Thunderbird
Mozilla Thunderbird は肥大化を避けつつ、多機能でシンプルなメール、ニュースグループとニュースフィードのクライアントです。POP, IMAP, SMTP, S/MIME と (Enigmail 拡張による) OpenPGP による暗号化をサポートしています。Firefox と同じく、機能を追加するための様々な拡張とアドオンが揃っています。
インストール
thunderbird パッケージをインストールしてください。必要であれば 言語パック もインストールしてください。
他のバージョン:
- Thunderbird Beta — 比較的安定していながら最新の機能を搭載。
- Thunderbird Earlybird — 開発途上の最新機能を搭載 (アルファバージョンあるいは Firefox Aurora リリースと同等)。
- Thunderbird Nightly — ナイトリーリリースの最新版 (破壊を求める人向け)。
- https://ftp.mozilla.org/pub/mozilla.org/thunderbird/nightly/latest-comm-central/ || thunderbird-nightlyAUR
バージョンに関する詳細は Mozilla wiki で確認できます。
拡張機能
- Enigmail — OpenPGP 標準に基づくメールの署名・暗号化を使うための拡張。
- https://www.enigmail.net || thunderbird-enigmailAUR[リンク切れ: 置換パッケージ: thunderbird-extension-enigmail], thunderbird-enigmail-binAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]
- TorBirdy — Tor 匿名ネットワークを介して Thunderbird で接続するための拡張。
- TorBirdy AMO ||
- FireTray — Thunderbird にカスタマイズ可能なシステムトレイを追加。
- FireTray AMO ||
- Lightning AMO || thunderbird-lightning-binAUR[リンク切れ: パッケージが存在しません]
- SOGo Connector — CardDAV で連絡先を同期。
- Cardbook — CARDDav と VCARD 標準に基づく Thunderbird の新しいアドレス帳。
- Cardbook AMO ||
ヒントとテクニック
設定エディタ
Thunderbird の細かい設定は Edit > Preferences > Advanced > General > Config Editor から行うことができます。
デフォルトブラウザの設定
最近のバージョンの Thunderbird はシステムの MIME 設定によって定義されたデフォルトブラウザを使用します。デフォルトブラウザは Gnome Control Center (Gnome Control Center > Details > Default Applications > Web) (gnome-control-center パッケージに入っています) から修正することができます。
Thunderbird の Edit > Preferences > Advanced > General > Config Editor から network.protocol-handler.warn-external
を検索してデフォルトブラウザを上書きすることが可能です。
以下の3つの設定が全て false (デフォルト) に設定されている場合、true に変更すると、Thunderbird はリンクをクリックしたときに使用するアプリケーションを尋ねるようになります ("Remember my choice for .. links" にチェックを入れて下さい)。
network.protocol-handler.warn-external.ftp network.protocol-handler.warn-external.http network.protocol-handler.warn-external.https
プレーンテキストモードとフォントの統一
プレーンテキストモードは全てのメールを HTML レンダリングせずに表示します。View > Message Body As から変更することができます。デフォルトフォントは Monospace ですがフォントサイズはシステムの fontconfig 設定が継承されます。次の例では10ピクセルの Ubuntu Mono (ttf-ubuntu-font-family) で上書きします。
システムのフォントキャッシュを更新するために fc-cache -fv
の実行を忘れないでください。詳しくはフォント設定を見てください。
~/.config/fontconfig/fonts.conf
<?xml version="1.0"?> <!DOCTYPE fontconfig SYSTEM "fonts.dtd"> <fontconfig> <match target="pattern"> <test qual="any" name="family"><string>monospace</string></test> <edit name="family" mode="assign" binding="same"><string>Ubuntu Mono</string></edit> <!-- For Thunderbird, lowering default font size to 10 for uniformity --> <edit name="pixelsize" mode="assign"><int>10</int></edit> </match> </fontconfig>
