systemd-timesyncd
2014年12月30日 (火) 09:27時点におけるimported>3EDによる版 (add pl language link)
systemd メーリングリスト より:
- systemd-timesyncd はネットワークを介してシステム時刻を同期させるために追加されたデーモンです。SNTP クライアントが実装されています。chrony や NTP リファレンスサーバーなどの NTP 実装とは対照的に、timesyncd はクライアント側しか実装しておらず、完全な NTP の複雑性に悩むことなく、リモートサーバーに時刻を問い合わせてそれにローカルクロックを同期させることだけに焦点を置いています。NTP をネットワークのクライアントに提供したりローカルのハードウェアクロックに接続したいのでなければ、このシンプルな NTP クライアントだけでほとんどの場合は十二分に間に合います。デーモンは最小権限で動作し、networkd と紐付けられることでネットワーク接続が有効なときだけ同期を行います。Raspberry Pi や組み込みデバイスなどの RTC を載せてないシステムのために、新しい NTP の同期が取得される度にディスクに現在の時刻を保存し、それを使って起動時にシステム時刻を修正することができ、時刻が常に正しいわけではないときでも、それらのシステムで時刻がモノトニックに進むことを保証します。このデーモンを利用するには systemd のインストール時に新しいユーザーとグループ "systemd-timesync" を作る必要があります。
インストール
systemd-timesyncd サービスは systemd 213 から利用することができます。サービスを起動・有効化するには:
# timedatectl set-ntp true
設定
起動すると、systemd-timesyncd は /etc/systemd/timesyncd.conf
から設定を読み込むます。systemd 217 現在、設定ファイルは以下のようになっています:
/etc/systemd/timesyncd.conf
[Time] #NTP= #FallbackNTP=0.arch.pool.ntp.org 1.arch.pool.ntp.org 2.arch.pool.ntp.org 3.arch.pool.ntp.org
時刻サーバーを追加したり変更するには、適当な行をアンコメントして、空白で区切られたホスト名か IP を記述してください。例えば、NTP プールプロジェクト によって提供されているサーバーやデフォルトの Arch のサーバーを使うことができます (こちらも NTP プールプロジェクトによって提供されています):
/etc/systemd/timesyncd.conf
[Time] NTP=0.arch.pool.ntp.org 1.arch.pool.ntp.org 2.arch.pool.ntp.org 3.arch.pool.ntp.org FallbackNTP=0.pool.ntp.org 1.pool.ntp.org 0.jp.pool.ntp.org
デーモンの設定だけでなく、systemd-networkd の設定の NTP=
オプションを使ったり、動的に、DHCP サーバーを使うことで提供される NTP サーバーもあります (systemd 216 から)。
使用される NTP サーバーは以下のルールによって決まります:
systemd-networkd.service(8)
の設定や DHCP によるインターフェイスごとの NTP サーバーが優先されます。/etc/systemd-timesyncd.conf
に定義された NTP サーバーは実行時にインターフェイスごとのリストに追加され、デーモンはサーバーのどれかが応答するまで通信を行います。- 以上の手順を踏んでも NTP サーバーの情報がまったく得られなかったとき、
FallbackNTP=
に定義された NTP サーバーのホスト名や IP アドレスが使われます。