「Sway」の版間の差分
(同期) |
|||
2行目: | 2行目: | ||
[[Category:動的ウィンドウマネージャ]] |
[[Category:動的ウィンドウマネージャ]] |
||
[[en:Sway]] |
[[en:Sway]] |
||
− | ''sway'' (SirCmpwn's Wayland window manager) は [[i3]] の [[Wayland]] 版を作成しようという試み |
+ | ''sway'' (SirCmpwn's Wayland window manager) は [[i3]] の [[Wayland]] 版を作成しようという試みです。 |
{{Note|開発途上なので注意して使って下さい。ただし、開発者はすでに常用できる状態だとしています。}} |
{{Note|開発途上なので注意して使って下さい。ただし、開発者はすでに常用できる状態だとしています。}} |
||
8行目: | 8行目: | ||
== インストール == |
== インストール == |
||
− | ''sway'' は {{ |
+ | ''sway'' は {{Pkg|sway}} パッケージで[[インストール]]できます (最新の git 開発版は {{AUR|sway-git}} でインストールできます)。i3 を既に使っている場合、i3 の設定を {{ic|~/.config/sway/config}} にコピーすればそのまま動作します。i3 を使ったことがない場合は、サンプル設定ファイルを {{ic|~/.config/sway/config}} にコピーしてください。サンプル設定ファイルは {{ic|/etc/sway/config}} にあります。ただし {{ic|DFALLBACK_CONFIG_DIR}} フラグが設定されている場合は存在しません。設定方法は sway(5) の [[man ページ]]を見て下さい。 |
+ | |||
+ | == sway の起動 == |
||
+ | === TTY から === |
||
+ | TTY と {{ic|sway}} と入力すれば sway が起動します。 |
||
+ | |||
+ | === ディスプレイマネージャを使う === |
||
+ | sway のセッションは {{ic|/usr/share/wayland-sessions/sway.desktop}} にあります。セッションは GDM によって自動的に認識されます。 |
||
+ | |||
+ | === X から === |
||
+ | X セッションの中で通常のプログラムと同じように ''sway'' を起動してテストすることも可能です。 |
||
+ | |||
+ | == 設定 == |
||
+ | === キーマップ === |
||
+ | デフォルトでは、sway は US QWERTY キーマップで起動します。次のようなコマンドで sway を起動することでキーマップを変更できます: |
||
+ | $ XKB_DEFAULT_LAYOUT=gb XKB_DEFAULT_VARIANT=colemak XKB_DEFAULT_MODEL=pc101 sway |
||
+ | 上記のコマンドでは、101キーボードの英国キーマップの Colemak 配列に設定されます。 |
||
+ | |||
+ | ディスプレイマネージャを使用している場合、{{ic|sway.desktop}} ファイルに上記の行を追加することはできません。root で、以下のファイルを作成してください: |
||
+ | {{hc|/usr/bin/sway-gb-ck|2= |
||
+ | #!/bin/sh |
||
+ | XKB_DEFAULT_LAYOUT=gb XKB_DEFAULT_VARIANT=colemak XKB_DEFAULT_MODEL=pc101 sway}} |
||
+ | それから、上記のスクリプトを呼び出す {{ic|sway-gb-ck.desktop}} ファイルを作成してください: |
||
+ | {{hc|/usr/share/wayland-sessions/sway.desktop|2= |
||
+ | [Desktop Entry] |
||
+ | Name=Sway British(Colemak) |
||
+ | Comment=SirCmpwn's Wayland window manager with the British Colemak keyboard layout |
||
+ | Exec=sway-gb-ck |
||
+ | Type=Application |
||
+ | }} |
||
− | == 設定例 == |
||
=== ステータスバー === |
=== ステータスバー === |
||
ステータスバーを表示したいときは {{Pkg|i3status}} プログラムをインストールするのが簡単です。sway の設定の末尾に以下のスニペットを追加するだけで表示できます: |
ステータスバーを表示したいときは {{Pkg|i3status}} プログラムをインストールするのが簡単です。sway の設定の末尾に以下のスニペットを追加するだけで表示できます: |
||
18行目: | 46行目: | ||
} |
} |
||
</nowiki>}} |
</nowiki>}} |
||
+ | i3status をカラー出力させたい場合、i3status の設定の以下の部分を調整してください: |
||
+ | {{hc|~/.config/i3status/config|<nowiki> |
||
+ | general { |
||
