「カーネルモジュール」の版間の差分
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Kusanaginoturugi (トーク | 投稿記録) (→モジュールオプションを設定する: 章立てを修正) |
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詳しくは {{man|5|modules-load.d}} を見て下さい。 |
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カーネルモジュールにパラメータを指定するために、modprobe の conf ファイルやカーネルコマンドラインを使うことができます。 |
カーネルモジュールにパラメータを指定するために、modprobe の conf ファイルやカーネルコマンドラインを使うことができます。 |
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− | + | === /etc/modprobe.d/ 内のファイルを使う === |
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システムブート中、{{ic|modprobe}} を使ってモジュールを管理する [[udev|udev]] にモジュールの設定をわたすために {{ic|/etc/modprobe.d/}} ディレクトリ内のファイルが使われます。このディレクトリ内のファイルには {{ic|.conf}} 拡張子で終わる名前を付けます。構文は: |
システムブート中、{{ic|modprobe}} を使ってモジュールを管理する [[udev|udev]] にモジュールの設定をわたすために {{ic|/etc/modprobe.d/}} ディレクトリ内のファイルが使われます。このディレクトリ内のファイルには {{ic|.conf}} 拡張子で終わる名前を付けます。構文は: |
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{{Note|影響を受けるモジュールが init ramdisk からロードされる場合、適切な {{ic|.conf}} ファイルを [[mkinitcpio|mkinitcpio.conf]] の FILES に追加するか {{ic|modconf}} [[mkinitcpio#HOOKS|hook]] を使うかして、ramdisk に含まれるようにする必要があります。デフォルトの initramfs の中身を確認するには {{ic|lsinitcpio /boot/initramfs-linux.img}} を使用してください。}} |
{{Note|影響を受けるモジュールが init ramdisk からロードされる場合、適切な {{ic|.conf}} ファイルを [[mkinitcpio|mkinitcpio.conf]] の FILES に追加するか {{ic|modconf}} [[mkinitcpio#HOOKS|hook]] を使うかして、ramdisk に含まれるようにする必要があります。デフォルトの initramfs の中身を確認するには {{ic|lsinitcpio /boot/initramfs-linux.img}} を使用してください。}} |
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モジュールがカーネルに組み込まれている場合、モジュールにオプションを設定するのにカーネルコマンドラインを使うこともできます。一般的なブートローダでは次の構文を使って下さい: |
モジュールがカーネルに組み込まれている場合、モジュールにオプションを設定するのにカーネルコマンドラインを使うこともできます。一般的なブートローダでは次の構文を使って下さい: |
2022年1月28日 (金) 22:49時点における版
カーネルモジュールは小さなコードの集まりであり、必要に応じてカーネルにロード・アンロードすることができます。カーネルモジュールはシステムを再起動する必要なくカーネルの機能を拡張します。
カーネルモジュールを作るには、このガイド を読んで下さい。モジュールはビルトインすることもローダブルにすることもできます。動的にモジュールをロード・リムーブするには、カーネル設定でローダブルモジュールとして設定する必要があります (モジュールに関係する行には M
が表示されます)。
目次
情報を取得
モジュールは /usr/lib/modules/kernel_release
に保存されます。uname -r
コマンドを使うことで現在のカーネルのリリースバージョンを表示できます。
現在ロードされているカーネルモジュールを表示する:
$ lsmod
モジュールについての情報を表示する:
$ modinfo module_name
ロードされたモジュールに設定されたオプションを一覧する:
$ systool -v -m module_name
全てのモジュールの全ての設定を表示する:
$ modprobe -c | less
特定のモジュールの設定を表示する:
$ modprobe -c | grep module_name
モジュール自身を含む、モジュール(やエイリアス)の依存関係を一覧する:
$ modprobe --show-depends module_name
設定
今日、必要なモジュールのロードは全て udev によって自動的に処理されているので、カーネルに含まれていないモジュールを使用する必要がないのならば、起動時にロードするモジュールを設定ファイルに記述する必要はありません。ただし、ブートプロセスで追加のモジュールをロードしたり、コンピューターを正しく機能させるために他のモジュールをブラックリストに入れるなどの場合は考えられます。
