「Linux コンソール/キーボード設定」の版間の差分

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== キーマップ ==
 
== キーマップ ==
   
キーマップファイルは、{{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} ディレクトリツリーに格納されています。通常、一つのキーマップファイルは、一つのキーボードレイアウトに対応しています。({{ic|include}} ステートメントを使用して共通部分を共有したり、キーマップファイルに複数のレイアウトと切り替え用のキーの組み合せを含めることができます)。詳細は、{{man|5|keymaps}} を参照してください。
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キーマップファイルは、{{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} ディレクトリツリーに格納されています。通常、一つのキーマップファイルは、一つのキーボードレイアウトに対応しています。({{ic|include}} を使用して共通部分を共有したり、キーマップファイルに複数のレイアウトと切り替え用のキーの組み合せを含めることができます)。詳細は、{{man|5|keymaps}} を参照してください。
   
 
=== キーマップの一覧表示 ===
 
=== キーマップの一覧表示 ===
   
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コンソールキーマップの命名規則は多少恣意的ですが、通常以下がベースとなっています:
複数のコンポーネントによって構成されている [[XKB]] キーボードレイアウトとは異なり、仮想コンソールのキーボードレイアウトはコンポーネントがひとつしかありません。基本的にはひとつの keymap ファイルがひとつのキーボードレイアウトに対応しています (''include'' ステートメントを使って共有の部分を共有することで keymap ファイルには複数のレイアウトを含めることができます)。keymap ファイルは {{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} ディレクトリツリーに保存されています。次のコマンドを使うことで利用可能な全てのキーマップを表示できます:
 
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* [[wikipedia:ja:ISO_639-1|言語コード]]: 言語コードが国名コードと同じ場合 (例: ドイツ語は {{ic|de}} 、フランス語は {{ic|fr}})。
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* [[wikipedia:ja:国名コード|国名コード]]: 同じ言語のバリエーションが異なる国々で使用されている場合 (例: 英国では {{ic|uk}}、米国では {{ic|us}})。国名コードのリストは [[wikipedia:ISO 3166-1#Officially assigned code elements]] でも見られます。
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* [[wikipedia:ja:キー配列|キーボードレイアウト]]: レイアウトが、特定の国や言語に関連していない場合 (例: [[wikipedia:ja:Dvorak配列|Dvorak 配列]] は {{ic|dvorak}})。
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利用可能なすべてのキーマップを一覧表示するには、以下のコマンドを使用してください:
   
 
$ localectl list-keymaps
 
$ localectl list-keymaps
   
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キーマップを検索するには、以下のコマンドを使用してください。{{ic|''search_term''}} はあなたの言語、国、レイアウトのどれかのコードに置き換えてください:
コンソールキーマップの命名規則は厳格には定まっていませんが、一般的には [[Wikipedia:ISO_3166-1_alpha-2#Officially_assigned_code_elements|2-letter country code]] と variant をスラッシュ ({{ic|-}}) かアンダースコア ({{ic|_}}) で区切った名前が付けられています。
 
   
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$ localectl list-keymaps | grep -i ''search_term''
find を使ってキーマップを調べることもできます:
 
   
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あるいは、find を使ってください:
$ find /usr/share/kbd/keymaps/ -type f
 
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$ find /usr/share/kbd/keymaps/ -type f -name "*''search_term''*"
   
 
=== Loadkeys ===
 
=== Loadkeys ===
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現在のセッションでのみ有効なキーマップを設定することもできます。異なるキーマップを試したり、問題を解決したりするときに有用です。
 
現在のセッションでのみ有効なキーマップを設定することもできます。異なるキーマップを試したり、問題を解決したりするときに有用です。
   
一時的な設定を行うには ''loadkeys'' ツールを使います。このツールは [[systemd|systemd]] によって {{ic|/etc/vconsole.conf}} に設定されたキーマップをロードするために内部的に使用されています。とても簡単に使えます:
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一時的な設定を行うには ''loadkeys'' ツールを使います。このツールは{{ic|/etc/vconsole.conf}} に設定されたキーマップをロードするために [[systemd]] によって内部的に使用されています。とても簡単に使えます:
   
