * システム全体: {{ic|$XDG_CONFIG_DIRS/autostart/}} (デフォルトでは {{ic|/etc/xdg/autostart/}}) |
||
− | :* GNOME は {{ic|/usr/share/gnome/autostart/}} にあるファイルも起動します。 |
||
− | * ユーザー個別: {{ic|$XDG_CONFIG_HOME/autostart/}} (デフォルトでは {{ic|~/.config/autostart/}}) |
||
+ | [[環境変数]]を設定するには、{{man|1|env}} コマンドで環境変数を設定するように ''.desktop'' ファイル内の {{ic|1=Exec=}} 行を編集してください。例えば (元の行はコメントアウトされています): |
||
− | システム全体の {{ic|*.desktop}} ファイルをユーザー個別の {{ic|~/.config/autostart/}} フォルダにコピーすることで上書きすることができます。 |
||
+ | {{hc|~/.local/share/applications/abiword.desktop|2= |
||
− | デスクトップファイルの仕様については [http://standards.freedesktop.org/desktop-entry-spec/latest/ Desktop Entry Specification] を参照してください。ディレクトリの詳しい説明は [http://standards.freedesktop.org/autostart-spec/autostart-spec-latest.html Desktop Application Autostart Specification] を見て下さい。 |
||
+ | ... |
||
+ | # Exec=abiword %U |
||
+ | Exec=env LANG=he_IL.UTF-8 abiword %U |
||
+ | ... |
||
+ | }} |
||
+ | ==== コマンドライン引数の変更 ==== |
||
− | {{Note|この方法は XDG 互換のデスクトップ環境でしか使えません。サポートされていないデスクトップ環境では {{AUR|dapper}}, {{pkg|dex}}, {{AUR|fbautostart}} などのツールを使うことで XDG の自動起動を行うようにすることができます。ただし、それには他の自動起動の手段が必要です。その手段を使って XDG 互換の自動起動ツールを実行して下さい。}} |
||
+ | コマンドライン引数を変更または追加するには、{{ic|1=Exec=}} 行を編集し、オプションを追加してください。例 (元の行はコメントアウトされています): |
||
− | === 環境変数の修正 === |
||
+ | {{hc|~/.local/share/applications/steam.desktop|2= |
||
− | {{ic|env}} を追加するように {{ic|Exec}} コマンドを編集します。例: |
||
+ | ... |
||
− | |||
+ | # Exec=/usr/bin/steam-runtime %U |
||
− | {{hc|~/.local/share/applications/abiword.desktop|2= |
||
− | Exec= |
+ | Exec=/usr/bin/steam-runtime -no-browser %U |
+ | ... |
||
}} |
}} |
||
+ | |||
+ | ==== デスクトップエントリの隠匿 ==== |
||
+ | |||
+ | デスクトップエントリの可視性は、複数の方法で制御できます。詳細は [https://specifications.freedesktop.org/desktop-entry-spec/desktop-entry-spec-latest.html#recognized-keys Desktop Entry Specification] を見てください。以下の内容のうち1つを ''.desktop'' ファイルに[[追加]]してください: |
||
+ | * ''全ての''デスクトップ環境に適用。以下のうち1つ (あるいは両方) を選んでください: |
||
+ | ** メニューに表示したくないアプリケーションに対して {{ic|1=NoDisplay=true}} 行を追加する。 |
||
+ | ** 削除済みでありメニューに表示したくないアプリケーションに対して {{ic|1=Hidden=true}} 行を追加する。 |
||
+ | * デスクトップ環境を''指定''。以下のうち1つを選んでください。{{ic|''desktop_names''}} の部分はデスクトップ環境のリストであり、セミコロンで区切ってください (例: {{ic|GNOME}}, {{ic|GNOME;Xfce;KDE;}}): |
||
+ | ** {{ic|1=NotShowIn=''desktop_names''}} 行を追加すると、指定したデスクトップ環境でエントリを''隠し''ます。 |
||
+ | ** {{ic|1=OnlyShowIn=''desktop_names''}} 行を追加すると、指定したデスクトップ環境でのみエントリを''表示''します。 |
||
== 参照 == |
== 参照 == |
||
+ | * [[Wikipedia:.desktop]] |
||
− | * [[en2:DeveloperWiki:Removal of desktop files|DeveloperWiki:Removal of desktop files]] |
||
+ | * [https://freedesktop.org/wiki/Howto_desktop_files/ 開発者向けの情報] |
||
− | * [[Wikipedia:.desktop|desktop wikipedia article]] |
||
+ | |||
− | * [http://standards.freedesktop.org/desktop-entry-spec/latest/ar01s05.html recognized desktop entry keys] |
||
+ | {{TranslationStatus|Desktop entries|2023-05-14|776650}} |
||
