「Ratpoison」の版間の差分
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+ | デフォルトでインストールされる Urxvt と xterm はリサイズのヒント情報をウィンドウマネージャに送信します。ほとんどのタイル型ウィンドウマネージャでは機能しますが、ratpoison では上手くいきません。結果的に URxvt/xterm がフォントサイズの倍にリサイズして、隙間ができてしまう可能性があります。この問題を解決する方法は2つあります。 |
==== パッチを適用した URxvt をインストールする ==== |
==== パッチを適用した URxvt をインストールする ==== |
2024年7月10日 (水) 20:56時点における最新版
Ratpoison は C で書かれたタイル型ウィンドウマネージャです。マウスを使わないでアプリケーションを管理することができます。ユーザーインターフェイスは Screen の影響を受けています。
目次
インストール
Ratpoison は ratpoison パッケージでインストールできます。
設定
ratpoison をウィンドウマネージャとして使うには、~/.xinitrc
ファイルを作成・編集する必要があります。
~/.xinitrc
# The black/white grid as background doesn't suit my taste. xsetroot -solid black & # Ratpoison is compatible with xcompmgr! now you can have real transparency xcompmgr -c -f -D 5 & #fire up ratpoison! exec /usr/bin/ratpoison
ratpoison を使う
X11 を起動すると黒い画面に "Welcome to Ratpoison" と書かれたテキストボックスが右上に表示されます。Ctrl+t
と入力してから ?
を押すことでキーバインドのリストを表示できます。GNU screen を使っている場合、すぐに操作に慣れるでしょう。
~/.ratpoisonrc
を書き換えることでカスタムキーバインドを定義したり既存のキーバインドを上書きすることができます:
~/.ratpoisonrc
# Overriding CTRL+t 'c' to start aterm instead of xterm bind c exec aterm bind f exec firefox
上記のように設定することで Ctrl+t
と入力してから f
を押すことで、ratpoison は Firefox を立ち上げます。他の例:
~/.ratpoisonrc
exec xsetroot -cursor_name left_ptr startup_message off escape C-z # Make a screenshot alias sshot exec import -window root ~/screenshot-$(date +%F).jpg definekey top M-C-Print sshot #virtual desks gnewbg one gnewbg two definekey top M-l exec ratpoison -c "select -" -c "gprev" -c "next" definekey top M-h exec ratpoison -c "select -" -c "gnext" -c "next" #switch between windows definekey top M-j next definekey top M-k prev #apps unbind c bind c exec urxvt -tr #bind c exec aterm bind g exec gftp bind f exec firefox
キーバインド
キーバインド | 説明 |
---|---|
Ctrl+t ! <Program Name> |
プログラムを起動 |
Ctrl+t ? |
キーバインドを表示 |
Ctrl+t c |
X 端末を起動 |
Ctrl+t n |
次のウィンドウに移動 |
Ctrl+t p |
前のウィンドウに移動 |
Ctrl+t 1 -9 |
ウィンドウ 1-9 に移動 |
Ctrl+t k |
現在のウィンドウを閉じる |
Ctrl+t Shift+k |
現在のアプリケーションを XKill |
Ctrl+t s , Shift+s |
現在のフレームを縦横のフレームに分割 |
Ctrl+t Tab , ← , ↑ , → , ↓ |
次, 左, 上, 右, 下のフレームに移動。 |
Ctrl+t Shift+q |
現在のフレームだけを表示。 |
Ctrl+t : |
ratpoison コマンドを実行。 |
Ratpoison とディスプレイマネージャ
大抵のディスプレイマネージャ (LightDM など) は /usr/share/xsessions/
からセッションを読み込みます。ほとんどのウィンドウマネージャやデスクトップ環境は /usr/share/xsessions/
に .desktop ファイルを作成しますが、ratpoison は /etc/X11/sessions/
に ratpoison.desktop
ファイルを作成します。ディスプレイマネージャから ratpoison が使えるようにするには ratpoison.desktop
ファイルを /etc/X11/sessions/ratpoison.desktop
から /usr/share/xsessions/ratpoison.desktop
にコピーする必要があります。/usr/share/xsessions
ディレクトリが存在しない場合は、root で作成してください。
ヒントとテクニック
Java Swing アプリケーション
Java Swing GUI アプリケーションはタイル型ウィンドウマネージャに対応していますが、ratpoison のデフォルト設定では正しくフルスクリーンになりません。Java の Swing アプリケーションにタイル型ウィンドウマネージャを使用していることを認識させて、正しくフルスクリーンが使われるようにする "trick" が存在します。
wmname パッケージをインストールしてください。そして以下の行を .ratpoisonrc
に追加してください:
~/.ratpoisonrc
exec wmname LG3D
これで Java Swing アプリケーションは正しくフルスクリーンになるはずです。
マルチワークスペース
デフォルトでは ratpoison にはワークスペースが一つしかありませんが、(デフォルトでインストールされる) rpws と呼ばれるスクリプトを使うことで複数のワークスペースが使えます。
.ratpoisonrc
を編集して、以下を追加してください:
~/.ratpoisonrc
exec /usr/bin/rpws init 6 -k
上記の設定でワークスペースが6つになります。デフォルトでは、Alt+F1
で1番目のワークスペース、Alt+F2
で2番目のワークスペースを使用することができます。以下のようにバインドすることも可能です:
bind C-1 exec rpws 1 bind C-2 exec rpws 2 ...
