「LVM」の版間の差分
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* 小さな論理ボリュームを作成し、満杯になったら"動的に"リサイズできます。 |
* 小さな論理ボリュームを作成し、満杯になったら"動的に"リサイズできます。 |
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* ディスクの順番と関係なく論理ボリュームをリサイズできます。VG における LV の位置に依存しないので、周辺に空き容量を取る必要がありません。 |
* ディスクの順番と関係なく論理ボリュームをリサイズできます。VG における LV の位置に依存しないので、周辺に空き容量を取る必要がありません。 |
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− | * オンラインで論理・物理ボリュームをリサイズ・作成・削除できます。ボリューム上のファイルシステムもリサイズする必要がありますが、オンラインリサイズをサポートしているファイルシステムもあります。 |
+ | * オンラインで論理・物理ボリュームをリサイズ・作成・削除できます。ボリューム上のファイルシステムもリサイズする必要がありますが、オンラインリサイズをサポートしているファイルシステムもあります (ext4 など)。 |
* サービスによって使われている LV を、サービスを再起動する必要なく他のディスクへオンラインで移行することができます。 |
* サービスによって使われている LV を、サービスを再起動する必要なく他のディスクへオンラインで移行することができます。 |
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* スナップショットを使うことでファイルシステムのフローズンコピーをバックアップすることができます。サービスを落とす時間を最小限にできます。 |
* スナップショットを使うことでファイルシステムのフローズンコピーをバックアップすることができます。サービスを落とす時間を最小限にできます。 |
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+ | * 透過的なファイルシステム暗号化や頻繁に使用されるデータのキャッシュなど、様々な device-mapper ターゲットをサポート。 |
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− | 以上のことはサーバー環境でとても役に立ちます。デスクトップでは利点が薄れるかもしれませんが、これらの機能を使う価値があるかどうか決めるのはあなたです。 |
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=== 欠点 === |
=== 欠点 === |
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− | * (ほとんど) Linux でしか使えない。他の OS (FreeBSD, Windows..) には公式なサポートがない。 |
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* システムのセットアップに追加の手順が必要で、やや複雑。 |
* システムのセットアップに追加の手順が必要で、やや複雑。 |
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− | * [[Btrfs|btrfs]] ファイルシステムを使用する場合、サブボリューム機能があるので柔軟性のあるレイアウトを作ることができる。そのため、LVM の抽象レイヤーを使う必要性が少なくなる。 |
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== Arch Linux を LVM にインストールする == |
== Arch Linux を LVM にインストールする == |
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− | インストール作業の[[ |
+ | インストール作業の[[パーティショニング|パーティション分割]]と[[ファイルシステム#デバイスのフォーマット|フォーマット]]の手順の間に LVM ボリュームを作成する必要があります。root ファイルシステムにするパーティションを直接フォーマットする代わりに、論理ボリューム (LV) の中に作成します。 |
{{pkg|lvm2}} パッケージを[[pacman|インストール]]してください。 |
{{pkg|lvm2}} パッケージを[[pacman|インストール]]してください。 |
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* VG の中に論理ボリューム (LV) を作成します。 |
* VG の中に論理ボリューム (LV) を作成します。 |
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* [[ビギナーズガイド]]の "パーティションのフォーマット" の手順に進んで下さい。 |
* [[ビギナーズガイド]]の "パーティションのフォーマット" の手順に進んで下さい。 |
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− | * ビギナーズガイドの “Initial ramdisk 環境の作成” まで行ったら、{{ic|mkinitcpio.conf}} に lvm フックを追加してください (詳細は下を見て下さい)。 |
+ | * ビギナーズガイドの “Initial ramdisk 環境の作成” まで行ったら、{{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} に {{ic|lvm}} フックを追加してください (詳細は下を見て下さい)。 |