− | * [http://freedesktop.org/wiki/Specifications/desktop-entry-spec freedesktop.org desktop entry specification] |
||
− | * [http://freedesktop.org/wiki/Specifications/icon-theme-spec freedesktop.org icon theme specification] |
||
− | * [http://freedesktop.org/wiki/Specifications/menu-spec freedesktop.org menu specification] |
||
− | * [http://freedesktop.org/wiki/Specifications/basedir-spec freedesktop.org basedir specification] |
||
− | * [http://freedesktop.org/wiki/Howto_desktop_files information for developers] |
2024年4月20日 (土) 15:23時点における最新版
XDG デスクトップエントリ仕様は、XDG Desktop Menu 仕様を実装しているデスクトップ環境のアプリケーションメニューにアプリケーションを統合するための規格です。
基本
デスクトップエントリには、1つの Type
キーと1つの Name
キーが含まれていなければなりません。オプションで、アプリケーションメニューでの見た目を定義することができます。
Type
に指定できるタイプは3つあります:
- Application
- どのようにしてアプリケーションを起動するかや、どの MIME タイプをサポートするかを定義します (MIME タイプの記述は XDG MIME Applications により使用されます)。XDG 自動起動を使えば、アプリケーションエントリを特定のディレクトリに配置することにより、そのエントリを自動起動させることができます。アプリケーションエントリは、ファイル拡張子
.desktop
を使用します。#アプリケーションエントリ を見てください。
- Link
URL
へのショートカットを定義します。リンクエントリは、ファイル拡張子.desktop
を使用します。
- Directory
- アプリケーションメニューでのサブメニューの見た目を定義します。ディレクトリエントリは、ファイル拡張子
.directory
を使用します。
以下のセクションでは、これらのエントリの作成や検証の方法について大まかに説明します。
アプリケーションエントリ
アプリケーションのデスクトップエントリ (.desktop
ファイル) は、基本的にメタ情報リソースの集合であり、アプリケーションのショートカットです。通常、これらのファイルは、システム全体でインストールしたアプリケーションなら /usr/share/applications
か /usr/local/share/applications
に、ユーザ固有のアプリケーションなら ~/.local/share/applications
に入っています。ユーザーのエントリはシステムのエントリよりも優先されます。
ファイル例
以下は、コメントを追加したデスクトップエントリの構成のサンプルです。このサンプルは雰囲気を伝えるだけのものであり、利用可能なエントリキー全ての使い方を示してはいません。完全なキーのリストは freedesktop 仕様 を見てください。
[Desktop Entry] # 前の章でリストアップしたタイプ Type=Application # このファイルが準拠しているデスクトップエントリ仕様のバージョン Version=1.0 # アプリケーションの名前 Name=jMemorize # ツールチップとして利用できる/されるコメント Comment=Flash card based learning tool # 実行ファイルが存在するフォルダへのパス Path=/opt/jmemorise # アプリケーションの実行可能ファイル。引数を付けることができます。 Exec=jmemorize # エントリを表示するときに使われるアイコンの名前 Icon=jmemorize # アプリケーションをターミナルで実行する必要があるかどうかを記述 Terminal=false # このエントリをどのカテゴリで表示すべきかを記述 Categories=Education;Languages;Java;
キーの定義
freedesktop のサイトに、認識される全てのデスクトップエントリが記載されています。
例えば、Type
キーは3つのタイプのデスクトップエントリを定義します: アプリケーション (Application, タイプ1), リンク (Link, タイプ2), ディレクトリ (Directory, タイプ3)。
Version
キーはアプリケーションのバージョンを表すものではなく、デスクトップエントリが準拠しているデスクトップエントリ規格のバージョンを指定します。
Name
,GenericName
,Comment
はしばしば以下のように同じような値が使われることがありますが:
Name=Pidgin Internet Messenger GenericName=Internet Messenger
または:
Name=NoteCase notes manager Comment=Notes Manager
上記のような設定はユーザーを混乱させるだけなので避けるべきです。Name
キーにはアプリケーションの名前 (あるいはその省略語や頭字語) だけを書いてください。
GenericName
にはアプリケーションがどのようなものなのかを示す名称を指定するべきです (例えば Firefox なら "Web Browser")。Comment
には何らかの追加情報を記入することを意図しています。
検証
いくつかのキーは非推奨となっているので、desktop-file-validate(1) を使ってデスクトップエントリを検証する必要があるかもしれません。このツールは desktop-file-utils パッケージに含まれています。エントリを検証するには、以下を実行してください:
$ desktop-file-validate <デスクトップファイル>
上記のコマンドで詳細かつ有用な警告・エラーメッセージが表示されます。
インストール
対象のディレクトリに desktop ファイルをインストールするには、desktop-file-install(1) を使ってください。例えば:
