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[[Category:Networking (日本語)]]
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[[Category:ネットワーク]]
[[Category:Getting and installing Arch (日本語)]]
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[[Category:ネットワーク設定]]
[[cs:Configuring Network]]
+
[[en:Network configuration]]
[[el:Configuring Network]]
+
[[es:Network configuration]]
[[en:Configuring Network]]
+
[[fi:Network configuration]]
[[es:Configuring Network]]
+
[[it:Network configuration]]
  +
[[pt:Network configuration]]
[[fr:Connexions reseau]]
 
[[it:Configuring Network]]
+
[[ru:Network configuration]]
[[nl:Configuring Network]]
+
[[zh-hans:Network configuration]]
  +
{{Related articles start}}
[[pt:Configuring Network]]
 
  +
{{Related|ドメイン名前解決}}
[[ro:Configurare retea]]
 
  +
{{Related|ファイアウォール}}
[[ru:Configuring Network]]
 
  +
{{Related|インターネット共有}}
[[sk:Configuring Network]]
 
  +
{{Related|ネットワークデバッグ}}
[[tr:Ağ_Yapılandırması]]
 
  +
{{Related|ルーター}}
[[zh-CN:Configuring Network]]
 
[[zh-TW:Network Configuration]]
 
{{Related articles start (日本語)}}
 
{{Related2|Jumbo frames|ジャンボフレーム}}
 
{{Related2|Firewalls (日本語)|ファイアウォール}}
 
{{Related2|Wireless Setup (日本語)|ワイヤレス設定}}
 
{{Related2|Network bridge (日本語)|ネットワークブリッジ}}
 
{{Related2|List of Applications/Internet (日本語)#ネットワーク管理|アプリケーション一覧#ネットワーク管理}}
 
 
{{Related articles end}}
 
{{Related articles end}}
   
このページではネットワークの'''有線'''接続を設定する方法説明しています。'''無線'''ネットワーク設定する必要がある場合は[[Wireless Setup (日本語)|ワイヤレス設定]]のページを見下さい。
+
この記事では [[Wikipedia:ja:ネットワーク層|OSI レイヤ 3 (ネットワーク層)]] 以上ネットワーク設定を行う方法について説明しています。媒体固有の情報は [[ネットワーク設定/イーサネット]] [[ネットワーク設定/ワイヤレス]] で扱っています
   
 
== 接続の確認 ==
 
== 接続の確認 ==
   
  +
ネットワーク接続のトラブルシューティングを行うには、以下の条件を調べ、満たしていることを確認します。
{{Note|ping を実行した時に {{ic|ping: icmp open socket: Operation not permitted}} のようなエラーが表示される場合、{{Pkg|iputils}} パッケージを再インストールしてみてください。}}
 
   
  +
# あなたの [[#ネットワークインターフェイス|ネットワークインターフェイス]] がリストアップされ、有効になっていること。そうでなければ、デバイスドライバを確認してください - [[ネットワーク設定/イーサネット#デバイスドライバ]] または [[ネットワーク設定/ワイヤレス#デバイスドライバ]] を参照してください。
多くの場合、インストールのプロセスでは動作するネットワーク設定がすでに作られています。それを確認するには、次のコマンドを実行してください:
 
  +
# ネットワークに接続されている。ケーブルが接続されているか、[[ネットワーク設定/ワイヤレス|無線LAN]] に接続されている。
  +
# あなたのネットワークインターフェースには [[#IP アドレス|IP アドレス]]がある。
  +
# [[#ルーティングテーブル|ルーティングテーブル]] が正しく設定されている。
  +
#ローカル IP アドレス (例えばデフォルトゲートウェイ) を [[#Ping|ping]] することができる。
  +
# 公開 IP アドレス(例えば {{ic|9.9.9.9}} は Quad9 の DNS サーバで、テストに便利なアドレスです) を [[#Ping|ping]] することも可能です。
  +
# [[ドメイン名前解決#NSS を使用してドメイン名を解決する|ドメイン名を解決ができるか確認]] (例: {{ic|archlinux.org}})
   
  +
=== Ping ===
{{Note|{{ic|-c 3}} オプションは3回試行します。詳しくは {{ic|man ping}} を見て下さい。}}
 
   
  +
[[Wikipedia:Ping (networking utility)|ping]] は、ホストに到達できるかどうかをテストする際に用いられます。
{{hc|$ ping -c 3 www.google.com|2=
 
PING www.l.google.com (74.125.224.146) 56(84) bytes of data.
 
64 bytes from 74.125.224.146: icmp_req=1 ttl=50 time=437 ms
 
64 bytes from 74.125.224.146: icmp_req=2 ttl=50 time=385 ms
 
64 bytes from 74.125.224.146: icmp_req=3 ttl=50 time=298 ms
 
   
  +
{{hc|$ ping www.example.com|2=
--- www.l.google.com ping statistics ---
 
  +
PING www.example.com (93.184.216.34) 56(84) bytes of data.
3 packets transmitted, 3 received, 0% packet loss, time 1999ms
 
  +
64 bytes from 93.184.216.34 (93.184.216.34): icmp_seq=1 ttl=56 time=11.632 ms
rtt min/avg/max/mdev = 298.107/373.642/437.202/57.415 ms}}
 
  +
64 bytes from 93.184.216.34 (93.184.216.34): icmp_seq=2 ttl=56 time=11.726 ms
  +
64 bytes from 93.184.216.34 (93.184.216.34): icmp_seq=3 ttl=56 time=10.683 ms
  +
...
  +
}}
   
  +
ホストからの応答を受け取るたびに、''ping'' ユーティリティは上記のような行を出力します。これは、ユーザが実行をインタラクティブに中断({{ic|Ctrl+c}} を押す)するまで続きます。さらなる情報は {{man|8|ping}} マニュアルを見てください。また、コンピュータは ICMP エコーリクエストに応答しないように設定されている可能性があることに注意してください。[https://unix.stackexchange.com/questions/412446/how-to-disable-ping-response-icmp-echo-in-linux-all-the-time]
これが動作するならば、あなたがすることは下のオプションから設定をカスタマイズするだけです。
 
   
  +
エラーメッセージを受け取った、または応答がなかった場合([[Wikipedia:Ping (networking utility)#Error indications|ping エラー表示]] を見てください)、不完全な設定やデフォルトゲートウェイ、インターネットサービスプロバイダ(ISP)と関連がある場合があります。[[traceroute]] を実行することで、ホストまでの経路をさらに診断することができます。
上のコマンドが知らないホストだとうったえる場合は、そのメッセージはあなたのマシンではドメインの解決ができなかったことを意味しています。それはおそらくあなたのサービスプロバイダやルーター・ゲートウェイに関連しています。マシンがインターネットにアクセスできることを証明するために固定 IP アドレスに ping してみましょう。
 
   
  +
== ネットワーク管理 ==
{{hc|$ ping -c 3 8.8.8.8|2=
 
PING 8.8.8.8 (8.8.8.8) 56(84) bytes of data.
 
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_req=1 ttl=53 time=52.9 ms
 
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_req=2 ttl=53 time=72.5 ms
 
64 bytes from 8.8.8.8: icmp_req=3 ttl=53 time=70.6 ms
 
   
  +
ネットワーク接続の設定を行うには、以下の手順を踏んでください:
--- 8.8.8.8 ping statistics ---
 
3 packets transmitted, 3 received, 0% packet loss, time 2002ms
 
rtt min/avg/max/mdev = 52.975/65.375/72.543/8.803 ms}}
 
   
  +
# [[#ネットワークインターフェイス|ネットワークインターフェイス]]が表示されている、かつ有効化されていることを確認する。
{{Note|{{ic|8.8.8.8}} は覚えやすい固定アドレスです。このアドレスは Google のプライマリ DNS サーバーのアドレスで、信頼でき、コンテンツフィルタリングやプロクシによってブロックされることが通常ありません。}}
 
  +
# ネットワークに接続する。Ethernet ケーブルを接続するか、[[ネットワーク設定/ワイヤレス|ワイヤレス LAN に接続]]してください。
  +
# ネットワーク接続を設定する:
  +
#* ほとんどのネットワークではネットワークの設定に [[Wikipedia:ja:Dynamic Host Configuration Protocol|Dynamic Host Configuration Protocol]] が使用されています。クライアントは、[[#ネットワークマネージャ|スタンドアローンな DHCP クライアントによって、あるいはネットワークマネージャを使用することで]]、DHCP サーバから動的 IP アドレスや固定 IP アドレスを自動的に取得することができます。
  +
#* ネットワークに DHCP サーバが存在しない場合は、それぞれのクライアントに対して固定 IP アドレス、ルーティングテーブル、DNS サーバを手動で設定できます。詳細は [[#固定 IP アドレス]] を参照してください。
   
  +
{{Note|インストールイメージでは以下が使用されています:
{{ic|8.8.8.8}} に ping することができても {{ic|www.google.com}} に ping できない場合は、DNS の設定を確認してください。詳しくは [[Resolv.conf (日本語)|resolv.conf]] を見て下さい。
 
  +
* [https://gitlab.archlinux.org/archlinux/archiso/-/blob/master/configs/releng/airootfs/etc/systemd/network/20-ethernet.network Ethernet]、[https://gitlab.archlinux.org/archlinux/archiso/-/blob/master/configs/releng/airootfs/etc/systemd/network/20-wlan.network WLAN]、[https://gitlab.archlinux.org/archlinux/archiso/-/blob/master/configs/releng/airootfs/etc/systemd/network/20-wwan.network WWAN] ネットワークインターフェイス用の DHCP クライアントとして設定された [[systemd-networkd]]
  +
* システム全体の [[DNS]] 用に設定された [[systemd-resolved]] ([[systemd-resolved#DNS]])
  +
}}
   
  +
=== 手動 ===
== ホストネームの設定 ==
 
   
  +
==== iproute2 ====
[[Wikipedia:ja:ホスト名|hostname]] とは、ネットワーク上でマシンを識別するために作られる唯一の(ユニークな)名前です。{{ic|/etc/hostname}} に設定します。このファイルにはシステムのドメイン名を含めることもできます。ホストネームを設定するには、次を実行して下さい:
 
   
  +
[[Wikipedia:iproute2|iproute2]] は {{Pkg|base}} [[メタパッケージ]]の依存パッケージで、{{man|8|ip}} コマンドラインインターフェイスを提供します。{{man|8|ip}} は[[#ネットワークインターフェイス|ネットワークインターフェイス]]や[[#IP アドレス|IP アドレス]]、[[#ルーティングテーブル|ルーティングテーブル]]の管理に使用されます。{{ic|ip}} を使用して行った設定は再起動すると失われることに注意してください。設定の永続化は、スクリプトや [[systemd#ユニットファイル|systemd ユニット]]を使って ''ip'' コマンドを自動化したりすることで可能です。また、{{ic|ip}} コマンドでは一般に略式記法を使うことができますが、この記事では分かりやすくするために略さずに明記します。
# hostnamectl set-hostname ''myhostname''
 
   
  +
{{Note|Arch Linux は {{Pkg|net-tools}} を非推奨としており、代わりに {{Pkg|iproute2}} を使うことを推奨しています。[https://archlinux.org/news/deprecation-of-net-tools/] [https://dougvitale.wordpress.com/2011/12/21/deprecated-linux-networking-commands-and-their-replacements/ Deprecated Linux networking commands and their replacements] も参照してください。}}
このコマンドで {{ic|/etc/hostname}} に {{ic|''myhostname''}} が書き込まれます。
 
   
  +
==== 固定 IP アドレス ====
詳細は {{ic|man 5 hostname}} や {{ic|man 1 hostnamectl}} を見て下さい。
 
   
  +
固定 IP アドレスはほとんどの標準的な[[#ネットワークマネージャ|ネットワークマネージャ]]や[[dhcpcd]]を使って設定できます。
同じホストネームを {{ic|/etc/hosts}} に追加してください:
 
   
  +
手動で固定 IP アドレスを設定するには、[[#IP アドレス]]で説明されているように IP アドレスを追加し、[[#ルーティングテーブル|ルーティングテーブル]]をセットアップし、[[ドメイン名前解決|DNS サーバを設定]]してください。
{{hc|/etc/hosts|
 
#<ip-address> <hostname.domain.org> <hostname>
 
127.0.0.1 localhost.localdomain localhost ''myhostname''
 
::1 localhost.localdomain localhost ''myhostname''
 
}}
 
   
  +
==== IP アドレス ====
(再起動せずに)一時的にホストネームを設定するには、{{Pkg|inetutils}} にある ''hostname'' コマンドを使って下さい:
 
   
  +
[[Wikipedia:IP address|IP アドレス]]は {{man|8|ip-address}} を使って管理します。
# hostname ''myhostname''
 
   
  +
IP アドレスを一覧表示するには:
ホストネームの解決について問題が発生するときは、[[#ローカルネットワークのホストネーム解決]] を参照。
 
   
  +
$ ip address show
== デバイスドライバ ==
 
   
  +
IP アドレスをインターフェイスに追加するには:
=== ドライバの状態の確認 ===
 
   
  +
# ip address add ''address/prefix_len'' broadcast + dev ''interface''
[[udev (日本語)|udev]] があなたのネットワークインタフェースカード ([[Wikipedia:ja:ネットワークカード|NIC]]) を検知し、必要なモジュールを起動時に自動でロードします。{{ic|lspci -v}} のアウトプットから "Ethernet controller" エントリ(かそれに類似したもの)をチェックしてください。どのカーネルモジュールがネットワークデバイスのためのドライバを含んでいるかわかります。例:
 
   
  +
:注意:
{{hc|$ lspci -v|
 
  +
:* アドレスは [[Wikipedia:Classless Inter-Domain Routing#CIDR notation|CIDR 表記]]を使用し、[[Wikipedia:Subnetwork|サブネットマスク]]も与えます。
02:00.0 Ethernet controller: Attansic Technology Corp. L1 Gigabit Ethernet Adapter (rev b0)
 
  +
:* {{ic|+}} は、IP アドレスとサブネットマスクから[[Wikipedia:Broadcast address|ブロードキャストアドレス]]を {{ic|ip}} に導出させる特殊な記号です。
...
 