− | {{Warning|[[GRUB Legacy]] は LVM をサポートしていないため、LVM の中に {{ic|/boot}} を置くことはできません。[[ |
+ | {{Warning|[[GRUB Legacy]] は LVM をサポートしていないため、LVM の中に {{ic|/boot}} を置くことはできません。[[GRUB]] を使っている場合はこの制限はありません。GRUB Legacy を使う必要があるときは、{{ic|/boot}} パーティションを分割して作成し直接フォーマットするようにしてください。}} |
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+ | === パーティションの作成 === |
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+ | {{Note|このステップは任意です。ユーザーによっては必要ありません。ただし、大抵は再帰にデバイスにパーティションを作成することが推奨されています。}} |
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+ | デバイスにパーティションを作成する方法は[[パーティショニング]]を見て下さい。 |
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=== 物理ボリュームの作成 === |
=== 物理ボリュームの作成 === |
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+ | 物理ボリュームとして使えるデバイスを確認するには: |
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+ | # lvmdiskscan |
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+ | {{Warning|物理ボリュームを作成するデバイスをよく確認してください。間違ったデバイスを使ってしまうとデータが消失してしまいます。}} |
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− | 適切なパーティションを指定するようにしてください。'Linux LVM' タイプのパーティションを見つけるには: |
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− | * MBR システム: {{Ic|fdisk -l}} |
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− | * GPT システム: {{Ic|lsblk}} からの {{Ic|gdisk -l ''disk-device''}} |
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− | パーティションに物理ボリュームを作成 |
+ | パーティションに物理ボリュームを作成: |
− | # pvcreate '' |
+ | # pvcreate ''DEVICE'' |
− | + | このコマンドはパーティションにヘッダーを作成し LVM に使えるようにします。[[#LVM の構成要素]] で書かれているように、''DEVICE'' にはディスク (例: {{ic|/dev/sda}}) やパーティション (例: {{ic|/dev/sda2}})、またはループバックデバイスなどを指定できます。例えば: |
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+ | |||
+ | # pvcreate /dev/sda2 |
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+ | 次のコマンドで作成した物理ボリュームを確認できます: |
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# pvdisplay |
# pvdisplay |
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− | {{Note|SSD を使 |
+ | {{Note|パーティションを作成してない SSD を使う場合 {{ic|pvcreate --dataalignment 1m /dev/sda}} を使用してください (1MiB 境界で整列させる)、[http://serverfault.com/questions/356534/ssd-erase-block-size-lvm-pv-on-raw-device-alignment ここ] を参照。}} |
=== ボリュームグループの作成 === |
=== ボリュームグループの作成 === |
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− | 次は物理ボリュームの上にボリュームグループを作成します。 |
+ | 次は物理ボリュームの上にボリュームグループを作成します。 |
+ | |||
+ | まず新しいパーティションの一つにボリュームグループを作成: |
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+ | # vgcreate <''volume_group''> <''physical_volume''> |
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+ | |||
+ | 例えば: |
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# vgcreate VolGroup00 /dev/sda2 |
# vgcreate VolGroup00 /dev/sda2 |
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+ | |||