$ desktop-file-install --dir=$HOME/.local/share/applications ~/app.desktop
デスクトップエントリデータベースの更新
~/.local/share/applications
で定義されているデスクトップエントリを機能させるには、以下のコマンドを実行してください:
$ update-desktop-database ~/.local/share/applications
アイコン
Icon Theme Specification も参照してください。
一般的な画像フォーマット
以下はアイコンとしてよく使われている画像フォーマットの簡単な概要です。
拡張子 | フルネームまたは説明 | グラフィック形式 | コンテナフォーマット | サポート |
---|---|---|---|---|
.png | Portable Network Graphics | ラスタ | No | Yes |
.svg(z) | Scalable Vector Graphics | ベクタ | No | Yes (オプション) |
.xpm | X PixMap | ラスタ | No | Yes (非推奨) |
.gif | Graphics Interchange Format | ラスタ | No | No |
.ico | MS Windows Icon Format | ラスタ | Yes | No |
.icns | Apple Icon Image | ラスタ | Yes | No |
アイコンの変換
(gif
や ico
など) freedesktop.org の仕様でサポートされていないフォーマットのアイコンしか見つからなかった場合、convert ツールでサポート/推奨されているフォーマットに変換できます (convert は imagemagick パッケージに含まれています):
$ convert <アイコン名>.gif <アイコン名>.png
ico
などのコンテナフォーマットから変換した場合、<icon name>-<number>.png
という名前で ico
ファイルにカプセル化されていた画像が取得できます。画像のサイズや ico
などのコンテナに含まれている画像の数を調べたいときは (imagemagick パッケージに含まれている) identify を使います:
$ identify /usr/share/vlc/vlc48x48.ico
/usr/share/vlc/vlc48x48.ico[0] ICO 32x32 32x32+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb /usr/share/vlc/vlc48x48.ico[1] ICO 16x16 16x16+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb /usr/share/vlc/vlc48x48.ico[2] ICO 128x128 128x128+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb /usr/share/vlc/vlc48x48.ico[3] ICO 48x48 48x48+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb /usr/share/vlc/vlc48x48.ico[4] ICO 32x32 32x32+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb /usr/share/vlc/vlc48x48.ico[5] ICO 16x16 16x16+0+0 8-bit DirectClass 84.3kb
上記の ico ファイルでは、ファイル名からは 48x48 の画像しか含まれていないように見えますが、実は6つのサイズの画像が含まれていて、中には 48x48 よりも大きな 128x128 の画像もあります。
あるいは、icotool (icoutils にあり) を使って ico コンテナから png イメージを抽出できます:
$ icotool -x <icon name>.ico
.icns コンテナからイメージを展開する場合、icns2png (libicns により提供) を使うことができます:
$ icns2png -x <icon name>.icns
アイコンの取得
大抵 .desktop ファイルが付属しているパッケージにはアイコンが含まれていますが、アイコンは存在するのに .desktop ファイルが開発者によって作られていない場合もあります。まずはソースパッケージの中にアイコンが存在しないか確認すると良いでしょう。 ソースパッケージの中に大量の画像が存在するときは、find を使って拡張子でファイルを絞り込んで、それから grep を使ってパッケージ名や "icon" あるいは "logo" などのキーワードで検索をかけましょう:
$ find /path/to/source/package -regex ".*\.\(svg\|png\|xpm\|gif\|ico\)$"
アプリケーションの開発者がソースパッケージにアイコンを含めていないときは、アプリケーションのウェブサイトを検索しましょう。tvbrowserAUR など、プロジェクトによってはウェブサイトに アートワーク/ロゴのページ が存在しアイコンをダウンロードすることができます。プロジェクトがマルチプラットフォームの場合、Linux/UNIX パッケージにアイコンが付属していなくても、Windows パッケージには存在する可能性があります。プロジェクトが CVS や SVN などのバージョン管理システムを使用している場合、リポジトリにアイコンが存在しないか確認してください。 どうやっても見つからないのであれば、プロジェクトにまだアイコンやロゴがないのかもしれません。
アイコンのパス
freedesktop.org 仕様は、プログラムがアイコンを探索するディレクトリと、探索する順番を規定しています:
$HOME/.icons
(後方互換性のため)$XDG_DATA_DIRS/icons
/usr/share/pixmaps
ツール
Arronax
Arronax は、アプリケーションやショートカットのデスクトップエントリを作成/変更するためのグラフィカルなプログラムです。使用するには arronaxAUR をインストールしてください。
Alacarte
alacarte は GNOME のためのグラフィカルなメニューエディタで、freedesktop.org のメニュー仕様を使用します。デスクトップエントリのオーバーライドもサポートしています。