Kernel driver in use: atl1
 
Kernel modules: atl1}}
 
   
  +
:{{Note|手動で割り当てた IP アドレスが DHCP により割り当てたものと衝突しないことを確認してください。}}
次に、{{ic|dmesg <nowiki>|</nowiki> grep ''module_name''}} でドライバがロードされたかチェックします。例:
 
   
  +
IP アドレスをインターフェイスから削除するには:
$ dmesg | grep atl1
 
...
 
atl1 0000:02:00.0: eth0 link is up 100 Mbps full duplex
 
   
  +
# ip address del ''address/prefix_len'' dev ''interface''
ドライバがきちんとロードされている場合は次のセクションはスキップしてください。そうでないならば、あなたの使っているモデルのために必要なモジュールを知る必要があります。
 
   
  +
条件に一致するすべてのアドレスを削除するには(例: 特定のインターフェイスの IP アドレス):
=== デバイスモジュールのロード ===
 
   
  +
# ip address flush dev ''interface''
チップセットに必要なモジュール・ドライバを Google で検索してください。Realtek のチップセットを使っているカードには {{ic|8139too}} が、SiS のチップセットを使っているカードには {{ic|sis900}} が一般的に使われるモジュールです。どのモジュールを使うべきか知ったら、[[Kernel modules (日本語)#手動でモジュールを扱う|手動でモジュールをロード]]してみてください。モジュールが見つからないというエラーが表示される場合、Arch カーネルにドライバーが含まれていないのかもしれません。モジュールの名前で [[Arch User Repository (日本語)|AUR]] を検索できます。
 
   
  +
{{Tip|IPv4 アドレスは [https://jodies.de/ipcalc ipcalc](パッケージ: {{Pkg|ipcalc}}) で計算できます。}}
起動時に udev が自動で正しいモジュールを検知・ロードしない場合、[[Kernel modules (日本語)#ロード]] を見て下さい。
 
   
== ネットワクイフェース ==
+
==== ティグテブル ====
   
  +
[[Wikipedia:Routing table|ルーティングテーブル]]は、ある IP アドレスに直接到達できるか、どのゲートウェイ(ルータ)を使用すべきかを判断するのに使用します。IP アドレスと合致するルートが存在しない場合、[[Wikipedia:Default gateway|デフォルトゲートウェイ]]が使用されます。
=== デバイス名 ===
 
   
  +
ルーティングテーブルは {{man|8|ip-route}} を使用して管理します。
NIC が統合されたマザーボードでは、デバイス名を固定することが重要です。設定の問題の多くはインターフェイスの名前が変わってしまうことが原因です。
 
   
  +
''PREFIX'' は CIDR 表記であるか、デフォルトゲートウェイに対しては {{ic|default}} です。
どのデバイスがどの名前になるかは [[Udev (日本語)|udev]] によって決まります。Systemd v197 から [http://www.freedesktop.org/wiki/Software/systemd/PredictableNetworkInterfaceNames Predictable Network Interface Names] が導入され、ネットワークデバイスに固定された名前を自動的に割り当てるようになりました。現在、インターフェースの名前は {{ic|enp0s25}} のように、先頭に {{ic|en}} (イーサネット) {{ic|wl}} (WLAN) {{ic|ww}} (WWAN) が付き、後ろに自動生成された識別子が付くようになっています。
 
   
  +
IPv4 ルートを一覧表示するには:
この名前の付け方を止めさせるにはカーネルコマンドラインに {{ic|1=net.ifnames=0}} を追加してください。
 
   
  +
$ ip route show
{{Tip|{{ic|ip link}} や {{ic|ls /sys/class/net}} を実行すれば利用可能なインターフェイスを全て一覧することができます。}}
 
   
  +
IPv6 ルートを一覧表示するには:
{{Note|インターフェイスの命名方法を変更する時は、ネットワークに関する全ての設定ファイルや、systemd のカスタムユニットファイルなども変更することを忘れないで下さい。特に、[[netctl (日本語)#基本的な方法|netctl の固定プロファイル]]を有効にしている場合は、{{ic|netctl reenable ''profile''}} を実行してサービスファイルを更新してください。}}
 
   
  +
$ ip -6 route show
==== 現在のデバイス名を取得 ====
 
   
  +
ルートを追加するには:
現在の NIC の名前は {{ic|sysfs}} で確認できます:
 
   
  +
# ip route add ''PREFIX'' via ''address'' dev ''interface''
{{hc|$ ls /sys/class/net|
 
lo eth0 eth1 firewire0
 
}}
 
   
  +
ルートを削除するには:
==== デバイス名の変更 ====
 
   
  +
# ip route del ''PREFIX'' via ''address'' dev ''interface''
udev ルールを作ることで名前を手動で定義してデバイス名を変更することができます。例えば:
 
   
  +
=== 自動 ===
{{hc|/etc/udev/rules.d/10-network.rules|2=
 
SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTR{address}=="aa:bb:cc:dd:ee:ff", NAME="net1"
 
SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTR{address}=="ff:ee:dd:cc:bb:aa", NAME="net0"}}
 
   
  +
自動的なネットワーク設定は、[[Wikipedia:ja:Dynamic Host Configuration Protocol|Dynamic Host Configuration Protocol]] (DHCP) を用いることで可能になります。ネットワークの DHCP サーバは、IP アドレス、デフォルトゲートウェイの IP アドレスを提供し、さらにオプションで DHCP クライアントからリクエストが送られたときには DNS ネームサーバも提供します。
注意事項:
 
   
  +
DHCP サーバの比較表は [[ルーター#DNS と DHCP]] を見てください。
* カードの MAC アドレスを取得するには、次のコマンドを使って下さい: {{ic|cat /sys/class/net/''device-name''/address}}
 
* udev ルールでは小文字の十六進数を使うようにしてください。大文字は使ってはいけません。
 
   
  +
==== ネットワークマネージャ ====
ネットワークカードに MAC が動的に割り当てられている場合は、{{ic|DEVPATH}} を使うことができます。例:
 
   
  +
ネットワークマネージャは、ネットワークプロファイルと呼ばれるものを使ってネットワーク接続の設定を管理して、ネットワークの切り替えを容易にします。
{{hc|/etc/udev/rules.d/10-network.rules|<nowiki>
 
SUBSYSTEM=="net", DEVPATH=="/devices/platform/wemac.*", NAME="int"
 
</nowiki>}}
 
   
  +
{{Tip|DHCPv4 サーバが実行中かどうかは {{Pkg|dhcping}} で確認できます。}}
{{Note|固定の名前を付けるときに "eth''X''" や "wlan''X''" というような名前を使ってはいけません、起動時にカーネルと udev で競合状態が発生する可能性があります。代わりに、カーネルではデフォルトで使われないインターフェイス名を使うと良いでしょう、例: {{ic|net0}}, {{ic|net1}}, {{ic|wifi0}}, {{ic|wifi1}}。詳細は [http://www.freedesktop.org/wiki/Software/systemd/PredictableNetworkInterfaceNames systemd] のドキュメントを参照してください。}}
 
   
  +
{{Note|各ネットワークインターフェイスは、ただ一つの DHCP クライアントかネットワークマネージャのみによって管理されるべきです。なので、システム上でただ一つの DHCP クライアントかネットワークマネージャだけを実行することが推奨されます。}}
=== MTU とキューの長さの設定 ===
 
udev ルールを使って手動で定義することでデバイスの MTU とキューの長さを変更することができます。例えば:
 
   
  +
{| class="wikitable sortable"
{{hc|/etc/udev/rules.d/10-network.rules|2=
 
  +
! rowspan="2"| ソフトウェア
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="net", KERNEL=="wl*", ATTR{mtu}="1480", ATTR{tx_queue_len}="2000"}}
 
  +
! colspan="3"| 接続タイプ
  +
! colspan="2"| [[ネットワーク設定/ワイヤレス#認証|ワイヤレス認証]]
  +
! colspan="3"| IP アドレス、ルート (route)、そして DNS の管理
  +
! colspan="3"| インターフェイス
  +
|-
  +
! イーサネット
  +
! PPPoE
  +
! [[USB 3G モデム|モバイルブロードバンド]]
  +
! WPA/WPA2
  +
! WPA3
  +
! 固定 IP
  +
! DHCP クライアント
  +
! [[ドメイン名前解決]]
  +
! CLI
  +
! TUI
  +
! GUI
  +
|-
  +
! {{Pkg|dhclient}}<sup>1</sup>
  +
| {{Yes}} || {{No}} || {{No}} || colspan="2" {{No}}<sup>2</sup> || {{Yes}} || {{G|内蔵}} || {{Yes}} ({{ic|/etc/resolv.conf}} に書き込み) || {{No}} || {{No}} || {{No}}
  +
|-
  +
! [[dhcpcd]]
  +
| {{Yes}} || {{No}} || {{No}} || colspan="2" {{Y|[[dhcpcd#10-wpa supplicant|wpa_supplicant を起動]]<sup>3</sup>}} || {{Yes}} || {{G|内蔵}} || {{G|[[dhcpcd#/etc/resolv.conf|Yes]] ([[resolvconf]] を使用、または {{ic|/etc/resolv.conf}} に書き込み)}} || {{No}} || {{No}} || {{G|{{AUR|dhcpcd-ui}}}}
  +
|-
  +
! [[ConnMan]]
  +
| {{Yes}} || {{No|https://01.org/jira/browse/CM-63{{Dead link|2023|10|29|status=404}}}} || {{Yes}} ({{aur|ofono}} によって) || colspan="2" {{Yes}} ({{Pkg|wpa_supplicant}} または {{Pkg|iwd}} によって) || {{Yes}} || {{G|内蔵}} || {{G|[[ConnMan#DNS 管理|Yes]]}} (内蔵のリゾルバを実行し、{{ic|/etc/resolv.conf}} に書き込み) || {{G|{{man|1|connmanctl}}}} || {{G|[[ConnMan#フロントエンド|Yes]]}} || {{G|[[ConnMan#フロントエンド|Yes]]}}
  +
|-
  +
! [[netctl]]
  +
| {{Yes}} || {{G|[[Netctl#インストール|Yes]] ({{Pkg|ppp}} によって)}} || {{Yes}} ({{Pkg|ppp}} によって) || {{Yes}} ({{Pkg|wpa_supplicant}} によって) || {{No}} || {{Yes}} || {{G|{{Pkg|dhcpcd}} または {{Pkg|dhclient}}}} || {{G|[[netctl#/etc/resolv.conf|Yes]] ([[resolvconf]] を使用)}} || {{G|{{man|1|netctl}}}} || {{Y|{{man|1|wifi-menu}}<sup>4</sup>}} || {{No}}
  +
|-
  +
! [[NetworkManager]]
  +
| {{Yes}} || {{G|[[NetworkManager#PPPoE / DSL サポート|Yes]] ({{Pkg|rp-pppoe}} によって)}} || {{G|[[NetworkManager#モバイルブロードバンドサポート|Yes]] ({{Pkg|modemmanager}} によって)}} || colspan="2" {{Yes}} ({{Pkg|wpa_supplicant}} または [[NetworkManager#Wi-Fi バックエンドとして iwd を使用する|iwd]] によって) || {{Yes}} || {{G|内蔵、{{Pkg|dhclient}}、{{Pkg|dhcpcd}}<sup>5</sup> のいずれかによって}} || {{G|[[NetworkManager#DNS の管理|Yes]] ([[systemd-resolved]]、[[resolvconf]] を使用、または {{ic|/etc/resolv.conf}} に書き込み)}} || {{G|{{man|1|nmcli}}}} || {{G|{{man|1|nmtui}}}} || {{G|[[NetworkManager#フロントエンド|Yes]]}}
  +
|-
  +
! [[systemd-networkd]]
  +
| {{Yes}} || {{No|https://github.com/systemd/systemd/issues/481}} || {{No|https://github.com/systemd/systemd/issues/20370}} || colspan="2" {{No}}<sup>2</sup> || {{Yes}} || {{G|内蔵}} || {{Yes}} ([[systemd-resolved]] を使用) || {{G|{{man|1|networkctl}}}} || {{No}} || {{No}}
  +
|-
  +
! [[wpa_supplicant]]
  +
| {{G|[[Wikipedia:ja:IEEE 802.1X|IEEE 802.1X]]}} || {{No}} || {{No}} || {{Yes}} || {{Yes}} || colspan="3" {{No}} || {{G|{{man|8|wpa_cli}}}} || {{No}} || {{G|{{AUR|wpa_supplicant_gui}}}}
  +
|-
  +
! [[iwd]]
  +
| {{G|[[Wikipedia:ja:IEEE 802.1X|IEEE 802.1X]]}} || {{No}} || {{No}} || {{Yes}} || {{Yes}} || {{G|[[iwd#内蔵ネットワーク設定の有効化|Yes]]}} || {{G|[[iwd#内蔵ネットワーク設定の有効化|内蔵]]}} || {{G|[[iwd#DNS マネージャーの選択|Yes]] ([[systemd-resolved]] または [[resolvconf]] を使用)}} || {{G|{{man|1|iwctl}}}} || {{G|{{pkg|impala}}}} || {{G|{{AUR|iwgtk}}}}
  +
|}
   
