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ドキュメントによると、{{ic|MemoryHigh}} はメモリ消費をチェックするための推奨される方法ですが、{{ic|MemoryMax}} のように厳密に制限されることはありません。{{ic|MemoryMax}} を最終防衛戦として残して、両方のオプションを使用できます。また、コンテナが認識できるCPUの数を制限しないことも考慮に入れてください。ただし、CPU時間合計に対して、コンテナが最大で取得する時間を制限することで、同様の結果が得られます。 |
ドキュメントによると、{{ic|MemoryHigh}} はメモリ消費をチェックするための推奨される方法ですが、{{ic|MemoryMax}} のように厳密に制限されることはありません。{{ic|MemoryMax}} を最終防衛戦として残して、両方のオプションを使用できます。また、コンテナが認識できるCPUの数を制限しないことも考慮に入れてください。ただし、CPU時間合計に対して、コンテナが最大で取得する時間を制限することで、同様の結果が得られます。 |
2020年11月26日 (木) 10:49時点における版
systemd-nspawn は chroot コマンドに似ていますが、chroot を強化したものです。
systemd-nspawn を使えば軽量な名前空間コンテナでコマンドや OS を実行することができます。ファイルシステム階層だけでなく、プロセスツリーや様々な IPC サブシステム、ホスト・ドメイン名も完全に仮想化するため chroot よりも強力です。
systemd-nspawn は /sys
, /proc/sys
, /sys/fs/selinux
などのコンテナの様々なカーネルインターフェイスへのアクセスを読み取り専用に制限します。コンテナの中からネットワークインターフェイスやシステムクロックを変更することは出来ません。デバイスノードを作成することも不可能です。コンテナの中からホスト環境を再起動することはできず、カーネルモジュールをロードすることも制限されます。
仕組みとしては Lxc-systemd や Libvirt-lxc と異なり、とてもシンプルなツールで設定を行います。
インストール
systemd-nspawn は systemd に含まれています。
サンプル
コンテナに最小限の Arch Linux ディストリビューションを作成して起動
まず arch-install-scripts パッケージをインストールしてください。
そして、お好きな場所にディレクトリを作成してください。この例では、~/MyContainer
を使用します。
pacstrap を使って最小限の arch システムをコンテナにインストールします。最低限でも base グループはインストールする必要があります。
# pacstrap -c ~/MyContainer base [additional pkgs/groups]
インストールが完了したら、コンテナに chroot し、root パスワードを設定します。
# systemd-nspawn -D ~/MyContainer # passwd # logout
最後に、コンテナを起動します。
# systemd-nspawn -b -D ~/MyContainer
-b
はシェルを実行する代わりにコンテナを起動します (つまり PID=1 として systemd
を実行)。-D
にはコンテナのルートディレクトリにするディレクトリを指定します。
コンテナが開始したら、設定したパスワードを使って "root" でログインしてください。
コンテナの電源を切りたいときはコンテナの中から poweroff
を実行することで出来ます。ホストからは、machinectl ツールでコンテナを制御できます。
Debian や Ubuntu 環境の作成
debootstrap と debian-archive-keyring か ubuntu-keyring のどちらか (インストールしたい方のディストリのキーリング) をインストールしてください。
後は簡単に Debian や Ubuntu 環境をセットアップできます:
# cd /var/lib/machines # debootstrap --include=systemd-container --components=main,universe codename container-name repository-url
Debian の場合、コードネームとして指定するのは "stable" や "testing" などのローリングの名前か "stretch" や "sid" などのリリース名になります。Ubuntu の場合、"xenial" や "zesty" などのコードネームを使ってください。コードネームの完全なリストは /usr/share/debootstrap/scripts
にあります。Debian イメージの場合は "repository-url" には http://deb.debian.org/debian/
などを指定します。Ubuntu のイメージの場合は "repository-url" は http://archive.ubuntu.com/ubuntu/
などとなります。
Arch と同様に、Debian や Ubuntu ではパスワードなしでログインすることはできません。root のパスワードを設定するために、'-b' オプションを付けずにログインしてからパスワードを設定してください:
# cd /var/lib/machines # systemd-nspawn -D myContainer # passwd # logout
パッケージのビルドおよびテスト
使用例については、他のディストリビューションのパッケージの作成 を参照してください。
管理
/var/lib/machines/
にあるコンテナは、machinectl コマンドによって制御することができます。内部的には systemd-nspawn@.service
ユニットのインスタンスを制御しています。{ic|/var/lib/machines/}} のサブディレクトリはコンテナ名に対応しています。
systemd-nspawn オプションのデフォルト値
machinectl や systemd-nspawn@.service
経由で起動されたコンテナは systemd-nspawn コマンドで起動されたコンテナとはオプションの既定値が異なることを理解することが重要です。サービスが使用する追加オプションは以下の通りです。
-b
/--boot
– マネージドコンテナは自動的に init プログラムを検索し、PID 1 として起動します。--network-veth
つまり--private-network
– マネージドコンテナは仮想ネットワークインターフェースを取得し、ホストネットワークから切り離されます。詳細は、#Networking を参照してください。-U
– カーネルがサポートしている場合、マネージドコンテナはデフォルトで user_namespaces(7) 機能を使用します。詳細は、#Unprivileged containers を参照してください。--link-journal=try-guest
この動作は、コンテナごとの設定ファイルでオーバーライドすることができます。 詳細は、#Configuration を参照してください。
machinectl
コンテナはコマンドで管理できます。例えば、コンテナを起動するには、次のようにします。
$ machinectl start container-name
同様に、poweroff、reboot、status,show などのサブコマンドがあります。詳細な説明については、machinectl(1)
を参照してください。
その他の一般的なコマンドは以下の通りです:
machinectl login MyContainer
- 実行中のコンテナに新しいシェルを起動machinectl status MyContainer
- コンテナの詳細情報を表示machinectl reboot MyContainer
- コンテナを再起動machinectl reboot MyContainer
- コンテナを電源オフmachinectl enable MyContainer
またはmachinectl enable MyContainer
- コンテナを有効または無効にして、起動時に開始します。詳細については、#Enable container to start at boot を参照してください。
machinectl にはコンテナ(または仮想マシン)イメージとイメージ転送を管理するためのサブコマンドもあります。詳細については、machinectl(1) § Image Commands および、machinectl(1) § Image Transfer Commands を参照してください。
systemd ツールチェイン
systemd のコアツールチェインは多くがコンテナでも使えるようにアップデートされています。コンテナの名前を引数とする -M, --machine=
オプションをツールに付けるだけです。
例:
- 特定のマシンの journal ログを表示:
$ journalctl -M MyContainer
- control group の中身を表示:
$ systemd-cgls -M MyContainer
- コンテナの起動時間を表示:
$ systemd-analyze -M MyContainer
- リソース利用状況を表示:
$ systemd-cgtop
構成
コンテナ毎の設定
グローバル設定のオーバーライドではなく、コンテナ毎の設定を指定するには、.nspawn ファイルを使用できます。詳細については、 systemd.nspawn(5) を参照してください。
PC起動時にコンテナを自動で開始する
コンテナを頻繁に使用する場合は、PC起動時に開始することをおすすめします。
まず、machines.target
が有効になっている事を確認します。
machinectl で検出可能なコンテナは、有効または無効にできます:
$ machinectl enable container-name
リソース制御
systemctl set-property
でコンテナの制限やリソース管理を実装するために、コントロールグループを利用することができます。systemd.resource-control(5) を参照してください。例えば、メモリ容量やCPU使用率を制限できます。コンテナのメモリ消費を2GiBに制限するには:
# systemctl set-property systemd-nspawn@container-name.service MemoryMax=2G
または、CPU時間の使用量をだいたい2コア分に制限したい場合:
# systemctl set-property systemd-nspawn@container-name.service CPUQuota=200%
これにより以下の永続ファイルが作成されます。
/etc/systemd/system.control/systemd-nspawn@container-name.service.d/
.