ウェブメールと Thunderbird
上流 Wiki を見てください: Using webmail with your email client
他の環境にプロファイルを移行
インポート・エクスポートを行う前に ~/.thunderbird
プロファイルのバックアップを作成してください:
$ cp -R ~/.thunderbird /to/backup/folder/
現在の Thunderbird プロファイルを他の PC にコピーすることで移行することができます:
1. 移行先の PC に Thunderbird をインストール。
2. Thunderbird を起動して何もせずに終了。
3. バックアップを移行先のプロファイルフォルダ ~/.thunderbird/<newrandomnumber>.default/
にコピー:
$ cp -R /to/backup/folder/.thunderbird/<oldrandomnumber>.default/* ~/.thunderbird/<newrandomnumber>.default/
エクスポート + インポート
インポートやエクスポートを始める前に、~/.thunderbird
プロファイルをバックアップしてください:
$ cp -R ~/.thunderbird /to/backup/folder/
アカウントが壊れてしまっている場合や別の環境に Thunderbird をインストールしたい場合、Import and Export アドオン (例: ImportExportTools AddOn) をインストールして全てのデータをエクスポートして新しい環境にデータをインポートするのが良いでしょう。
デフォルトのソート順を変更
デフォルトで Thunderbird は日付の古い順でメールをソートし、スレッドにまとめません。フォルダごとにソート方法を変えることはできますが、Superuser.com の投稿 で説明されているようにデフォルト設定を変えるほうが楽です。
設定エディタで以下を設定してください:
mailnews.default_sort_order = 2 (降順) mailnews.default_view_flags = 1 (スレッドビュー)
Maildir のサポート
デフォルトではメッセージの保存形式として mbox が使われます。Maildir を使用する方法は Mozilla wiki: Thunderbird/Maildir を見てください。基本的には設定エディタで以下の設定が必要です:
mail.serverDefaultStoreContractID = @mozilla.org/msgstore/maildirstore;1
ただしサポートされているのは "tmp" と "cur" ディレクトリだけです。"new" ディレクトリは完全に無視されます。メールの既読状態は別の ".msf" ファイルに保存されるため、Maildir を使用した場合、たとえ "cur" ディレクトリにメールがあったとしてもローカルメールは最初未読状態になります。
スペルチェック
hunspell と hunspell の辞書 をインストールして Thunderbird を再起動してください。
Firefox#Firefox がデフォルトのスペルチェック辞書を記憶しないも参照。
ネイティブの通知
設定エディタで mail.biff.use_system_alert
を有効にしてください。新しいバージョンの Thunderbird では (Gnome Integration などの) 拡張は不要です。
トラブルシューティング
LDAP Segfault
LDAP を使ってユーザー設定を取得するように設定したシステムで LDAP がクラッシュ (Bugzilla#292127) することがあります。衝突する LDAP ライブラリの名前を変更することで 解決 できます。
Error: Incoming server already exists
Thunderbird (v24) には削除したアカウントを同じアカウントデータで再インストールしようとすると "Incoming server already exists" と表示するバグが存在します。残念ながら、このエラーが表示される場合は Thunerbird を再インストールするしかありません:
1. プロファイルのバックアップを作成:
$ cp -R ~/.thunderbird /to/backup/folder/
2. 全てのアカウントとカレンダー、フィードをアドオンでエクスポート。
3. Thunderbird をアンインストール:
# pacman -R thunderbird
4. Thunderbird フォルダ rm -R ~/.thunderbird/
を削除して全てのデータを消去。
5. Thunderbird を再度インストール:
# pacman -S thunderbird
6. メールアカウント、フィード、カレンダーを作成。
7. ImportExportTools アドオンをインストール。
8. 全てのデータをインポート。
新しいメッセージの受信時に Thunderbird の UI がフリーズする
新しいメッセージが到着したときや起動時にアラートを表示するように Thunderbird を設定している場合、通知デーモンが存在しないためにインターフェイスがしばらくフリーズすることがあります (白画面)。アラートを無効にするか通知サーバーをインストールすることで問題は解決します。