  +
# 2022 初頭の時点ではもはやメンテナンスされていません。ISC は本番環境で使用することを推奨していません。
=== ネットワークインターフェースの有効化・無効化 ===
 
  +
# ワイヤレス認証は [[wpa_supplicant]] または [[iwd]] によって別に設定することができます。
  +
# ワイヤレス認証は [[wpa_supplicant]] によって別に設定しなければなりません。
  +
# Wi-Fi 接続のみを管理できます。
  +
# NetworkManager は DHCPv6 に dhcpcd を使用しません。[[NetworkManager#DHCP クライアント]] を参照してください。
   
ネットワークインターフェを有効化・無効化するには以下のコマンドを使います:
+
== ネットワークインターフェ ==
   
  +
ネットワークインターフェイスは [[udev]] によって管理されており、{{man|5|systemd.link}} ファイルによって設定します。デフォルトの設定では、[https://systemd.io/PREDICTABLE_INTERFACE_NAMES/ Predictable Network Interface Names] を使って[[Wikipedia:ja:ネットワークカード|ネットワークインターフェイスコントローラー]]に名前を割り当てていきます。この命名法では、インターフェイス名の前に {{ic|en}} (有線/[[Wikipedia:ja:イーサネット|イーサネット]])、{{ic|wl}} (無線/[[Wikipedia:ja:無線LAN|WLAN]])、{{ic|ww}} (モバイルブロードバンド/[[Wikipedia:ja:無線WAN|WWAN]]) のどれかが付きます。{{man|7|systemd.net-naming-scheme}} を参照してください。
# ip link set eth0 up
 
# ip link set eth0 down
 
   
  +
{{Tip|
結果を確認するには:
 
  +
* 一般に、{{ic|/usr/lib/systemd/network/99-default.link}} はほとんどのケースで十分です。
 
  +
* インターフェイス名を変更するには、[[#インターフェイス名の変更]] と [[#伝統的なインターフェイス名に戻す]] を参照してください。
{{hc|$ ip link show dev eth0|
 
  +
* {{ic|udevadm test-builtin net_setup_link /sys/path/to/network/device}} を root ユーザーとして実行することで、''.link'' ファイルの問題を診断することができます。
2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,PROMISC,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast master br0 state UP mode DEFAULT qlen 1000
 
...
 
 
}}
 
}}
   
  +
{{Note|Predictable Network Interface Names は、PCIe デバイスを追加または除去した後にシステムのファームウェアがデバイスの番号を割り当てなおすと、変化する可能性があります。[https://github.com/systemd/systemd/issues/33347 Systemd issue 33347] を参照してください。}}
== IP アドレスの設定 ==
 
   
  +
=== ネットワークインターフェイスを表示 ===
2つ選択肢があります: [[Wikipedia:ja:Dynamic Host Configuration Protocol|DHCP]] を使った動的に割り当てられるアドレスか、不変の"固定"アドレスです。
 
 
=== 動的 IP アドレス ===
 
   
  +
有線インターフェイスと無線インターフェイスの両方の名前は {{ic|ls /sys/class/net}} や {{ic|ip link}} で見つけることができます。{{ic|lo}} は [[Wikipedia:Loopback#Virtual loopback interface|仮想ループバックインターフェイス]]であり、ネットワーク接続の際には使用されないことに注意してください。
==== systemd-networkd ====
 
   
systemd による [[systemd-networkd (日本語)|systemd-networkd]] を使って DHCP を簡単に設定することできます。[[systemd-networkd (日本語)#基本的な DHCP ネットワーク|systemd-networkd#基本的な DHCP ネットワ]] を見さい。
+
無線デバイス名は {{ic|iw dev}} を使することでも取得できます。[[ネットワーク設定/ワイヤレス#インタフェイス名の取得]]も参照しください。
   
  +
使用中のネットワークインターフェイスが表示されない場合、デバイスドライバが正しくロードされていることを確認してください。[[ネットワーク設定/イーサネット#デバイスドライバ]] や [[ネットワーク設定/ワイヤレス#デバイスドライバ]] を参照してください。[[iwd]] デーモンが実行されている場合は、{{ic|iwctl device list}} でも可能です。
==== dhcpcd ====
 
   
  +
=== ネットワークインターフェイスを有効化/無効化 ===
[[dhcpcd (日本語)|dhcpcd]] は Arch Linux の ISO で DHCP を設定するのに使われています。インターフェイス名を引数として渡して、サービスファイル {{ic|dhcpcd@.service}} を使用するか、もしくは {{ic|dhcpcd ''interface''}} を実行して手動で起動してください。
 
   
  +
ネットワークインターフェイスは {{ic|ip link set ''interface'' up{{!}}down}} を使用することで有効化/無効化できます。{{man|8|ip-link}} を参照してください。
=== 固定 IP アドレス ===
 
   
  +
インターフェイス {{ic|enp2s0}} の状態を確認するには:
あなたのネットワークに固定の IP アドレスを割り当てたいと思う理由は様々あるでしょう。例えば、不変のアドレスを得ることである程度の予測可能性を得ることができたり、もしくは DHCP サーバーを利用する必要がなくなります。
 
   
  +
{{hc|$ ip link show dev enp2s0|
Arch Linux に存在するネットワークツールのほとんどで固定アドレスを設定することができます。例えば [[netctl (日本語)|netctl]], [[systemd-networkd (日本語)|systemd-networkd]], [[dhcpcd (日本語)|dhcpcd]] を見て下さい。
 
  +
2: enp2s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast master br0 state DOWN mode DEFAULT qlen 1000
  +
...
  +
}}
   
  +
{{ic|<BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP>}} の部分の {{ic|UP}} はインターフェイスが立ち上がっていることを示しています。後ろにある {{ic|state DOWN}} は関係ありません。
以下は'''手動で'''固定 IP アドレスを設定する方法です。あなたが必要なもの:
 
   
  +
{{Note|デフォルトルートが {{ic|enp2s0}} インターフェイスを使っている場合、インターフェイスを落とすとルートも削除されます。インターフェイスを再度立ち上げてもデフォルトルートは自動的には再確立されません。再確立する方法は [[#ルーティングテーブル]] を参照。}}
* 固定 IP アドレス
 
* [[Wikipedia:Subnetwork|サブネットマスク]]
 
* [[Wikipedia:Broadcast_address|ブロードキャストアドレス]]
 
* [[Wikipedia:Default_gateway|ゲートウェイ]]の IP アドレス
 
   
  +
=== インターフェイス名の変更 ===
プライベートネットワークを使っている場合、IP アドレスには 192.168.*.* を、サブネットマスクには 255.255.255.0 を、ブロードキャストアドレスには 192.168.*.255 を使う方が安全です。ゲートウェイは通例 192.168.*.1 か 192.168.*.254 です。
 
   
  +
{{Note|命名規則を変更した際には、すべてのネットワーク関連の設定ファイルとカスタムの systemd ユニットファイルを更新し、変更を反映させることを忘れないでください。}}
{{Warning|1=手動で割り当てた IP アドレスと DHCP によるアドレスが衝突しないように注意してください。[http://www.raspberrypi.org/forums/viewtopic.php?f=28&t=16797 このフォーラムスレッド] を参照。}}
 
   
  +
{{man|5|systemd.link}} ファイルで名前を手動で定義してデバイス名を変更することができます。例:
{{Tip|手動で DNS サーバーを設定する必要があるかもしれません、詳しくは [[resolv.conf (日本語)|resolv.conf]] を見て下さい。}}
 
   
  +
{{hc|/etc/systemd/network/10-net0.link|2=
{{Note|ルーターを使わずに Windows マシンとインターネット接続を共有する場合、LAN の問題を避けるために両方のコンピュータで固定 IP アドレスを使うようにして下さい。}}
 
  +
[Match]
  +
PermanentMACAddress=aa:bb:cc:dd:ee:ff
   
  +
[Link]
==== 手動で割り当てる ====
 
  +
Name=net0
  +
}}
   
コンソールから固定 IP アドレス割り当てることできます:
+
あるいは、udev ルールを使うことできます:
   
  +
{{hc|/etc/udev/rules.d/10-network.rules|2=
# ip addr add ''IP_address''/''subnet_mask'' broadcast ''broadcast_address'' dev ''interface''
 
  +
SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTR{address}=="aa:bb:cc:dd:ee:ff", NAME="net0"
  +
}}
   
  +
上記のルールは起動時に自動的に適用されます。即座に変更を適用するには、{{ic|net}} サブシステムの udev ルールを手動でトリガーしてください:
例:
 
   
  +
# udevadm trigger --verbose --subsystem-match=net --action=add
# ip addr add 192.168.1.2/24 broadcast 192.168.1.255 dev eth0
 
   
  +
加えた変更を[[udev#ロードする前にルールをテストする|テスト]]したい場合、{{ic|udevadm --debug test /sys/class/net/*}} が役立つでしょう。
{{Note|サブネットマスクは [[Wikipedia:CIDR_notation|CIDR notation]] を使って明示されます。}}
 
   
  +
{{Note|
オプションについて詳しくは {{ic|man ip}} を見て下さい。
 
  +
* {{ic|Name}} の優先順位は {{ic|NamePolicy}} よりも低いです。なので、後者が設定されていない/空であるようにするか、名前が変更されないようにしてください。{{ic|99-default.link}} は {{ic|NamePolicy}} を設定するので、これの前にカスタムの設定が来るようにしなければなりません (つまり、数字の接頭辞を持つということ)。
  +
* ネットワークインターフェイスの名前を変更する前に、そのインターフェイスを落しておかなければなりません。 [https://github.com/systemd/systemd/issues/26601]
  +
* 各カードの MAC アドレスを得るには、{{ic|ip link}} を実行してください。
  +
* udev ルールでは小文字の16進数を使用してください。大文字ではいけません。
  +
}}
   
  +
ネットワークカードの MAC アドレスが動的である場合は、{{ic|Path}} を使用できます ({{ic|Path}} は {{ic|networkctl status ''interface_name''}} で確認できます):
あなたのゲートウェイ IP アドレスを次のように追加します:
 
   
  +
{{hc|/etc/systemd/network/10-net1.link|2=
# ip route add default via ''default_gateway''
 
  +
[Match]
  +
Path=pci-0000:01:00.0
   
  +
[Link]
例:
 
  +
Name=net1
  +
}}
   
  +
あるいは、udev で {{ic|DEVPATH}} を使用できます:
# ip route add default via 192.168.1.1
 
   
  +
{{hc|/etc/udev/rules.d/10-network.rules|2=
"No such process" エラーが表示された場合、root で {{ic|ip link set dev eth0 up}} を実行しなければならないことを意味しています。
 
