「NFS/Kerberos」の版間の差分
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Kerberos は NFS に利用可能な数少ないセキュリティメカニズムの一つです。Kerberos は強力なユーザー認証とデータ暗号化を提供し、NFSv4 を使用することでクライアントとサーバー間の UIDs/GIDs の一致が不要になります。 |
Kerberos は NFS に利用可能な数少ないセキュリティメカニズムの一つです。Kerberos は強力なユーザー認証とデータ暗号化を提供し、NFSv4 を使用することでクライアントとサーバー間の UIDs/GIDs の一致が不要になります。 |
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* {{ic|sys}} は従来の UID ベース(非 Kerberos)の NFS セキュリティモードです。 |
* {{ic|sys}} は従来の UID ベース(非 Kerberos)の NFS セキュリティモードです。 |
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+ | == クライアント設定 == |
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− | == Client configuration == |
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+ | ユーザーに加えて、各 NFS クライアントは {{ic|/etc/krb5.keytab}} に「マシン」Kerberos プリンシパルを持つべきであり、ユーザーの Kerberos チケットがまだ利用可能でない状況で使用されます。特に、ユーザーがログインする前や(autofs 経由でのマウントが行われる場合など)、ファイルシステムをブート時にマウントするために必要になります。一般的に、「root として」行われるすべての操作はマシンプリンシパルとして認証されます。 |
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− | In addition to users, each NFS client should have a ''machine'' Kerberos principal in {{ic|/etc/krb5.keytab}}, which will be used in situations where user Kerberos tickets are not yet available – in particular, it will be needed to actually mount the filesystem at boot time before any users have logged in yet (or if mounting is done via autofs). More generally, all operations done "as root" will be authenticated as the machine principal. |
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+ | {{Tip|マシンアイデンティティは NFSv4.0 や NFSv4.1 を使用する場合に一部の内部 NFS 操作にも必要ですが、NFSv4.2 ではもはや必須ではありません。}} |
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− | {{Tip|The machine identity is also mandatory for some internal NFS operations if NFSv4.0 or NFSv4.1 are used, although no longer mandatory in NFSv4.2.}} |
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+ | サーバーの場合と異なり、クライアントマシンは特に {{ic|nfs/}} プリンシパルを必要としません。一般的な {{ic|host/''the.fqdn''}} プリンシパルがあれば十分です(rpc.gssd マニュアルページで何を探すかを参照)。 |
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− | Unlike in the server case, the client machine does not need an {{ic|nfs/}} principal specifically – it is enough to have the generic {{ic|host/''the.fqdn''}} principal. (See the rpc.gssd manual page for what it looks for.) |
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− | + | クライアントは {{ic|rpc-gssd.service}} をアクティブにする必要があります(つまり、{{ic|rpc.gssd}} デーモン)。 |
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+ | ファイルシステムをマウントするときに使用されるオプションは、{{ic|/etc/exports}} で使用されるオプションと非常に似ています。{{ic|1=sec=}} オプションを使用して、1つ以上のフレーバーを指定できます。クライアントは自動的に提供された最も強力なモードを使用しますが、ダウングレード攻撃を防ぐために、例えば {{ic|1=sec=krb5p}} を明示的に要求することを推奨します。 |
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− | Options used when mounting the filesystems are very similar to the options used in {{ic|/etc/exports}}; you can specify one or more flavors using the {{ic|1=sec=}} option. Although the client will automatically use the strongest mode offered, it is nevertheless recommended to explicitly require e.g. {{ic|1=sec=krb5p}} to prevent downgrade attacks. |