 
# loadkeys ''keymap''
 
# loadkeys ''keymap''
   
詳しくは {{ic|man 1 loadkeys}} を参照してください。
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詳しくは {{man|1|loadkeys}} を参照してください。
   
 
=== 永続的な設定 ===
 
=== 永続的な設定 ===
   
高度設定を {{ic|/etc/vconsole.conf}} ですることができ、起動時に [[systemd|systemd]] によって読み込まれます。{{ic|KEYMAP}} 変数がキーマップの指定に使用されます。変数が空だったり設定されていない場合、デフォルトの値として {{ic|us}} キーマップが使われます。全てのオプションは {{ic|man 5 vconsole.conf}} を見て下さい。例:
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永続的キーマップは {{ic|/etc/vconsole.conf}} で設定することができ、起動時に [[systemd]] によって読み込まれます。{{ic|KEYMAP}} 変数がキーマップの指定に使用されます。この変数が空だったり設定されていない場合、デフォルトの値として {{ic|us}} キーマップが使われます。全てのオプションは {{man|5|vconsole.conf}} を見て下さい。例:
   
 
{{hc|/etc/vconsole.conf|<nowiki>
 
{{hc|/etc/vconsole.conf|<nowiki>
KEYMAP=jp106
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KEYMAP=uk
 
...
 
...
 
</nowiki>}}
 
</nowiki>}}
   
''localectl'' を使ってコンソールのキーマップを設定することも可能です。コマンドを実行することで {{ic|/etc/vconsole.conf}} 内の {{ic|KEYMAP}} 変数が変更され現在のセッションのキーマップが設定されます。例:
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''localectl'' を使ってコンソールのキーマップを設定することも可能です。コマンドを実行することで {{ic|/etc/vconsole.conf}} 内の {{ic|KEYMAP}} 変数が変更され現在のセッションのキーマップが設定されます:
   
$ localectl set-keymap --no-convert ''jp106''
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# localectl set-keymap --no-convert ''keymap''
   
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{{ic|--no-convert}} オプションを使用することで、{{ic|localectl}} が自動的に [[Xorg でのキーボード設定|Xorg のキーマップ]]を最も近いものに変更してしまうのを防ぐことができます。詳細は {{man|1|localectl}} を見てください。
詳しくは {{ic|man 1 localectl}} を参照してください。
 
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必要であれば、{{ic|keymap}} [[mkinitcpio#通常のフック|mkinitcpio フック]] を使って {{ic|/etc/vconsole.conf}} のキーマップを初期ユーザ空間で読み込むことができます。
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{{Tip|カスタムのキーマップを {{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} 以外の場所に保存した場合、そのファイルを絶対パスで {{ic|vconsole.conf}} で指定するか、上記の ''localectl'' コマンドを使用する際に指定する必要があります。}}
   
 
=== カスタムキーマップの作成 ===
 
=== カスタムキーマップの作成 ===
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コンソールを使用する場合、ホットキーを使用して特定の文字を表示できます。 さらに、文字のシーケンスといくつかのエスケープシーケンスを表示することもできます。 したがって、コマンドを構成する文字のシーケンスを出力し、その後に改行のエスケープ文字を出力すると、そのコマンドが実行されます。
 
コンソールを使用する場合、ホットキーを使用して特定の文字を表示できます。 さらに、文字のシーケンスといくつかのエスケープシーケンスを表示することもできます。 したがって、コマンドを構成する文字のシーケンスを出力し、その後に改行のエスケープ文字を出力すると、そのコマンドが実行されます。
   
これを行う1つの方法は、キーマップファイルを編集することです。 ただし、それが属するパッケージが更新されるたびに書き換えられるため、このファイルを編集することはお勧めしません。 既存のキーマップを個人のキーマップと統合することをお勧めします。 {{ic|loadkeys}}ユーティリティはこれを行うことができます。
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これを行う1つの方法は、キーマップファイルを編集することです。 ただし、それが属するパッケージが更新されるたびに書き換えられるため、このファイルを編集することはお勧めしません。 既存のキーマップを個人のキーマップと統合することをお勧めします。 {{ic|loadkeys}} ユーティリティはこれを行うことができます。
 
まず、キーマップファイルを作成します。 このキーマップファイルはどこにあってもかまいませんが、1つの方法は、{{ic|/ usr/local}}のディレクトリ階層を模倣することです。
 