  +
SUBSYSTEM=="net", DEVPATH=="/devices/pci*/*1c.0/*/net/*", NAME="net1"
  +
}}
   
  +
現在接続されているすべてのデバイスの {{ic|DEVPATH}} を取得するには、{{ic|/sys/class/net/}} 内のシンボリックリンクがどこにリンクされているかを見てください。例:
====systemd を使って起動時に手動接続====
 
   
  +
{{hc|$ file /sys/class/net/*|
まず [[systemd (日本語)|systemd]] サービスの設定ファイルを作成してください ({{ic|<interface>}} は適切なインターフェイス名に置き換えて下さい):
 
  +
/sys/class/net/enp0s20f0u4u1: symbolic link to ../../devices/pci0000:00/0000:00:14.0/usb2/2-4/2-4.1/2-4.1:1.0/net/enp0s20f0u4u1
  +
/sys/class/net/enp0s31f6: symbolic link to ../../devices/pci0000:00/0000:00:1f.6/net/enp0s31f6
  +
/sys/class/net/lo: symbolic link to ../../devices/virtual/net/lo
  +
/sys/class/net/wlp4s0: symbolic link to ../../devices/pci0000:00/0000:00:1c.6/0000:04:00.0/net/wlp4s0
  +
}}
   
  +
ルールは起動時に複数回実行されることがあるので、デバイスのパスは新しいデバイス名と古いデバイス名両方にマッチする必要があります。例えば、与えられたルールで、{{ic|"/devices/pci*/*1c.0/*/net/en*"}} と設定すると困ったことになります。名前が {{ic|net1}} に変更されるとマッチしなくなるからです。システムのデフォルトルールだけが再度適用され、名前がに戻ってしまいます。
{{hc|/etc/conf.d/net-conf-''interface''|<nowiki>
 
address=192.168.1.2
 
netmask=24
 
broadcast=192.168.1.255
 
gateway=192.168.1.1
 
</nowiki>}}
 
   
  +
動的 MAC アドレスのある USB ネットワークデバイス (例: Android phone テザリング) を使用していて、異なる USB ポートを使えるようにしたい場合、ベンダ ID やモデル ID とマッチするルールを代わりに使用することができます:
ネットワーク起動スクリプトを作成してください:
 
   
{{hc|/usr/local/bin/net-up.sh|<nowiki>
+
{{hc|/etc/systemd/network/20-net2.link|2=
  +
[Match]
#!/bin/bash
 
  +
Property=ID_VENDOR_ID=12ab ID_MODEL_ID=3cd4
ip link set dev "$1" up
 
ip addr add ${address}/${netmask} broadcast ${broadcast} dev "$1"
 
   
  +
[Link]
[[ -z ${gateway} ]] || {
 
  +
Name=net2
ip route add default via ${gateway}
 
}</nowiki>
 
 
}}
 
}}
   
  +
または
ネットワーク停止スクリプト:
 
   
{{hc|/usr/local/bin/net-down.sh|
+
{{hc|/etc/udev/rules.d/10-network.rules|2=
  +
SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTRS{idVendor}=="12ab", ATTRS{idProduct}=="3cd4", NAME="net2"
#!/bin/bash
 
ip addr flush dev "$1"
 
ip route flush dev "$1"
 
ip link set dev "$1" down
 
 
}}
 
}}
   
  +
{{Note|固定の名前を付けるときに '''"eth''X''" や "wlan''X''" というような名前を使ってはいけません'''、起動時にカーネルと udev で競合状態が発生する可能性があります。代わりに、カーネルではデフォルトで使われないインターフェイス名を使うと良いでしょう、例: {{ic|net0}}, {{ic|net1}}, {{ic|wifi0}}, {{ic|wifi1}}。詳細は [https://systemd.io/PREDICTABLE_INTERFACE_NAMES/ systemd] のドキュメントを参照してください。}}
両方のスクリプトに実行可能属性を付与します:
 
   
  +
=== 伝統的なインターフェイス名に戻す ===
# chmod +x /usr/local/bin/net-{up,down}.sh
 
   
  +
{{ic|eth0}} のような伝統的なインターフェイス名に戻したい場合、udev の {{ic|net_setup_link}} ビルトインの {{ic|NamePolicy}} のデフォルトを変更することで [https://systemd.io/PREDICTABLE_INTERFACE_NAMES/ Predictable Network Interface Names] を無効化できます:
''systemd'' サービスファイル:
 
   
{{hc|/etc/systemd/system/network@.service|<nowiki>
+
{{hc|/etc/systemd/network/99-default.link.d/traditional-naming.conf|2=
[Unit]
+
[Link]
  +
NamePolicy=keep kernel
Description=Network connectivity (%i)
 
  +
}}
Wants=network.target
 
Before=network.target
 
BindsTo=sys-subsystem-net-devices-%i.device
 
After=sys-subsystem-net-devices-%i.device
 
   
  +
または、{{ic|net_setup_link}} を完全に無効化することもできます。対応する udev ルールをマスクするか:
[Service]
 
Type=oneshot
 
RemainAfterExit=yes
 
EnvironmentFile=/etc/conf.d/net-conf-%i
 
ExecStart=/usr/local/bin/net-up.sh %i
 
ExecStop=/usr/local/bin/net-down.sh %i
 
   
  +
# ln -s /dev/null /etc/udev/rules.d/80-net-setup-link.rules
[Install]
 
WantedBy=multi-user.target
 
</nowiki>}}
 
   
  +
あるいは、{{ic|1=net.ifnames=0}} を[[カーネルパラメータ]]に追加してください。
ユニットを有効にして起動してください (インターフェイス名を指定してください):
 
   
  +
{{Note|{{man|5|systemd.link}} は {{ic|net_setup_link}} が動作していることに頼っています。あなたが何をしているか理解していない限り、1つ目のやり方を優先してください。}}
# systemctl enable network@''interface''.service
 
# systemctl start network@''interface''.service
 
   
  +
=== MTU とキューの長さの設定 ===
==== アドレス計算 ====
 
   
  +
{{man|5|systemd.link}} の設定で手動で定義することで、デバイスの [[wikipedia:Maximum transmission unit|MTU]] とキューの長さを変更することができます。例えば:
{{Pkg|ipcalc}} パッケージによって提供される {{ic|ipcalc}} を使うことで、より高度な設定のために、IP ブロードキャスト、ネットワーク、ネットマスク、ホストの範囲を計算することができます。例えば、firewire ごしのイーサネットを使って Windows マシンと Arch を接続している場合、セキュリティやネットワークの管理のために、ネットマスクとブロードキャストが設定されたネットワークに置くことでその2つのマシンだけがネットワークが使えるようになります。このためにネットマスクとブロードキャストアドレスを計算するには、ipcalc を使って、arch の firewire nic の IP 10.66.66.1 で計算して、ipcalc にホストが2つだけのネットワークを作成させます。
 
   
  +
{{hc|/etc/systemd/network/30-mtu.link|2=
{{hc|$ ipcalc -nb 10.66.66.1 -s 1|2=
 
  +
[Match]
Address: 10.66.66.1
 
  +
Type=wlan
   
  +
[Link]
Netmask: 255.255.255.252 = 30
 
  +
MTUBytes=1500
Network: 10.66.66.0/30
 
  +
TransmitQueueLength=2000
HostMin: 10.66.66.1
 
  +
}}
HostMax: 10.66.66.2
 
Broadcast: 10.66.66.3
 
Hosts/Net: 2 Class A, Private Internet}}
 
   
  +
あるいは、udev ルールを使って:
== 設定のロード ==
 
   
  +
{{hc|/etc/udev/rules.d/10-network.rules|2=
設定をテストするには、コンピュータを再起動するか、適切な systemd サービスをリロードしてください。そして、接続に問題がないか調べるために、ゲートウェイや DNS サーバー、ISP プロバイダ、その他インターネットのサイトなどに ping をしてください、例えば:
 
  +
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="net", KERNEL=="wl*", ATTR{mtu}="1500", ATTR{tx_queue_len}="2000"
  +
}}
   
  +
{{ic|MTUBytes}}: 1500 よりも大きい値を使用することで ([[Wikipedia:ja:ジャンボフレーム|ジャンボフレーム]]と呼ばれます)、ネットワークの転送速度を大幅に増加させることができます。すべてのネットワークインターフェイス(ローカルネットワークのスイッチを含む)が、ジャンボフレームを使うために同じ MTU をサポートしなければならないことに注意してください。PPPoE の場合、MTU は 1492 よりも大きくするべきではありません。MTU は {{man|5|systemd.netdev}} によっても設定することができます。
$ ping -c 3 www.google.com
 
   
  +
{{ic|TransmitQueueLength}}: モデルリンクや ISDN のような高レイテンシの低速デバイスでは小さい値。インターネット接続が高速で、大量のデータ転送を行うサーバでは大きい値が推奨されます。
== 追加設定 ==
 
   
=== ラップップための ifplugd ===
+
== ホス設定 ==
   
  +
[[Wikipedia:ja:ホスト名|ホスト名]]とは、ネットワーク上でマシンを識別するために作られる唯一の(ユニークな)名前であり、{{ic|/etc/hostname}} に設定します (詳しくは {{man|5|hostname}} と {{man|7|hostname}} を参照)。このファイルにはシステムのドメイン名を含めることもできます。ホストネームを設定するには {{ic|/etc/hostname}} を[[ヘルプ:読み方#追加, 作成, 編集 そして source|編集]]し、{{ic|''yourhostname''}} の1行を書いてください (実際にはあなたの好きな名前を使ってください):
{{Tip|[[dhcpcd (日本語)|dhcpcd]] は同じ機能を設定不要で提供します。}}
 
   
  +
{{hc|/etc/hostname|
[[Official Repositories (日本語)|公式リポジトリ]]にある {{Pkg|ifplugd}} は、ケーブルが接続された時にイーサネットデバイスを自動で設定し、ケーブルが抜かれた時に自動で設定を解除するデーモンを提供します。これはオンボードのネットワークアダプタを持っているラップトップで役に立ちます。なぜならケーブルが実際に接続されているときだけインターフェースを設定するからです。他にも、ネットワークをリスタートしたいがコンピュータの再起動をしたりシェルを使いたくないときに役に立ちます。
 
  +
''yourhostname''
  +
}}
   
  +
{{Tip|hostname の名称の付け方のアドバイスについては、[https://tools.ietf.org/html/rfc1178 RFC 1178] を見てください。}}
デフォルトでは ifplugd は {{ic|eth0}} デバイスで動作するように設定されています。デバイスや遅延時間などは {{ic|/etc/ifplugd/ifplugd.conf}} で設定することができます。
 
   
  +
上記の方法の代わりに、{{man|1|hostnamectl}} を使うこともできます:
{{Note|[[netctl (日本語)|netctl]] パッケージに {{ic|netctl-ifplugd@.service}} が含まれています、もしくは {{Pkg|ifplugd}} パッケージの {{ic|ifplugd@.service}} を使うことができます。使用例: {{ic|systemctl enable ifplugd@eth0.service}}。}}
 
   
  +
# hostnamectl hostname ''yourhostname''
=== ボンディングと LAG ===
 
   
  +
hostname を一時的に設定するには、{{Pkg|inetutils}} の {{man|1|hostname}} を使います (再起動するまで有効):
[[netctl (日本語)#ボンディング]] を見て下さい。
 
   
  +
# hostname ''yourhostname''
=== IP アドレスエイリアス ===
 
   
  +
"pretty" hostname や他のマシンのメタデータを設定する方法は、{{man|5|machine-info}} を参照してください。
ひとつのネットワークインターフェースに複数の IP アドレスを加えることを IP エイリアスと呼びます。これをすることで、ネットワークのひとつのノードでネットワークに複数接続することができ、それぞれを別々に使うことができます。基本的に Web・FTP サーバーの仮想ホスティングや、サーバーの再構成 (他のマシンを更新しない、ネームサーバで有用) に使われます。
 
   
  +
=== ローカルネットワークのホストネーム解決 ===
==== サンプル ====
 
   
  +
マシンがホストネームを使って LAN 内でアクセスできるようにするには、以下の方法を取ることができます:
[[Official Repositories (日本語)|公式リポジトリ]]から {{Pkg|netctl}} をインストールする必要があります。
 
   
  +
* LAN 内のすべてのデバイスの {{ic|/etc/hosts}} ファイルを編集する、{{man|5|hosts}} を見てください
設定を用意します:
 
  +
* ホストネームを解決する [[DNS|DNS サーバー]]をセットアップし、LAN のデバイスにそれを使用させる (例えば、[[ルーター#DNS と DHCP|DHCP]] を使う)
  +
* または、より簡単な方法を取る: [[Wikipedia:Zero-configuration networking|ゼロコンフィグレーションネットワーク]]サービスを使う:
  +
** [[Wikipedia:NetBIOS#Name service|NetBIOS]] によるホストネーム解決。Linux の [[Samba]] により提供されています。必要なのは {{ic|nmb.service}} だけです。Windows や macOS、{{ic|nmb}} が動作している Linux のコンピュータからマシンを見つけられるようになります。
  +
** [[Wikipedia:Multicast DNS|mDNS]] によるホストネーム解決。{{ic|nss_mdns}} と [[Avahi]] を使う(セットアップの詳細は [[Avahi#ホスト名の解決]]で)か、[[systemd-resolved]] を使うことにより可能です。macOS や、Avahi や systemd-resolved が動作している Linux のコンピュータがマシンを見つけられるようになります。古い Win32 API は mDNS をサポートしておらず、一部の古い Windows アプリケーションはデバイスにアクセスできない場合があります。
   
  +
== ヒントとテクニック ==
{{hc|/etc/netctl/mynetwork|2=
 
Connection='ethernet'
 
Description='Five different addresses on the same NIC.'
 