+ | そして、作成したボリュームグループに入れたい他の全ての物理ボリュームを追加します: |
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+ | # vgextend <''volume_group''> <''physical_volume''> |
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+ | # vgextend <''volume_group''> <''another_physical_volume''> |
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+ | # ... |
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+ | |||
+ | 例えば: |
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# vgextend VolGroup00 /dev/sdb1 |
# vgextend VolGroup00 /dev/sdb1 |
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+ | # vgextend VolGroup00 /dev/sdc |
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− | また、ボリュームグループを作成する際に、VolGroup00 以外の好きな名前を付けることもできます。ボリュームグループがどうなっているか確認するには次のコマンドを使います: |
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+ | |||
+ | ボリュームグループがどうなっているか確認するには次のコマンドを使います: |
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# vgdisplay |
# vgdisplay |
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{{Note|必要ならば複数のボリュームグループを作成することもできますが、それだと全てのストレージを一つのディスクにまとめることはできなくなります。}} |
{{Note|必要ならば複数のボリュームグループを作成することもできますが、それだと全てのストレージを一つのディスクにまとめることはできなくなります。}} |
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+ | === 一度にボリュームグループを作成 === |
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+ | LVM では一度にまとめてボリュームグループの作成と物理ボリュームの作成を行うことができます。例えば、上述のように、3つのデバイスで VolGroup00 グループを作成する場合、次を実行: |
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+ | # vgcreate VolGroup00 /dev/sda2 /dev/sdb1 /dev/sdc |
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+ | 上記のコマンドはまず、3つのパーティションを物理ボリュームとして設定して、それから3つのボリュームでボリュームグループを作成します。コマンドを実行するとデバイスに既にファイルシステムが存在すると警告が表示されます。 |
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=== 論理ボリュームの作成 === |
=== 論理ボリュームの作成 === |
2015年6月19日 (金) 14:42時点における版
Wikipedia より:
- LVM は Linux カーネルの論理ボリュームマネージャです。ディスクドライブと大容量記憶装置を管理します。
LVM の構成要素
Logical Volume Management は Linux カーネルの device-mapper 機能を利用して基になっているディスクレイアウトから独立したパーティションのシステムを提供します。LVM を使うことで記憶領域を抽象化することで、(使っているファイルシステムで可能な限り)簡単にパーティションを拡大・縮小したり、物理ディスク上に十分な連続した領域があるかどうか心配することなく、また、fdisk したいディスクが使用中だったり (そしてカーネルが新旧どちらのパーティションテーブルを使っているのかわからなかったり) 他のパーティションをどけなくてはならないという問題に煩わされることなく、パーティションを追加・削除することが可能になります。これは厳密に言えば管理のしやすさの問題です: LVM はセキュリティを追加することはありません。しかしながら、私達の使っている他の2つの技術と上手く収まりがつきます。
LVM の基本的な構成要素は以下の通りです:
- 物理ボリューム (PV, Physical volume): ハードディスク上のパーティション (もしくはハードディスクそれ自体、ループバックファイル) です。これをまとめてボリュームグループを作ることができます。特別なヘッダーがあり物理エクステントに分割されます。物理ボリュームについてはハードドライブを構成するための大きなブロックとして考えて下さい。
- ボリュームグループ (VG, Volume group): ストレージボリューム(つまり一つのディスク)として使われる物理ボリュームの集まりです。ボリュームグループには論理ボリュームが含められます。ボリュームグループはハードドライブとして考えて下さい。
- 論理ボリューム (LV, Logical volume): ボリュームグループの中にある"仮想/論理パーティション"であり、物理エクステントで構成されます。論理ボリュームのことは通常のパーティションみたいなものと考えて下さい。
