「永続的なブロックデバイスの命名」の版間の差分
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* {{ic|/etc/mkinitcpio.conf}} で udev が有効になっていること |
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− | + | 上の例では、{{ic|/dev/sda1}} がルートパーティションです。[[GRUB]] の {{ic|grub.cfg}} ファイルでは、''linux'' 行は以下のようになります: |
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linux /boot/vmlinuz-linux root=/dev/sda1 rw quiet |
linux /boot/vmlinuz-linux root=/dev/sda1 rw quiet |
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+ | 別の命名方法を使用することで、以下のように変更することができます: |
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− | Depending on which naming scheme you would prefer, change it to one of the following: |
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linux /boot/vmlinuz-linux root=/dev/disk/by-label/root_myhost rw quiet |
linux /boot/vmlinuz-linux root=/dev/disk/by-label/root_myhost rw quiet |
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linux /boot/vmlinuz-linux root=UUID=2d781b26-0285-421a-b9d0-d4a0d3b55680 rw quiet |
linux /boot/vmlinuz-linux root=UUID=2d781b26-0285-421a-b9d0-d4a0d3b55680 rw quiet |
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− | + | [[LILO]] を使用する場合、{{ic|1=root=...}} で上記のように設定してはいけません。機能しなくなります。代わりに {{ic|1=append="root=..."}} か {{ic|1=addappend="root=..."}} を使ってください。詳しくは LILO の man ページに書かれている {{ic|append}} や {{ic|addappend}} の情報を読んでください。 |
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+ | ファイルシステムに埋め込まれているラベルを使うという方法もあります。例えば (上記のように) {{ic|/dev/sda1}} のファイルシステムのラベルが {{ic|root_myhost}} なら、GRUB に以下のように指定できます: |
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− | There is an alternative way to use the label embedded in the filesystem. For example if (as above) the filesystem in {{ic|/dev/sda1}} is labeled {{ic|root_myhost}}, you would give this line to GRUB: |
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linux /boot/vmlinuz-linux root=LABEL=root_myhost rw quiet |
linux /boot/vmlinuz-linux root=LABEL=root_myhost rw quiet |
2016年2月14日 (日) 16:12時点における版
この記事ではブロックデバイスに永続的な名前を使う法法を説明します。永続的な命名は udev によって可能になったものであり、バスによる命名と比べて複数の利点があります。使用しているマシンに複数の SATA, SCSI, IDE ディスクコントローラが存在する場合、それぞれのデバイスノードが追加される順番は一定しません。そのため、起動するたびに /dev/sda
や /dev/sdb
といったデバイス名は入れ替わる可能性があり、下手をすると、システムが起動できなくなったり、カーネルパニックが発生したり、ブロックデバイスが表示されなくなってしまいます。永続的な命名によってこれらの問題は解決します。
目次
永続的な命名の方法
永続的な命名には4つの異なる形式があります: by-label, by-uuid, by-id と by-path。GUID Partition Table (GPT) のディスクを使用する場合、さらに by-partlabel と by-partuuid の形式も利用可能です。また、Udev による固定デバイス名を使うこともできます。
以下のセクションでは4つの異なる命名規則がどのようなものであるか、またどうやって使うのかを説明しています。
lsblk -f
コマンドを使うことで永続的な名前をグラフィカルに表示することができます:
$ lsblk -f