Interface='eth0'
 
IP='static'
 
Address=('192.168.1.10' '192.168.178.11' '192.168.1.12' '192.168.1.13' '192.168.1.14' '192.168.1.15')
 
Gateway='192.168.1.1'
 
DNS=('192.168.1.1')
 
}}
 
   
  +
=== ボンディングまたは LAG ===
そして次を実行してください:
 
   
  +
[[netctl#ボンディング]] や [[systemd-networkd#ワイヤード (有線) インターフェイスとワイヤレスインターフェイスのボンディング]]、[[ワイヤレスボンディング]] を見てください。
$ netctl start mynetwork
 
   
=== MAC/ハードウェアアドレスを変更する ===
+
=== IP アドレスエイリアス ===
   
  +
ひとつのネットワークインターフェースに複数の IP アドレスを加えることを IP エイリアスと呼びます。これをすることで、ネットワークのひとつのノードでネットワークに複数接続することができ、それぞれを別々に使うことができます。基本的に Web・FTP サーバーの仮想ホスティングや、サーバーの再構成 (他のマシンを更新しない、ネームサーバで有用) に使われます。
[[MAC address spoofing (日本語)|MAC アドレスの偽装]]を見て下さい。
 
   
=== ターネット共有 ===
+
==== プル ====
 
[[Internet sharing|インターネット接続の共有]]を見て下さい。
 
 
=== ルーター設定 ===
 
 
[[Router|ルーター]]を見て下さい。
 
 
=== ローカルネットワークのホストネーム解決 ===
 
 
ローカル環境でホストネーム解決をする前に事前に[[#ホストネームの設定|ホストネームの設定]]をしてください。
 
   
  +
{{Pkg|iproute2}} ツールを使って NIC のエイリアスを手動で設定するには次を実行:
{{hc|$ ping hostname|
 
PING hostname <nowiki>(192.168.1.2) 56(84) bytes of data.
 
64 bytes from hostname (192.168.1.2): icmp_seq=1 ttl=64 time=0.043 ms</nowiki>}}
 
   
  +
$ ip addr add 192.168.1.10/24 dev enp1s0 label enp1s0:1
他のマシンが名前でホストを計算できるようにするには、それぞれの {{ic|/etc/hosts}} ファイルを手動で設定するか名前を解決するサービスが必要です。
 
   
  +
設定したエイリアスを削除するには:
[[BIND (日本語)|BIND]] や [[Unbound]] などの DNS サーバーを設定するのは過剰で、{{ic|/etc/hosts}} を手動で設定するのは面倒というような場合、ネットワークにホストを動的に追加・削除できるような柔軟性が欲しいときは、ゼロコンフィグレーションネットワークを使ってローカルネットワークのホストネーム解決を処理することができます。2つの選択肢が存在します:
 
   
  +
$ ip addr del 192.168.1.10/24 dev enp1s0:1
*[[Samba (日本語)|Samba]] は Microsoft の NetBIOS を使ってホストネーム解決を提供します。{{Pkg|samba}} をインストールして {{ic|nmbd.service}} サービスを有効にするだけです。{{ic|nmbd}} を走らせることで、Windows, OS X, Linux が動作しているコンピュータはあなたのマシンを見つけることができるようになります。
 
   
  +
サブネットへ向かうパケットはデフォルトでプライマリエイリアスを使います。送信先 IP がセカンダリエイリアスのサブネット内のものである場合は、送信元 IP がそれぞれに設定されます。複数の NIC が存在する場合を考えた場合、{{ic|ip route}} でデフォルトルートを列挙することができます。
*[[Avahi (日本語)|Avahi]] は zeroconf を使ってホストネーム解決を提供します。Bonjour としても知られています。Samba と比べてやや複雑な設定が必要です: 詳しくは [[Avahi (日本語)#ホスト名の解決]] を見て下さい。Avahi デーモンを動かすことで、OS X や Linux が動作しているコンピュータはあなたのマシンを見つけることができるようになります。Windows には Avahi クライアントやデーモンが備わっていません。
 
   
 
=== プロミスキャスモード ===
 
=== プロミスキャスモード ===
401行目: 414行目:
 
</nowiki>}}
 
</nowiki>}}
   
インターフェイス {{ic|eth0}} でプロミスキャスモードを有効にしたい場合、実行してください:
+
インターフェイス {{ic|eth0}} でプロミスキャスモードを有効にしたい場合、{{ic|promiscuous@eth0.service}} [[有効化]]してください
   
  +
=== ソケットの調査 ===
# systemctl enable promiscuous@eth0.service
 
   
  +
''ss'' はネットワークポートを調査するユーティリティで、{{Pkg|iproute2}} パッケージの一部です。機能的には[https://archlinux.org/news/deprecation-of-net-tools/ 非推奨の] netstat ユーティリティと似ています。
== トラブルシューティング ==
 
   
  +
共通の利用方法は以下のようなものです:
=== ケーブルモデムのコンピュータを交換 ===
 
   
  +
すべての TCP ソケットをサービス名と共に表示する:
Most domestic cable ISPs (videotron for example) have the cable modem configured to recognize only one client PC, by the MAC address of its network interface. Once the cable modem has learned the MAC address of the first PC or equipment that talks to it, it will not respond to another MAC address in any way. Thus if you swap one PC for another (or for a router), the new PC (or router) will not work with the cable modem, because the new PC (or router) has a MAC address different from the old one. To reset the cable modem so that it will recognise the new PC, you must power the cable modem off and on again. Once the cable modem has rebooted and gone fully online again (indicator lights settled down), reboot the newly connected PC so that it makes a DHCP request, or manually make it request a new DHCP lease.
 
  +
$ ss -at
   
  +
すべての TCP ソケットをポート番号と共に表示する:
この方法が上手くいかない場合、オリジナルのマシンの MAC アドレスをクローンする必要があります。[[#MAC/ハードウェアアドレスを変更する|MAC/ハードウェアアドレスを変更する]]を参照
 
  +
$ ss -atn
   
  +
すべての UDP ソケットを表示する:
=== TCP ウィンドウスケーリングの問題 ===
 
  +
$ ss -au
   
  +
さらなる情報は {{man|8|ss}} を見てください。
TCP packets contain a "window" value in their headers indicating how much data the other host may send in return. This value is represented with only 16 bits, hence the window size is at most 64Kb. TCP packets are cached for a while (they have to be reordered), and as memory is (or used to be) limited, one host could easily run out of it.
 
   
  +
== トラブルシューティング ==
Back in 1992, as more and more memory became available, [http://www.faqs.org/rfcs/rfc1323.html RFC 1323] was written to improve the situation: Window Scaling. The "window" value, provided in all packets, will be modified by a Scale Factor defined once, at the very beginning of the connection. That 8-bit Scale Factor allows the Window to be up to 32 times higher than the initial 64Kb.
 
   
  +
=== TCP ウィンドウスケーリングの問題 ===
壊れたルーターやファイアウォールは Scale Factor を 0 に書き換えてしまうためホスト間での不和が発生します。
 
   
  +
TCP パケットのヘッダには"ウィンドウ"値が含まれており、他のホストが返答として送信できるデータの量が示されています。この値は16ビットでしか表現できないので、ウィンドウサイズは最大 64 Kb です。TCP パケットはしばらくの間キャッシュに保存されますが (再度使われます)、メモリの量は(少なくとも昔は)限られているので、すぐに使いきってしまうことがあります。
The Linux kernel 2.6.17 introduced a new calculation scheme generating higher Scale Factors, virtually making the aftermaths of the broken routers and firewalls more visible.
 
   
  +
1992年、利用できるメモリの量が大幅に増えるのにあわせて、この状態を改善するために [[RFC:1323]]: ウィンドウスケーリングが書かれました。全てのパケットに含まれている"ウィンドウ"の値を、スケールファクタ (Scale Factor) を定義することで、接続の初期段階で変更します。8ビットのスケールファクタなら、ウィンドウは 64Kb の32倍まで増やすことができます。
The resulting connection is at best very slow or broken.
 
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壊れたルーターやファイアウォールはスケールファクタを 0 に書き換えてしまうためホスト間での不和が発生します。Linux カーネル 2.6.17 ではスケールファクタを上げるための新しい算出方式が導入されましたが、それによってルーターやファイアウォールが壊れているときの影響が増え、極端に接続が遅かったり、全く接続できない状態が生まれています。
   
 
==== 問題の診断方法 ====
 
==== 問題の診断方法 ====
   
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まず最初に問題をはっきりさせましょう: この問題は少々厄介です。ある条件下では、TCP 接続 (HTTP, FTP, ...) を全く使えないのに、他の条件では、特定の (ごく少数の) ホストとは通信できるというようなことが起こります。
First of all, let's make it clear: this problem is odd. In some cases, you will not be able to use TCP connections (HTTP, FTP, ...) at all and in others, you will be able to communicate with some hosts (very few).
 
   
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この問題が発生していても、[[dmesg]] の出力に問題はなく、ログに異常は見られず、そして {{ic|ip addr}} では通常状態だと報告されます。全てが問題ないように(表面上は)見えるわけです。
When you have this problem, the {{ic|dmesg}}'s output is OK, logs are clean and {{ic|ip addr}} will report normal status... and actually everything appears normal.
 
   
 
ウェブサイトが表示できないのに、ping は通る場合、この問題が発生している可能性は十分あるでしょう: ping は TCP の問題に影響されない ICMP を使っているためです。
 
ウェブサイトが表示できないのに、ping は通る場合、この問題が発生している可能性は十分あるでしょう: ping は TCP の問題に影響されない ICMP を使っているためです。
   
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[[Wireshark]] を使ってみてください。UDP と ICMP の接続は通るのに (ホストが海外の) TCP 接続は通らないはずです。
You can try to use [[Wireshark]]. You might see successful UDP and ICMP communications but unsuccessful TCP communications (only to foreign hosts).
 
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==== 修復方法 ====
   
==== 修復方法 (悪い方法) ====
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===== 悪い方法 =====
   
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無理やり修正する方法として、スケールファクタの計算に使われている {{ic|tcp_rmem}} の値を変更することができます。ほとんどのホストではこれで問題ありませんが、全てのホストで上手く行くとは保証できません。特にホストが遠い場合に問題が起きやすいです。
To fix it the bad way, you can change the {{ic|tcp_rmem}} value, on which Scale Factor calculation is based. Although it should work for most hosts, it is not guaranteed, especially for very distant ones.
 
   
 
# echo "4096 87380 174760" > /proc/sys/net/ipv4/tcp_rmem
 
# echo "4096 87380 174760" > /proc/sys/net/ipv4/tcp_rmem
   
==== 修復方法 (良い方法) ====
+
===== 良い方法 =====
   
  +
ウィンドウスケーリングを無効化してしまいます。ウィンドウスケーリングは TCP の素晴らしい機能なので、無効化してしまうのは忍びないですが、ルーターを修復できない場合は致し方ありません。ウィンドウスケーリングを無効化する方法は複数存在します。一番安牌の (ほとんどのカーネルで動作する) 方法としては {{ic|/etc/sysctl.d/99-disable_window_scaling.conf}} に以下の行を追加してください ([[sysctl]] を参照):
Simply disable Window Scaling. Since Window Scaling is a nice TCP feature, it may be uncomfortable to disable it, especially if you cannot fix the broken router. There are several ways to disable Window Scaling, and it seems that the most bulletproof way (which will work with most kernels) is to add the following line to {{ic|/etc/sysctl.d/99-disable_window_scaling.conf}} (see also [[sysctl]])
 
   
 
net.ipv4.tcp_window_scaling = 0
 
net.ipv4.tcp_window_scaling = 0
   
==== 修復方法 (最良の方法) ====
+
===== 最良の方法 =====
   
  +
この問題の原因はルーターやファイアウォールの動作がおかしいせいなので、それらを変えてしまいましょう。専用の DSL ルーターを使っている場合に問題になることがあるという報告もあります。
This issue is caused by broken routers/firewalls, so let's change them. Some users have reported that the broken router was their very own DSL router.
 