   
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まず、キーマップファイルを作成します。 このキーマップファイルはどこにあってもかまいませんが、1つの方法は、{{ic|/usr/local}} のディレクトリ階層を模倣することです。{{ic|/usr/local/share/kbd/keymaps}} ディレクトリを[[作成]]し、{{ic|/usr/local/share/kbd/keymaps/personal.map}} を[[編集]]してください。
# mkdir -p /usr/local/share/kbd/keymaps
 
# vim /usr/local/share/kbd/keymaps/personal.map
 
   
ちなみに、このような個人用キーマップは、デフォルトのキーマップですでに扱われているキーの動作を再定義する場合にも役立ちます。{{ic|loadkeys}}をロードすると、それらが新しい命令と競合する場合はデフォルトキーマップの命令が置き換えら 、それ以外の場合はそのまま保持されます。 このように、そのキーマップへの変更のみをパーソナルキーマップで指定する必要があります。
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ちなみに、このような個人用キーマップは、デフォルトのキーマップですでに扱われているキーの動作を再定義する場合にも役立ちます。{{ic|loadkeys}} をロードすると、それらが新しい命令と競合する場合はデフォルトキーマップの命令が置き換えら 、それ以外の場合はそのまま保持されます。 このように、そのキーマップへの変更のみをパーソナルキーマップで指定する必要があります。
   
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{{Tip|
{{ヒント|{{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}}ディレクトリツリーにある既存のキーマップを編集することもできます。 キーマップには''.map.gz''拡張子が付いています。たとえば、{{ic|us.map.gz}}はアメリカのキーマップです。 キーマップを{{ic|/usr/local/share/kbd/keymaps/personal.map.gz}}にコピーし、「gunzip」してください。}}
 
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* {{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} ディレクトリツリーにある既存のキーマップを編集することもできます。 キーマップには ''.map.gz'' 拡張子が付いています。たとえば、{{ic|us.map.gz}} は米国のキーマップです。キーマップを {{ic|/usr/local/share/kbd/keymaps/personal.map.gz}} にコピーし、それを ''gunzip'' してください。
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* カスタムのキーマップは、{{ic|/etc/vconsole.conf}} で設定することにより永続化させることができます。このため、{{ic|keymap}} ではなく {{ic|sd-vconsole}} [[mkinitcpio#通常のフック|mkinitcpio フック]]を使う場合、カスタムのキーマップファイルを {{ic|/usr/share/kbd/keymaps/}} に置くとよいでしょう。この方法では、{{ic|/usr/share/kbd/keymaps}} の依存関係がフックによって初期 RAM ディスクイメージに自動的に追加されます。一方、カスタムのキーマップファイルを {{ic|/usr/local/}} に置いた場合、依存関係は {{ic|mkinitcpio.conf}} の {{ic|FILES}} 配列で手動で指定する必要があります。
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}}
   
 
==== 命令を追加する ====
 
==== 命令を追加する ====
   
このパーソナルキーマップには、2種類の命令が必要です。 まず、[[Extra Keyboard keys|keycode]]命令、これは、デフォルトのキーマップに表示される形式と一致します。 これらの命令は、キーコードをkeysymに関連付けます。 Keysymはキーボードアクションを表します。 使用可能なアクションには、文字コードまたは文字シーケンスの出力、コンソールまたはキーマップの切り替え、マシンの起動、およびその他の多くのアクションが含まれます。 現在アクティブな完全なキーマップは、次のコマンドで取得できます
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このパーソナルキーマップには、2種類の命令が必要です。 まず、[[Extra Keyboard keys|keycode]]命令、これは、デフォルトのキーマップに表示される形式と一致します。 これらの命令は、キーコードを keysym に関連付けます。 Keysym はキーボードアクションを表します。 使用可能なアクションには、文字コードまたは文字シーケンスの出力、コンソールまたはキーマップの切り替え、マシンの起動、およびその他の多くのアクションが含まれます。 現在アクティブな完全なキーマップは、次のコマンドで取得できます:
   
