「Smart Common Input Method」の版間の差分
imported>Skydiver 細 (moved SCIM (日本語) to Smart Common Input Method platform (日本語)) |
Kusanaginoturugi (トーク | 投稿記録) (校正(でき・出来)) |
||
(9人の利用者による、間の26版が非表示) | |||
1行目: | 1行目: | ||
− | [[Category: |
+ | [[Category:インプットメソッド]] |
+ | [[en:Smart Common Input Method platform]] |
||
− | {{i18n|SCIM}} |
||
+ | {{Out of date|Content from 2012 and older.}} |
||
− | {{Note|SCIM はもはやメンテナンスされていません。現在もメンテナンスが行われている [[IBus]] および [[Input Japanese using UIM (日本語)|uim]] の利用を検討してみてください。}} |
||
+ | [[Wikipedia:ja:SCIM|SCIM]] は Su Zhe (またの名を James Su) によって2001年に開発された入力メソッドフレームワークです。類似のソフトウェアとして [[IBus]] や [[UIM]] が存在します。 |
||
+ | 定められた目標は次のとおりです。 |
||
− | このページでは[http://www.scim-im.org/ SCIM]を用いた日本語入力について述べます。 |
||
+ | * 今日存在する入力メソッドライブラリの統一フロントエンド。[[UIM]] や [http://www.m17n.org/m17n-lib-en/ m17n] ライブラリのバインディングが使えます。 |
||
− | SCIMの特徴や目的に関する記述は[http://ja.wikipedia.org/wiki/SCIM WikipediaのSCIMの項]に任せます。 |
||
+ | * [[Wikipedia:ja:IIIMF|IIIMF]] 入力メソッドフレームワークの言語エンジンとして機能すること。 |
||
+ | * できる限り多くの言語の IM エンジンを使えるようにすること。 |
||
+ | * できる限り多くの入力メソッドのプロトコルやインターフェイスをサポートすること。 |
||
+ | * できる限り多くのオペレーティングシステムをサポートすること。 |
||
== インストール == |
== インストール == |
||
− | 日本語入力には、 |
||
− | * 日本語フォント([[Fonts]]を参照) |
||
− | * 入力メゾッド(SCIM) |
||
− | * IMエンジン(このページではAnthy及びMozcについて記載する) |
||
− | が必要です。 |
||
+ | {{Pkg|scim}} パッケージを[[インストール]]して下さい。 |
||
− | === SCIM === |
||
− | # pacman -S scim |
||
− | 使用環境によってはscim-bridgeが必要かもしれません。 |
||
− | # pacman -S scim-bridge |
||
+ | === 入力メソッドエンジンのインストール === |
||
− | === Anthy === |
||
− | [http://anthy.sourceforge.jp/ Anthy]を使用する場合。 |
||
− | # pacman -S scim-anthy |
||
+ | 現在、SCIM プロジェクトには幅広い入力メソッドがあり (他のライブラリが必要な場合もあります)、(簡体字/繁体字) 中国語、日本語、韓国語、および多くのヨーロッパ言語を含む 30 以上の言語をカバーしています。これらの例は一部です (詳細は [https://web.archive.org/web/20130318035826/http://www.scim-im.org/projects/imengines こちらを参照]): |
||
− | === Mozc === |
||
+ | |||
− | [http://code.google.com/p/mozc/ Mozc]を使用する場合。 |
||
+ | * {{Pkg|scim-chewing}} - 中国語 |
||
− | $ yaourt -S mozc |
||
+ | * {{AUR|scim-pinyin}} - 中国語のスマートピンイン |
||
− | PKGBUILDを編集し、「_scim_mozc="yes"」のコメントアウトを解除してください。 |
||
+ | * {{AUR|scim-tables}} - 中国の WuBi またはその他のテーブルベース |
||
− | ## You can choose the input method framework to use either ibus, scim or both. |
||
+ | * {{AUR|scim-anthy}} - 日本語 |
||
− | ## If you will be not using ibus, comment out below. |
||
+ | * {{AUR|scim-hangul}} - 韓国語 |
||
− | #_ibus_mozc="yes" |
||
− | ## If you will be using scim, uncomment below. |
||
− | _scim_mozc="yes" |
||
== 設定 == |
== 設定 == |
||
+ | 以下の手順に従って SCIM を設定する必要があります: |
||
+ | # 環境変数を export して使用する入力メソッドを指定。 |
||