   
 
==== 詳細 ====
 
==== 詳細 ====
   
このセクションは LWN の記事 [http://lwn.net/Articles/92727/ TCP window scaling and broken routers] と Kernel Trap の記事 [http://kerneltrap.org/node/6723 Window Scaling on the Internet] を基にしています。
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このセクションは LWN の記事 [https://lwn.net/Articles/92727/ TCP window scaling and broken routers] と Kernel Trap の記事 [https://web.archive.org/web/20120426135627/http://kerneltrap.org:80/node/6723 Window Scaling on the Internet]. を基にしています。
   
 
また、LKML に関連するスレッドが複数存在します。
 
また、LKML に関連するスレッドが複数存在します。
   
  +
=== 接続された2台目の PC がブリッジ LAN を利用できない ===
=== Realtek で link がない / WOL の問題 ===
 
   
  +
1台目の PC には2つの LAN があります。2台目の PC には1つの LAN があり、1台目の PC に接続されています。2台目の PC が、ブリッジインターフェイスのあとに LAN にアクセスできるようにしましょう:
Users with Realtek 8168 8169 8101 8111(C) based NICs (cards / and on-board) may notice an issue where the NIC seems to be disabled on boot and has no Link light. This can usually be found on a dual boot system where Windows is also installed. It seems that using the offical Realtek drivers (dated anything after May 2007) under Windows is the cause. These newer drivers disable the Wake-On-LAN feature by disabling the NIC at Windows shutdown time, where it will remain disabled until the next time Windows boots. You will be able to notice if this issue is affecting you if the Link light remains off until Windows boots up; during Windows shutdown the Link light will switch off. Normal operation should be that the link light is always on as long as the system is on, even during POST. This issue will also affect other operative systems without newer drivers (eg. Live CDs). Here are a few fixes for this issue:
 
   
  +
# sysctl net.bridge.bridge-nf-filter-pppoe-tagged=0
==== 方法 1 - Linux で NIC を直接有効にする ====
 
  +
# sysctl net.bridge.bridge-nf-filter-vlan-tagged=0
  +
# sysctl net.bridge.bridge-nf-call-ip6tables=0
  +
# sysctl net.bridge.bridge-nf-call-iptables=0
  +
# sysctl net.bridge.bridge-nf-call-arptables=0
   
  +
=== localhost がネットワーク上で解決される ===
次のコマンドの出力からイーサネット NIC の名前を取得してください:
 
   
  +
{{man|8|nss-myhostname}} は、([[systemd]] によって提供され、{{ic|/etc/nsswitch.conf}} でデフォルトで有効になっています) [[Name Service Switch|NSS]] モジュール は、{{ic|localhost}} および IP アドレスへの localhost 名を解決します。ただし、一部のソフトウェアは代わりに {{ic|/etc/hosts}} を直接読み取る場合があります。例については、[https://lists.debian.org/debian-devel/2013/07/msg00809.html] [https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=87717#c55] を参照してください。
$ ip a
 
   
  +
このようなソフトウェアがネットワーク経由で localhost を安全でない方法で解決しないようにするには、{{ic|localhost}} のエントリを {{man|5|hosts}} ファイルに追加します:
NIC の名前を使って root でデバイスを立ち上げて下さい:
 
   
  +
{{hc|/etc/hosts|
# ip link set dev <NIC_name> up
 
  +
127.0.0.1 localhost
  +
::1 localhost
  +
}}
   
  +
{{Note|{{Bug|56684}} で、この問題の影響を受けるソフトウェアを報告してください。これは、{{ic|localhost}} エントリをデフォルトの {{ic|/etc/hosts}} に追加するのに役立つ場合があります。}}
例えば <NIC_name> が enp7s0 の場合:
 
   
  +
localhost を解決できるようにするには、さらに {{man|5|hosts}} ファイルに追加します:
# ip link set dev enp7s0 up
 
   
  +
{{hc|/etc/hosts|
If it worked and the card is powered on, you should see {{ic|state UP}} for the given interface in the output of {{ic|ip link}}.
 
  +
127.0.0.1 localhost
  +
::1 localhost
  +
127.0.1.1 ''yourhostname''
  +
}}
   
  +
永続的な IP アドレスを持つシステムの場合、{{ic|127.0.1.1}} をその永続的な IP アドレスに置き換えます。[[Wikipedia:ja:Fully Qualified Domain Name|Fully Qualified Domain Name]] を持つシステムの場合、ホスト名の前に Fully Qualified Domain Name を挿入します (次のリンクを参照 [https://www.debian.org/doc/manuals/debian-reference/ch05.en.html#_the_hostname_resolution 理由]) 例えば:
==== 方法 2 - Windows ドライバをロールバック/変更する ====
 
   
  +
{{hc|/etc/hosts|
You can roll back your Windows NIC driver to the Microsoft provided one (if available), or roll back/install an official Realtek driver pre-dating May 2007 (may be on the CD that came with your hardware).
 
  +
127.0.0.1 localhost
  +
::1 localhost
  +
203.0.113.45 host1.fqdomain.example host1
  +
}}
   
  +
{{Note|{{ic|/etc/hosts}} 内の IP アドレスに続くホスト名/エイリアスの順序は重要です。最初の文字列は正規のホスト名と見なされ、ドメインコンポーネントがドットで区切られた親ドメインが追加される場合があります。同じ行にある次の文字列はすべてエイリアスと見なされます。詳しくは {{man|5|hosts}} をご覧ください。}}
==== 方法 3 - Windows ドライバで WOL を有効にする ====
 
   
  +
その結果、システムは両方のエントリに解決されます:
Probably the best and the fastest fix is to change this setting in the Windows driver. This way it should be fixed system-wide and not only under Arch (eg. live CDs, other operating systems). In Windows, under Device Manager, find your Realtek network adapter and double-click it. Under the "Advanced" tab, change "Wake-on-LAN after shutdown" to "Enable".
 
   
  +
{{hc|$ getent hosts|
Windows XP の場合
 
  +
127.0.0.1 localhost
マイコンピュータを右クリックして"プロパティ"を選択
 
  +
127.0.0.1 localhost
--> Hardware tab
 
  +
127.0.1.1 ''yourhostname''
--> Device Manager
 
  +
}}
--> Network Adapters
 
--> "double click" Realtek ...
 
--> Advanced tab
 
--> Wake-On-Lan After Shutdown
 
--> Enable
 
 
{{Note|Newer Realtek Windows drivers (tested with ''Realtek 8111/8169 LAN Driver v5.708.1030.2008'', dated 2009/01/22, available from GIGABYTE) may refer to this option slightly differently, like ''Shutdown Wake-On-LAN --> Enable''. It seems that switching it to {{ic|Disable}} has no effect (you will notice the Link light still turns off upon Windows shutdown). One rather dirty workaround is to boot to Windows and just reset the system (perform an ungraceful restart/shutdown) thus not giving the Windows driver a chance to disable LAN. The Link light will remain on and the LAN adapter will remain accessible after POST - that is until you boot back to Windows and shut it down properly again.}}
 
 
==== 方法 4 - 新しい Realtek Linux ドライバを使う ====
 
 
Any newer driver for these Realtek cards can be found for Linux on the realtek site. (untested but believed to also solve the problem).
 
 
==== 方法 5 - BIOS/CMOS で ''LAN Boot ROM'' を有効にする ====
 
 
It appears that setting ''Integrated Peripherals --> Onboard LAN Boot ROM --> Enabled'' in BIOS/CMOS reactivates the Realtek LAN chip on system boot-up, despite the Windows driver disabling it on OS shutdown.
 
 
{{Note|This was tested several times on a GIGABYTE GA-G31M-ES2L motherboard, BIOS version F8 released on 2009/02/05.}}
 
 
=== Atheros チップセットで eth0 がない ===
 
 
Atheros のイーサネットチップセットは設定をしないと動作しないことがあります (2014年2月のインストールメディアを使う場合)。この問題を解決するには AUR から {{AUR|backports-patched}} パッケージをインストールしてください。
 
 
=== Broadcom BCM57780 ===
 
 
この Broadcom チップセットはモジュールをロードする順番を指定しないと上手く動作しないことが時々あります。モジュールは {{ic|broadcom}} と {{ic|tg3}} であり、前者を最初にロードする必要があります。
 
 
コンピューターにこのチップセットが載っている場合、以下の手順に従って下さい:
 
 
* ''lspci'' の出力で NIC を確認:
 
$ lspci | grep Ethernet
 
02:00.0 Ethernet controller: Broadcom Corporation NetLink BCM57780 Gigabit Ethernet PCIe (rev 01)
 
 
* 有線ネットワークが機能しない場合、ケーブルを切断して以下を (root で) 実行:
 
# modprobe -r tg3
 
# modprobe broadcom
 
# modprobe tg3
 
 
* ネットワークケーブルを接続。これで問題が解決する場合 {{ic|broadcom}} と {{ic|tg3}} を (この順番で) {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} の {{ic|MODULES}} 行に追加することで設定を永続化できます:
 
MODULES=".. broadcom tg3 .."
 
   
  +
== 参照 ==
* initramfs を再生成:
 
# mkinitcpio -p linux
 
   
  +
* [https://www.tldp.org/LDP/nag2/index.html Linux Network Administrators Guide]
* もしくは、{{ic|/etc/modprobe.d/broadcom.conf}} を作成:
 
  +
* [https://www.debian.org/doc/manuals/debian-reference/ch05.ja.html Debian リファレンス: ネットワークの設定]
softdep tg3 pre: broadcom
 
  +
* [https://access.redhat.com/documentation/ja-JP/Red_Hat_Enterprise_Linux/7/html/Networking_Guide/ RHEL7: ネットワークガイド]
  +
* [https://blog.packagecloud.io/eng/2016/06/22/monitoring-tuning-linux-networking-stack-receiving-data/ Monitoring and tuning the Linux Networking Stack: Receiving data]
  +
* [https://blog.packagecloud.io/eng/2017/02/06/monitoring-tuning-linux-networking-stack-sending-data/ Monitoring and tuning the Linux Networking Stack: Sending data]
  +
* [https://blog.yadutaf.fr/2017/07/28/tracing-a-packet-journey-using-linux-tracepoints-perf-ebpf/ Tracing a packet journey using tracepoints, perf and eBPF]
   
  +
{{TranslationStatus|Network configuration|2024-11-04|819912}}
{{Note|以上の方法は、BCM57760 など、他のチップセットでも使えることがあります。}}
 

2024年11月4日 (月) 18:48時点における最新版

関連記事

この記事では OSI レイヤ 3 (ネットワーク層) 以上のネットワーク設定を行う方法について説明しています。媒体固有の情報は ネットワーク設定/イーサネットネットワーク設定/ワイヤレス で扱っています。

接続の確認

ネットワーク接続のトラブルシューティングを行うには、以下の条件を調べ、満たしていることを確認します。

  1. あなたの ネットワークインターフェイス がリストアップされ、有効になっていること。そうでなければ、デバイスドライバを確認してください - ネットワーク設定/イーサネット#デバイスドライバ または ネットワーク設定/ワイヤレス#デバイスドライバ を参照してください。
  2. ネットワークに接続されている。ケーブルが接続されているか、無線LAN に接続されている。
  3. あなたのネットワークインターフェースには IP アドレスがある。
  4. ルーティングテーブル が正しく設定されている。
  5. ローカル IP アドレス (例えばデフォルトゲートウェイ) を ping することができる。
  6. 公開 IP アドレス(例えば 9.9.9.9 は Quad9 の DNS サーバで、テストに便利なアドレスです) を ping することも可能です。
  7. ドメイン名を解決ができるか確認 (例: archlinux.org)

Ping

ping は、ホストに到達できるかどうかをテストする際に用いられます。

$ ping www.example.com
PING www.example.com (93.184.216.34) 56(84) bytes of data.
64 bytes from 93.184.216.34 (93.184.216.34): icmp_seq=1 ttl=56 time=11.632 ms
64 bytes from 93.184.216.34 (93.184.216.34): icmp_seq=2 ttl=56 time=11.726 ms
64 bytes from 93.184.216.34 (93.184.216.34): icmp_seq=3 ttl=56 time=10.683 ms
...