NAME FSTYPE LABEL UUID MOUNTPOINT sda ├─sda1 vfat CBB6-24F2 /boot ├─sda2 ext4 SYSTEM 0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 / ├─sda3 ext4 DATA b411dc99-f0a0-4c87-9e05-184977be8539 /home └─sda4 swap f9fe0b69-a280-415d-a03a-a32752370dee [SWAP]
GPT を使っている場合、代わりに blkid
コマンドを使います。blkid
コマンドはスクリプトで処理しやすいように出力しますが、人間が読むときは読みづらいかもしれません。
$ blkid
/dev/sda1: UUID="CBB6-24F2" TYPE="vfat" PARTLABEL="EFI SYSTEM PARTITION" PARTUUID="d0d0d110-0a71-4ed6-936a-304969ea36af" /dev/sda2: LABEL="SYSTEM" UUID="0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3" TYPE="ext4" PARTLABEL="GNU/LINUX" PARTUUID="98a81274-10f7-40db-872a-03df048df366" /dev/sda3: LABEL="DATA" UUID="b411dc99-f0a0-4c87-9e05-184977be8539" TYPE="ext4" PARTLABEL="HOME" PARTUUID="7280201c-fc5d-40f2-a9b2-466611d3d49e" /dev/sda4: UUID="f9fe0b69-a280-415d-a03a-a32752370dee" TYPE="swap" PARTLABEL="SWAP" PARTUUID="039b6c1c-7553-4455-9537-1befbc9fbc5b
by-label
大抵のファイルシステムはラベルを設定することができます。ラベルが存在するパーティションは /dev/disk/by-label
ディレクトリに掲載されます。あなたがパーティションにラベルを付加したり取り除いたりすると、このディレクトリが動的に作成・破壊されます。
$ ls -l /dev/disk/by-label
total 0 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 DATA -> ../../sda3 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 SYSTEM -> ../../sda2
ファイルシステムのラベルは変更することが可能です。一般的に使われているファイルシステムのラベルを変更する方法は以下の通りになります:
- swap
swaplabel -L <label> /dev/XXX
(util-linux を使用)- ext2/3/4
e2label /dev/XXX <label>
(e2fsprogs を使用)- btrfs
btrfs filesystem label /dev/XXX <label>
(btrfs-progs を使用)- reiserfs
reiserfstune -l <label> /dev/XXX
(reiserfsprogs を使用)- jfs
jfs_tune -L <label> /dev/XXX
(jfsutils を使用)- xfs
xfs_admin -L <label> /dev/XXX
(xfsprogs を使用)- fat/vfat
dosfslabel /dev/XXX <label>
(dosfstools を使用)- fat/vfat
mlabel -i /dev/XXX ::<label>
(mtools を使用)- ntfs
ntfslabel /dev/XXX <label>
(ntfs-3g を使用)- zfs
- このファイルシステムは
/dev/disk/by-label
をサポートしていません。ただし #by-partlabel を使うことはできます。
by-uuid
UUID を使うことで一意に特定可能な識別子をファイルシステムに与えることができます。UUID の識別子は、パーティションをフォーマットするときにファイルシステムユーティリティ (例: mkfs.*
) によって生成されます。UUID は名前の衝突が起こらないように作られています。(スワップや暗号化デバイスの LUKS ヘッダなども含む) 全ての GNU/Linux ファイルシステムが UUID をサポートします。FAT や NTFS ファイルシステム (上記の fat と windows ラベル) は UUID をサポートしていませんが、短い UID (unique identifier) で /dev/disk/by-uuid
には掲載されます:
$ ls -l /dev/disk/by-uuid/
total 0 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 0a3407de-014b-458b-b5c1-848e92a327a3 -> ../../sda2 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 b411dc99-f0a0-4c87-9e05-184977be8539 -> ../../sda3 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 CBB6-24F2 -> ../../sda1 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 f9fe0b69-a280-415d-a03a-a32752370dee -> ../../sda4
UUID を使用する利点として、名前の衝突が発生する可能性がラベルよりもずっと少ないことが挙げられます。さらに、UUID はファイルシステムの作成時に自動的に生成されます。他のシステムにデバイスを接続したときでも、一意性を保つことができます。ラベルの場合、他のシステムに接続したとき名前がカブってしまう可能性が否定できません。