 
# dumpkeys -l
 
# dumpkeys -l
   
ほとんどのkeysymは直感的です。 たとえば、キー112でもってeを出力するように設定するには、命令は次のようになります
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ほとんどの keysym は直感的です。 たとえば、キー112でもって 'e' を出力するように設定するには、命令は次のようになります:
   
 
keycode 112 = e
 
keycode 112 = e
   
キー112でもってユーロ記号を出力するように設定するには、ディレクティブは次のようになります
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キー112でもってユーロ記号を出力するように設定するには、ディレクティブは次のようになります:
   
 
keycode 112 = euro
 
keycode 112 = euro
   
一部のkeysymは、キーボードアクションにすぐには接続されません。 特に、大文字のFと30より大きい数からなる1〜3桁の数字(F1〜F246)が前に付いたキー記号は、常にフリーです。 これは、一連の文字やその他のアクションを出力するようにホットキーに指示するのに便利です
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一部の keysym は、キーボードアクションにすぐには接続されません。 特に、大文字のFと30より大きい数からなる1〜3桁の数字(F1〜F246)が前に付いたキー記号は、常にフリーです。 これは、一連の文字やその他のアクションを出力するようにホットキーに指示するのに便利です:
   
 
keycode 112 = F70
 
keycode 112 = F70
   
次に、F70をバインドして特定の文字列を出力できます
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次に、F70をバインドして特定の文字列を出力できます:
   
 
string F70 = "Hello"
 
string F70 = "Hello"
   
キー112を押すと、F70の内容が出力されます。 ターミナルに表示されたコマンドを実行するには、コマンド文字列の最後に改行エスケープ文字を追加する必要があります。 たとえば、[[Power_management#Suspend_and_hibernate|システムを休止状態にする]]ためには、次のキーマップを追加します
+
キー112を押すと、F70の内容が出力されます。 ターミナルに表示されたコマンドを実行するには、コマンド文字列の最後に改行エスケープ文字を追加する必要があります。 たとえば、[[電源管理#サスペンドとハイバネート|システムを休止状態にする]]ためには、次のキーマップを追加します:
   
 
string F70 = "sudo systemctl hibernate\n"
 
string F70 = "sudo systemctl hibernate\n"
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==== 変更を保存する ====
 
==== 変更を保存する ====
   
これらのパーソナルキーマップを使用するには、loadkeysによってロードする必要があります。
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これらのパーソナルキーマップを使用するには、''loadkeys'' によってロードする必要があります。
   
 
# loadkeys /usr/local/share/kbd/keymaps/personal.map
 
# loadkeys /usr/local/share/kbd/keymaps/personal.map
   
ただし、このキーマップは現在のセッションでのみアクティブになります。起動時にキーマップをロードするには、[[#Persistent configuration|/etc/vconsole.conf]]の{{ic|KEYMAP}}変数でファイルへのフルパスを指定します。 {{Pkg|kbd}}が提供する公式キーマップにようにファイルをgzipで圧縮する必要はありません。
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ただし、このキーマップは現在のセッションでのみアクティブになります。起動時にキーマップをロードするには、[[#永続的な設定|/etc/vconsole.conf]]の {{ic|KEYMAP}} 変数でファイルへのフルパスを指定します。 {{Pkg|kbd}} が提供する公式キーマップにようにファイルを gzip で圧縮する必要はありません。
   
 
== typematic delay と rate の調整 ==
 
== typematic delay と rate の調整 ==

2022年9月20日 (火) 14:44時点における版

関連記事

Linux コンソールにおけるキーボードマッピング (keymaps)、コンソールフォント、コンソールマップは、kbd パッケージ (systemd の依存パッケージ) によって提供されています。このパッケージは、テキストコンソールを管理するための低レベルなツールも多く提供しています。加えて、systemdlocalectl ツールも提供しています。このツールは、システムのロケールとキーボードレイアウトの両方の設定をコンソールと Xorg の両方で制御できます。

キーボード設定の表示

localectl status を使って、キーボード設定を表示することができます。

キーマップ

キーマップファイルは、/usr/share/kbd/keymaps/ ディレクトリツリーに格納されています。通常、一つのキーマップファイルは、一つのキーボードレイアウトに対応しています。(include 文を使用して共通部分を共有したり、キーマップファイルに複数のレイアウトと切り替え用のキーの組み合せを含めることができます)。詳細は、keymaps(5) を参照してください。