ホストからの応答を受け取るたびに、ping ユーティリティは上記のような行を出力します。これは、ユーザが実行をインタラクティブに中断(Ctrl+c を押す)するまで続きます。さらなる情報は ping(8) マニュアルを見てください。また、コンピュータは ICMP エコーリクエストに応答しないように設定されている可能性があることに注意してください。[1]

エラーメッセージを受け取った、または応答がなかった場合(ping エラー表示 を見てください)、不完全な設定やデフォルトゲートウェイ、インターネットサービスプロバイダ(ISP)と関連がある場合があります。traceroute を実行することで、ホストまでの経路をさらに診断することができます。

ネットワーク管理

ネットワーク接続の設定を行うには、以下の手順を踏んでください:

  1. ネットワークインターフェイスが表示されている、かつ有効化されていることを確認する。
  2. ネットワークに接続する。Ethernet ケーブルを接続するか、ワイヤレス LAN に接続してください。
  3. ネットワーク接続を設定する:
ノート: インストールイメージでは以下が使用されています:

手動

iproute2

iproute2base メタパッケージの依存パッケージで、ip(8) コマンドラインインターフェイスを提供します。ip(8)ネットワークインターフェイスIP アドレスルーティングテーブルの管理に使用されます。ip を使用して行った設定は再起動すると失われることに注意してください。設定の永続化は、スクリプトや systemd ユニットを使って ip コマンドを自動化したりすることで可能です。また、ip コマンドでは一般に略式記法を使うことができますが、この記事では分かりやすくするために略さずに明記します。

ノート: Arch Linux は net-tools を非推奨としており、代わりに iproute2 を使うことを推奨しています。[2] Deprecated Linux networking commands and their replacements も参照してください。

固定 IP アドレス

固定 IP アドレスはほとんどの標準的なネットワークマネージャdhcpcdを使って設定できます。

手動で固定 IP アドレスを設定するには、#IP アドレスで説明されているように IP アドレスを追加し、ルーティングテーブルをセットアップし、DNS サーバを設定してください。

IP アドレス

IP アドレスip-address(8) を使って管理します。

IP アドレスを一覧表示するには:

$ ip address show

IP アドレスをインターフェイスに追加するには:

# ip address add address/prefix_len broadcast + dev interface
注意:
ノート: 手動で割り当てた IP アドレスが DHCP により割り当てたものと衝突しないことを確認してください。

IP アドレスをインターフェイスから削除するには:

# ip address del address/prefix_len dev interface

条件に一致するすべてのアドレスを削除するには(例: 特定のインターフェイスの IP アドレス):

# ip address flush dev interface
ヒント: IPv4 アドレスは ipcalc(パッケージ: ipcalc) で計算できます。

ルーティングテーブル

ルーティングテーブルは、ある IP アドレスに直接到達できるか、どのゲートウェイ(ルータ)を使用すべきかを判断するのに使用します。IP アドレスと合致するルートが存在しない場合、デフォルトゲートウェイが使用されます。

ルーティングテーブルは ip-route(8) を使用して管理します。

PREFIX は CIDR 表記であるか、デフォルトゲートウェイに対しては default です。

IPv4 ルートを一覧表示するには:

$ ip route show

IPv6 ルートを一覧表示するには:

$ ip -6 route show

ルートを追加するには:

# ip route add PREFIX via address dev interface

ルートを削除するには:

# ip route del PREFIX via address dev interface

自動

自動的なネットワーク設定は、Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP) を用いることで可能になります。ネットワークの DHCP サーバは、IP アドレス、デフォルトゲートウェイの IP アドレスを提供し、さらにオプションで DHCP クライアントからリクエストが送られたときには DNS ネームサーバも提供します。

DHCP サーバの比較表は ルーター#DNS と DHCP を見てください。

ネットワークマネージャ

ネットワークマネージャは、ネットワークプロファイルと呼ばれるものを使ってネットワーク接続の設定を管理して、ネットワークの切り替えを容易にします。

ヒント: DHCPv4 サーバが実行中かどうかは dhcping で確認できます。
ノート: 各ネットワークインターフェイスは、ただ一つの DHCP クライアントかネットワークマネージャのみによって管理されるべきです。なので、システム上でただ一つの DHCP クライアントかネットワークマネージャだけを実行することが推奨されます。
ソフトウェア 接続タイプ ワイヤレス認証 IP アドレス、ルート (route)、そして DNS の管理 インターフェイス
イーサネット PPPoE モバイルブロードバンド WPA/WPA2 WPA3 固定 IP DHCP クライアント ドメイン名前解決 CLI TUI GUI
dhclient1 Yes No No No2 Yes 内蔵 Yes (/etc/resolv.conf に書き込み) No No No
dhcpcd Yes No No wpa_supplicant を起動3 Yes 内蔵 Yes (resolvconf を使用、または /etc/resolv.conf に書き込み) No No dhcpcd-uiAUR
ConnMan Yes [リンク切れ 2023-10-29] No Yes (ofonoAUR によって) Yes (wpa_supplicant または iwd によって) Yes 内蔵 Yes (内蔵のリゾルバを実行し、/etc/resolv.conf に書き込み) connmanctl(1) Yes Yes
netctl Yes Yes (ppp によって) Yes (ppp によって) Yes (wpa_supplicant によって) No Yes dhcpcd または dhclient Yes (resolvconf を使用) netctl(1) wifi-menu(1)4 No
NetworkManager Yes Yes (rp-pppoe によって) Yes (modemmanager によって) Yes (wpa_supplicant または iwd によって) Yes 内蔵、dhclientdhcpcd5 のいずれかによって Yes (systemd-resolvedresolvconf を使用、または /etc/resolv.conf に書き込み) nmcli(1) nmtui(1) Yes
systemd-networkd Yes No No No2 Yes 内蔵 Yes (systemd-resolved を使用) networkctl(1) No No
wpa_supplicant IEEE 802.1X No No Yes Yes No wpa_cli(8) No wpa_supplicant_guiAUR
iwd IEEE 802.1X No No Yes Yes Yes 内蔵 Yes (systemd-resolved または resolvconf を使用) iwctl(1) impala iwgtkAUR
  1. 2022 初頭の時点ではもはやメンテナンスされていません。ISC は本番環境で使用することを推奨していません。
  2. ワイヤレス認証は wpa_supplicant または iwd によって別に設定することができます。
  3. ワイヤレス認証は wpa_supplicant によって別に設定しなければなりません。
  4. Wi-Fi 接続のみを管理できます。
  5. NetworkManager は DHCPv6 に dhcpcd を使用しません。NetworkManager#DHCP クライアント を参照してください。

ネットワークインターフェイス

ネットワークインターフェイスは udev によって管理されており、systemd.link(5) ファイルによって設定します。デフォルトの設定では、Predictable Network Interface Names を使ってネットワークインターフェイスコントローラーに名前を割り当てていきます。この命名法では、インターフェイス名の前に en (有線/イーサネット)、wl (無線/WLAN)、ww (モバイルブロードバンド/WWAN) のどれかが付きます。systemd.net-naming-scheme(7) を参照してください。

ヒント:
  • 一般に、/usr/lib/systemd/network/99-default.link はほとんどのケースで十分です。
  • インターフェイス名を変更するには、#インターフェイス名の変更#伝統的なインターフェイス名に戻す を参照してください。
  • udevadm test-builtin net_setup_link /sys/path/to/network/device を root ユーザーとして実行することで、.link ファイルの問題を診断することができます。
ノート: Predictable Network Interface Names は、PCIe デバイスを追加または除去した後にシステムのファームウェアがデバイスの番号を割り当てなおすと、変化する可能性があります。Systemd issue 33347 を参照してください。

ネットワークインターフェイスを表示

有線インターフェイスと無線インターフェイスの両方の名前は ls /sys/class/netip link で見つけることができます。lo仮想ループバックインターフェイスであり、ネットワーク接続の際には使用されないことに注意してください。

無線デバイス名は iw dev を使用することでも取得できます。ネットワーク設定/ワイヤレス#インターフェイス名の取得も参照してください。

使用中のネットワークインターフェイスが表示されない場合、デバイスドライバが正しくロードされていることを確認してください。ネットワーク設定/イーサネット#デバイスドライバネットワーク設定/ワイヤレス#デバイスドライバ を参照してください。iwd デーモンが実行されている場合は、iwctl device list でも可能です。

ネットワークインターフェイスを有効化/無効化

ネットワークインターフェイスは ip link set interface up|down を使用することで有効化/無効化できます。ip-link(8) を参照してください。

インターフェイス enp2s0 の状態を確認するには:

$ ip link show dev enp2s0
2: enp2s0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast master br0 state DOWN mode DEFAULT qlen 1000
...

<BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> の部分の UP はインターフェイスが立ち上がっていることを示しています。後ろにある state DOWN は関係ありません。

ノート: デフォルトルートが enp2s0 インターフェイスを使っている場合、インターフェイスを落とすとルートも削除されます。インターフェイスを再度立ち上げてもデフォルトルートは自動的には再確立されません。再確立する方法は #ルーティングテーブル を参照。

インターフェイス名の変更

ノート: 命名規則を変更した際には、すべてのネットワーク関連の設定ファイルとカスタムの systemd ユニットファイルを更新し、変更を反映させることを忘れないでください。

systemd.link(5) ファイルで名前を手動で定義してデバイス名を変更することができます。例:

/etc/systemd/network/10-net0.link
[Match]
PermanentMACAddress=aa:bb:cc:dd:ee:ff

[Link]
Name=net0

あるいは、udev ルールを使うこともできます:

/etc/udev/rules.d/10-network.rules
SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTR{address}=="aa:bb:cc:dd:ee:ff", NAME="net0"

上記のルールは起動時に自動的に適用されます。即座に変更を適用するには、net サブシステムの udev ルールを手動でトリガーしてください:

# udevadm trigger --verbose --subsystem-match=net --action=add

加えた変更をテストしたい場合、udevadm --debug test /sys/class/net/* が役立つでしょう。

ノート:
  • Name の優先順位は NamePolicy よりも低いです。なので、後者が設定されていない/空であるようにするか、名前が変更されないようにしてください。99-default.linkNamePolicy を設定するので、これの前にカスタムの設定が来るようにしなければなりません (つまり、数字の接頭辞を持つということ)。
  • ネットワークインターフェイスの名前を変更する前に、そのインターフェイスを落しておかなければなりません。 [3]
  • 各カードの MAC アドレスを得るには、ip link を実行してください。
  • udev ルールでは小文字の16進数を使用してください。大文字ではいけません。

ネットワークカードの MAC アドレスが動的である場合は、Path を使用できます (Pathnetworkctl status interface_name で確認できます):

/etc/systemd/network/10-net1.link
[Match]
Path=pci-0000:01:00.0

[Link]
Name=net1

あるいは、udev で DEVPATH を使用できます:

/etc/udev/rules.d/10-network.rules
SUBSYSTEM=="net", DEVPATH=="/devices/pci*/*1c.0/*/net/*", NAME="net1"

現在接続されているすべてのデバイスの DEVPATH を取得するには、/sys/class/net/ 内のシンボリックリンクがどこにリンクされているかを見てください。例:

$ file /sys/class/net/*
/sys/class/net/enp0s20f0u4u1: symbolic link to ../../devices/pci0000:00/0000:00:14.0/usb2/2-4/2-4.1/2-4.1:1.0/net/enp0s20f0u4u1
/sys/class/net/enp0s31f6:     symbolic link to ../../devices/pci0000:00/0000:00:1f.6/net/enp0s31f6
/sys/class/net/lo:            symbolic link to ../../devices/virtual/net/lo
/sys/class/net/wlp4s0:        symbolic link to ../../devices/pci0000:00/0000:00:1c.6/0000:04:00.0/net/wlp4s0

ルールは起動時に複数回実行されることがあるので、デバイスのパスは新しいデバイス名と古いデバイス名両方にマッチする必要があります。例えば、与えられたルールで、"/devices/pci*/*1c.0/*/net/en*" と設定すると困ったことになります。名前が net1 に変更されるとマッチしなくなるからです。システムのデフォルトルールだけが再度適用され、名前がに戻ってしまいます。

動的 MAC アドレスのある USB ネットワークデバイス (例: Android phone テザリング) を使用していて、異なる USB ポートを使えるようにしたい場合、ベンダ ID やモデル ID とマッチするルールを代わりに使用することができます:

/etc/systemd/network/20-net2.link
[Match]
Property=ID_VENDOR_ID=12ab ID_MODEL_ID=3cd4