+ | # ロケール関連のファイルを編集。 |
||
+ | # SCIM を起動。 |
||
− | === |
+ | === シンプルなシナリオ === |
− | 以下の設定を~/.bashrc、~.xprofile、/etc/profileのいずれかに記述します。 |
||
− | export XMODIFIERS=@im=SCIM |
||
− | export GTK_IM_MODULE="scim" |
||
− | export QT_IM_MODULE="scim" |
||
− | または、 |
||
− | export XMODIFIERS=@im=SCIM |
||
− | export GTK_IM_MODULE="scim-bridge" |
||
− | export QT_IM_MODULE="scim-bridge" |
||
− | 一部のアプリケーション上で日本語入力ができない場合には後者の設定で解決することがあります。 |
||
+ | [[デスクトップ環境]] または [[ウィンドウマネージャ]] で SCIM を緊急に動作させる必要がある場合は、次の行を [[xprofile]] に追加して再起動します。 |
||
− | === 起動 === |
||
+ | |||
− | コンピュータを再起動し、SCIMを起動します。 |
||
+ | {{hc|~/.xprofile|<nowiki> |
||
+ | export XMODIFIERS=@im=SCIM |
||
+ | export GTK_IM_MODULE="scim" |
||
+ | export QT_IM_MODULE="scim" |
||
+ | </nowiki>}} |
||
+ | |||
+ | これらの行は、起動時に実行される他のファイル ({{ic|/etc/profile}}、{{ic|~/.profile}}、{{ic|~/.xinitrc}} など) に追加できます。 {{ic|~/.config/openbox/autostart}} ([[Openbox]] を使用する場合) |
||
+ | |||
+ | {{Note|最初の環境変数は、{{ic|1=XMODIFIERS=urxvt}} のようないくつかの (珍しい) オプションと競合します。}} |
||
+ | |||
+ | これは、SCIM で動作するように XIM (X 入力メソッド) を設定するための非常に基本的な例です。XIM にはいくつかの制限があるため、お勧めできません。 |
||
+ | |||
+ | === GTK に関する注意事項 === |
||
+ | |||
+ | [[GNOME]] を使用している場合、{{ic|/etc/gtk-2.0/gtk.immodules}} を編集して末尾に以下の行を追加してください: |
||
+ | {{hc|/etc/gtk-2.0/gtk.immodules| |
||
+ | "/usr/lib/gtk-2.0/immodules/im-scim.so" |
||
+ | "scim" "SCIM Input Method" "scim" "/usr/share/locale" "ja:ko:zh" |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | 使用している {{ic|LC_CTYPE}} や {{ic|LANG}} が {{ic|en_US.UTF-8}} の場合は {{ic|ja:ko:zh}} を {{ic|en:ja:ko:zh}} に変更してください。 |
||
+ | |||
+ | 上記の変更を加えたら再起動してください。{{ic|gtk-query-immodules-2.0}} を実行することで利用可能な入力メソッドモジュールを確認できます。 |
||
+ | |||
+ | SCIM が GTK+ アプリケーションで動作しない場合は {{ic|GTK_IM_MODULE_FILE}} 環境変数が {{ic|/etc/gtk-2.0/gtk.immodules}} に設定されていることを確認してください。 |
||
+ | |||
+ | [[自動起動]]ファイルに以下の行を追加することで他のファイル (例: {{ic|~/.immodules}}) を使うこともできます: |
||
+ | gtk-query-immodules-2.0 > ~/.immodules |
||
+ | export GTK_IM_MODULE_FILE=~/.immodules |
||
+ | |||
+ | === ロケール関連のファイル === |
||
+ | |||
+ | 使用しているキーボードのロケールが {{ic|en_US.UTF-8}} (あるいは {{ic|en_US.utf8}}) ではない場合、以下のように {{ic|~/.scim/global}} の最初の行を編集する必要があります (もしくは {{ic|/etc/scim/global}} を編集することで全てのユーザーに設定を適用することもできます): |
||
+ | |||
+ | /SupportedUnicodeLocales = en_US.UTF-8,ja_JP.UTF-8 |
||
+ | |||
+ | {{ic|ja_JP.UTF-8}} はあなたの使用しているロケールに置き換えてください。 |
||
+ | |||
+ | {{Note|ロケールはアクティブである必要があり (つまり、{{ic|/etc/locale-gen}} でコメントを解除し、root として {{ic|/etc/locale-gen}} を実行する必要があります)、SCIM に ''よって'' サポートされている必要があります (ほとんどの *.UTF-8 ロケールはサポートされています)}} |
||
+ | |||
+ | 有効になっているロケールがわからない場合、以下のコマンドで確認できます: |