ドキュメントによると、MemoryHigh
はメモリ消費をチェックするための推奨される方法ですが、MemoryMax
のように厳密に制限されることはありません。MemoryMax
を最終防衛戦として残して、両方のオプションを使用できます。また、コンテナが認識できるCPUの数を制限しないことも考慮に入れてください。ただし、CPU時間合計に対して、コンテナが最大で取得する時間を制限することで、同様の結果が得られます。
ネットワーキング
systemd-nspawn コンテナは、ホストネットワーク または プライベートネットワークのいずれかを使用できます。
- ホストネットワークモードでは、コンテナはホストネットワークへのフルアクセスが可能です。これは、コンテナがホスト上のすべてのネットワークサービスにアクセスできるようになり、コンテナからのパケットがホストのパケットとして外部ネットワークに表示される事を意味します(つまり、同じIPアドレスを共有します)。
- プライベートネットワークモードでは、コンテナはホストのネットワークから切断されています。これにより、ループバックデバイスとコンテナに明示的に割り当てられたものを除いて、すべてのネットワークインターフェイスがコンテナを使用できなくなります。コンテナのネットワークインターフェイスを設定するには、いくつかの方法があります。
- an existing interface can be assigned to the container (e.g. if you have multiple Ethernet devices),
- a virtual network interface associated with an existing interface (i.e. VLAN interface) can be created and assigned to the container,
- a virtual Ethernet link between the host and the container can be created.
- In the latter case the container's network is fully isolated (from the outside network as well as other containers) and it is up to the administrator to configure networking between the host and the containers. This typically involves creating a network bridge to connect multiple (physical or virtual) interfaces or setting up a Network Address Translation between multiple interfaces.
The host networking mode is suitable for application containers which do not run any networking software that would configure the interface assigned to the container. Host networking is the default mode when you run systemd-nspawn from the shell.
On the other hand, the private networking mode is suitable for system containers that should be isolated from the host system. The creation of virtual Ethernet links is a very flexible tool allowing to create complex virtual networks. This is the default mode for containers started by machinectl or systemd-nspawn@.service
.
The following subsections describe common scenarios. See systemd-nspawn(1) § Networking Options for details about the available systemd-nspawn options.
ホストネットワークを使う
プライベートネットワークを無効にし、machinectl で開始されたコンテナで使用される仮想イーサネットリンクを作成するには、次のオプションを指定して、.nspawn ファイルを追加します:
/etc/systemd/nspawn/container-name.nspawn
[Network] VirtualEthernet=no
これにより、systemd-nspawn@.service
の -n
/--network-veth
オプションが上書きされ、新しく開始されたコンテナはホストネットワークモードを使用します。
Use a virtual Ethernet link
If a container is started with the -n
/--network-veth
option, systemd-nspawn will create a virtual Ethernet link between the host and the container. The host side of the link will be available as a network interface named ve-container-name
. The container side of the link will be named host0
. Note that this option implies --private-network
.
When you start the container, an IP address has to be assigned to both interfaces (on the host and in the container). If you use systemd-networkd on the host as well as in the container, this is done out-of-the-box:
- the
/usr/lib/systemd/network/80-container-ve.network
file on the host matches theve-container-name
interface and starts a DHCP server, which assigns IP addresses to the host interface as well as the container, - the
/usr/lib/systemd/network/80-container-host0.network
file in the container matches thehost0
interface and starts a DHCP client, which receives an IP address from the host.
If you do not use systemd-networkd, you can configure static IP addresses or start a DHCP server on the host interface and a DHCP client in the container. See Network configuration for details.