ロード
systemd により起動時にロードされる追加のカーネルモジュールは /etc/modules-load.d/
下のファイルにリストとして設定します。それぞれの設定ファイルの名前の形式は /etc/modules-load.d/<program>.conf
です。設定ファイルにはロードするカーネルモジュールの名前の(行で区切られた)リストだけを記述します。空行や、最初の空白以外の文字が #
や ;
の行は無視されます。
/etc/modules-load.d/virtio-net.conf
#起動時に virtio_net.ko をロード virtio_net
詳しくは modules-load.d(5) を見て下さい。
モジュールオプションを設定する
カーネルモジュールにパラメータを指定するために、modprobe の conf ファイルやカーネルコマンドラインを使うことができます。
/etc/modprobe.d/ 内のファイルを使う
システムブート中、modprobe
を使ってモジュールを管理する udev にモジュールの設定をわたすために /etc/modprobe.d/
ディレクトリ内のファイルが使われます。このディレクトリ内のファイルには .conf
拡張子で終わる名前を付けます。構文は:
/etc/modprobe.d/myfilename.conf
options modname parametername=parametervalue
例:
/etc/modprobe.d/thinkfan.conf
# On Thinkpads, this lets the 'thinkfan' daemon control fan speed options thinkpad_acpi fan_control=1
カーネルコマンドラインを使う
モジュールがカーネルに組み込まれている場合、モジュールにオプションを設定するのにカーネルコマンドラインを使うこともできます。一般的なブートローダでは次の構文を使って下さい:
modname.parametername=parametercontents
例:
thinkpad_acpi.fan_control=1
カーネルパラメータのページで説明されているようにして、あなたのブートローダのカーネルラインにこれを追加するだけです。
エイリアス
エイリアスによってモジュールに代わりの名前を付けることができます。例: alias my-mod really_long_modulename
で modprobe really_long_modulename
の代わりに modprobe my-mod
を使うことができるようになります。シェルのようにワイルドカードを使うこともできます。alias my-mod* really_long_modulename
で modprobe my-mod-something
が modprobe really_long_modulename
と同じ意味になります。エイリアスを作るには:
/etc/modprobe.d/myalias.conf
alias mymod really_long_module_name
モジュールによっては、アプリケーションがモジュールを必要としたときに自動でロードするためにエイリアスが設定されているものもあります。こういったエイリアスを無効化すると自動ロードも止まります。ただし手動でモジュールをロードすることはできます。
/etc/modprobe.d/modprobe.conf
# Prevent Bluetooth autoload alias net-pf-31 off
ブラックリスト
カーネルモジュールで、ブラックリストとはカーネルモジュールをロードしないようにすることを指します。ブラックリストが役にたつのは、例えば、関連するハードウェアが必要ない場合や、モジュールをロードすると問題が発生する場合: 2つのカーネルモジュールが同じハードウェアをコントロールしようとして、互いにコンフリクトを生じる場合などです。
いくつかのモジュールは initramfs の一部としてロードされます。mkinitcpio -M
ですべての自動検出したモジュールを表示します: initramfs のモジュールのロードを止めるには、/etc/modprobe.d/
中に .conf
ファイルを作成してモジュールをブラックリストに登録します。mkinitcpio -v
を実行することで様々なフック(例: ファイルシステムフック、SCSI フックなど)によって使われている全てのモジュールを一覧できます。モジュールをブラックリスト入りさせたら、イメージを生成し、それから再起動してください。
/etc/modprobe.d/ 内のファイルを使う
/etc/modprobe.d/
内に .conf
ファイルを作成し、blacklist
キーワードを使って一行ずつブラックリスト入りさせたいモジュールを追加します。例えば pcspkr
モジュールをロードさせたくない場合:
/etc/modprobe.d/nobeep.conf
# Do not load the 'pcspkr' module on boot blacklist pcspkr
カーネルコマンドラインを使う
ブートローダでモジュールをブラックリスト入りさせることもできます。
カーネルパラメータのページで説明されているようにして、あなたのブートローダのカーネルラインに module_blacklist=modname1,modname2,modname3
を追加するだけです。
手動でモジュールを扱う
カーネルモジュールは kmod パッケージによって提供されるツールを使って管理します。これらのツールは手動で使用できます。
モジュールをロードするには:
# modprobe module_name
モジュールをアンロードするには:
# modprobe -r module_name
もしくは:
# rmmod module_name
設定ファイルをリロードするには:
# systemctl restart systemd-modules-load.service
ヒントとテクニック
モジュールパラメータを一覧する Bash 関数
root 権限で実行することで、現在のパラメータ値を含む、現在ロードされているモジュールと全てのパラメータの一覧を表示する関数です。/proc/modules
を使って現在ロードされているモジュールの一覧を取得して、モジュールファイルに modinfo で直接アクセスしてモジュールや(可能ならば)パラメータの説明を引き出し、最後に sysfs ファイルシステムにアクセスして実際のパラメータ名と現在の値を取得しています。
function aa_mod_parameters () { N=/dev/null; C=`tput op` O=$(echo -en "\n`tput setaf 2`>>> `tput op`"); for mod in $(cat /proc/modules|cut -d" " -f1); do md=/sys/module/$mod/parameters; [[ ! -d $md ]] && continue; m=$mod; d=`modinfo -d $m 2>$N | tr "\n" "\t"`; echo -en "$O$m$C"; [[ ${#d} -gt 0 ]] && echo -n " - $d"; echo; for mc in $(cd $md; echo *); do de=`modinfo -p $mod 2>$N | grep ^$mc 2>$N|sed "s/^$mc=//" 2>$N`; echo -en "\t$mc=`cat $md/$mc 2>$N`"; [[ ${#de} -gt 1 ]] && echo -en " - $de"; echo; done; done }
アウトプットのサンプル:
# aa_mod_parameters
>>> ehci_hcd - USB 2.0 'Enhanced' Host Controller (EHCI) Driver hird=0 - hird:host initiated resume duration, +1 for each 75us (int) ignore_oc=N - ignore_oc:ignore bogus hardware overcurrent indications (bool) log2_irq_thresh=0 - log2_irq_thresh:log2 IRQ latency, 1-64 microframes (int) park=0 - park:park setting; 1-3 back-to-back async packets (uint) >>> processor - ACPI Processor Driver ignore_ppc=-1 - ignore_ppc:If the frequency of your machine gets wronglylimited by BIOS, this should help (int) ignore_tpc=0 - ignore_tpc:Disable broken BIOS _TPC throttling support (int) latency_factor=2 - latency_factor: (uint) >>> usb_storage - USB Mass Storage driver for Linux delay_use=1 - delay_use:seconds to delay before using a new device (uint) option_zero_cd=1 - option_zero_cd:ZeroCD mode (1=Force Modem (default), 2=Allow CD-Rom (uint) quirks= - quirks:supplemental list of device IDs and their quirks (string) swi_tru_install=1 - swi_tru_install:TRU-Install mode (1=Full Logic (def), 2=Force CD-Rom, 3=Force Modem) (uint) >>> video - ACPI Video Driver allow_duplicates=N - allow_duplicates: (bool) brightness_switch_enabled=Y - brightness_switch_enabled: (bool) use_bios_initial_backlight=Y - use_bios_initial_backlight: (bool)
トラブルシューティング
モジュールがロードされない
特定のモジュールがロードされない場合、起動ログ (journalctl -b
で見れます) にモジュールがブラックリストに入っていると書かれているのに /etc/modprobe.d/
ディレクトリには該当するエントリが存在しないとき、/usr/lib/modprobe.d/
にある他の modprobe ソースファイルにブラックリストのエントリがないか確認してください。
カーネルモジュールに含まれている "vermagic" 文字列が、現在実行中のカーネルの値と一致しない場合もモジュールはロードされません。カーネルとモジュールの互換性に問題がないという確証があるときは modprobe --force-vermagic
で "vermagic" のチェックを無視させることができます。
参照
- modprobe man ページ
- PC スピーカーのビープ音の無効化
- Writing a WMI driver - an LWM introduction