+ | colors = true |
||
+ | interval = 5 |
||
+ | } |
||
+ | </nowiki>}} |
||
+ | どちらの例でも、システム全体にインストールされた設定ファイルはユーザーディレクトリにコピーされるので、それを修正してください。 |
||
=== 壁紙 === |
=== 壁紙 === |
||
26行目: | 62行目: | ||
ファイルの名前やパスは適当に置き換えて下さい。 |
ファイルの名前やパスは適当に置き換えて下さい。 |
||
− | == |
+ | === 入力デバイス === |
+ | 特定の入力デバイスの設定を調整することができます。例えば、タッチパッドの tap-to-click を有効にするには、以下の input ブロックを追加: |
||
+ | {{hc|~/.config/sway/config|<nowiki> |
||
+ | input "2:14:ETPS/2_Elantech_Touchpad" { |
||
+ | tap enabled |
||
+ | } |
||
+ | </nowiki>}} |
||
+ | デバイスの識別子は以下のコマンドで確認できます: |
||
+ | $ swaymsg -t get_inputs |
||
+ | 上記のコマンドの出力には、"/" などの記号をエスケープするために "\" が付いていることがあります (例: {{ic|"2:14:ETPS\/2_Elantech_Touchpad"}})。設定に追加するときはエスケープを取り除いてください。 |
||
+ | |||
+ | アクセラレーションなど他のオプションについては次のコマンドで詳細を確認できます: |
||
+ | $ man sway-input |
||
+ | |||
+ | === カスタムキーバインド === |
||
+ | キーボードの[[特別なキーボードキー|特殊なキー]]を使ってコマンドを実行することができます。例えば、ボリュームや画面の明るさを制御するには: |
||
+ | {{hc|~/.config/sway/config|<nowiki> |
||
+ | bindsym XF86AudioRaiseVolume exec pactl set-sink-volume 0 +15% |
||
+ | bindsym XF86AudioLowerVolume exec pactl set-sink-volume 0 -15% |
||
+ | bindsym XF86AudioToggle exec pactl set-sink-mute 0 toggle |
||
+ | bindsym XF86MonBrightnessDown exec dsplight down 5 |
||
+ | bindsym XF86MonBrightnessUp exec dsplight up 5 |
||
+ | </nowiki>}} |
||
+ | |||
+ | == 既知の問題 == |
||
+ | |||
+ | === i3-dmenu-desktop を使う === |
||
+ | i3-dmenu-desktop を sway から直接使うことはできませんが、パッチが存在します: https://github.com/i3/i3/pull/2265/files 。残念ながら、特定の状況で i3 から使ったときにパッチが問題を起こすために、パッチがマージされることはありません。詳しくは次を参照: https://github.com/SirCmpwn/sway/issues/521 。 |
||
− | 実際に ''sway'' を使うには、tty に以下を入力します: |
||
+ | パッチは手動で適用することができます: |
||
− | $ sway |
||
+ | <nowiki>$ wget 'https://patch-diff.githubusercontent.com/raw/i3/i3/pull/2265.patch'</nowiki> |
||
− | テスト目的で ''sway'' を X セッションで起動したい場合、通常のプログラムとして実行したり、[[ディスプレイマネージャ]]から起動することもできます。 |
||
+ | # patch -p0 /usr/bin/i3-dmenu-desktop < 2265.patch |
||
== 参照 == |
== 参照 == |
||
* [https://github.com/SirCmpwn/sway Github プロジェクト] |
* [https://github.com/SirCmpwn/sway Github プロジェクト] |
||
+ | * [http://swaywm.org ウェブサイト] |
2016年4月30日 (土) 13:35時点における版
sway (SirCmpwn's Wayland window manager) は i3 の Wayland 版を作成しようという試みです。
目次
インストール
sway は sway パッケージでインストールできます (最新の git 開発版は sway-gitAUR でインストールできます)。i3 を既に使っている場合、i3 の設定を ~/.config/sway/config
にコピーすればそのまま動作します。i3 を使ったことがない場合は、サンプル設定ファイルを ~/.config/sway/config
にコピーしてください。サンプル設定ファイルは /etc/sway/config
にあります。ただし DFALLBACK_CONFIG_DIR
フラグが設定されている場合は存在しません。設定方法は sway(5) の man ページを見て下さい。