To give the container access to the outside network, you can configure NAT as described in Internet sharing#Enable NAT. If you use systemd-networkd, this is done (partially) automatically via the IPMasquerade=yes
option in /usr/lib/systemd/network/80-container-ve.network
. However, this issues just one iptables rule such as
-t nat -A POSTROUTING -s 192.168.163.192/28 -j MASQUERADE
The filter
table has to be configured manually as shown in Internet sharing#Enable NAT. You can use a wildcard to match all interfaces starting with ve-
:
# iptables -A FORWARD -i ve-+ -o internet0 -j ACCEPT
Additionally, the rule -A FORWARD -i ve-+ -o internet0 -j ACCEPT
may not work as described in Internet sharing#Enable NAT. If that is the case, try -A FORWARD -i ve-+ -j ACCEPT
.
Use a network bridge
If you have configured a network bridge on the host system, you can create a virtual Ethernet link for the container and add its host side to the network bridge. This is done with the --network-bridge=bridge-name
option. Note that --network-bridge
implies --network-veth
, i.e. the virtual Ethernet link is created automatically. However, the host side of the link will use the vb-
prefix instead of ve-
, so the systemd-networkd options for starting the DHCP server and IP masquerading will not be applied.
The bridge management is left to the administrator. For example, the bridge can connect virtual interfaces with a physical interface, or it can connect only virtual interfaces of several containers. See systemd-networkd#Network bridge with DHCP and systemd-networkd#Network bridge with static IP addresses for example configurations using systemd-networkd.
There is also a --network-zone=zone-name
option which is similar to --network-bridge
but the network bridge is managed automatically by systemd-nspawn and systemd-networkd. The bridge interface named vz-zone-name
is automatically created when the first container configured with --network-zone=zone-name
is started, and is automatically removed when the last container configured with --network-zone=zone-name
exits. Hence, this option makes it easy to place multiple related containers on a common virtual network. Note that vz-*
interfaces are managed by systemd-networkd same way as ve-*
interfaces using the options from the /usr/lib/systemd/network/80-container-vz.network
file.
Use a "macvlan" or "ipvlan" interface
Instead of creating a virtual Ethernet link (whose host side may or may not be added to a bridge), you can create a virtual interface on an existing physical interface (i.e. VLAN interface) and add it to the container. The virtual interface will be bridged with the underlying host interface and thus the container will be exposed to the outside network, which allows it to obtain a distinct IP address via DHCP from the same LAN as the host is connected to.