逆に UUID の欠点としては、生成されるコードが長いために、設定ファイル (例: fstab や crypttab) が読みづらくなったり整形が崩れてしまうことがあります。また、パーティションのサイズを変更したり、再フォーマットをするたびに新しい UUID が生成されるので、設定を手動で変更する必要が生じます。
by-id と by-path
by-id
はハードウェアのシリアル番号に基づいて一意な名前を作成します。by-path
は (sysfs による) 一番短い物理パスを使います。どちらも属するサブシステムを示す文字列を含んでいるため (by-path
の場合 -ide-
、by-id
の場合 -ata-
)、デバイスを制御するハードウェアと繋がりがあります。このため永続性のレベルが異なってきます: by-path
はデバイスをコントローラの他のポートに接続したときに値が変わり、by-id
はデバイスを他のサブシステムが使っているハードウェアコントローラのポートに接続したときに値が変わります [1]。従って、ハードウェアが変わっても値が変わらないような永続的な命名としてはどちらも使えません。
ただし、巨大なハードウェアインフラストラクチャで特定のデバイスを見つけたいときは有益な情報となります。例えば、永続的なラベル (by-label
や by-partlabel
) を手動で割り当てておらず、使用するハードウェアポートとディレクトリを変えていない場合、by-id
と by-path
を使うことで特定のデバイスを探すことが可能です [2][3]。
by-partlabel
GPT ディスクのパーティションエントリのヘッダにパーティションラベルを定義することができます。
Wikipedia:ja:GUIDパーティションテーブル#パーティションエントリ (LBA 2〜33) も見て下さい。
この方法はファイルシステムラベルとよく似ていますが、動的ディレクトリは /dev/disk/by-partlabel
になります。
ls -l /dev/disk/by-partlabel/
total 0 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 EFI\x20SYSTEM\x20PARTITION -> ../../sda1 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 GNU\x2fLINUX -> ../../sda2 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 HOME -> ../../sda3 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 SWAP -> ../../sda4
by-partuuid
GPT パーティションラベルと同じように、GPT パーティション UUID は GPT ディスクのパーティションエントリに定義されます。
Wikipedia:ja:GUIDパーティションテーブル#パーティションエントリ (LBA 2〜33) も見て下さい。
動的ディレクトリは UUID ファイルシステムなど他の方法と同じようになっており、ラベルよりも UUID の使用が推奨されます。
ls -l /dev/disk/by-partuuid/
total 0 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 039b6c1c-7553-4455-9537-1befbc9fbc5b -> ../../sda4 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 7280201c-fc5d-40f2-a9b2-466611d3d49e -> ../../sda3 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 98a81274-10f7-40db-872a-03df048df366 -> ../../sda2 lrwxrwxrwx 1 root root 10 May 27 23:31 d0d0d110-0a71-4ed6-936a-304969ea36af -> ../../sda1
Udev によるデバイス名の固定
Udev#固定デバイス名の設定 を見て下さい。
永続的な命名の使用
様々なアプリケーションで、永続的な命名を使うように設定を行うことができます。以下はアプリケーションの設定例です。
fstab
次の記事を参照してください: fstab#UUID。
ブートマネージャ
ブートマネージャで永続的な名前を使う場合、以下の条件を満たす必要があります:
- mkinitcpio の初期 RAM ディスクイメージの使用
/etc/mkinitcpio.conf
で udev が有効になっていること
上の例では、/dev/sda1
がルートパーティションです。GRUB の grub.cfg
ファイルでは、linux 行は以下のようになります:
linux /boot/vmlinuz-linux root=/dev/sda1 rw quiet
別の命名方法を使用することで、以下のように変更することができます:
linux /boot/vmlinuz-linux root=/dev/disk/by-label/root_myhost rw quiet
または:
linux /boot/vmlinuz-linux root=UUID=2d781b26-0285-421a-b9d0-d4a0d3b55680 rw quiet
LILO を使用する場合、root=...
で上記のように設定してはいけません。機能しなくなります。代わりに append="root=..."
か addappend="root=..."
を使ってください。詳しくは LILO の man ページに書かれている append
や addappend
の情報を読んでください。
ファイルシステムに埋め込まれているラベルを使うという方法もあります。例えば (上記のように) /dev/sda1
のファイルシステムのラベルが root_myhost
なら、GRUB に以下のように指定できます:
linux /boot/vmlinuz-linux root=LABEL=root_myhost rw quiet