sway の起動
TTY から
TTY と sway
と入力すれば sway が起動します。
ディスプレイマネージャを使う
sway のセッションは /usr/share/wayland-sessions/sway.desktop
にあります。セッションは GDM によって自動的に認識されます。
X から
X セッションの中で通常のプログラムと同じように sway を起動してテストすることも可能です。
設定
キーマップ
デフォルトでは、sway は US QWERTY キーマップで起動します。次のようなコマンドで sway を起動することでキーマップを変更できます:
$ XKB_DEFAULT_LAYOUT=gb XKB_DEFAULT_VARIANT=colemak XKB_DEFAULT_MODEL=pc101 sway
上記のコマンドでは、101キーボードの英国キーマップの Colemak 配列に設定されます。
ディスプレイマネージャを使用している場合、sway.desktop
ファイルに上記の行を追加することはできません。root で、以下のファイルを作成してください:
/usr/bin/sway-gb-ck
#!/bin/sh XKB_DEFAULT_LAYOUT=gb XKB_DEFAULT_VARIANT=colemak XKB_DEFAULT_MODEL=pc101 sway
それから、上記のスクリプトを呼び出す sway-gb-ck.desktop
ファイルを作成してください:
/usr/share/wayland-sessions/sway.desktop
[Desktop Entry] Name=Sway British(Colemak) Comment=SirCmpwn's Wayland window manager with the British Colemak keyboard layout Exec=sway-gb-ck Type=Application
ステータスバー
ステータスバーを表示したいときは i3status プログラムをインストールするのが簡単です。sway の設定の末尾に以下のスニペットを追加するだけで表示できます:
~/.config/sway/config
bar { status_command i3status }
i3status をカラー出力させたい場合、i3status の設定の以下の部分を調整してください:
~/.config/i3status/config
general { colors = true interval = 5 }
どちらの例でも、システム全体にインストールされた設定ファイルはユーザーディレクトリにコピーされるので、それを修正してください。
壁紙
以下の行を sway の設定の最後に追加することで、全ての画面 ("*"
という名前にマッチする画面) で背景画像を設定できます:
~/.config/sway/config
output "*" background /home/onny/pictures/fredwang_norway.jpg fill
ファイルの名前やパスは適当に置き換えて下さい。
入力デバイス
特定の入力デバイスの設定を調整することができます。例えば、タッチパッドの tap-to-click を有効にするには、以下の input ブロックを追加:
~/.config/sway/config
input "2:14:ETPS/2_Elantech_Touchpad" { tap enabled }
デバイスの識別子は以下のコマンドで確認できます:
$ swaymsg -t get_inputs
上記のコマンドの出力には、"/" などの記号をエスケープするために "\" が付いていることがあります (例: "2:14:ETPS\/2_Elantech_Touchpad"
)。設定に追加するときはエスケープを取り除いてください。
アクセラレーションなど他のオプションについては次のコマンドで詳細を確認できます:
$ man sway-input
カスタムキーバインド
キーボードの特殊なキーを使ってコマンドを実行することができます。例えば、ボリュームや画面の明るさを制御するには:
~/.config/sway/config
bindsym XF86AudioRaiseVolume exec pactl set-sink-volume 0 +15% bindsym XF86AudioLowerVolume exec pactl set-sink-volume 0 -15% bindsym XF86AudioToggle exec pactl set-sink-mute 0 toggle bindsym XF86MonBrightnessDown exec dsplight down 5 bindsym XF86MonBrightnessUp exec dsplight up 5
既知の問題
i3-dmenu-desktop を sway から直接使うことはできませんが、パッチが存在します: https://github.com/i3/i3/pull/2265/files 。残念ながら、特定の状況で i3 から使ったときにパッチが問題を起こすために、パッチがマージされることはありません。詳しくは次を参照: https://github.com/SirCmpwn/sway/issues/521 。
パッチは手動で適用することができます:
$ wget 'https://patch-diff.githubusercontent.com/raw/i3/i3/pull/2265.patch' # patch -p0 /usr/bin/i3-dmenu-desktop < 2265.patch