[Link]
Name=net2

または

/etc/udev/rules.d/10-network.rules
SUBSYSTEM=="net", ACTION=="add", ATTRS{idVendor}=="12ab", ATTRS{idProduct}=="3cd4", NAME="net2"
ノート: 固定の名前を付けるときに "ethX" や "wlanX" というような名前を使ってはいけません、起動時にカーネルと udev で競合状態が発生する可能性があります。代わりに、カーネルではデフォルトで使われないインターフェイス名を使うと良いでしょう、例: net0, net1, wifi0, wifi1。詳細は systemd のドキュメントを参照してください。

伝統的なインターフェイス名に戻す

eth0 のような伝統的なインターフェイス名に戻したい場合、udev の net_setup_link ビルトインの NamePolicy のデフォルトを変更することで Predictable Network Interface Names を無効化できます:

/etc/systemd/network/99-default.link.d/traditional-naming.conf
[Link]
NamePolicy=keep kernel

または、net_setup_link を完全に無効化することもできます。対応する udev ルールをマスクするか:

# ln -s /dev/null /etc/udev/rules.d/80-net-setup-link.rules

あるいは、net.ifnames=0カーネルパラメータに追加してください。

ノート: systemd.link(5)net_setup_link が動作していることに頼っています。あなたが何をしているか理解していない限り、1つ目のやり方を優先してください。

MTU とキューの長さの設定

systemd.link(5) の設定で手動で定義することで、デバイスの MTU とキューの長さを変更することができます。例えば:

/etc/systemd/network/30-mtu.link
[Match]
Type=wlan

[Link]
MTUBytes=1500
TransmitQueueLength=2000

あるいは、udev ルールを使って:

/etc/udev/rules.d/10-network.rules
ACTION=="add", SUBSYSTEM=="net", KERNEL=="wl*", ATTR{mtu}="1500", ATTR{tx_queue_len}="2000"

MTUBytes: 1500 よりも大きい値を使用することで (ジャンボフレームと呼ばれます)、ネットワークの転送速度を大幅に増加させることができます。すべてのネットワークインターフェイス(ローカルネットワークのスイッチを含む)が、ジャンボフレームを使うために同じ MTU をサポートしなければならないことに注意してください。PPPoE の場合、MTU は 1492 よりも大きくするべきではありません。MTU は systemd.netdev(5) によっても設定することができます。

TransmitQueueLength: モデルリンクや ISDN のような高レイテンシの低速デバイスでは小さい値。インターネット接続が高速で、大量のデータ転送を行うサーバでは大きい値が推奨されます。

ホスト名の設定

ホスト名とは、ネットワーク上でマシンを識別するために作られる唯一の(ユニークな)名前であり、/etc/hostname に設定します (詳しくは hostname(5)hostname(7) を参照)。このファイルにはシステムのドメイン名を含めることもできます。ホストネームを設定するには /etc/hostname編集し、yourhostname の1行を書いてください (実際にはあなたの好きな名前を使ってください):

/etc/hostname
yourhostname
ヒント: hostname の名称の付け方のアドバイスについては、RFC 1178 を見てください。

上記の方法の代わりに、hostnamectl(1) を使うこともできます:

# hostnamectl hostname yourhostname

hostname を一時的に設定するには、inetutilshostname(1) を使います (再起動するまで有効):

# hostname yourhostname

"pretty" hostname や他のマシンのメタデータを設定する方法は、machine-info(5) を参照してください。

ローカルネットワークのホストネーム解決

マシンがホストネームを使って LAN 内でアクセスできるようにするには、以下の方法を取ることができます:

  • LAN 内のすべてのデバイスの /etc/hosts ファイルを編集する、hosts(5) を見てください
  • ホストネームを解決する DNS サーバーをセットアップし、LAN のデバイスにそれを使用させる (例えば、DHCP を使う)
  • または、より簡単な方法を取る: ゼロコンフィグレーションネットワークサービスを使う:
    • NetBIOS によるホストネーム解決。Linux の Samba により提供されています。必要なのは nmb.service だけです。Windows や macOS、nmb が動作している Linux のコンピュータからマシンを見つけられるようになります。
    • mDNS によるホストネーム解決。nss_mdnsAvahi を使う(セットアップの詳細は Avahi#ホスト名の解決で)か、systemd-resolved を使うことにより可能です。macOS や、Avahi や systemd-resolved が動作している Linux のコンピュータがマシンを見つけられるようになります。古い Win32 API は mDNS をサポートしておらず、一部の古い Windows アプリケーションはデバイスにアクセスできない場合があります。

ヒントとテクニック

ボンディングまたは LAG

netctl#ボンディングsystemd-networkd#ワイヤード (有線) インターフェイスとワイヤレスインターフェイスのボンディングワイヤレスボンディング を見てください。

IP アドレスエイリアス

ひとつのネットワークインターフェースに複数の IP アドレスを加えることを IP エイリアスと呼びます。これをすることで、ネットワークのひとつのノードでネットワークに複数接続することができ、それぞれを別々に使うことができます。基本的に Web・FTP サーバーの仮想ホスティングや、サーバーの再構成 (他のマシンを更新しない、ネームサーバで有用) に使われます。

サンプル

iproute2 ツールを使って NIC のエイリアスを手動で設定するには次を実行:

$ ip addr add 192.168.1.10/24 dev enp1s0 label enp1s0:1

設定したエイリアスを削除するには:

$ ip addr del 192.168.1.10/24 dev enp1s0:1

サブネットへ向かうパケットはデフォルトでプライマリエイリアスを使います。送信先 IP がセカンダリエイリアスのサブネット内のものである場合は、送信元 IP がそれぞれに設定されます。複数の NIC が存在する場合を考えた場合、ip route でデフォルトルートを列挙することができます。

プロミスキャスモード

プロミスキャスモードを有効にすると (無線) NIC は受信したトラフィックを全て OS に転送します。反対に"ノーマルモード"では受信されるべきでないとき NIC はフレームをドロップします。プロミスキャスモードは高度なネットワークのトラブルシューティングやパケットスニッフィングなどのために使われます。

/etc/systemd/system/promiscuous@.service
[Unit]
Description=Set %i interface in promiscuous mode
After=network.target

[Service]
Type=oneshot
ExecStart=/usr/bin/ip link set dev %i promisc on
RemainAfterExit=yes

[Install]
WantedBy=multi-user.target

インターフェイス eth0 でプロミスキャスモードを有効にしたい場合、promiscuous@eth0.service有効化してください。

ソケットの調査

ss はネットワークポートを調査するユーティリティで、iproute2 パッケージの一部です。機能的には非推奨の netstat ユーティリティと似ています。

共通の利用方法は以下のようなものです:

すべての TCP ソケットをサービス名と共に表示する:

$ ss -at

すべての TCP ソケットをポート番号と共に表示する:

$ ss -atn

すべての UDP ソケットを表示する:

$ ss -au

さらなる情報は ss(8) を見てください。

トラブルシューティング

TCP ウィンドウスケーリングの問題

TCP パケットのヘッダには"ウィンドウ"値が含まれており、他のホストが返答として送信できるデータの量が示されています。この値は16ビットでしか表現できないので、ウィンドウサイズは最大 64 Kb です。TCP パケットはしばらくの間キャッシュに保存されますが (再度使われます)、メモリの量は(少なくとも昔は)限られているので、すぐに使いきってしまうことがあります。

1992年、利用できるメモリの量が大幅に増えるのにあわせて、この状態を改善するために RFC:1323: ウィンドウスケーリングが書かれました。全てのパケットに含まれている"ウィンドウ"の値を、スケールファクタ (Scale Factor) を定義することで、接続の初期段階で変更します。8ビットのスケールファクタなら、ウィンドウは 64Kb の32倍まで増やすことができます。

壊れたルーターやファイアウォールはスケールファクタを 0 に書き換えてしまうためホスト間での不和が発生します。Linux カーネル 2.6.17 ではスケールファクタを上げるための新しい算出方式が導入されましたが、それによってルーターやファイアウォールが壊れているときの影響が増え、極端に接続が遅かったり、全く接続できない状態が生まれています。

問題の診断方法

まず最初に問題をはっきりさせましょう: この問題は少々厄介です。ある条件下では、TCP 接続 (HTTP, FTP, ...) を全く使えないのに、他の条件では、特定の (ごく少数の) ホストとは通信できるというようなことが起こります。

この問題が発生していても、dmesg の出力に問題はなく、ログに異常は見られず、そして ip addr では通常状態だと報告されます。全てが問題ないように(表面上は)見えるわけです。

ウェブサイトが表示できないのに、ping は通る場合、この問題が発生している可能性は十分あるでしょう: ping は TCP の問題に影響されない ICMP を使っているためです。

Wireshark を使ってみてください。UDP と ICMP の接続は通るのに (ホストが海外の) TCP 接続は通らないはずです。

修復方法

悪い方法

無理やり修正する方法として、スケールファクタの計算に使われている tcp_rmem の値を変更することができます。ほとんどのホストではこれで問題ありませんが、全てのホストで上手く行くとは保証できません。特にホストが遠い場合に問題が起きやすいです。

# echo "4096 87380 174760" > /proc/sys/net/ipv4/tcp_rmem
良い方法

ウィンドウスケーリングを無効化してしまいます。ウィンドウスケーリングは TCP の素晴らしい機能なので、無効化してしまうのは忍びないですが、ルーターを修復できない場合は致し方ありません。ウィンドウスケーリングを無効化する方法は複数存在します。一番安牌の (ほとんどのカーネルで動作する) 方法としては /etc/sysctl.d/99-disable_window_scaling.conf に以下の行を追加してください (sysctl を参照):

net.ipv4.tcp_window_scaling = 0
最良の方法

この問題の原因はルーターやファイアウォールの動作がおかしいせいなので、それらを変えてしまいましょう。専用の DSL ルーターを使っている場合に問題になることがあるという報告もあります。

詳細

このセクションは LWN の記事 TCP window scaling and broken routers と Kernel Trap の記事 Window Scaling on the Internet. を基にしています。

また、LKML に関連するスレッドが複数存在します。

接続された2台目の PC がブリッジ LAN を利用できない

1台目の PC には2つの LAN があります。2台目の PC には1つの LAN があり、1台目の PC に接続されています。2台目の PC が、ブリッジインターフェイスのあとに LAN にアクセスできるようにしましょう:

# sysctl net.bridge.bridge-nf-filter-pppoe-tagged=0
# sysctl net.bridge.bridge-nf-filter-vlan-tagged=0
# sysctl net.bridge.bridge-nf-call-ip6tables=0
# sysctl net.bridge.bridge-nf-call-iptables=0
# sysctl net.bridge.bridge-nf-call-arptables=0

localhost がネットワーク上で解決される

nss-myhostname(8) は、(systemd によって提供され、/etc/nsswitch.conf でデフォルトで有効になっています) NSS モジュール は、localhost および IP アドレスへの localhost 名を解決します。ただし、一部のソフトウェアは代わりに /etc/hosts を直接読み取る場合があります。例については、[4] [5] を参照してください。

このようなソフトウェアがネットワーク経由で localhost を安全でない方法で解決しないようにするには、localhost のエントリを hosts(5) ファイルに追加します:

/etc/hosts
127.0.0.1        localhost
::1              localhost
ノート: FS#56684 で、この問題の影響を受けるソフトウェアを報告してください。これは、localhost エントリをデフォルトの /etc/hosts に追加するのに役立つ場合があります。

localhost を解決できるようにするには、さらに hosts(5) ファイルに追加します:

/etc/hosts
127.0.0.1        localhost
::1              localhost
127.0.1.1        yourhostname

永続的な IP アドレスを持つシステムの場合、127.0.1.1 をその永続的な IP アドレスに置き換えます。Fully Qualified Domain Name を持つシステムの場合、ホスト名の前に Fully Qualified Domain Name を挿入します (次のリンクを参照 理由) 例えば:

/etc/hosts
127.0.0.1        localhost
::1              localhost
203.0.113.45     host1.fqdomain.example host1
ノート: /etc/hosts 内の IP アドレスに続くホスト名/エイリアスの順序は重要です。最初の文字列は正規のホスト名と見なされ、ドメインコンポーネントがドットで区切られた親ドメインが追加される場合があります。同じ行にある次の文字列はすべてエイリアスと見なされます。詳しくは hosts(5) をご覧ください。

その結果、システムは両方のエントリに解決されます:

$ getent hosts
127.0.0.1       localhost
127.0.0.1       localhost
127.0.1.1       yourhostname

参照

翻訳ステータス: このページは en:Network configuration の翻訳バージョンです。最後の翻訳日は 2024-11-04 です。もし英語版に 変更 があれば、翻訳の同期を手伝うことができます。