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− | + | ファイルシステムがマウントされた後、root はすでに(マシンの Kerberos 資格情報を使用して)アクセスできますが、'''すべての'''非 root ユーザーは自身の Kerberos チケットが必要です。これはユーザーが自分で {{ic|kinit}} を手動で実行するか、ログイン中にチケットを取得する {{Pkg|pam-krb5}} を設定するか(これはパスワードベースのログインでのみ機能します)、または {{ic|gssproxy}} や {{man|1|k5start|url=https://manned.org/k5start.1}}({{AUR|kstart}} から)を使用して keytab ファイルからチケットを取得するかのいずれかを意味します。 |
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+ | {{Tip|チケットは取得後数時間で期限切れになるため、k5start を設定してチケットを「更新」する必要があります。}} |
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− | {{Tip|You will likely need to set up k5start to ''renew'' tickets as they expire a few hours after being acquired.}} |
2024年4月19日 (金) 18:23時点における最新版
Kerberos は NFS に利用可能な数少ないセキュリティメカニズムの一つです。Kerberos は強力なユーザー認証とデータ暗号化を提供し、NFSv4 を使用することでクライアントとサーバー間の UIDs/GIDs の一致が不要になります。
Kerberos には NFSv4 が推奨されます。NFSv3 で Kerberos を有効にすることは可能ですが、補助的な NFSv3 プロトコル(例えば「マウント」プロトコル)がセキュアでないため、100% のカバレッジは提供されません。また、NFSv3 には idmapping がないため、Kerberos の使用性が大幅に低下します。
前提条件
Kerberos は KDC (Key Distribution Center)サービスがどこかで動作している必要があります。MIT Kerberos (krb5)に付属する krb5-kdc.service
は、Active Directory や FreeIPA のような複雑さが必要ない小規模設定に適しています。2 番目のオプションは Heimdal で、一部の BSD や Arch 上の heimdalAUR で見つかります。
Kerberos と共に NFSv4 の idmapping がとても重要になります。サーバーとクライアントはどちらも同じ idmapping ドメインを設定している必要があります:
/etc/idmapd.conf
[General] Domain = example.com
サーバーの設定
各 NFS サーバーは、KDC 上に nfs/server.fqdn
の Kerberos プリンシパルを作成し、その鍵をサーバーの /etc/krb5.keytab
に追加する必要があります。
fileserv# kadmin -p frob/admin Password for frob/admin@EXAMPLE.COM: ********* kadmin: addprinc -nokey nfs/fs.example.com kadmin: ktadd nfs/fs.example.com
サーバー上で gssproxy.service
を有効化し開始する必要があります。
gssproxy は NFS サーバーのサポートで事前に設定されています(標準パッケージの一部として /etc/gssproxy/24-nfs-server.conf
ファイルが含まれています)そして、NFS サービスの keytab を標準の場所に置く以外に調整する必要はありません。
/etc/exports
では、sec=
オプションで Kerberos 認証フレーバーを提供する必要があります:
/home *(rw,sec=krb5p) /usr 10.147.0.0/16(rw,sec=krb5p:krb5i:krb5:sys) *(rw,sec=krb5p)
利用可能なフレーバーは以下の通りです:
krb5p
は「プライバシー」(Kerberos ベースの暗号化)を提供します。インターネット上で使用するには十分なセキュリティですが、LAN 上でのスループットが低下する可能性があるため、RPC-with-TLS 内でkrb5
を使用することを検討してください。krb5i
は「完全性」(Kerberos ベースの MAC)を提供しますが、暗号化は提供しません。パケット改ざんから保護するため、静的データを提供する際に有用かもしれません。krb5
は認証のみを提供し、データの完全性や暗号化はありません。RPC-over-TLS をxprtsec=
を通じて有効化している、または Kerberos をそれ自体「安全な」LAN(例:WireGuard トンネルを通じて)上で運用している場合は良い選択ですが、公開ネットワーク上でクリアな状態で使用するのは避けてください。sys
は従来の UID ベース(非 Kerberos)の NFS セキュリティモードです。
クライアント設定
ユーザーに加えて、各 NFS クライアントは /etc/krb5.keytab
に「マシン」Kerberos プリンシパルを持つべきであり、ユーザーの Kerberos チケットがまだ利用可能でない状況で使用されます。特に、ユーザーがログインする前や(autofs 経由でのマウントが行われる場合など)、ファイルシステムをブート時にマウントするために必要になります。一般的に、「root として」行われるすべての操作はマシンプリンシパルとして認証されます。
サーバーの場合と異なり、クライアントマシンは特に nfs/
プリンシパルを必要としません。一般的な host/the.fqdn
プリンシパルがあれば十分です(rpc.gssd マニュアルページで何を探すかを参照)。
クライアントは rpc-gssd.service
をアクティブにする必要があります(つまり、rpc.gssd
デーモン)。
ファイルシステムをマウントするときに使用されるオプションは、/etc/exports
で使用されるオプションと非常に似ています。sec=
オプションを使用して、1つ以上のフレーバーを指定できます。クライアントは自動的に提供された最も強力なモードを使用しますが、ダウングレード攻撃を防ぐために、例えば sec=krb5p
を明示的に要求することを推奨します。
ファイルシステムがマウントされた後、root はすでに(マシンの Kerberos 資格情報を使用して)アクセスできますが、すべての非 root ユーザーは自身の Kerberos チケットが必要です。これはユーザーが自分で kinit
を手動で実行するか、ログイン中にチケットを取得する pam-krb5 を設定するか(これはパスワードベースのログインでのみ機能します)、または gssproxy
や k5start(1)(kstartAUR から)を使用して keytab ファイルからチケットを取得するかのいずれかを意味します。