systemd-nspawn offers 2 options:
--network-macvlan=interface
– the virtual interface will have a different MAC address than the underlying physicalinterface
and will be namedmv-interface
.--network-ipvlan=interface
– the virtual interface will have the same MAC address as the underlying physicalinterface
and will be namediv-interface
.
Both options imply --private-network
.
既存のインターフェイスを使用する
ホストシステムに複数の物理ネットワークインターフェイスがある場合は、 --network-interface=interface
を使用してコンテナにインターフェイスを割り当てることができます(コンテナが起動している間はホストからは利用できないようにします)。--network-interface
は--private-network
を意味することに注意してください。
ポートマッピング
プライベートネットワークが有効になっている場合、-p
/--port
オプションを使用するか、.nspawn ファイルの Port
設定を使用して、ホスト上の個々のポートをコンテナ上のポートにマップできます。これは nat
テーブルに iptables ルールを発行することで行いますが、フィルタテーブルの FORWARD
チェーンは #Use a virtual Ethernet link で示されているように、手動で設定する必要があります。
例えば、ホスト上のTCPポート8000をコンテナ内のTCPポート80にマッピングするには、次のように入力します:
/etc/systemd/nspawn/container-name.nspawn
[Network] Port=tcp:8000:80
ドメイン名前解決
コンテナ内の ドメイン名前解決 は systemd-nspawn の --resolv-conf
オプションか、.nspawn ファイルの ResolvConf=
オプションで設定できます。systemd-nspawn(1) § 統合オプション に多くの値が記述されています。
デフォルト値は auto
で以下の事を意味します:
--private-network
が有効になっている場合、/etc/resolv.conf
はコンテナ内のまま残ります。- あるいは、ホストで systemd-resolved が実行されている場合、そのスタブ
resolv.conf
ファイルがコンテナにコピーまたはバインドマウントされます。 - それ以外の場合、
/etc/resolv.conf
ファイルはホストからコンテナにコピーされるか、バインドマウントされます。
最後の2つのケースでは、コンテナルートが書き込み可能な場合はファイルがコピーされ、読み取り専用の場合はバインドマウントされます。
ヒントとテクニック
非特権コンテナ
systemd-nspawn は非特権コンテナをサポートしますが、コンテナは root として起動する必要があります。
これを行う最も簡単な方法は、-U
オプションを使用して systemd-nspawn が自動的に未使用の UIDs/GIDs の範囲を選択させることです:
# systemd-nspawn -bUD ~/MyContainer
カーネルがユーザー名前空間をサポートしている場合、-U
オプションは --private-users=pick --private-users-chown
と同等です。これはコンテナの開始時にコンテナ内のファイルとディレクトリが選択された範囲のプライベート UIDs/GIDs に変更される事を意味します。詳細は、
systemd-nspawn(1) § User Namespacing Options を参照してください。
プライベート UID/GID の範囲を持つコンテナを起動したら、パーミッションエラーを避けるために、そのコンテナを使い続ける必要があります。あるいは、--private-users-chown
(または -U
) のファイルシステムへの影響を元に戻すには、0で始まるIDの範囲を指定します:
# systemd-nspawn -D ~/MyContainer --private-users=0 --private-users-chown
X 環境
新しいコンテナで X アプリケーションを動かす必要がある場合は Xhost を見て下さい。
外部の X サーバーにコンテナのセッションを接続するには DISPLAY
環境変数を設定する必要があります。
X は必要なファイルを /tmp
ディレクトリに保存します。コンテナから全てを表示させるには、/tmp
ディレクトリのファイルにアクセスできるようにしなくてはなりません。コンテナを起動するときに --bind=/tmp/.X11-unix:/tmp/.X11-unix
オプションを追加してください。
xhost の回避
xhost
は、Xサーバに対してかなり粗いアクセス権しか与えません。$XAUTHORITY
ファイルを使用すると、より詳細なアクセス制御が可能になります。残念ながら、コンテナ内の$XAUTHORITY
ファイルにアクセスできるようにしただけではうまくいきません。$XAUTHORITY
ファイルはホスト固有のものですが、コンテナは別のホストです。stackoverflowを参考にした以下のトリックを使えば、Xサーバがコンテナ内で実行されているXアプリケーションから、$XAUTHORITY
ファイルを受け入れるようにすることができます:
$ XAUTH=/tmp/container_xauth $ xauth nextract - "$DISPLAY" | sed -e 's/^..../ffff/' | xauth -f "$XAUTH" nmerge - # systemd-nspawn -D myContainer --bind=/tmp/.X11-unix --bind="$XAUTH" -E DISPLAY="$DISPLAY" -E XAUTHORITY="$XAUTH" --as-pid2 /usr/bin/xeyes
上記の2行目では、接続ファミリーを ""FamilyWild""(値65535
) に設定しているため、エントリはすべての表示に一致します。詳細はXsecurity(7) を参照。
Firefox を起動する
PID 1 として実行するには
# systemd-nspawn --setenv=DISPLAY=:0 \ --setenv=XAUTHORITY=~/.Xauthority \ --bind-ro=$HOME/.Xauthority:/root/.Xauthority \ --bind=/tmp/.X11-unix \ -D ~/containers/firefox \ firefox
あるいは、コンテナを起動して、例えば、systemd-networkd に仮想ネットワークインターフェイスを設定することもできます。
# systemd-nspawn --bind-ro=$HOME/.Xauthority:/root/.Xauthority \ --bind=/tmp/.X11-unix \ -D ~/containers/firefox \ --network-veth -b
コンテナが起動したら、次のようにXorgバイナリを実行します:
# systemd-run -M firefox --setenv=DISPLAY=:0 firefox
ホストのファイルシステムにアクセス
例えばホストとコンテナの両方が Arch Linux で、pacman のキャッシュを共有するには:
# systemd-nspawn --bind=/var/cache/pacman/pkg
詳しくは systemd-nspawn(1) の --bind
と --bind-ro
を参照してください。
ファイルを使ってコンテナごとにバインドを設定することもできます:
/etc/systemd/nspawn/my-container.nspawn
[Files] Bind=/var/cache/pacman/pkg
#コンテナごとに設定を指定するを参照。
ネットワーク
ネットワーク管理に systemd-networkd を使用して DNS に systemd-resolved
を使用する、インターネットに接続できる最も簡単な設定:
# systemctl enable --now systemd-networkd systemd-resolved # ln -sf /run/systemd/resolve/resolv.conf /etc/resolv.conf # let systemd-resolved manage /etc/resolv.conf
上記の設定を使うには -n
スイッチを使って systemd-nspawn
を実行して、ホストに仮想イーサネットリンクを作成する必要があります。
systemd-resolved
を使わないでコンテナの /etc/resolv.conf
を手動で編集して DNS サーバーの IP アドレスを追加することも可能です。
基本的な systemd-networkd のホストとコンテナの .network
ファイルは https://github.com/systemd/systemd/tree/master/network にあります。
もっと複雑なネットワークを設定する方法は、systemd-networkd#コンテナでの使用方法を見て下さい。
nsswitch.conf
ホストからコンテナへの接続を楽にするために、コンテナの名前のローカル DNS 解決を有効にすることができます。/etc/nsswitch.conf
の hosts:
セクションに mymachines
を追加してください:
hosts: files mymachines dns myhostname
こうすると、ホスト上でホストネーム foo
の DNS ルックアップで /etc/hosts
が参照され、それからローカルコンテナの名前、上流の DNS などが参照されます。
ホストのネットワークを使用
machinectl start MyContainer
で起動したコンテナによって使用されるプライベートネットワークを無効化するには systemctl edit systemd-nspawn@.service
を実行して systemd-nspawn@.service
サービスファイルの設定を編集してください。--network-veth
パラメータを削除するように ExecStart=
オプションを設定します:
/etc/systemd/system/systemd-nspawn@.service.d/override.conf
[Service] ExecStart= ExecStart=/usr/bin/systemd-nspawn --quiet --keep-unit --boot --link-journal=try-guest --machine=%I
次に起動したコンテナはホストのネットワークを使用するようになります。
仮想イーサネットインターフェイス
コンテナを systemd-nspawn ... -n
で起動した場合、systemd は自動的にホストとコンテナに仮想イーサネットインターフェイスを作成して、仮想イーサネットケーブルで接続します。
コンテナの名前が foo
ならば、仮想イーサネットインターフェイスのホストにおける名前は ve-foo
になり、コンテナではどんな場合でも名前は host0
です。
ip link
でインターフェイスを確認すると、インターフェイスの名前には ve-foo@if2
や host0@if9
のように接尾辞が付きます。@ifN