- 物理エクステント (PE, Physical extent): 論理ボリュームに割り当てるごとができるディスクの欠片 (通常 4MiB) です。物理エクステントはどのパーティションにも割り当てることが出来るディスクのパーツと考えて下さい。
例:
Physical disks Disk1 (/dev/sda): _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ |Partition1 50GB (Physical volume) |Partition2 80GB (Physical volume) | |/dev/sda1 |/dev/sda2 | |_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ |_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ | Disk2 (/dev/sdb): _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ |Partition1 120GB (Physical volume) | |/dev/sdb1 | | _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ __ _ _|
LVM logical volumes Volume Group1 (/dev/MyStorage/ = /dev/sda1 + /dev/sda2 + /dev/sdb1): _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ |Logical volume1 15GB |Logical volume2 35GB |Logical volume3 200GB | |/dev/MyStorage/rootvol|/dev/MyStorage/homevol |/dev/MyStorage/mediavol | |_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ |_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ |_ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ |
利点
LVM には通常のハードドライブのパーティションを使うよりも幅広い柔軟性があります:
- 多数のディスクを一つの大きなディスクとして使えます。
- 複数のディスクにまたがる論理ボリュームを作れます。
- 小さな論理ボリュームを作成し、満杯になったら"動的に"リサイズできます。
- ディスクの順番と関係なく論理ボリュームをリサイズできます。VG における LV の位置に依存しないので、周辺に空き容量を取る必要がありません。
- オンラインで論理・物理ボリュームをリサイズ・作成・削除できます。ボリューム上のファイルシステムもリサイズする必要がありますが、オンラインリサイズをサポートしているファイルシステムもあります (ext4 など)。
- サービスによって使われている LV を、サービスを再起動する必要なく他のディスクへオンラインで移行することができます。
- スナップショットを使うことでファイルシステムのフローズンコピーをバックアップすることができます。サービスを落とす時間を最小限にできます。
- 透過的なファイルシステム暗号化や頻繁に使用されるデータのキャッシュなど、様々な device-mapper ターゲットをサポート。
欠点
- システムのセットアップに追加の手順が必要で、やや複雑。
Arch Linux を LVM にインストールする
インストール作業のパーティション分割とフォーマットの手順の間に LVM ボリュームを作成する必要があります。root ファイルシステムにするパーティションを直接フォーマットする代わりに、論理ボリューム (LV) の中に作成します。
概略:
- PV を入れるパーティションを作成します。パーティションのタイプは 'Linux LVM' に設定してください、MBR を使っている場合は 8e、GPT の場合は 8e00 です。
- 物理ボリューム (PV) を作成します。ディスクが一つしかない場合は一つの大きなパーティションに一つの PV を作成するのが良いでしょう。ディスクが複数ある場合はそれぞれにパーティションを作成してパーティション毎に PV を作ることができます。
- ボリュームグループ (VG) を作成して全ての PV を追加します。
- VG の中に論理ボリューム (LV) を作成します。
- ビギナーズガイドの "パーティションのフォーマット" の手順に進んで下さい。
- ビギナーズガイドの “Initial ramdisk 環境の作成” まで行ったら、
/etc/mkinitcpio.conf
にlvm
フックを追加してください (詳細は下を見て下さい)。
パーティションの作成
デバイスにパーティションを作成する方法はパーティショニングを見て下さい。
物理ボリュームの作成
物理ボリュームとして使えるデバイスを確認するには:
# lvmdiskscan
パーティションに物理ボリュームを作成:
# pvcreate DEVICE
このコマンドはパーティションにヘッダーを作成し LVM に使えるようにします。#LVM の構成要素 で書かれているように、DEVICE にはディスク (例: /dev/sda
) やパーティション (例: /dev/sda2
)、またはループバックデバイスなどを指定できます。例えば:
# pvcreate /dev/sda2
次のコマンドで作成した物理ボリュームを確認できます:
# pvdisplay
ボリュームグループの作成
次は物理ボリュームの上にボリュームグループを作成します。
まず新しいパーティションの一つにボリュームグループを作成:
# vgcreate <volume_group> <physical_volume>
例えば:
# vgcreate VolGroup00 /dev/sda2
そして、作成したボリュームグループに入れたい他の全ての物理ボリュームを追加します:
# vgextend <volume_group> <physical_volume> # vgextend <volume_group> <another_physical_volume> # ...
例えば:
# vgextend VolGroup00 /dev/sdb1 # vgextend VolGroup00 /dev/sdc
ボリュームグループがどうなっているか確認するには次のコマンドを使います:
# vgdisplay
一度にボリュームグループを作成
LVM では一度にまとめてボリュームグループの作成と物理ボリュームの作成を行うことができます。例えば、上述のように、3つのデバイスで VolGroup00 グループを作成する場合、次を実行:
# vgcreate VolGroup00 /dev/sda2 /dev/sdb1 /dev/sdc
上記のコマンドはまず、3つのパーティションを物理ボリュームとして設定して、それから3つのボリュームでボリュームグループを作成します。コマンドを実行するとデバイスに既にファイルシステムが存在すると警告が表示されます。
論理ボリュームの作成
そしてボリュームグループには論理ボリュームを作る必要があります。論理ボリュームを作成するには次のコマンドを使います。新しい論理ボリュームの名前、サイズ、そしてどのボリュームグループに作るかを指定してください:
# lvcreate -L 10G VolGroup00 -n lvolhome
これで論理ボリュームが作成され /dev/mapper/Volgroup00-lvolhome
や /dev/VolGroup00/lvolhome
でアクセスできるようになります。ボリュームグループと同じく、論理ボリュームには好きな名前を命名できます。
論理ボリュームにスワップを作成するには、引数を追加する必要があります:
# lvcreate -C y -L 10G VolGroup00 -n lvolswap
-C y
を使うことで連続するパーティションが作られます。スワップ領域を複数のディスクや飛び飛びの物理エクステントにまたがってパーティション分けすることはできません。
ボリュームグループに残っている空き容量全てを使う論理ボリュームを作成するには、次のコマンドを使って下さい:
# lvcreate -l +100%FREE VolGroup00 -n lvolmedia
作成した論理ボリュームは次のコマンドで確認できます:
# lvdisplay
ファイルシステムの作成と論理ボリュームのマウント
論理ボリュームは /dev/mapper/
や /dev/YourVolumeGroupName
に配置されているはずです。論理ボリュームを見つけられないときは、以下のコマンドを使ってデバイスノードを作成するためのモジュールをロードしてボリュームグループが使えるようにしてください:
# modprobe dm-mod # vgscan # vgchange -ay
さて論理ボリュームにファイルシステムを作成して通常のパーティションとしてマウントすることが可能になりました (Arch linux のインストールをしているのならば、詳しくはパーティションのマウントを参照してください):
# mkfs.ext4 /dev/mapper/VolGroup00-lvolhome # mount /dev/mapper/VolGroup00-lvolhome /home
lvm フックを mkinitcpio.conf に追加する
udev
と lvm2
の mkinitcpio フックを有効にする必要があります。
udev
はデフォルトで有効になっています。以下のようにファイルを編集して block
と filesystem
の間に lvm2
を入れて下さい:
/etc/mkinitcpio.conf:
HOOKS="base udev ... block lvm2 filesystems"
その後、initial ramdisk の作成を行なってから通常のインストールの手順に戻ることができます。
設定
高度なオプション
(スナップショットに必要な)モニタリングが必要な場合は lvmetad を有効にしてください。/etc/lvm/lvm.conf
の use_lvmetad = 1
を設定することで有効にできます。現在はデフォルトで有効になっています。
自動的に有効になるボリュームを制限するには /etc/lvm/lvm.conf
の auto_activation_volume_list
を設定します。よくわからないときは、このオプションはコメントアウトしたままにしてください。
論理ボリュームを拡大する
論理ボリュームを拡大するには、まず論理ボリュームを拡大させてから次に新しく作られた空き容量を使うようにファイルシステムを拡大させる必要があります。例えば ext3 が載った 15GB の論理ボリュームがあり 20G まで拡大したいとします。そうすると以下のコマンドを実行しなくてはなりません:
# lvextend -L 20G VolGroup00/lvolhome (or lvresize -L +5G VolGroup00/lvolhome) # resize2fs /dev/VolGroup00/lvolhome
lvextend
の代わりに lvresize
を使うことも可能です。