||
+ | |||
+ | $ locale -a |
||
+ | |||
+ | もしくは {{ic|/etc/locale.gen}} を見てください。 |
||
+ | |||
+ | ==== ロケールに関するさらなるトラブルシューティング ==== |
||
+ | |||
+ | SCIM と必要な入力テーブルをインストールした後でも SCIM が機能しない場合は、{{ic|/etc/profile}} の {{ic|LC_CTYPE}} 環境変数を、使用する予定のロケールに設定する必要があります。使用。次のような LC_CTYPE のエントリを作成するだけです: |
||
+ | |||
+ | LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8" |
||
+ | |||
+ | 最後に、{{ic|locale-gen}} コマンドを使用してロケールを生成する必要があります。 |
||
+ | |||
+ | === 実行 === |
||
+ | |||
+ | SCIM は {{ic|scim}} コマンドだけでも起動できますが、普通はデーモンとして SCIM を起動します: |
||
$ scim -d |
$ scim -d |
||
− | 「-d」はデーモンとして起動するためのオプションです。 |
||
+ | 上記のコマンドをスクリプトファイルなどに記述して自動的に実行されるようにしてください。通常は {{ic|~/.xinitrc}}, {{ic|/etc/profile}}, {{ic|~/.config/openbox/autostart}} ([[Openbox]] を使用している場合) などを使います。 |
||
− | === セットアップ === |
||
+ | |||
− | デスクトップ環境のメニューから「SCIM Input Method Setup」を起動するか、 |
||
+ | ==== GNOME ==== |
||
− | $ scim-setup |
||
+ | |||
− | によりSCIM及びIMエンジンの設定ができます。 |
||
+ | デスクトップ環境として GNOME を使っている場合、上記のコマンドでうまくいかない場合があります。そのようなときは以下のコマンドを使ってください: |
||
+ | |||
+ | $ scim -f x11 -c simple -d |
||
+ | |||
+ | SCIM を自動的に起動させたい場合、GNOME のスタートアップ設定から新しいスタートアップを作成して上記のコマンドを入力してください。 |
||
+ | |||
+ | {{Note|{{ic|scim -f socket -c socket -d}} を使用した場合、SCIM の設定は変更できなくなります。}} |
||
+ | |||
+ | ==== KDE ==== |
||
+ | |||
+ | デスクトップ環境として KDE を使っている場合、以下のコマンドを使う必要があるかもしれません: |
||
+ | $ scim -f socket -c socket -d |
||
+ | |||
+ | == トラブルシューティング == |
||
+ | |||
+ | === LWJGL (Lightweight Java Game Library) でキーボードのフォーカスが外れる === |
||
+ | |||
+ | [http://www.scim-im.org/forums#nabble-td2499750] や [https://ubuntuforums.org/showthread.php?t=1641861] を見てください。 |
||
+ | |||
+ | === Chrome/Chromium で入力できない === |
||
+ | |||
+ | [[xprofile]] に以下のように設定してください: |
||
+ | |||
+ | {{hc|~/.xprofile|<nowiki> |
||
+ | export XMODIFIERS=@im=SCIM |
||
+ | export GTK_IM_MODULE="xim" |
||
+ | export QT_IM_MODULE="scim" |
||
+ | scim -d</nowiki> |
||
+ | }} |
||
+ | |||
+ | 上記の設定を使うと単語を入力してからスペースバーや修飾キーを押すと編集前の文字列が消えてしまうという問題も報告されているので注意してください。 |
||
+ | |||
+ | == 参照 == |
||
+ | *[https://github.com/scim-im GitHub ページ] |
||
+ | *[https://www.archlinux.org/news/166/ Arch ニュースページ] |
2024年7月10日 (水) 20:06時点における最新版
SCIM は Su Zhe (またの名を James Su) によって2001年に開発された入力メソッドフレームワークです。類似のソフトウェアとして IBus や UIM が存在します。
定められた目標は次のとおりです。
- 今日存在する入力メソッドライブラリの統一フロントエンド。UIM や m17n ライブラリのバインディングが使えます。
- IIIMF 入力メソッドフレームワークの言語エンジンとして機能すること。
- できる限り多くの言語の IM エンジンを使えるようにすること。
- できる限り多くの入力メソッドのプロトコルやインターフェイスをサポートすること。
- できる限り多くのオペレーティングシステムをサポートすること。
目次
インストール
入力メソッドエンジンのインストール
