Thunderbird
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Mozilla Thunderbird は肥大化を避けつつ、多機能でシンプルなメール、ニュースグループとニュースフィードのクライアントです。POP, IMAP, SMTP, S/MIME と (Enigmail 拡張による) OpenPGP による暗号化をサポートしています。Firefox と同じく、機能を追加するための様々な拡張とアドオンが揃っています。
インストール
公式リポジトリから thunderbird をインストールしてください。
他にも以下のパッケージが AUR にあります:
- thunderbird-esr-binAUR (長期サポート バージョン)
- thunderbird-beta-binAUR (Mozilla による 最新ベータ バージョン)
- thunderbird-nightlyAUR (nightly バージョン)
英語以外の言語を使うための、多数の言語パックが利用可能です。利用可能な言語パックのリストを確認するには:
$ pacman -Ss thunderbird-i18n
拡張機能
EnigMail - 暗号化
EnigMail は OpenPGP を用いて、メールの文章と受信を暗号化/署名する拡張機能です。GNU Privacy Guard (GnuPG) を利用しています。
addons.mozilla.org (Add-ons Manager
などを使う) もしくは AUR からインストールできます。どちらも2つのパッケージをインストールします: thunderbird-enigmailAUR と thunderbird-enigmail-binAUR。
公開鍵の共有
公開鍵を配布する方法は様々です。ひとつはネットワーク上の公開キーサーバに公開鍵をアップロードする方法があります。暗号化を使っている友達とキーを共有してもよいでしょう。
メールの暗号化
まず初めに、HTML を含むメールでは暗号化は適切に動かないことがあります。新規メールウィンドウから Options > Delivery Format > Plain Text Only を選んで暗号化メールは全てプレーンテキストにしてください。
メールを書き終えたら OpenPGP メニューから署名することができます。
メールの復号化
メールが適切に暗号化されていれば、メールを開いたときにポップアップウィンドウが開き、パスフレーズの入力を求めるはずです。
メール内の掲示情報と OpenPGP ヘッダの削除
デフォルトで、Enigmail は送信するメール内のヘッダや OpenPGP コメントフィールドに不必要な情報を付与します。これらの情報には Enigmail が使用されているという事と、そのバージョンが含まれます。どちらも設定エディタ (Edit -> Preferences -> Advanced -> General -> Config Editor
) を使って無効にできます。
メールヘッダー (X-Enigmail-version) を削除するには、extensions.enigmail.addHeaders
を false にしてください。
OpenPGP コメントを無効にするには、extensions.enigmail.useDefaultComment
を true にしてください。
送信者が Thunderbird を使用している事を知らせたくない場合、メールヘッダの user-agent を無効にするために general.useragent.enable_overrides
を有効にし、general.useragent.override
を空白で上書きしてください。
Lightning - カレンダー
Lightning は Sunbird の機能を Thunderbird へ移植したものです。Lightning を使用するには addons.mozilla.org か AUR の thunderbird-lightning-binAUR パッケージからインストールします。
FireTray - トレイアイコン
FireTray は Thunderbird にカスタマイズ可能なシステムトレイを追加する拡張機能です。addons.mozilla.org か AUR の thunderbird-firetrayAUR パッケージからインストールします。
Tips and tricks
デフォルトブラウザの設定
最近のバージョンの Thunderbird はシステムの MIME 設定によって定義されたデフォルトブラウザを使用します。デフォルトブラウザは Gnome Control Center (Gnome Control Center > Details > Default Applications > Web) (gnome-control-center パッケージに入っています) から修正することができます。
Thunderbird の Edit > Preferences > Advanced > General > Config Editor から network.protocol-handler.warn-external
を検索してデフォルトブラウザを上書きすることが可能です。
以下の3つの設定が全て false (デフォルト) に設定されている場合、true に変更すると、Thunderbird はリンクをクリックしたときに使用するアプリケーションを尋ねるようになります ("Remember my choice for .. links" にチェックを入れて下さい)。
network.protocol-handler.warn-external.ftp network.protocol-handler.warn-external.http network.protocol-handler.warn-external.https
プレーンテキストモードとフォントの統一
プレーンテキストモードは全てのメールを HTML レンダリングせずに表示します。View > Message Body As から変更することができます。デフォルトフォントは Monospace ですがフォントサイズはシステムの fontconfig 設定が継承されます。次の例では10ピクセルの Ubuntu Mono (ttf-ubuntu-font-family) で上書きします。
システムのフォントキャッシュを更新するために fc-cache -fv
の実行を忘れないでください。詳しくはフォント設定を見てください。
~/.config/fontconfig/fonts.conf
<?xml version="1.0"?> <!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd"> <fontconfig> <match target="pattern"> <test qual="any" name="family"><string>monospace</string></test> <edit name="family" mode="assign" binding="same"><string>Ubuntu Mono</string></edit> <!-- For Thunderbird, lowering default font size to 10 for uniformity --> <edit name="pixelsize" mode="assign"><int>10</int></edit> </match> </fontconfig>
ウェブメールと Thunderbird
上流 Wiki を見てください: Using webmail with your email client
エクスポート + インポート
インポートやエクスポートを始める前に、~/.thunderbird
プロファイルをバックアップしてください:
$ cp -R ~/.thunderbird /to/backup/folder/
アカウントが壊れてしまっている場合や別の環境に Thunderbird をインストールしたい場合、Import and Export アドオン (例: ImportExportTools AddOn) をインストールして全てのデータをエクスポートして新しい環境にデータをインポートするのが良いでしょう。
トラブルシューティング
LDAP Segfault
LDAP を使ってユーザー設定を取得するように設定したシステムで LDAP がクラッシュ (Bugzilla#292127) することがあります。衝突する LDAP ライブラリの名前を変更することで 解決 できます。
Error: Incoming server already exists
Thunderbird (v24) には削除したアカウントを同じアカウントデータで再インストールしようとすると "Incoming server already exists" と表示するバグが存在します。残念ながら、このエラーが表示される場合は Thunerbird を再インストールするしかありません:
1. プロファイルのバックアップを作成:
$ cp -R ~/.thunderbird /to/backup/folder/
2. 全てのアカウントとカレンダー、フィードをアドオンでエクスポート。
3. Thunderbird をアンインストール:
# pacman -R thunderbird
4. Thunderbird フォルダ rm -R ~/.thunderbird/
を削除して全てのデータを消去。
5. Thunderbird を再度インストール:
# pacman -S thunderbird
6. メールアカウント、フィード、カレンダーを作成。
7. ImportExportTools アドオンをインストール。
8. 全てのデータをインポート。