キーマップの一覧表示

コンソールキーマップの命名規則は多少恣意的ですが、通常以下がベースとなっています:

利用可能なすべてのキーマップを一覧表示するには、以下のコマンドを使用してください:

$ localectl list-keymaps

キーマップを検索するには、以下のコマンドを使用してください。search_term はあなたの言語、国、レイアウトのどれかのコードに置き換えてください:

$ localectl list-keymaps | grep -i search_term

あるいは、find を使ってください:

$ find /usr/share/kbd/keymaps/ -type f -name "*search_term*"

Loadkeys

現在のセッションでのみ有効なキーマップを設定することもできます。異なるキーマップを試したり、問題を解決したりするときに有用です。

一時的な設定を行うには loadkeys ツールを使います。このツールは、/etc/vconsole.conf に設定されたキーマップをロードするために systemd によって内部的に使用されています。とても簡単に使えます:

# loadkeys keymap

詳しくは loadkeys(1) を参照してください。

永続的な設定

永続的なキーマップは /etc/vconsole.conf で設定することができ、起動時に systemd によって読み込まれます。KEYMAP 変数がキーマップの指定に使用されます。この変数が空だったり設定されていない場合、デフォルトの値として us キーマップが使われます。全てのオプションは vconsole.conf(5) を見て下さい。例:

/etc/vconsole.conf
KEYMAP=uk
...

localectl を使ってコンソールのキーマップを設定することも可能です。コマンドを実行することで /etc/vconsole.conf 内の KEYMAP 変数が変更され現在のセッションのキーマップが設定されます:

# localectl set-keymap --no-convert keymap

--no-convert オプションを使用することで、localectl が自動的に Xorg のキーマップを最も近いものに変更してしまうのを防ぐことができます。詳細は localectl(1) を見てください。

必要であれば、keymap mkinitcpio フック を使って /etc/vconsole.conf のキーマップを初期ユーザ空間で読み込むことができます。

ヒント: カスタムのキーマップを /usr/share/kbd/keymaps/ 以外の場所に保存した場合、そのファイルを絶対パスで vconsole.conf で指定するか、上記の localectl コマンドを使用する際に指定する必要があります。

カスタムキーマップの作成

コンソールを使用する場合、ホットキーを使用して特定の文字を表示できます。 さらに、文字のシーケンスといくつかのエスケープシーケンスを表示することもできます。 したがって、コマンドを構成する文字のシーケンスを出力し、その後に改行のエスケープ文字を出力すると、そのコマンドが実行されます。

これを行う1つの方法は、キーマップファイルを編集することです。 ただし、それが属するパッケージが更新されるたびに書き換えられるため、このファイルを編集することはお勧めしません。 既存のキーマップを個人のキーマップと統合することをお勧めします。 loadkeys ユーティリティはこれを行うことができます。

まず、キーマップファイルを作成します。 このキーマップファイルはどこにあってもかまいませんが、1つの方法は、/usr/local のディレクトリ階層を模倣することです。/usr/local/share/kbd/keymaps ディレクトリを作成し、/usr/local/share/kbd/keymaps/personal.map編集してください。

ちなみに、このような個人用キーマップは、デフォルトのキーマップですでに扱われているキーの動作を再定義する場合にも役立ちます。loadkeys をロードすると、それらが新しい命令と競合する場合はデフォルトキーマップの命令が置き換えら 、それ以外の場合はそのまま保持されます。 このように、そのキーマップへの変更のみをパーソナルキーマップで指定する必要があります。

ヒント:
  • /usr/share/kbd/keymaps/ ディレクトリツリーにある既存のキーマップを編集することもできます。 キーマップには .map.gz 拡張子が付いています。たとえば、us.map.gz は米国のキーマップです。キーマップを /usr/local/share/kbd/keymaps/personal.map.gz にコピーし、それを gunzip してください。
  • カスタムのキーマップは、/etc/vconsole.conf で設定することにより永続化させることができます。このため、keymap ではなく sd-vconsole mkinitcpio フックを使う場合、カスタムのキーマップファイルを /usr/share/kbd/keymaps/ に置くとよいでしょう。この方法では、/usr/share/kbd/keymaps の依存関係がフックによって初期 RAM ディスクイメージに自動的に追加されます。一方、カスタムのキーマップファイルを /usr/local/ に置いた場合、依存関係は mkinitcpio.confFILES 配列で手動で指定する必要があります。