ボリュームグループにある全ての空き容量を使うようにしたい場合は、次のコマンドを使って下さい:
# lvextend -l +100%FREE VolGroup00/lvolhome
論理ボリュームを縮小する
基本的にファイルシステムは論理ボリュームと同じ大きさになっているので、まずファイルシステムを縮小してから次に論理ボリュームを縮小する必要があります。ファイルシステムによっては、先にファイルシステムをアンマウントする必要があるかもしれません。例えば ext3 が載った 15GB の論理ボリュームがあり 10G まで縮小したいとします。そうすると以下のコマンドを実行することになります:
# resize2fs /dev/VolGroup00/lvolhome 9G # lvreduce -L 10G VolGroup00/lvolhome
ここでファイルシステムを必要以上に縮小しているのは論理ボリュームを縮小するときにファイルシステムの末尾を偶発的に切り落とすことがないようにするためです。論理ボリュームを縮小した後に、論理ボリュームに残っている空き容量を満たすようにファイルシステムを拡大してください。lvreduce
の代わりに lvresize
を使うことも可能です。
# lvresize -L -5G VolGroup00/lvolhome # resize2fs /dev/VolGroup00/lvolhome
論理ボリュームを削除する
まず、削除したい論理ボリュームの名前を確認してください。システムにインストールされている全ての論理ボリュームのリストを表示するには次のコマンドを使います:
# lvs
次に、削除する論理ボリュームのマウントポイントを確認して:
$ df -h
アンマウントしてください:
# umount /your_mountpoint
最後に、論理ボリュームを削除してください:
# lvremove /dev/yourVG/yourLV
y
を入力することで実際に削除が実行されます。
/etc/fstab
を更新することを忘れないようにしましょう。
論理ボリュームの削除を確認するには root で lvs
を実行します (このセクションの一番最初を参照)。
ボリュームグループに物理ボリュームを追加する
まず使いたいブロックデバイスに新しい物理ボリュームを作成して、それからボリュームグループに追加してください:
# pvcreate /dev/sdb1 # vgextend VolGroup00 /dev/sdb1
これでボリュームグループの物理エクステントの総量が増えて、自由に論理ボリュームに割り当てることができるようになります。
ボリュームグループからパーティションを削除する
パーティションにあるデータを全て他のパーティションに移動する必要があります。ありがたいことに、LVM では簡単にできます:
# pvmove /dev/sdb1
データを特定の物理ボリュームに移したい場合は、pvmove
の二番目の引数に物理ボリュームを指定してください:
# pvmove /dev/sdb1 /dev/sdf1
次に物理ボリュームをボリュームグループから削除する必要があります:
# vgreduce myVg /dev/sdb1
もしくは、空の物理ボリュームを全て削除してください:
# vgreduce --all vg0
そして最後に、パーティションを他のことに使うために、LVM にパーティションを物理ボリュームとして扱わせないようにするには:
# pvremove /dev/sdb1
ボリュームグループを無効化する
次を実行してください:
# vgchange -a n my_volume_group
これでボリュームグループが無効になりボリュームグループが入っていたコンテナをアンマウントできるようになります。
スナップショット
説明
LVM を使うことで伝統的なバックアップよりも効率的なシステムのスナップショットを作ることができます。COW (copy-on-write) ポリシーを使うことによって効率化を実現しています。最初に作成したスナップショットには実際のデータの inode のハードリンクだけが含まれます。データに変更が加えられない間は、スナップショットには inode ポインターしかなくデータ自体は入りません。スナップショット先のファイルやディレクトリに変更が入ると、スナップショットによって古いコピーが参照され、新しいコピーは実行中のシステムによって参照されます。このため、35GB のデータがあるシステムでも 2GB 以下しか (オリジナルとスナップショット両方に) 変更を加えない限り、スナップショットに消費する空き容量は 2GB だけです。
設定
スナップショットの論理ボリュームは通常の論理ボリュームと同じように作れます:
# lvcreate --size 100M --snapshot --name snap01 /dev/mapper/vg0-pv
上記のボリュームでは、スナップショットボリュームが一杯になるまで、データの 100M まで変更を加えることができます。
次のコマンドを使うことによって変更が入った後の 'pv' 論理ボリュームを 'snap01' スナップショットが作られた状態まで戻すことが可能です:
# lvconvert --merge /dev/vg0/snap01
オリジナルの論理ボリュームが使用中の場合は、次のブート時にマージされます (LiveCD からマージすることもできます)。
マージが行われるとスナップショットはもう存在しなくなります。
また、複数のスナップショットを作成して、それぞれを自由にオリジナルの論理ボリュームにマージすることも可能です。
スナップショットはマウントして dd や tar を使うことでバックアップできます。dd で作られるバックアップファイルのサイズはスナップショットボリュームに入っているファイルのサイズになります。 復元は、スナップショットを作成してマウントして、バックアップをそこに書き込むか展開するだけです。そしてオリジナルのボリュームにマージしてください。
/etc/mkinitcpio.conf
の MODULES 変数に dm_snapshot モジュールを入れることが必要で、これがないとシステムが起動しなくなります。インストールしたシステムに既に記述してある場合は、次のコマンドでイメージを再生成してください:
# mkinitcpio -g /boot/initramfs-linux.img
スナップショットは主にバックアップのためのファイルシステムのフローズンコピーを作るのに使われます; 2時間かかるバックアップはパーティションを直接バックアップするよりも一貫性のあるファイルシステムのイメージを提供します。
バックアップやロールバックのためシステム起動時に root ファイルシステムのスナップショットを自動的に作成する方法は Create root filesystem snapshots with LVM を見て下さい。
initramfs によって有効にならない LVM ボリュームがある場合は、lvm2 パッケージに入っている lvm-monitoring サービスを有効化してください。
トラブルシューティング
Arch-Linux のデフォルトの変更のためにする必要がある変更
/etc/lvm/lvm.conf
には use_lvmetad = 1
を設定する必要があります。現在はデフォルトで設定されています。lvm.conf.pacnew
ファイルがある場合は、この変更を適用してください。
LVM コマンドが機能しない
- 適切なモジュールをロードしてください:
# modprobe dm_mod
dm_mod
モジュールは自動的にロードされるはずです。そうならない場合は、次を試してみて下さい:
/etc/mkinitcpio.conf:
MODULES="dm_mod ..."
変更を適用するには initramfs を再生成する必要があります。
- lvm コマンドを次のように試してみて下さい:
# lvm pvdisplay
論理ボリュームが表示されない
既存の論理ボリュームをマウントしようとしても、lvscan
に表示されない場合、以下のコマンドによってボリュームを有効にすることができます:
# vgscan # vgchange -ay
リムーバルメディア上の LVM
症状:
# vgscan Reading all physical volumes. This may take a while... /dev/backupdrive1/backup: read failed after 0 of 4096 at 319836585984: Input/output error /dev/backupdrive1/backup: read failed after 0 of 4096 at 319836643328: Input/output error /dev/backupdrive1/backup: read failed after 0 of 4096 at 0: Input/output error /dev/backupdrive1/backup: read failed after 0 of 4096 at 4096: Input/output error Found volume group "backupdrive1" using metadata type lvm2 Found volume group "networkdrive" using metadata type lvm2
病因:
- 最初にボリュームグループを無効にしないで外付けの LVM ドライブを取り外したこと。切断する前に、次を実行するようにしましょう:
# vgchange -an volume group name
治療:
- 外部ドライブのプラグを抜いて数分待って下さい:
# vgscan # vgchange -ay volume group name
カーネルオプション
カーネルオプションに、dolvm
が必要かもしれません。root=
は論理ボリュームに設定してください (例: /dev/mapper/vg-name-lv-name
)。
参照
- LVM2 Resource Page on SourceWare.org
- LVM HOWTO article at The Linux Documentation project
- LVM article at Gentoo wiki
- LVM2 Mirrors vs. MD Raid 1 post by Josh Bryan
- Ubuntu LVM Guide Part 1Part 2 detals snapshots