は実際はインターフェイスの名前には含まれていません。仮想イーサネットケーブルが他の端末に接続されていることを示すために ip link
によって情報が加えられています。
例えば、ホストの仮想イーサネットインターフェイス ve-foo@if2
がコンテナ foo
に接続、コンテナの中の2番目のネットワークインターフェイスに接続する場合、コンテナの中から ip link
を実行するとインデックス 2 が付きます。同じように、コンテナの host0@if9
という名前のインターフェイスはホストの9番目のインターフェイスに接続します。
ネットワークブリッジを使用
ローカルネットワークの物理マシンのようにコンテナに IP アドレスを割り当てるためにホスト環境にネットワークブリッジを設定している場合 (詳しくは systemd-networkd#2つの別々な IP で DHCP を使うや systemd-networkd#固定 IP ネットワークを参照)、--network-bridge=br0
オプションを使って systemd-nspawn から利用することができます。
systemd を使っていない環境で動作させる
Init#systemd-nspawn を見て下さい。
コンテナごとに設定を指定する
全体設定を上書きすることなく各コンテナの設定を指定したい場合 (例: どれかひとつのコンテナにディレクトリをバインドする場合)、.nspawn
ファイルを使うことで設定できます [6]。systemd.nspawn(5) を見てください [7]。
Btrfs のサブボリュームをコンテナのルートとして使う
Btrfs サブボリュームをコンテナのルートのテンプレートとして使うには、--template
フラグを使用します。サブボリュームのスナップショットを使ってコンテナのルートディレクトリが生成されます。
例えば、/.snapshots/403/snapshot
に存在するスナップショットを使うには:
# systemd-nspawn --template=/.snapshots/403/snapshots -b -D my-container
my-container
は作成するコンテナのディレクトリの名前に置き換えてください。電源を切っても、新しく作成されたサブボリュームは消えません。
コンテナの一時的な Btrfs スナップショットを使う
--ephemeral
や -x
フラグを使ってコンテナの一時的な btrfs スナップショットを作成してコンテナのルートとして利用できます。コンテナの実行中に変更が加えられても保存されません。例:
# systemd-nspawn -D my-container -xb
my-container はシステムに存在する既存のコンテナのディレクトリに置き換えてください。例えば /
が btrfs のサブボリュームだった場合、以下のコマンドで実行中のホスト環境の一時的なコンテナを作成することができます:
# systemd-nspawn -D / -xb
コンテナの電源を切ると、作成された btrfs サブボリュームはすぐに削除されます。
トラブルシューティング
root ログインが失敗する
(machinectl login <name>
を使用して) ログインしようとしたときに以下のエラーが表示される場合:
arch-nspawn login: root Login incorrect
そして journalctl
が以下のように表示する場合:
pam_securetty(login:auth): access denied: tty 'pts/0' is not secure !
コンテナのファイルシステム上にある /etc/securetty
のターミナル名のリストに pts/0
を追加してください。詳しくは [8] を参照。また、コンテナの /etc/securetty
を削除して root で全ての tty にログインできるようにするという方法もあります。[9] を見てください。
execv(...) failed: Permission denied
systemd-nspawn -bD /path/to/container
によってコンテナを起動 (またはコンテナ内で何かを実行) しようとすると、以下のようなエラーが発生します:
execv(/usr/lib/systemd/systemd, /lib/systemd/systemd, /sbin/init) failed: Permission denied
問題のファイル (例えば /lib/systemd/systemd
) のパーミッションが正しくても、コンテナが保存されているファイルシステムを非rootユーザーとしてマウントした結果である可能性があります。例えば、fstab に noauto,user,...
というオプションを指定して手動でディスクをマウントした場合、systemd-nspawn は rootが所有するファイルであっても実行は許可しません。
TERM の端末タイプが間違っている (色が壊れている)
machinectl login
でコンテナにログインすると、コンテナ内の端末の色とキーストロークが壊れることがあります。これは、TERM
環境変数の端末タイプが正しくないことが原因である可能性があります。環境変数はホストのシェルから継承されませんが、明示的に設定されていない限り、systemd (vt220
) で固定されたデフォルトに戻ります。設定するには、コンテナ内の container-getty@.service
サービス用のオーバーレイを作成して、machinectl login
の login getty を起動し、ログインしているホスト端末と一致する値を TERM
に設定してください。
/etc/systemd/system/container-getty@.service.d/term.conf
[Service] Environment=TERM=xterm-256color
もしくは、machinectl shell
を使用してください。端末から TERM
環境変数を適切に継承します。
コンテナ内へのNFS共有のマウント
現時点(2019年6月)では利用できません。