上記の設定であれば Ctrl+t
Ctrl+1
でワークスペースを切り替えることができます (Ctrl+t
は Escape キー)。
Urxvt と xterm
デフォルトでインストールされる Urxvt と xterm はリサイズのヒント情報をウィンドウマネージャに送信します。ほとんどのタイル型ウィンドウマネージャでは機能しますが、ratpoison では上手くいきません。結果的に URxvt/xterm がフォントサイズの倍にリサイズして、隙間ができてしまう可能性があります。この問題を解決する方法は2つあります。
パッチを適用した URxvt をインストールする
URxvt を使っている場合、rxvt-unicode-fontspacing-noinc-vteclear-secondarywheelAUR パッケージを使うことでリサイズヒントがウィンドウマネージャに送られなくなります。ratpoison では、デフォルトの URxvt の代わりに修正が加えられた URxvt をインストールすることで適切にリサイズするようになります。
ボーダーを調整する
xterm/urxvt のオプションである internalBorder を使って ratpoison のボーダーを 0 に設定することができます。
解像度とフォントサイズの組み合わせにあわせて、internalBorder の正確な値は何度も試して調べる必要があります (テストする前に ratpoison のボーダーを 0 に設定してください)。ターミナルコマンドラインオプションの -b を使うことで適当な値をテストできます。値がわかったら、以下のファイルに保存してください:
~/.Xresources
urxvt*internalBorder: 8 #change urxvt to xterm if necessary. Using the font terminus in urxvt at 14px size, 8 is the correct number here.
~/.ratpoisonrc
set border 0
組み合わせが見つけられない場合、フォントサイズやフォントファミリーも変更してみてください (ボーダーの数字も変わります)。
自動起動
ratpoison が起動したときにプログラムを実行することができます。起動時には ~/.ratpoisonrc
ファイルが実行されます。
tmux セッションの urxvt を起動:
exec urxvt -e bash -c "tmux -q has-session && exec tmux attach-session -d || exec tmux new-session -n$USER -s$USER@$HOSTNAME"
chromium を起動:
exec bash -c 'pidof chromium &>/dev/null || exec /usr/bin/chromium --disk-cache-dir=~/tmp/cache'
壁紙と透過
xcompmgr と nitrogen を使うことで透過を設定できます。まず nitrogen を起動して適当な壁紙を設定してください。そして .ratpoisonrc
で以下を設定:
exec xcompmgr -c -f -D 5 & exec nitrogen --restore
フォーカスはマウスに追従
Arch linux の ratpoison パッケージは /usr/share/ratpoison/
にビルドスクリプトの sloppy.c
をインストールします。ビルドスクリプトを使うことで ratpoison でマウスポインタにあわせてウィンドウをフォーカスさせることができます。有効化するには:
# cd /usr/share/ratpoison/ # gcc -o sloppy sloppy.c -lX11 # ./sloppy
ratpoison の起動時に有効化させるには、~/.ratpoisonrc
に以下を記述:
exec /usr/share/ratpoison/sloppy