RetroArch
RetroArch は libretro API のリファレンス実装です。これは、ビデオゲームシステムエミュレーター、ゲームエンジン、ビデオゲーム、メディアプレイヤーおよびその他のアプリケーション用のモジュール式フロントエンドであり、マルチパスシェーダーのサポート、リアルタイムの巻き戻し、ビデオの記録 (FFmpeg を使用) などのいくつかの一般的でない技術的な機能を提供します。また、フル機能のコマンドラインインターフェイスに加えて、ゲームパッド操作のUIも備えています。
インストール
retroarch パッケージをインストールしてください。あるいは開発版を使いたい場合は retroarch-gitAUR をインストールしてください。
使用方法
RetroArch は、その機能のほとんどを「コア」と呼ばれる個別のライブラリに依存しています。これらは、RetroArch 内で (libretro Buildbot を介して) ユーザーごとにダウンロードするか、Community または AUR からシステム全体に インストール することもできます。
デフォルトでは、RetroArchはダウンロードするユーザーごとのコアをロードするように構成されています。他の場所にインストールする場合は、#設定 を変更します。
特定のコアを実行するコマンドは次の通りです
$ retroarch --libretro /path/to/some_core_libretro.so /path/to/rom
設定
RetroArch を初めて実行すると、ユーザー設定ファイルが作成されます~/.config/retroarch/retroarch.cfg
。
RetroArch コンポーネントをホームディレクトリにインストールする場合は、コアをダウンロードするためのグローバル構成ファイルでローカルパスを指定する必要があります。例えば、
~/.config/retroarch/retroarch.cfg
libretro_directory = "~/.config/retroarch/cores" libretro_info_path = "~/.config/retroarch/cores/info"
RetroArch コンポーネントを pacman を使ってシステム全体にインストールする場合は、グローバル設定ファイルにユーザーファイルを設定してしてください。例えば、
/etc/retroarch.cfg
# for retroarch-assets-xmb assets_directory = "/usr/share/retroarch/assets" # for libretro-core-info libretro_info_path = "/usr/share/libretro/info" # for libretro cores libretro_directory = "/usr/lib/libretro"
~/.config/retroarch/retroarch.cfg
#include "/etc/retroarch.cfg"
設定を上書きしたい場合は (特定のコアを実行しているときなど) --appendconfig /path/to/config
コマンドラインオプションを使うことができます。
ヒントとテクニック
オンラインアップデーター を有効にする
pacman の代わりに組み込みのアップデータを使用して、すべての RetroArch コンポーネントをインストールする場合は、設定ファイルを使用して有効にすることができます:
~/.config/retroarch/retroarch.cfg
menu_show_core_updater = "true"
SaveRAM Autosave Interval の有効化
デフォルトでは、RetroArch はエラーなしで終了した場合のみ SRAM をディスクに書き込みます。つまり、クラッシュが発生しやすいコアを使用すると、セーブデータが失われるリスクがあります。この動作を変更するには、~/.config/retroarch/retroarch.cfg
を開いて、autosave_interval
に n を設定します。
~/.config/retroarch/retroarch.cfg
autosave_interval = "600"
上記の例では、RetroArch は SRAM の変更を600秒毎にディスクに書き込みます。
フィルターとシェーダー
RetroArch は BSNES XML filters と CG shaders をロードできます。これらはそれぞれ、retroarch.cfg
に video_bsnes_shader
と video_cg_shader
でそれぞれ設定されています。シェーダーは、オンラインアップデータを使用して、RetroArch 内で直接取得および更新することもできます。
設定をデフォルト値にリセットする
GUIを使用して、設定またはキーバインドをデフォルト値にリセットするには、ハイライト表示して、Start
を押します。キーバインドからボタンを削除するには、キーバインドをハイライト表示にして、Y
を押します。
トラブルシューティング
No cores found
デフォルトでは RetroArch は /usr/lib/libretro/
からコアを検索します。付属のオンラインアップデータでダウンロードされたコアは root で retroarch を実行しないと保存されません (推奨されません、pacman によってインストールされたコアを上書きしてしまう恐れがあります)。ユーザーではディレクトリを編集する権限がないためです。オンラインアップデータのコアを使うには、以下の行を編集してください:
~/.config/retroarch/retroarch.cfg
libretro_directory = "~/.config/retroarch/cores" libretro_info_path = "~/.config/retroarch/cores/info"
入力デバイスが使えない
RetroArch を CLI で実行したり Xorg 以外のディスプレイサーバーで実行すると問題が発生します。/dev/input
ノードは root だけがアクセスできるように制限されているためです。この問題は手動で KERNEL=="event*", NAME="input/%k", MODE="666"
という中身のルールを /etc/udev/rules.d/99-evdev.rules
に追加することで解決します。次を実行して udev ルールをリロードしてください:
# udevadm control --reload-rules
システムを再起動したりデバイスの再接続ができない場合、次のコマンドでパーミッションを強制的に設定することもできます:
# chmod 666 /dev/input/event*
ビデオパフォーマンスが悪い
ビデオパフォーマンスが低いのを補うために、~/.config/retroarch/retroarch.cfg
に video_threaded = true
と設定することで RetroArch を別のスレッドで実行することができます。
ただし、垂直同期が完全に使えなくなり、遅延が多少増えるため、RetroArch のビデオ解像度やリフレッシュレートを調整することで問題が解決する場合はこの手段は使わないほうが良いでしょう。
ALSA でのオーディオの問題
ALSA を使用する場合の audio_out_rate
は、システムのデフォルトの出力レートと一致させる必要があります。通常は、48000
です。
RetroArch がクラッシュするとセーブデータが失なわれる
#SaveRAM Autosave Interval の有効化 を参照してください。
プレイリストからゲームを開始したが、'No Items' と報告される
"libretro core requires contents, but nothing provided" と表示されたら、"Main Menu -> Load Content" から手動で ROM のパスを選んでゲームをロードしてみてください。「プレイリスト」からゲームを起動するのは信頼性が低いようです。
BIOS ファイルが見つからない、または認識されない
Retroarch のコアは、retroarch.cfg
内の system_directory
オプションで設定された場所に BIOS ファイルを探します。
GUI メニューの Settings > Directory > System/BIOS でもディレクトリが表示されます。
いくつかのコアは、ファイルをこのディレクトリに直接配置する必要があります。その他のコアは、特定の BIOS ファイルのために、このディレクトリ内に特定の名前のサブディレクトリが必要です。さらに、一部のコアは、実行しようとする ROM ファイルと同じディレクトリにファイルを探します。
インストールされている各コアは、必要なファイル、MD5 ハッシュ、および配置する必要があるディレクトリに関する情報を提供します。この情報は、GUI メニューの Settings > Core > Manage Core で確認できます。ここでコアを選択すると、この特定のコアに必要な BIOS ファイルに関する情報が表示されます。RetroArch は、コア情報ページでそれらを「ファームウェア」ファイルとして説明しています。
サポートされている多くのコアの BIOS ファイルに関する詳細な情報は、公式ドキュメントで確認できます。 [2]