現在、SCIM プロジェクトには幅広い入力メソッドがあり (他のライブラリが必要な場合もあります)、(簡体字/繁体字) 中国語、日本語、韓国語、および多くのヨーロッパ言語を含む 30 以上の言語をカバーしています。これらの例は一部です (詳細は こちらを参照):
- scim-chewing - 中国語
- scim-pinyinAUR - 中国語のスマートピンイン
- scim-tablesAUR - 中国の WuBi またはその他のテーブルベース
- scim-anthyAUR - 日本語
- scim-hangulAUR - 韓国語
設定
以下の手順に従って SCIM を設定する必要があります:
- 環境変数を export して使用する入力メソッドを指定。
- ロケール関連のファイルを編集。
- SCIM を起動。
シンプルなシナリオ
デスクトップ環境 または ウィンドウマネージャ で SCIM を緊急に動作させる必要がある場合は、次の行を xprofile に追加して再起動します。
~/.xprofile
export XMODIFIERS=@im=SCIM export GTK_IM_MODULE="scim" export QT_IM_MODULE="scim"
これらの行は、起動時に実行される他のファイル (/etc/profile
、~/.profile
、~/.xinitrc
など) に追加できます。 ~/.config/openbox/autostart
(Openbox を使用する場合)
これは、SCIM で動作するように XIM (X 入力メソッド) を設定するための非常に基本的な例です。XIM にはいくつかの制限があるため、お勧めできません。
GTK に関する注意事項
GNOME を使用している場合、/etc/gtk-2.0/gtk.immodules
を編集して末尾に以下の行を追加してください:
/etc/gtk-2.0/gtk.immodules
"/usr/lib/gtk-2.0/immodules/im-scim.so" "scim" "SCIM Input Method" "scim" "/usr/share/locale" "ja:ko:zh"
使用している LC_CTYPE
や LANG
が en_US.UTF-8
の場合は ja:ko:zh
を en:ja:ko:zh
に変更してください。
上記の変更を加えたら再起動してください。gtk-query-immodules-2.0
を実行することで利用可能な入力メソッドモジュールを確認できます。
SCIM が GTK+ アプリケーションで動作しない場合は GTK_IM_MODULE_FILE
環境変数が /etc/gtk-2.0/gtk.immodules
に設定されていることを確認してください。
自動起動ファイルに以下の行を追加することで他のファイル (例: ~/.immodules
) を使うこともできます:
gtk-query-immodules-2.0 > ~/.immodules export GTK_IM_MODULE_FILE=~/.immodules
ロケール関連のファイル
使用しているキーボードのロケールが en_US.UTF-8
(あるいは en_US.utf8
) ではない場合、以下のように ~/.scim/global
の最初の行を編集する必要があります (もしくは /etc/scim/global
を編集することで全てのユーザーに設定を適用することもできます):
/SupportedUnicodeLocales = en_US.UTF-8,ja_JP.UTF-8
ja_JP.UTF-8
はあなたの使用しているロケールに置き換えてください。
有効になっているロケールがわからない場合、以下のコマンドで確認できます:
$ locale -a
もしくは /etc/locale.gen
を見てください。
ロケールに関するさらなるトラブルシューティング
SCIM と必要な入力テーブルをインストールした後でも SCIM が機能しない場合は、/etc/profile
の LC_CTYPE
環境変数を、使用する予定のロケールに設定する必要があります。使用。次のような LC_CTYPE のエントリを作成するだけです:
LC_CTYPE="ja_JP.UTF-8"
最後に、locale-gen
コマンドを使用してロケールを生成する必要があります。
実行
SCIM は scim
コマンドだけでも起動できますが、普通はデーモンとして SCIM を起動します:
$ scim -d
上記のコマンドをスクリプトファイルなどに記述して自動的に実行されるようにしてください。通常は ~/.xinitrc
, /etc/profile
, ~/.config/openbox/autostart
(Openbox を使用している場合) などを使います。
GNOME
デスクトップ環境として GNOME を使っている場合、上記のコマンドでうまくいかない場合があります。そのようなときは以下のコマンドを使ってください:
$ scim -f x11 -c simple -d
SCIM を自動的に起動させたい場合、GNOME のスタートアップ設定から新しいスタートアップを作成して上記のコマンドを入力してください。
KDE
デスクトップ環境として KDE を使っている場合、以下のコマンドを使う必要があるかもしれません:
$ scim -f socket -c socket -d
トラブルシューティング
LWJGL (Lightweight Java Game Library) でキーボードのフォーカスが外れる
Chrome/Chromium で入力できない
xprofile に以下のように設定してください:
~/.xprofile
export XMODIFIERS=@im=SCIM export GTK_IM_MODULE="xim" export QT_IM_MODULE="scim" scim -d
上記の設定を使うと単語を入力してからスペースバーや修飾キーを押すと編集前の文字列が消えてしまうという問題も報告されているので注意してください。