「Zswap」の版間の差分
(同期) |
細 (→圧縮メモリプールアロケータ: 修正) |
||
69行目: | 69行目: | ||
=== 圧縮メモリプールアロケータ === |
=== 圧縮メモリプールアロケータ === |
||
− | {{Out of date|{{Pkg|linux}} 6.3.arch1-1+ では |
+ | {{Out of date|{{Pkg|linux}} 6.3.arch1-1+ では {{ic|1=CONFIG_ZSWAP_ZPOOL_DEFAULT="zsmalloc"}} が設定されています。[https://github.com/archlinux/svntogit-packages/commit/b14ac92f4d7fcb63c544efaf809b2c9f681a2c7b]}} |
− | ''zpool'' パラメータは |
+ | ''zpool'' パラメータは圧縮メモリプールの管理を制御します。 |
''zbud'' データアロケーターを使用すると、2つの圧縮オブジェクトが1ページに格納され、圧縮率が2以下に制限されます。 |
''zbud'' データアロケーターを使用すると、2つの圧縮オブジェクトが1ページに格納され、圧縮率が2以下に制限されます。 |
2023年5月12日 (金) 20:43時点における版
関連記事
zswap は、スワップページに対して圧縮された RAM キャッシュを提供する、カーネルの機能です。ページをディスクにスワップアウトしてしまうのではなく、RAM 内のメモリプールに圧縮して保存します。プールが満タンになったり RAM が枯渇したりすると、最近使用されていない (LRU) ページを解凍して (まるでインターセプトされなかったかのように) ディスクに書き込みます。ページがスワップキャッシュへ解凍された後、プール内の圧縮された方を解放できます。
zram と異なる点は、zram が補助スワップデバイスを必要としない RAM 内のスワップデバイスであるのに対し、zswap はスワップデバイスと組み合わさって動作することです。
目次
zswap を切り替える
すべての公式にサポートされているカーネルで zswap はデフォルトで有効化されています。このことは、zgrep CONFIG_ZSWAP_DEFAULT_ON /proc/config.gz
を実行することで確認できます。
zswap を実行時に無効化するには、以下のコマンドを実行してください:
# echo 0 > /sys/module/zswap/parameters/enabled
zswap を永続的に無効化するには、zswap.enabled=0
をカーネルパラメータに追加してください。
zswap のカスタマイズ
現在のパラメータ
zswap には、カスタマイズ可能なパラメーターがいくつかあります。現在の設定は、次を使用して表示できます:
$ grep -r . /sys/module/zswap/parameters/
/sys/module/zswap/parameters/same_filled_pages_enabled:Y /sys/module/zswap/parameters/enabled:Y /sys/module/zswap/parameters/max_pool_percent:20 /sys/module/zswap/parameters/compressor:zstd /sys/module/zswap/parameters/non_same_filled_pages_enabled:Y /sys/module/zswap/parameters/zpool:zsmalloc /sys/module/zswap/parameters/accept_threshold_percent:90
様々なパラメーターの説明については、zswap のドキュメントを参照してください。
初期構成を示すブート時ロードメッセージは、次のコマンドで取得できます:
# dmesg | grep zswap:
[ 0.317569] zswap: loaded using pool zstd/zsmalloc
パラメータの設定
sysfs の使用
各設定は、sysfs インターフェースを介して実行中に変更できます。例えば、compressor
パラメータを変更するには:
# echo lz4 > /sys/module/zswap/parameters/compressor
カーネルブートパラメータの使用
パラメータの変更を永続化するには、対応するオプション (例えば zswap.compressor=lz4
など) をカーネルブートパラメータに追加する必要があります。したがって、上記のすべての設定を永続的に設定するには、次のカーネルパラメータを追加する必要があります:
zswap.enabled=1 zswap.compressor=lz4 zswap.max_pool_percent=20 zswap.zpool=z3fold
ブートパラメータを介して圧縮アルゴリズムを変更する場合、対応する圧縮モジュールがブートの早い段階でロードされていることを確認する必要があります (#圧縮アルゴリズム を参照)。
最大プールサイズ
メモリプールは事前に割り当てられません。使用可能な合計メモリのパーセンテージによる特定の制限まで (デフォルトでは合計 RAM の最大20%まで) 拡張できます。このしきい値に達すると、ページはプールからスワップデバイスに追い出されます。圧縮されたプールの最大サイズは、パラメーター max_pool_percent
で制御されます。
圧縮メモリプールアロケータ
zpool パラメータは圧縮メモリプールの管理を制御します。
zbud データアロケーターを使用すると、2つの圧縮オブジェクトが1ページに格納され、圧縮率が2以下に制限されます。
優れた z3fold アロケーターでは、ページごとに最大3つの圧縮オブジェクトを使用できます。z3fold の圧縮率は通常平均2.7ですが、zbud の圧縮率は1.7です。
タイプ z3fold の zpool がデフォルトで作成されます。カーネルパラメータ zswap.zpool
を使用して、起動時に別のメソッドを選択してください。データアロケータは、sysfs インターフェースを介して後の段階で変更することもできます。
圧縮アルゴリズム
ページ圧縮の場合、zswap はカーネルの暗号化 API によって提供されるコンプレッサーモジュールを使用します。デフォルトでは lz4 圧縮アルゴリズムを使用しますが、これは起動時に zswap.compressor
で変更できます。その他のオプションには、deflate、lz4hc、lzo、lzo-rle、842、zstd があります。
実行中に sysfs を使用して圧縮を変更することに問題はありませんが、この場合、 zswap は lz4 で開始し、後の段階で定義されたアルゴリズムに切り替わります。別のアルゴリズムで zswap をすぐに開始するには、これをカーネルのブートパラメータを介して設定し、対応するモジュールをカーネルによって早期にロードする必要があります。これは、次の手順に従って実行できます:
- 選んだコンプレッサーに関連するモジュールを mkinitcpio#MODULES 配列に追加する。
- mkinitcpio の設定を変更した後、RAM ディスク環境を再生成する。mkinitcpio#イメージ作成とアクティベーション を参照してください。
- カーネルパラメータ で
zswap.compressor
をあなたの選んだアルゴリズムに設定します。
次回の起動時に、#現在のパラメータ を参照して、zswap が要求されたコンプレッサーを使用するかどうかを確認してください。