jdDesktopEntryEdit
jddesktopentryeditAUR は、デスクトップエントリを編集するための、Qt を使用するグラフィカルプログラムです。
gendesk
gendesk は PKGBUILD ファイルから直接情報を取得して .desktop ファイルを生成する Arch Linux 専用のツールとして開発がスタートしました。今ではコマンドライン引数を使用する汎用のツールとなっています。
アイコンは openiconlibrary から自動的にダウンロードすることが可能です (アイコンのソースは将来変更される可能性があります)。
使用法
gendesk
を makedepends に追加
prepare()
関数に以下を記入:
gendesk --pkgname "$pkgname" --pkgdesc "$pkgdesc"
- もしくは、アイコンが既に含まれている場合 (例: $pkgname.png)、アイコンをダウンロードしない、あるいはデフォルトのアイコンを使うために
-n
フラグを使います。例:
gendesk -n --pkgname "$pkgname" --pkgdesc "$pkgdesc"
- 作成された
$srcdir/$pkgname.desktop
はpackage()
関数でインストールします:
install -Dm644 "$pkgname.desktop" "$pkgdir/usr/share/applications/$pkgname.desktop"
- アイコンをインストールするには:
install -Dm644 "$pkgname.png" "$pkgdir/usr/share/pixmaps/$pkgname.png"
--name='Program Name'
でメニューエントリの名前を決めることができます。
--exec='/opt/some_app/elf --with-ponies'
で exec フィールドを設定することができます。
- 詳しくは gendesk プロジェクト を参照。
lsdesktopf
lsdesktopfAUR は、利用可能な .desktop ファイルを一覧表示したり、エントリの内容を検索したりできます。
$ lsdesktopf $ lsdesktopf --list $ lsdesktopf --list gtk zh_TW,zh_CN,en_GB
MIME タイプ関連の検索を行うこともできます。XDG MIME Applications#lsdesktopf を見てください。
fbrokendesktop
fbrokendesktopAUR Bash スクリプトは、既存のパスを指していない壊れた Exec
の値を検出します。パラメータを指定しなかった場合、fbrokendesktop は DskPath
配列のプリセットフォルダを使います。破損している .desktop だけを完全なパスとファイル名と共に表示します。
例:
$ fbrokendesktop $ fbrokendesktop /usr $ fbrokendesktop /usr/share/xsessions/icewm.desktop
ヒントとテクニック
ターミナルから desktop ファイルを実行する
gtk3 がインストールされている場合、gtk-launch application.desktop
と実行してください。
あるいは、dex パッケージをインストールして、dex /path/to/application.desktop
と実行してください。
desktop ファイルの変更
システム全体で使用される .desktop ファイル (例えば、パッケージからインストールしたもの) を変更したい場合、まず関連する .desktop ファイルを $XDG_DATA_HOME/applications/
にコピーしてください (例えば、/usr/share/applications/
から ~/.local/share/applications/
へ)。こうすることで、システムのアップグレードの際に対象のパッケージがアップデートされても、あなたが加えた変更が上書きされることはありません。ローカルのユーザ固有の .desktop ファイルは、自動的にシステム全体の .desktop ファイルよりも優先されるはずです。これで、必要に応じてローカルのユーザ固有の .desktop ファイルを変更できます。
環境変数の変更
環境変数を設定するには、env(1) コマンドで環境変数を設定するように .desktop ファイル内の Exec=
行を編集してください。例えば (元の行はコメントアウトされています):
~/.local/share/applications/abiword.desktop
... # Exec=abiword %U Exec=env LANG=he_IL.UTF-8 abiword %U ...
コマンドライン引数の変更
コマンドライン引数を変更または追加するには、Exec=
行を編集し、オプションを追加してください。例 (元の行はコメントアウトされています):
~/.local/share/applications/steam.desktop
... # Exec=/usr/bin/steam-runtime %U Exec=/usr/bin/steam-runtime -no-browser %U ...
デスクトップエントリの隠匿
デスクトップエントリの可視性は、複数の方法で制御できます。詳細は Desktop Entry Specification を見てください。以下の内容のうち1つを .desktop ファイルに追加してください:
- 全てのデスクトップ環境に適用。以下のうち1つ (あるいは両方) を選んでください:
- メニューに表示したくないアプリケーションに対して
NoDisplay=true
行を追加する。 - 削除済みでありメニューに表示したくないアプリケーションに対して
Hidden=true
行を追加する。
- メニューに表示したくないアプリケーションに対して
- デスクトップ環境を指定。以下のうち1つを選んでください。
desktop_names
の部分はデスクトップ環境のリストであり、セミコロンで区切ってください (例:GNOME
,GNOME;Xfce;KDE;
):NotShowIn=desktop_names
行を追加すると、指定したデスクトップ環境でエントリを隠します。OnlyShowIn=desktop_names
行を追加すると、指定したデスクトップ環境でのみエントリを表示します。