命令を追加する

このパーソナルキーマップには、2種類の命令が必要です。 まず、keycode命令、これは、デフォルトのキーマップに表示される形式と一致します。 これらの命令は、キーコードを keysym に関連付けます。 Keysym はキーボードアクションを表します。 使用可能なアクションには、文字コードまたは文字シーケンスの出力、コンソールまたはキーマップの切り替え、マシンの起動、およびその他の多くのアクションが含まれます。 現在アクティブな完全なキーマップは、次のコマンドで取得できます:

# dumpkeys -l

ほとんどの keysym は直感的です。 たとえば、キー112でもって 'e' を出力するように設定するには、命令は次のようになります:

keycode 112  = e

キー112でもってユーロ記号を出力するように設定するには、ディレクティブは次のようになります:

keycode 112 = euro

一部の keysym は、キーボードアクションにすぐには接続されません。 特に、大文字のFと30より大きい数からなる1〜3桁の数字(F1〜F246)が前に付いたキー記号は、常にフリーです。 これは、一連の文字やその他のアクションを出力するようにホットキーに指示するのに便利です:

keycode 112 = F70

次に、F70をバインドして特定の文字列を出力できます:

string F70 = "Hello"

キー112を押すと、F70の内容が出力されます。 ターミナルに表示されたコマンドを実行するには、コマンド文字列の最後に改行エスケープ文字を追加する必要があります。 たとえば、システムを休止状態にするためには、次のキーマップを追加します:

string F70 = "sudo systemctl hibernate\n"

その他の例

  • (Emacs用に)右Altキーを左Altキーと同じにするには、キーマップで次の行を使用します。 これはファイル/usr/share/kbd/keymaps/i386/include/linux-with-two-alt-keys.incをインクルードします。詳細については、チェックしてください。
include "linux-with-two-alt-keys"
  • (Vim用に)CapsLockをEscapeと交換するには、それぞれのキーコードを再マップします。
keycode 1 = Caps_Lock
keycode 58 = Escape
  • CapsLockをもうひとつののコントロールキーにするには、それぞれのキーコードを再マップします。
keycode 58 = Control
  • CapsLock と左コントロールを交換するには、それぞれのキーコードをリマップします。
keycode 29 = Caps_Lock
keycode 58 = Control

変更を保存する

これらのパーソナルキーマップを使用するには、loadkeys によってロードする必要があります。

# loadkeys /usr/local/share/kbd/keymaps/personal.map

ただし、このキーマップは現在のセッションでのみアクティブになります。起動時にキーマップをロードするには、/etc/vconsole.confKEYMAP 変数でファイルへのフルパスを指定します。 kbd が提供する公式キーマップにようにファイルを gzip で圧縮する必要はありません。

typematic delay と rate の調整

typematic delay はキーリピートを始めるのにキーを押し続ける必要がある時間 (ミリ秒) を表します。キーリピートが開始されると、typematic rate によって指定された頻度 (Hz) で文字が繰り返されます。これらの値は kbdrate コマンドを使うことで変更できます:

# kbdrate [-d delay] [-r rate]

例えば typematic delay を 200ms に typematic rate を 30Hz に設定するには、次のコマンドを実行します:

# kbdrate -d 200 -r 30

delay や rate の値を指定しないでコマンドを実行することで typematic の値をデフォルト (delay は 250ms で rate は 11Hz) に戻すことができます:

# kbdrate

Xorg で設定したい場合は Xorg でのキーボード設定#typematic delay と rate の調整を見てください。

Systemd サービス

systemd サービスを使ってキーボードレートを設定することもできます。例:

/etc/systemd/system/kbdrate.service
[Unit]
Description=Keyboard repeat rate in tty.

[Service]
Type=oneshot
RemainAfterExit=yes
StandardInput=tty
StandardOutput=tty
ExecStart=/usr/bin/kbdrate -s -d 450 -r 60
 
[Install]
WantedBy=multi-user.target

作成したら kbdrate.service起動有効化してください。